- 災害死亡保険金がどのようなものかわからない
- 災害死亡保険金が出る条件について知りたい
- 災害に備えた死亡保険の選び方が知りたい
災害死亡保険金という言葉に聞き覚えはあるだろうか。
自然災害が頻発する現在の日本では、災害によって加入者(被保険者)が死亡した場合に災害死亡保険金が家族へ振り込まれる死亡保険の需要が高まっている。
ただ、実際に災害が起きた時に保険金が振り込まれるのか、心配になっている方も多いのではないか。
そこで本記事では、災害死亡保険金の概要と支払われる条件、災害に備えて保険を選ぶ際のポイントについて解説する。
災害に備えて保険に加入したいと考えている方は、参考にしてもらいたい。
災害死亡保険金とは
日本は地震大国と言われるほど地震の多い国だ。
気象庁の「令和4年(2022 年)の地震活動について」(※1)によると、国内で被害をともなった地震は全部で7回あった。
そのうち一回の福島県沖で発生した地震では、死者や行方不明者も出た。
南海トラフ地震が起きる可能性についても度々言及されており、いつ地震による被害を受けてもおかしくない状況である。
また、中小企業庁の「我が国における自然災害の発生状況」(※2)によると、1時間降水量50mm以上の年間発生回数は、右肩上がりに上昇し続けている。
地震や降水などの災害と隣り合わせなのが日本だ。
実際、2011年に発生した東日本大震災では多くの犠牲者が出た。
たくさんの方が亡くなり、生活が苦しくなった方もいるだろう。
いつ起こるかわからない災害に経済的な面から備える手段として、災害死亡保険金が挙げられる。
ここでは、災害死亡保険金の概要について詳しく紹介していこう。
災害死亡保険金の概要
災害死亡保険金とは、災害や不慮の事故、所定の感染症によって被保険者が死亡した場合に支払われる死亡保険金のことだ。
傷害特約や災害割増特約などを付加している場合、主契約の死亡保険金に加えて災害死亡保険金が支払われる。
対象となる災害や感染症
地震や台風などの自然災害や火災などの被害に遭った際、災害死亡保険金の給付対象となる。
災害のほかに感染症も給付の対象だ。災害死亡保険金の給付対象となる感染症は以下の通りだ。
感染症名 | エボラ出血熱 クリミア・コンゴ出血熱 重症急性呼吸器症候群(SARS) 痘そう(天然痘) ペストマールブルグ病 ラッサ熱 急性灰白髄炎(ポリオ) コレラ 細菌性赤痢 ジフテリア 腸チフス パラチフス 腸管出血性大腸菌感染症(O-157など) など |
また、不慮の事故も給付対象になるケースがある。急激・偶発・外来の定義を満たした際、不慮の事故として認められる。それぞれの定義は以下のとおりだ。
用語 | 定義 |
急激 | 事故から障がいの発生までの経過が直接的で、時間的間隔のないことをいいます。 (慢性、反復性、持続性の強いものは該当しません。) |
偶発 | 事故の発生または事故による傷害の発生が被保険者にとって予見できないことをいいます。 (被保険者の故意にもとづくものは該当しません。) |
外来 | 事故が被保険者の身体の外部から作用することをいいます。 (身体の内部的原因によるものは該当しません。) |
交通事故や高所からの転落、スポーツ中の事故などによって亡くなった場合は、死亡保険金が支払われる。
ただ、被保険者の故意または重大な過失による事故は免責事由に該当するため、保険金を受け取れない。
どんな保険についてくるものか
災害死亡保険金を受け取れる災害割増特約は、さまざまな保険で付加することができる。
オプションとして自動的にセットになっている商品もある。
災害割増特約を付加できる可能性があるのは以下のとおりだ。
- 定期保険
- 終身保険
- 傷害保険
- 学資保険
- 個人年金保険
さまざまな保険で付加できる可能性があることがわかるだろう。
災害や感染症による死亡に備えたい場合は、災害割増特約も選択肢の一つだ。
災害死亡保険金が支払われる条件
通常の死亡保障に加えて保険金が支払われる災害死亡保険金。
どのような条件で支払われるのかわからない方も多いだろう。ここでは、災害死亡保険金が支払われる条件を解説する。
自然災害に対する特約が必要
災害死亡保険金を受け取りたい場合、自然災害に対する特約を付加する必要がある。
災害割増特約を付加しておくと、地震や津波による死亡、あるいは所定の高度障害状態になったとき、死亡保険金に加えて割増保険金が支払われる仕組みだ。
自然災害だけではなく、特定の伝染病や感染症、交通事故も対象となる。特約はあくまでオプションなので、主契約の満期を迎えると保障期間が終了してしまう点に注意しておこう。
保険金が増える条件とは
特約の責任開始期以後に不慮の事故や災害、感染症によって、死亡したり、高度障害状態になったりした場合、災害死亡保険金が支払われる。
対象となる感染症や事故の種類は保険会社や商品によって異なるため、加入前の確認が必須だ。
支払われない事例
災害死亡保険金には、支払われない事例もある。
保険会社ごとに設定しているので、いくつか確認しよう。
保険会社 | 支払わないケース |
大樹生命 | 1. 契約者または被保険者の故意または重大な過失によるとき 2. 災害死亡保険金の受取人の故意または重大な過失によるとき 3. 被保険者の犯罪行為によるとき 4. 被保険者の精神障害を原因とする事故によるとき 5. 被保険者の泥酔の状態を原因とする事故によるとき 6. 被保険者が法令に定める運転資格を持たないで運転をしている間に生じた事故によるとき 7. 被保険者が法令に定める酒気帯び運転またはこれに相当する運転をしている間に生じた事故によるとき 8. 地震・噴火・津波または戦争その他の変乱 |
楽天生命保険 | ・契約者、被保険者、保険金受取人の故意または重大な過失 ・被保険者の犯罪行為 ・被保険者の精神障害の状態を原因とする事故 ・被保険者の泥酔の状態を原因とする事故 ・被保険者が法令に定める運転資格を持たないで運転している間に生じた事故 ・被保険者が法令に定める酒気帯び運転またはこれに相当する運転をしている間に生じた事故 |
基本的に被保険者が故意に事故を起こしたり、過失があったりした際には災害死亡保険金は支払われない。
道路交通法に違反した状態で運転して事故を起こした場合、災害死亡保険金の給付対象外だ。
また、大樹生命では地震・噴火・津波または戦争その他の変乱も給付対象から外れている。
保険会社ごとに給付対象となる項目が異なるため、加入前に必ずチェックしておこう。
災害死亡保険金について理解できたら!災害への備えと保険選びのポイント
災害死亡保険金の仕組みや条件について把握できただろう。
続いて災害への備えと保険選びのポイントを紹介する。
保険選択時に考慮すべき要素や保険会社選びにおける3つの視点、保険契約前に確認すべき事項を解説しているので、ぜひ参考にしてほしい。
保険選択時に考慮すべき要素
保険を選ぶ際、いきなり商品選びを始めるのは良くない。
保険商品の種類は非常に多く、手当たり次第に見ていくと時間がかかるからだ。
最悪の場合、保険選びを妥協し、相性の良くない保険を契約してしまう恐れもある。
そうならないために、保険選択時には以下の内容を考えてほしい。
- 加入目的
- ライフプラン
- 保障内容
- 保険料
- 特約やオプション
- 期間
保険に加入する目的やライフプランは必ず整理しておこう。
目的やライフプランが明確であれば、必要な保障内容が見えてくるからだ。
該当しない商品は削れるため、一気に選びやすくなる。
また、保障内容や保険料も大事な要素だ。
どのようなシチュエーションが保障対象なのか、万が一の場合にどのくらいの金額が支払われるのかなど、商品によって大きく異なる。
一般的には保障内容が手厚くなると、保険料は高くなる。
家計にとって負担が重くなりすぎないよう、保障内容と保険料のバランスを意識しよう。
商品によっては特約やオプションも付加できる。
主契約の保険以上に保障を手厚くしたい場合は、特約やオプションも一つの選択肢だ。
保険会社選びにおける3つの視点
保険会社選びは非常に重要である。保険会社選びに失敗すると、万が一の場合にスムーズに保険金が支払われなかったり、保険会社が破綻してしまったりするからだ。
保険会社を選ぶ際は、以下の3つの視点を大事にしてほしい。
- 信頼性
- 顧客からの評価
- 扱っている商品
最も大事なのは保険会社の信頼性だ。保険会社が破綻すると、資産を失う恐れがあるからだ。
生命保険契約者保護機構によって破綻時点の補償対象契約の責任準備金等の90%まで補償されるが、資産が減少することに変わりない。
経営が安定している会社を選ぶのが鉄則だろう。
会社の信頼性を確認したい場合は、ソルベンシー・マージン比率を見てほしい。
ソルベンシー・マージン比率は、保険会社の財務健全性を示す指標の一つだ。
その安定的な経営状況やリスク対応能力を示している。保険会社が持つ資本(資本的な余力)がどれだけのリスクをカバーできるのかを示す比率であり、高いほど、保険会社の経営が安定していると判断される。
人気の生命保険会社のソルベンシー・マージン比率は以下のとおりだ。
また、顧客からの評価も非常に重要である。「手続きがスムーズだった」「担当者が丁寧だった」「説明がわかりやすい」などの評価だけではなく、「担当者の説明がわかりにくかった」「申請から支払いまで遅かった」などの悪い評価もあるだろう。
顧客からの口コミも参考にしてみよう。
そして、扱っている商品も選ぶ基準だ。保険会社ごとに得意な領域は異なる。
定期保険やがん保険、個人年金保険、学資保険など、希望する保険商品に合わせて保険会社を選ぼう。
インターネット申込や申請が可能かどうかで選ぶのも選択肢である。
店頭に行く必要がないため、金融機関の開いている平日に休めない方には特におすすめだ。
インターネット申し込みの方が人件費がかかっていない分、店頭契約よりも保険料が安い傾向にある。
保険契約前に確認すべき事項
保険会社と保険商品が決まったら、必ず確認しておくべき事項がある。
- 保険金の給付対象
- 保障の対象外となるケース
どのようなケースで保険金が支払われるのかについて必ず確認しておこう。
保険は申請しないと適用されない。
どのようなシチュエーションで適用されるか把握しておかないと、保険金を受け取り損ねる恐れがある。
また、対象外となるケースについてのチェックも欠かせない。
商品によっては怪我や病気でも適用されないケースもあるからだ。
保険金の給付対象や保障の対象外となるケースについては、必ず確認しておこう。
自然災害や火災の被害、感染症は災害死亡保険金の給付対象となる
本記事では、災害死亡保険金の概要と支払われる条件、そして災害に備えて保険を選ぶ際のポイントについて解説した。
災害だけでなく、感染症でも支払われる可能性がある災害死亡保険金は、特約で付与することで私たちの生活を保障してくれる。
しかし、この判断には豊富な専門知識が必要になるため、一人では難しいと感じた時には保険のプロに相談することも積極的に検討しよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な保険を的確に判断することができるはずだ。
また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。
「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。
気になった担当者とは無料相談もできるので、是非活用してほしい。