- 既往歴があっても生命保険に加入できるか知りたい
- 既往歴がある人が生命保険へ加入するときに注意すべき点を知りたい
- 既往歴がある人が入れる生命保険の商品を具体的に知りたい
特定の病気の既往歴を持つ方は、「生命保険に入ることができないのではないか」と不安を抱えることもあるだろう。
実は、既往歴があるからと言って必ずしも生命保険に加入できない訳ではない。
入りやすい保険や加入時の注意点を抑えることが重要である。
そこで本記事では、生命保険における既往歴の定義や加入できる保険の種類、生命保険に入る際の注意点について解説する。
また、実際に既往歴がある人でも入りやすい保険についても解説するので、十分な保障をしてくれる保険を選ぶことができるように、ぜひ本記事を参考にしてほしい。
既往歴があっても生命保険に入れるのか
結論を先に記すと、既往歴があっても生命保険に入ることができる。まずは、その理由や保険加入時のポイントについて解説していこう。
既往歴があっても生命保険に入ることはできる
より正確な表現だと、既往歴用の生命保険が各社に備えられている。
通常の生命保険と保険料以外はあまり違いのない場合と、大きく違いがある場合があり、保険会社ごとにラインナップが分かれている。
当然ながら既往歴は生命保険会社が申込時の告知審査で判断することだ。
保険加入の希望者が自分から既往歴の受入条件を調べるよりは、まずは通常の生命保険を希望し、難しければ既往歴用の生命保険を検討するとよい。
通常の保険と既往歴の条件は生命保険各社によって異なり、告知書や診査の内容を精査して会社として判断する。
一般的に、通常の生命保険と既往歴用では保険料が異なる。
また既往歴に原因を持つ病気の発生が保障範囲では無くなることも多い。
繰り返しになるが、判断は保険会社によって変わるため、加入を希望する保険商品に優先順位をつけて判断するようにしたい。
生命保険における既往歴の定義
生命保険における既往症の定義は「病気の罹患状況は何年前までだったか」である。
まず、現時点で何かしらの病気に罹患している場合は通常、既往症用に関わらず保険に加入できない場合が多い。
既に完治している場合は、2つのポイントが鍵になる。
まず1つ目は、完治の定義をどう見るかだ。入院や手術などによって医師から完治と診断された場合、告知においての始点になることが多い。
医師の診断を受けていない場合は症状が表に出なくなってからを始点とする場合が多いが、医師の診断を受けていないと病気継続中と見なされることも多いため、保険加入を考えている場合は注意したい。
現在病気療養中で将来の保険加入を考えている方は、加入可能性がある保険をピックアップしておき、現在の病気がどのような状態になれば始点なのかを確認しておくとスムーズだろう。
既往歴がある人が抱える保険加入時のリスク
とはいえ、誰しもがこの告知の仕組みを知っているわけではない。
自分が保険に加入したいと意志を固め、煩雑な申込手続きをしたうえで「告知NGだったので保険には入れません」と告げられる。
なお、保険募集人が優秀だと告知を通過しやすいのではという誤解が一部にあるが、そんなことは間違いなくあり得ない。
むしろ告知義務に違反すれば、申込者は保険加入による保障を受けられなくなるほか、募集人にも相応のペナルティがある。
この背景からも、既往歴がある方の保険加入時のリスクは、自分が保険に入れるかどうかわからないことだ。
申込前にある程度確認できるため、調べて不安を取り除くようにしたい。
既往歴がある人が入れる保険の種類
既往歴があり、通常の生命保険に入れない場合は、引受緩和型生命保険と無告知型(無選択型)がある。
前者の引受緩和型は既往歴がある方用に告知基準を設けている保険であり、無告知型はそもそも告知が無い保険である。
告知が無いと体況に関わらず保険申込をすることができる。
一般的に保険料は通常の保険<引受緩和型<無告知型だが、保険会社によって異なる場合もあるため注意したい。
既往症向けの引受緩和型保険は、特に高齢者の方にお勧めだ。
統計上、高齢になると病気になるリスクが高まる。病気の履歴によって新しく生命保険に加入できなかったりする。
引受型の医療保険は、そのような状況をカバーする保険としても活用できる。
なお、持病のある方に向けた保険加入のポイントについては以下の記事でも解説している。適宜参考にしていただきたい。
既往歴がある人が生命保険に入る際に注意すべき点
既往歴のある人が保障内容に納得できる生命保険に加入するとき、自分にその保障が適切なのか、保険料負担は想定内なのかを落ち着いて判断することが大切だ。
通常の生命保険に入ることも検討する
既往症がある方は、自分自身が通常の生命保険に加入することはできないと考えがちだ。
ただ、通常の生命保険と引受緩和型、無告知型を分ける基準は保険会社ごとに定められており、基準が異なる病気も多い。
そのため保険検討にあたっては、「自分も通常の生命保険に加入できるのではないか」と検討することも大切だ。通常の生命保険と引受緩和型・無告知型では保険料は大きく異なるためだ。
このあたりは判別が難しいため、保険募集人を頼るようにしたい。積極的に相談をしてみよう。
保険の切り替え時にすぐに解約しないようにする
体況に応じて引受緩和型や無告知型から、通常の生命保険に加入変更をする場合がある。
この時に注意したいのは、新しい保険で契約完了とならない限り、現行の保険をすぐに解約しないようにしたい。
先走って現行の保険を解約し、新たな保険において告知で加入不可となった場合、加入している保険が何も無いことになる。
突然の病気やケガの場合は、とてもリスクが高い。
切り替えが上手くいかなかったときに、無保険状態となってしまうのは避けたい。
タイミングによって保険料を2カ月分重複して支払うことになるが、無保険の状況よりはリスクは低いといえるだろう。
告知を確実に行うようにする
申込の告知を確実に行うようにしたい。この場合の確実の意味は、体況や持病などを漏れなく、また大袈裟にすることなく、保険会社に伝えるという意味だ。
告知を確実にしないと、いざ保障請求の時に告知義務違反とされ、保障を受けられない可能性もある。
当然、その時までに納付していた保険料は返金されることはない。
当然告知に対しては保険会社がわかりやすい記入書を出してくれるため、申込者側に知識やノウハウは必要ない。
少しでも疑問があれば、残さずに募集人や保険会社に問い合わせるようにしたい。
既往歴がある人でも加入できる生命保険の商品を紹介
ここからは具体的に、既往歴がある人でも加入できる生命保険の商品を紹介していきたい。
最近、日本国内の保険会社は格安の医療保険や死亡保険を提供する保険会社をグループ内に設立しており、引受緩和型の医療保険の多くもここから提供されている。
オリックス生命 キュアサポートプラス
病気やケガを保障する医療保険のなかで、保険料が安いと評判なのがオリックス生命のキュアサポートシリーズだ。
そのなかで入院や手術経験がある既往症の方も加入しやすい保険が、キュアサポートプラスである。
この保険は死亡保険と医療保険から構成され、85歳まで加入することができる。
既往症の方も、オリックス生命による告知事項にすべて「いいえ」で回答できる場合は、医師の診査は必要ない。
特に高齢者の方にはお勧めで、会社の定年を迎えて勤務先の健康保険から国民健康保険に切り替えた際の、傷病給付に変わる保障を期待できる。
また死亡保険は最大100万円であり、保険料水準も月2,000円から3,000円と格安だ。
はなさく生命 はなさく医療
持病がある方や、健康に不安がある方でも加入しやすいのが、日本生命グループのはなさく医療だ。
オリックスと同様、基本告知項目が「いいえ」であれば申込をすることができる。
加入時の保険料が一生涯継続するほか、生活習慣病等に対し手厚い保障が期待できる。
東京海上日動 あんしん生命
羊のマスコットが有名な東京海上日動あんしん生命だ。
持病があっても入りやすいほか、「使わなかった保険料が戻ってくる」という特徴がある。
保険加入後、所定の期間までに入院給付金の受け取りがない場合、支払った保険料の全額が戻ってくる仕組みだ。
なお、入院給付金の受け取りがあった場合は、受け取った金額との差額が戻ってくる。
既往歴があるからこそ健康リスクに生命保険で備えておこう
本記事では、生命保険における既往歴の定義や加入できる保険の種類や加入の際の注意点について解説した。
また、実際に既往歴がある人でも入りやすい保険についても紹介した。
既往歴がある人は、通常の人と比べると生命保険に加入する際の審査が厳しくなる。
しかし、限定告知保険や無選択型保険のような条件が緩い保険を選ぶことで、加入することは十分可能となる。
ただ、条件が緩い保険は保障範囲が狭いことも多く、自分に適切な保険か判断ができないという人もいるだろう。
そんな時は保険のプロに相談することも検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険を選択することができる。
ただ、保険のプロは数多く存在し、自分にとって最適な担当なのかを見極めることもまた難しい。
マッチングサイト「生命保険ナビ」を使えば、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができる。
無料で利用できるので、是非活用してほしい。