太田 雅幸様

IFAの皆様に、それぞれのキャリアや投資に関する考え方、日々の業務についてをインタビューする連載コラム。

今回のIFA個人インタビューは、太田 雅幸様です。

ライブドアショック、リーマンショックという二度の厳しいショックを、証券会社の営業として経験した太田様。今はCSアセットのIFAとして、富裕層を中心にアドバイスを行っています。どのような提案をされているのか、伺ってみました。

目次

金融業界を選んだ理由を教えてください。

大学の時に所属していたゼミが、日経主催、野村協賛の「STOCKリーグ」という、仮想で半年間ほど、株式投資の運用成績を競うイベントに常連で参加しているゼミでした。その時、初めて株式投資について学び、個人で株式のデイトレードを経験するなど株式投資に興味があったので、証券会社を志望しました。

STOCKリーグに参加していた当時、かれこれ20年くらい前になるのですが、立命館大学の琵琶湖草津キャンパスというのどかなところで株式を買ったり売ったりしていたのを覚えています。

実際に証券会社で働いてみて、学生時代に思っていたイメージとのギャップはありましたか。

証券会社の仕事は、基本的にノルマに追われます。私が入社したのが2006年で、いきなりライブドアショックがあり、その後にリーマンショックというように、証券会社時代のほぼ半分は、お客様にクレームを言われながらノルマをこなしていたような時期でした。自分の理想とは大きく違うと思いながら、仕事に励んでいたのは事実です。

どのような経緯でCSアセットに入社されたのでしょうか。

証券会社は基本的にプロダクト・プッシュ型の営業であり、それは私が勤務していた証券会社も例外ではありません。まず「商品ありき」なのです。

でも、自分の周りやお客様に話を聞くと、そこにはちゃんと資産運用のニーズがあるのです。ですから、そのニーズを汲み取れるような営業をすれば良いのに、証券会社はだいぶ的外れなことをやっているという印象を強く持つようになりました。

そんなことを考えていた時に、IFAのことが新聞などメディアを賑わせるようになり、私の証券会社の後輩が、CSアセットに移籍したのです。それで私も、会社の都合に縛られず、自由に活動できるIFAになることを考え始めました。

今の仕事内容を教えていただけますか。

仕事の内容自体は、証券会社時代と大きく変わりませんが、会社都合で売らなければならない商品は完全に無くなりました。逆にお客様にお勧めする商品選定を自分で考える必要がありますので、情報収集や証券会社との交渉事などは増えました。

仕事のやりがいはどういう時に感じますか。

お客様から近親者や知人をご紹介していただいた時や、私と対話をすることで、今まで株式投資や経済に無関心だった方が、それらに関心を持つようになった時です。自分の存在意義を改めて実感します。

仕事をする上でのこだわりはありますか。

常に分かりやすく話すことを念頭に置いて、お客様に接しています。投資信託や債券など、金融機関で販売している販売用資料や、お客様に配るレポートは、普段の生活で接することがない言葉を使っていたりしますので、そこを誰もが理解できる言葉にかみ砕く必要があります。

お客様へのご提案やマネーセミナーなどで用いる資料も、少しでも分かりやすくなるように工夫をして、作るようにしています。

お客様はどのような方がいらっしゃいますか。

年齢だと60才以上の資産家が中心です。預かり資産の額も数千万円単位、なかには1億円を超えている方もいらっしゃいます。職業は経営者だけでなく年金生活者、ドクター、農家の方などもいらっしゃいます。最初は異業種交流会などに参加して、そこで仲良くなった人を介してお客様をご紹介いただくことが結構ありました。

相談内容はどのようなことが多いのですか。

ある程度資産を持っていても、資金の大半を預金に置いている方が結構いらっしゃいます。そういう方からは余裕資金の運用法について相談を受けますし、20代、30代の若いお客様からは、運用に回せる資金は少ないのですが、それでも運用したいというニーズは強く、「ポートフォリオの構築について何か良い方法はありませんか」といった相談を受けます。

どのような提案をしていらっしゃるのですか。

これまでは外債運用が多かったのですが、最近は利回りが低いので、米国株式や米国株式のETFに切り替えてもらっています。あとは投資信託の積立です。つみたてNISAという非課税制度もあるので、それらを活用してほぼ全てのお客様に投信積立を行ってもらっています。

最近は、ファンドラップも取り扱うようになったので、より多様なご提案が出来ると思います。資産クラス分散でリスクを軽減しながら長期の資産形成をするうえで、コストを抑えたファンドラップは適していると思います。

投資のアイディアはどのように発掘するのですか。

日経新聞やヴェリタスに目を通すのはもちろんですが、平日は1人で事務所にいることが多いので、BGM代わりに日経CNBCを映したままにしています。

また同業者と情報交換をしたり、IFAの先駆者の書籍を読んだりして、ノウハウや考え方を、学んでいます。

今後の金融業界はどうなっていくとお考えでしょうか。

銀行と証券会社の数が減少していくでしょう。地方銀行の統合が進むでしょうし、証券会社も中堅が統合し、社数が減少するでしょう。同時に証券会社で働いている社員が減り、IFAに転じる人が増えると思います。

かつては富裕層ビジネスといえばプライベートバンクでしたが、そこに行かず、自分たちでIFA法人を立ち上げる人が増えているのは、時代の流れがIFAに向かっている証拠ではないでしょうか。

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