- 共済の仕組みや特徴を知りたい
- 保険と共済の違いやそれぞれのメリットを知りたい
- 自分に適した共済の選び方を知りたい
保険に似た保障商品として、共済組合が取り扱う「共済」は保険に比べ安価であり保障内容もシンプルで分かりやすいことはご存じだろうか?
今、生命保険に加入を考えているのならば、もしかしたらあなたには共済が向いている可能性もあるので、比較してみても良いかもしれない。
場合によっては、保険と共済を組み合わせて併用するという方法もある。
本記事では、共済の特徴やメリット、保険との違い、そして自分に適した共済や保険の選び方について分かりやすく解説する。
共済と保険それぞれについて正しく理解することで、どちらを利用すべきか判断するための参考にしてほしい。
共済と保険の違いを知る前に!共済の基本
共済について耳にしたことはあっても、何なのかをはっきりと説明することができない人も多いかもしれない。
そこで、まずは共済について、特徴やメリット・デメリットなど、その基本から解説していく。
共済の仕組み
「共済」とは、組合員が掛金を出し合い、お互いに生活で起こりうる経済的損失のリスクを、共済金(=保険でいう保険金に該当)で助け合う制度である。
保険会社で販売している保険に似ているが、共済組合では保険ではなく「共済」と呼ぶ。
保険同様に、生活の中での「もしも」に備えるという目的を持っている点は同じである。
共済組合に加入するというのは、「都道府県民共済(県民共済)」や「JA共済」などの協同組合の組合員に出資金を払ってなることが必要である(※一部、員外利用という組合員出なくても利用できるケースもある。)。
共済には様々な協同組合があるのだが、有名な4つの組合を紹介しよう。
- 都道府県民共済(県民共済):運営「都道府県民共済グループ(全国生活協同組合連合会)」
- こくみん共済(全労災):運営「全国労働者共済生活共同組合連合会」
- コープ共済:運営「日本コープ共済生活協同組合連合会」
- JA共済:運営「全国共済農業協同組合連合会」
なんとなく名前を聞いたことがある組合もあるのではないだろうか?
共済の特徴
共済の特徴として、保険でいう保険料にあたる「掛金」が安く加入しやすいという特徴がある。
また、年齢で金額が変わったりもせずに、一律だというのも大きな特徴かもしれない。
保障内容は、保険のようにカスタマイズができる自由度は低く、パッケージ商品となっており、その中から選ぶ。柔軟に保障内容を作っていくようなことは出来ない。
基本的に、掛金が手頃なので、生命保険の保険金に比べると、支払われる共済金は少ない。
そのため、共済のみの加入の場合、状況によっては保障内容が足りないなどの事態になることも十分にあり得る。
手頃で分かりやすい保障商品が共済であり、この特徴を理解した上で加入を検討する必要があるだろう。
共済のメリットとデメリット
保険に似ているようで非なるものである共済。そのメリットとデメリットを確認してみたい。
- 金銭的負担が小さい
- 掛金が手頃であり、月々1,000〜2,000円程度で加入できる共済が多い。それに加え、掛金も一律なので年齢が高いという理由で高い掛金負担が必要になることもない。把握しやすいというメリットにも繋がる。
- 割戻金がある
- 非営利事業とはいえ、掛金の運用は行っている。そして、仮に決算で剰余金が発生すると「割戻金」という名目で組合員に一定の割合の金額が戻ってくる仕組みになっている。割戻金を受け取れた際は、実質的にかなり安い掛金で保障を受けることができることになる。
- 商品がパッケージなので素人にも分かりやすい
- 生命保険の場合、多くの保険会社がそれぞれ沢山の保険商品を販売している。オプションとしてつけることができる特約なども含め、非常に多くの選択肢があり、選ぶこと自体が素人には難しい。それにくらべ、共済はパッケージ商品なので、保障内容を比較しやすい。
- 保障される共済金が少ない
- 共済は非営利で運営されており、掛金も手頃なので、保障内容は手厚いとは言えない場合がある。いざという時に受け取ることができる共済金だけでは足りないというケースもあるだろう。保障額には注意したい。
- 貯蓄型が少ない
- 終身保険に代表されるような積み立てていくタイプの商品が非常に少ない。そのため、もしそういった商品を共済に求めるのなら、かなり限られた選択肢から選ぶ必要がある。
- 自分に合わせてカスタマイズするには向かない
- パッケージ商品である共済は、内容を組んだり特約を付加するなどの自由度が低い。そのため、目的にピッタリの保障内容を見つけづらい。
- 場合によっては負担が大きい
- 若いうちは、保険であれば保険料が安いというのは業界のセオリーだ。しかし、掛金が一律である共済は、基本的に安く加入できるのだが、その分若者にとっては相対的に負担増となる場合がある。
以上は、メリット・デメリットの代表的なものだ。このような共済の性質を知った上で、賢く利用してほしい。
共済と保険の比較
共済についてその基本を確認できたところで、改めて保険との違いについて説明していく。
それぞれの違いを理解すれば、より適切な保障を選ぶことに繋がるだろう。
仕組みの違い
生命保険の監督官庁は金融庁なのだが、共済は厚生労働省かJA共済については農林水産省となっている。
根拠法令も、生命保険は保険業法だが、共済はそれぞれの協同組合法となっている。このように、制度の成り立ちがそもそも違う。
営利目的の保険は誰でも加入可能であるが、非営利の共済は組合員とその家族しか加入できない。
以上のように、制度を支える仕組みが違うので、使われる用語も違ってくる。
保険で言う「保険料」が「掛金」、「保険金」が「共済金」、「契約者」が「加入者」、「配当金」が「割戻金」という具合だ。
ただし、使われている単語は違うが、このように対象となる言葉はほとんど同じような意味合いを持つので、難しく考えなくて大丈夫である。
掛金と保険料の違い
共済は、商品がシンプルで分かりやすいのが特徴なのだが、それは払い込むお金である掛金についても言える。
年齢に関係なく、加入者が支払う掛金は一律である。これは、年齢が上がるにつれ保険料が上がっていく生命保険との大きな違いだ。
また、多くの商品が月々1,000〜2,000円という比較的安価な設定となっている。
保障内容や特約により複雑に変化する生命保険と比べると、安いと言える。また、保険は加入時は安価であっても、更新の際は年齢に応じた保険料に上がってしまう商品が多い。
共済にはこのようなこともないので、費用の把握がしやすいと言えるだろう。
保障内容の違い
生命保険は基本的に保障が手厚いものが多く、そこに更に特約などのカスタマイズができる。
バリエーションの豊富さもさることながら、保障内容として保険金の額も大きい。事故や死亡など、数千万円〜数億円というのは普通に選択できる保障内容である。
それに比べると、共済の保障内容は小さいイメージになる。掛金も安く、カスタマイズ性の低いパッケージ商品で選ぶのも比較的楽だが、その分保障が保険に比べると手厚さで劣る。
共済金も数百万円程度など、ものにもよるが保障額が少ないものが多い。終身の共済も数が少なく、貯蓄型で探すのには向いていないと言えるだろう。
共済と保険の選び方
共済を選ぶにあたって、どうすれば良い選択ができるのか解説する。
共済にも保険にも、どちらにも応用できる内容となっているので、自分に合った保障内容の商品を選ぶのに役立ててほしい。
自分のライフステージに合った共済を選ぶ
共済を選ぶ時に、まず最初に手当たり次第に様々な共済の商品を見ていくことから始めるのは良い方法とは言えない。
その前に行うべき、重要なステップがあるのだ。それが、自分のライフステージを認識することである。
共済の保障内容は様々だ。なるべく手厚く多くのリスクをカバーしてくれる共済が良いと考えがちかもしれない。
だが、本当にそうだろうか?保障が手厚いということは、それだけ掛金も高くなることを意味する。また、もしかしたら、あなたには不要な保障内容が含まれているかもしれない。
このようなことを避けるために、自分のライフステージを確認するのである。
人生においての現在地を確かめ、仕事内容、収入、生活の支出、家族がいるかどうか、未来の予定、などこれらのことを今一度はっきりと認識する。
そうすることで、初めてどのようなリスクが想定されるか、どのような備えをするべきかが見えてくるのだ。
あとは、保障内容がそれを満たすように選べば良い。
このような順序を踏むことで、不必要な保障が何かも明確になる。余計な保障を省ける分、掛金を節約することに繋がるだろう。
なお、この方法は共済だけではなく、生命保険全般にも同じことが言える。むしろ、より複雑な商品である生命保険では、ますます必要になる思考法だ。
共済の加入条件や保障内容を確認する
ある程度どの商品にするか絞り込めたら、それぞれの加入条件に問題がないかをチェックする。
時間をかけて選んでも、そもそも加入条件が満たされていなかったら無意味なので、最初に確認しておきたいポイントだ。
その後、保障内容を吟味してほしい。種類ももちろんなのだが、保障額もよく考えて自分の目的に適しているかを判断することだ。
というのも、民間の生命保険などに比べると、共済の共済金(生命保険でいう「保険金」に相当)というのは規模が小さいものが多い。
そのため、漠然とある程度のお金を受け取れるという認識でいると、いざ必要となった場面で共済金では不足してしまうという事態になりかねないからだ。
ここでも、自分が共済に加入する目的がはっきりとわかっていることで、スムーズに判断ができ、後のトラブルを回避することができるだろう。
保障範囲や共済金を生命保険と比較する
最後に重要な確認をしたい。そもそも、共済でなければならないのか、ということについてだ。
たしかに、共済は保険に比べて費用も安く負担が少なく加入できるかもしれない。
しっかりと検討した結果、保障内容も十分ならば共済を選ぶことを躊躇う必要はない。
しかし、保障内容に不足がありそうなどの不安を感じるのならば、民間の保険会社が販売する保険とも比較するべきであろう。
現代では、ネット生命保険も数多く誕生しており、利便性が増すと同時に保険料もかなり安くなってきている。
あなたが求めている保障内容を生命保険によって手に入れるのも、検討する価値があるかもしれない。
場合によっては、共済で不足する保障を、保険にも加入することでカバーするという方法もある。
費用や保障内容など、それぞれに長所がある。本当にあなたに合った保障になるよう、あらゆる可能性を探ってほしい。
保険や共済は、人生をサポートする重要なことでありながら、その商品の性質上どうしても複雑な内容で、理解するのが難しい。
比較しようにもその判断がつかないこともあるだろう。素人が自分に適切な商品を選ぶというのは、専門的な知識が必要でハードルが高いのは当たり前の話かもしれない。
だからこそ、もし不安があるのならば、共済や保険の専門家に相談するということも検討してみてほしい。
あなたに合った共済あるいは保険を選ぶのを、プロとしてしっかりとサポートしてくれるはずだ。専門知識がない素人ほど、有効な手段である。
共済は保険とは異なり、年齢や性別に関係なく一定の掛金で加入できる!
本記事では、共済組合が提供する「共済」の特徴やメリットについて、生命保険との違いについて触れながら説明した。そして、自分に適した共済の選び方についても解説した。
共済は保険とは異なり、年齢や性別に関係なく一定の掛金で加入できるというメリットを持つ。
ただ、保障内容は民間の保険と比べて少ないというデメリットもある。
複雑な内容なので、自分に最適なものかどうかを判断できないという人も、決して少なくないだろう。
もし、保険を選ぶことに不安があるのならば、保険のプロに相談することも検討してみてほしい。ひとりひとりの事情を考慮した上で、その人に合ったアドバイスをもらうことが可能である。
専門家の知見を借りながら、保険が自分に必要か安心して的確に判断することができる。
ただ、保険についての専門家は全国に多くおり、自分にとって最適な相談先を見つけるにはどうしたらいいか迷うことだろう。
そのような時は、「生命保険ナビ」を使うことを試してほしい。
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