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個人年金保険とは?仕組みや活用法について解説

この記事で解決できるお悩み
  • 個人年金保険の仕組みが知りたい
  • 個人年金保険の活用法を知りたい
  • 自分に合う個人年金保険の選び方が知りたい

少子高齢化の進行にともない、公的年金だけでは、経済的に安定した老後の生活を送ることが難しくなってきている。

そこで注目されているのが個人年金保険だが、あなたはその特徴や仕組みをご存じだろうか。

公的年金とは異なり、個人年金保険は自分に最適な保険を選び、そして自分で契約する必要がある。

そこで本記事では、個人年金保険の概要やその活用法、さらに個人年金保険の選び方を解説する。

個人年金保険に加入しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてほしい。

目次

個人年金保険とは何か

個人年金保険とは何か 生命保険ナビ

個人年金保険とは、国民年金や厚生年金といった公的年金を補完し、老後の生活資金を確保するための保険だ。

少子高齢化により、現役世代が高齢者を支える日本の年金制度の継続は、限界に近付いている。

高齢者1人分の年金を、1965年では9.1人で支えていたが、2015年では2.1人で支えている。

公的年金だけを頼りに老後を迎えることへの不安が拡大している昨今、個人年金保険への関心が高まっている。

この保険では、保険料を一定年齢まで毎月払い込めば、受取開始時期から一定期間または亡くなるまでの間、年金が受け取れる。

ここでは、個人年金保険の概要や種類、他の手段との比較などを説明する。

個人年金保険の役割と機能

個人年金保険は、その役割に応じ以下のように、個人年金保険、確定年金・有期年金・終身年金と三つの種類に大別される。

年金の目的や使い方を家族と相談して、自分や家族に最も適したものを選びたい。

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 確定年金有期年金終身年金
年金受取期間5~15年5~15年被保険者が亡くなるまで※1
被保険者が
死亡した場合
受取期間が終了するまで遺族が受取人になる給付終了※2給付終了※2
役割自分と遺族の生活費を補填自分の生活費を補填自分が亡くなるまでの生活費を補填
※1:被保険者とは保険契約の対象者のこと。
※2:有期年金や終身年金には、保障期間が付けられるものもある。保障期間付きの個人年金保険では、年金受取期間中の一定期間が「保障期間」として設定される。その保障期間内であれば、被保険者が亡くなっても、遺族は保障期間分の保険金が受け取れる。ただし保障期間が終了すれば支払いは終了する。

個人年金保険には「定額型」と「変動型」がある

また、個人年金保険は、契約時に定めた予定利率で運用する「定額型」と、投資信託などで運用する「変動型」の二種類に分けることもできる。

前者は受け取り時の金額が確定し安心感があるが、インフレにより物価が上昇すると、受給時には金額の価値が下がるリスクもある。

後者は運用結果次第では受給金額が大幅に増える場合もあるが、元本保障されないため、運用結果が悪いと元本割れする恐れもある。

また変動型の中には、金利の高い海外の国債などで運用する「外貨建て保険」もある。

こちらには為替リスクがあり、日本円に換えて年金を受け取る際に円高な状態だと、受け取る金額が支払金額を下回る場合もある。

役割別、また運用手法別の個人年金保険の種類については、以下の記事でも解説しているのであわせて参考としてほしい。

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個人年金保険と他の資産形成方法との比較

個人年金保険以外に、老後の生活資産を作る手段に、企業型確定拠出年金、財形年金貯蓄、iDeCoがある。

これらはすべて60歳まで資産の引出しはできないが、その中で個人年金保険と同じく、個人で加入できるのはiDeCoだけだ。

ここでは個人年金保険とiDeCo(個人型確定拠出年金)とを、以下の表で比較する。

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 個人年金保険iDeCo
加入資格保険商品によって異なる20歳以上60歳未満
掛金の上限保険商品によって異なる14.4万円/年~81.6万円/年職業、他の年金制度への加入状況によって、掛金の上限が異なる
運用商品定額型:債券中心
変動型:株式、投資信託が中心
投資信託、保険商品、定期預金
加入者による運用商品の自由な選択・変更不可可能
税制優遇積立時個人年金保険料控除により、最大で年間6.8万円控除される全額控除
運用時全額非課税全額非課税
受取時全額課税対象110万円を超えると課税対象になる
※出典:国民年金基金連合会「iDeCo(イデコ)の仕組み」

iDeCoは自分で行う積立投資であるため、変動型個人年金保険と同様に、元本割れリスクがある。

しかし投資の一環として、老後の資産形成を行うのであれば、より税制が優遇されているiDeCoが向いているだろう。

個人年金保険の活用法

個人年金保険の活用法 生命保険ナビ

個人年金保険は、iDeCoのような投資に興味がない人でも、老後資金を確保するために活用できる有効手段だ。

一方で、既に老後資金のある人や、不動産賃貸など老後の収入源がある人には不要なものといえる。

また払い込んだ保険料は、一定年齢になるまで引き出せないため、経済的余裕がない人にも向いていない。

個人年金保険を活用したい方は、ここで説明するメリットとデメリットを参考に、自分に合っているかを考えてもらいたい。

さらに、個人年金保険の有効な活用方法も併せて紹介するので、自分の生活や老後と照らし合わせてほしい。

個人年金保険のメリット・デメリット

個人年金保険には、他の保険商品と異なるメリットが多くあるが、デメリットもある。

このようなメリットとデメリットとを相対比較して、自分のライフスタイルに合っているかを検討することは重要だ。

個人年金保険のメリットとデメリットを下記の表で述べる。

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メリットデメリット
年金給付が開始される前に被保険者が死亡した場合には、死亡保障金が得られる

保険料は控除対象となる(詳細は後述)
持病や過去に病歴があっても加入できる保険が多い
受給開始は60歳や65歳に設定され、それまでは積み立てた資金が引き出せない

支払期間中に保険を解約すると、解約返戻金が得られるが、支払金総額より下回る場合が多い

年金受け取り時には税金が掛かる
  ・契約者と受取人が同一:所得税が課税
  ・契約者と受取人が別 :贈与税が課税

自分のライフスタイルと照らし合わせて、もし合わないようであれば、個人年金保険以外の手段を考える必要があるだろう。

個人年金保険を老後の生活資金として活用する

年金の支払方法には、「年金払い」と「一括払い」の二種類あるが、この支払方法を安易に決めてはならない。

老後に年金をどのように活用するかを考え、その結果を、支払方法に反映させるべきだ。

老後の生活費を補う目的として、毎月もしくは一時金を定期的に受け取る年金払いを選択する人は多い。

なかには借入金を持ち続けることを避けるため、一括払いで受け取り、住宅ローンの残金などの精算をする人もいる。

年金を老後の生活費の補充目的で活用するのか、老後の支払いを事前に減らす目的で活用するのかにより、支払方法を選択すべきだ。

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個人年金保険の税制優遇を活用する

個人年金保険に加入すると、生命保険や医療保険と同じく、年末調整や確定申告の際に所得税と住民税の控除が受けられる

生命保険による一般生命保険料控除や、医療保険による介護医療保険料控除を、それぞれ受けていても最大6.8万円が控除される。

この個人年金保険料控除には、以下の条件を満たしたうえで、保険契約時に「個人年金保険料税制適格特約」を付加する必要がある。

個人年金保険料税制適格特約が付加できる条件
  • 年金受取人が契約者本人またはその配偶者であること
  • 年金受取人が被保険者と同一人であること
  • 保険料の払い込み期間が10年以上であること
  • 確定年金・有期年金の場合、年金受取開始が60歳以降であり、受取期間が10年以上であること

年金の一括払いで契約した個人年金保険は、上記③に抵触するため、個人年金保険料控除は受けられない。

また、変額型個人年金保険は、一般生命保険料控除の対象となるため、加入中の生命保険で控除枠を使い切っていたら控除は受けられない点にも注意が必要だ。

個人年金保険にかかる税金の仕組みについてまとめた以下の記事も参考にし、税制優遇を上手に活用していこう。

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個人年金保険の選び方

個人年金保険の選び方 生命保険ナビ

これまで解説してきたように、個人年金保険は老後の生活を支える重要な手段である。

そのため、老後のライフプランを考え、それに必要な費用を見積もり、十分な保障内容が得られる個人年金保険かを慎重に判断し、商品を選ぶ必要がある。

また、保障内容が厚くなれば保険料も高額になるため、その保険料が継続的に支払えるだけの余裕があるのかも考えなければならない。

そこでここでは、個人年金保険を選ぶうえでの、これらのポイントを解説する。

さらに保険商品だけではなく、それを提供する保険会社の選び方についても述べていく。

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自分のライフプランと個人年金保険の保障の内容を比較する

まず自分の定年後に予想されるライフイベントを想像してほしい。

ライフイベント、つまり自宅の改築や住み替え、子どもの結婚などにかかる費用を見積もってみよう。

そして、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」から、自分と配偶者の年金見込額を確認してほしい。

また老後資金として用意している貯蓄などを棚卸して、以下の計算式に当てはめ、個人年金保険の必要保障額を算出する。

個人年金保険の必要保障額

個人年金保険の必要保障額
=(老後の収入・資産)―(老後の支出)
=([夫と妻の年金受給額]+[貯蓄額])-([老後の生活費]+[ライフイベントの出費])
=((A × a + B × b)+C)-(D × d + E)

A:夫の公的年金受給額(年間)

a:夫の公的年金受期間
=(日本人男性の平均寿命)― [公的年金の受給開始年齢]
=81.05歳― [年金受給開始年齢]

B:妻の公的年金受給額(年間)

b:妻の公的年金受期間
=(日本人女性の平均寿命)― [公的年金の開始年齢]
=87.09歳― [年金受給開始年齢]

C:老後資金として用意している貯蓄額

D:定年後の年間生活費

d:定年から亡くなるまでの期間、計算式には”19”を代入する
定年から亡くなるまでの期間
=(夫婦の平均寿命)― [定年の年齢]
=(([日本人男性の平均寿命] + [日本人男性の平均寿命])÷2)― 65歳
=((81.05歳+87.09歳)÷2)― 65歳
=19.07

E:定年後のライフイベントでの出費総額(自宅の改築や住み替え、子どもの結婚、等)

なお、上記の計算式には、物価上昇率は加味されていない。

※日本人男性と女性の平均寿命は、令和5年7月28日付けの厚生労働省の発表より引用。

出典:厚生労働省「令和5年7月28日PressRelease」

個人年金保険の保障額を下げるためには、老後生活費の見直し(D)、ライフイベントの縮小(E)を検討する必要がある。

個人年金保険の保険料と年金額のバランスを考慮する

年金の額が多ければ多いほど、老後への安心感も高まるが、それにともない支払う保険料も高額になる。

高額な保険料は、家計への大きな負担となり、保険契約の継続を困難にさせる場合もある。

また支払期間中に保険契約を解約すれば、支払った保険料の総額と比べ、わずかな金額しか戻ってこない。

このため年金という老後の収入と、保険料という現在の経済的負担とのバランスを考える必要がある。

以下の調査結果を参考に、自分が考えている保険料や年金額と比較し、場合によっては各金額の設定を再検討してほしい。

  • 個人年金保険の加入世帯が受け取っている年金額(年間):平均97.1万円
  • 1年間に払い込む個人年金保険の保険料の世帯合計額:平均20.6万円

また、個人年金保険の保険料の決め方について解説した以下の記事も参考にしていただくと、無理のない範囲で効果的に活用できる方法を見つけられるはずだ。

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信頼性が高い保険会社の個人年金保険を選ぶ

個人年金保険をはじめ、保険商品を選ぶ際には、サービスが厚く信頼性の高い保険会社が提供する保険商品を選ぶべきだ。

しかし保険会社ではなく、保険会社の営業担当で選んではいないだろうか。

もしその保険会社が倒産の危機を迎えたとしても、その営業担当が自分の資産を守ってくれはしない。

信頼できる保険会社を調べるポイントを以下に紹介する。

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確認点確認すべきこと
支払対応力・一般社団法人生命保険協会のホームページの「保険金等支払漏れ等」から、支払い漏れの件数を他社と比較する。※1
・保障内容も保険料も同程度な保険商品と比べ、保険金が支払われなかった事例や免責条件を確認する。※2
顧客満足度・一般社団法人生命保険協会のホームページから、苦情件数を他社と比較して、著しく多くないか確認する。また「苦情の内訳の詳細」から苦情の内容を確認する。※1
・口コミサイトの評価を確認する。
・資料請求、商品の質問、申込み手続きなどの問合せという建前で、コールセンターに2〜3回電話する。そのときの電話のつながりやすさ、対応の丁寧さを確認する。
商品力・同じ保障内容の保険商品と比べ、著しく保険料が高くないか(安すぎないか)を確認し、その理由を調査する。※2
※1:出典 一般社団法人生命保険協会「生命保険各社の苦情受付情報・保険金等お支払情報について」
※2:必要に応じてコールセンターに問合せをする。

保険会社の支払い余力や、格付け会社のスコアも重要だが、自分が「信用できる」と感じた保険会社を選ぶことが大切だ。

なお、「いつ・どんな人が個人年金保険に加入するのか」によって最適な商品は異なる。

以下の記事では、加入者の属性別年代別におすすめの個人年金保険をまとめたので、ぜひチェックしてみてほしい。

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自分に合った個人年金保険を選ぼう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、個人年金保険の概要やその活用方法、さらに自分に合う個人年金保険の選び方について解説した。

個人年金保険の種類や特徴、選ぶ際のポイントなどを理解し、自分のライフスタイルや目的に合った保険を選ぼう。

個人年金保険の活用方法や商品選択に迷ったときは、保険のプロに相談することも検討してほしい。

保険のプロからアドバイスをもらうことは、自分に必要な保険を的確に判断する助けになる。

全国の保険のプロから、自分に合ったアドバイザーを探す際には「生命保険ナビ」がおすすめだ。

気になった保険のプロと無料相談もできるので、是非活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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