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死亡保険金の受け取り方法とは?注意点から税金まわりまで詳しく解説

この記事で解決できるお悩み
  • 死亡保険金を受け取りまでの流れを知りたい
  • 死亡保険金を受け取る際に発生する税金の仕組みがわからない
  • 保険金の受け取り期限や必要書類に関する知識を身につけたい

保険は万が一の際の備えとして重要な役割を果たす。

しかし、もし保険に加入するあなたの家族がなくなってしまった際には、限られた時間の中で死亡保険金の受け取りを進めていかなければならない。

保険に加入するだけでなく、保険金の受け取りやこれにかかる税金の仕組みを理解しておくこともまた、安心の備えを整えるためには必要だろう。

そこで本記事では、死亡保険金の受け取り方法や注意点、そして税制度について解説する。

ぜひ最後まで読み、万一の際の備えを万全なものとしていただきたい。

目次

死亡保険金の受け取り方法

死亡保険金の受け取り方法 生命保険ナビ

ご家族が亡くなられてしまったら、精神的な負担はかなり重大な問題である。

しかし、残された家族の家計についても気にしなければいけない。

特に、子供が独立前であれば、教育費や生活費もまだまだ必要になる。

受けられるはずだった教育を十分に受けられず、家族の将来が危ぶまれる状況はできる限り避けたいはずだ。

そこで、もしもの支えになるのが「死亡保険金」である。

死亡保険金の受け取りについては、一生のうちにそう何度も経験することがないため、その時になってみないと具体的な進め方などがわからない人が多いのではないだろうか。

ここからは、はじめての人にもわかりやすく死亡保険金の受け取り方法について解説していく。

死亡保険金とは

死亡保険金とは、生命保険の「死亡保障」で受け取れる保険金のことを言う。

また、死亡保険金は死亡した場合に限らず、「所定の高度障害状態になったとき」や、「余命6ヶ月以内と診断されたとき」、「所定の要介護状態に認定されたとき」などに受け取れることがある。

詳しくは、加入している保険商品の約款をよく確認していただきたい。

また、死亡保険は、雇用形態が会社員であるか自営業であるか、住宅が持ち家であるか賃貸であるかなど、個人の状況によって保障額が異なる。

例えば、団体生命保険(団信)に加入して住宅ローンを組んだ場合、契約者本人がなくなった場合はローン返済が免除になるため、残された家族が住まいに困ることはなくなる。

また、死亡保険の保障額はライフステージの変化に合わせて見直すことも重要である。

例えば、子供が独立して教育費や生活費が少なくなった場合、保障額を下げて保険料を節約することが望ましい。

このように、死亡保険は受け取れる条件や保障内容が様々であり、こまめな見直しが必要である。

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死亡保険金はどのように受け取るのか

死亡保険金を受け取るには、下記の手順で進める必要がある。

  1. 「契約者」または「受取人」が保険会社に連絡する
  2. 保険会社から案内される必要書類を用意する
  3. 「受取人」が請求手続きを行う
  4. 保険会社の審査を待つ
  5. 死亡保険金を受け取る

なお、保険会社による審査期間は、特別な場合をのぞけば1週間程度で完了するが、下記の場合には審査が長期化することがある。

  • 免責事由・告知義務違反などがあり確認が必要な場合:45日程度
  • 法令に基づく照会が必要な場合:180日程度

また、死亡保険金の受け取り方法には、全額を一括で受け取る方法と、全額または一部年金として受け取る方法がある。

審査期間や受け取り方法は保険会社によって異なるため、より詳細な情報が必要な場合は、請求先の保険会社へ相談していただきたい。

死亡保険金の受取人を変更する方法

死亡保険金は、契約者が生存していれば変更できるが、死亡後に変更する場合には様々な注意が必要である。

若いうちに加入した生命保険では、契約時と受け取り時で数十年経過しており、家族関係や環境も変化していることが多い。

当初の受取人との関係性の変化(死亡や不仲など)により、受取人を変更したい人も多いことであろう。

なお、死亡保険金の受取人の変更は、基本的には契約者本人による手続きか遺言書によって変更することが可能である。

遺言によって死亡保険金の受取人を変更するためには、「相続人」が保険会社に受取人変更の通知を行う必要があります。

また、死亡保険金の受取人として指定できるのは、一般的には「配偶者」、「子ども」、「2親等内の血族」の場合であるが、保険会社によっては以下の人も受取人に指定できることがある。

  • 3親等以内の血縁者
  • 婚約者
  • 内縁
  • 事実婚
  • 同性のパートナー

なお、これらの受取人が指定できるかどうかは保険会社や契約内容によって異なるため、必要であれば保険会社に問い合わせいただきたい。

死亡保険金の受取時に発生する税金

死亡保険金の受取時に発生する税金 生命保険ナビ

死亡保険金を受け取る際には、税金が発生するため、税金の支払いが必要になる人は理解しておく必要がある。

また、税金は工夫次第で減らすことができるので、受け取り前に減額の方法を確認しておくことが重要となる。

ここからは、死亡保険金の受取時に発生する税金や節税対策について解説していく。

死亡保険金にかかる税金の種類

死亡保険の受け取り時には、相続税・所得税・贈与税のいずれかが発生する。

どの税金が発生するかは、契約者・被保険者・受取人の関係によって、以下のように決まる。

  • 相続税:契約者が被保険者の場合
  • 所得税:契約者が保険金の受取人の場合
  • 贈与税:契約者、被保険者、保険金の受取人が異なる場合

発生する税金は、契約形態によって異なるため、契約内容を確認していただきたい。

税金の算出方法

税金の算出方法は、相続税。所得税・贈与税のいずれかによって異なる。

ここからは、それぞれの税金での算出方法を解説する。

相続税の場合の算出方法

契約者が被保険者と同一人物の場合に発生するのが相続税である。

相続税の課税額は「死亡保険金 ー 非課税額」で計算できる。

なお、非課税額は「法定相続人の人数 × 500万円」である。

例えば、死亡保険金が3,000万円で法定相続人が3人(配偶者、子供2人)の場合、以下のようになる。

  • 死亡保険金:3,000万円
  • 非課税額:500万円 × 3人 = 1,500万円
  • 相続税の課税額:3,000万円 – 1,500万円 = 1,500万円

また、死亡保険金と合わせた遺産の総額が「相続税の基礎控除」を下回る場合には、税金は発生しない。

相続税の基礎控除額は「3,000万円 +(600万円×法定相続人の人数)」で計算できる。

そのため、例に挙げたケースでは、遺産総額が「4,800万円(3,000万円+(600万円×3人))」であれば、死亡保険金3,000万円を下回るため相続税が発生しない。

また、以下の条件に該当すれば相続税から差し引くことができる。

  • 債務控除:契約者に債務がある場合、葬式費用を保険金から支払う場合
  • 配偶者控除:相続人が配偶者の場合
  • 未成年者控除:相続人が未成年の場合
  • 障害者控除:相続人が85歳未満で障害者の場合

これらを適用すれば相続税を減額できるため、条件に該当するかどうか利用していただきたい。

所得税の場合の算出方法

契約者が保険金受取人の場合に発生するのが所得税である。

死亡保険を一時金として受け取る場合、所得税の課税額は「(死亡保険金 ー 払込保険料 ー 特別控除(最大50万円))」で計算でき、その1/2が所得税額となる。

例えば、死亡保険金が3,000万円・払込保険料250万円の場合、以下のようになる。

  • 死亡保険金:3,000万円
  • 払込保険金:250万円
  • 特別控除:50万円
  • 所得税の課税額:3,000万円 ー 250万円 ー 50万円 = 2,700万円
  • 所得税額:2,700万円 × 1/2 = 1,350万円

また、以下の条件に該当すれば所得から差し引くことで、所得税を減額ができる。

  • 基礎控除:年間の所得金額に応じて、一定額を差し引く
  • 社会保険料控除:年間の支払った社会保険料を差し引く
  • 生命保険料控除:年間に支払った生命保険料を差し引く
  • ひとり親控除:同一生計の子を養う年収500万円以下のひとり親は、所得から35万円差し引く
  • 扶養控除:16歳以上の親族を養っている場合、一定額を差し引く

これらを適用すれば所得税を減額できるため、条件に該当する場合は利用していただきたい。

贈与税の場合の算出方法

契約者・被保険者・受取人が全て異なる場合に発生するのが贈与税である。

贈与税の課税額は、「年間に受け取った贈与額 ー 基礎控除(年間110万円)」で計算できる。

例えば、死亡保険金が3,000万円の場合、課税金額は2,890万円となる。

税金を抑える方法とは

死亡保険金は、残された家族の生活を支える役割を果たすため、相続税に特別な非課税枠(法定相続人の人数 × 500万円)が設けられているため、節税効果がある。

そのため、死亡保険を相続税の対象とすることで税金を抑えやすくなる。

なお、贈与税は基礎控除額が少ないため、節税のためには「贈与にしない」ことが重要である。

また、他の節税方法としては、利用できる控除制度を利用して課税対象額を減らすことが有効な手段である。

控除が受けられる条件をよく確認し、課税対象額を減らすことで税金の支払いを減らすかなくすことをおすすめしたい。

死亡保険金を受け取る際の注意点

死亡保険金を受け取る際の注意点 生命保険ナビ

死亡保険金を受け取る際には、確実に受け取れるように、受け取り可能な期間や申請に必要な書類を知っておく必要がある。

ここからは、死亡保険金を受け取る際の注意点について解説していく。

受け取り期間について

死亡保険金は、基本的には「3年」を過ぎると失効してしまう。

これは、保険法(第95条)によって定められており、時効を過ぎると保険会社は支払いの義務が発生しない。

なお例外として、かんぽ生命だけは「5年」が請求時効になっている。

受取人が保険契約の存在を知らなかった場合、受け取り期間を過ぎてしまうことがあるため注意が必要である。

生命保険に加入している場合、「契約内容のお知らせ」の書類を1年に1回郵送するため、それによって気づくことがあるかもしれないが、最近はwebでの書面に切り替えている人も増えているため注意が必要である。

ただし、保険会社は信用を重視する業態であるため、実際には時効を過ぎても支払いに応じてもらえる保険会社も多いと言われている。

時効が過ぎてしまっている場合でも、一度保険会社に相談することが必要である。

必要書類について

死亡保険を請求する際、保険会社に提出が必要になる書類は下記の通りである。

必要書類
  • 請求書
  • 契約者の住民票
  • 受取人の戸籍証明書
  • 受取人の印鑑登録証明書
  • 死亡診断書または死体検案書
  • 保険証券

なお、「住民票」「戸籍証明書」「印鑑登録証明書」はマイナンバーカードがあればコンビニで交付できる。

また、保険証券を紛失してしまっている場合には、契約している保険会社に連絡し、対応方法を相談していただきたい。

受取人が複数の場合

受取人が複数の場合、それぞれの受取人に受け取れる金額の割合を事前に設定しておく必要がある。

例えば、「配偶者に50%、2人の子供にそれぞれ25%」などを設定する。

また、受取人が複数の場合、「代表者が全額受け取る」か「受取人がそれぞれ保険金を受け取る」かを選択することができる。

ただし代表者が全額受け取る場合には、その後に他の受取人に事前に決めた割合通り支払われているか分からず、トラブルに発展する可能性がある。

トラブルを避けるためには、受け取り方法を「受取人それぞれで保険金を受け取る」方法を選択することをおすすめする。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、死亡保険金の受け取り方法や注意点、および税制度について解説した。

死亡保険金は、亡くなった際に残された家族の生活を守る重要な役割を果たす。

しかし、実際には限られた時間の中で手続きを進めなければならない。

万一に備え、受け取り方法やかかる税金に関してはご家族で確認しておくことが大切であろう。

また、死亡保険金の受け取り手続きや事前の受取人変更などで疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討しよう。

一人ひとりに合ったアドバイスをもらうことで、これらの手続きも安心して進めることができるはずだ。

また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。

そんな時はマッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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