- 学資保険には何歳から何歳まで加入できるのか知りたい
- 学資保険に入るべき適切なタイミングが知りたい
- 学資保険を利用する際の注意点が知りたい
学資保険とは、一定期間にわたり保険料を払い込み、時期が来た際に子どもの教育資金を保険金や祝い金として受け取ることが出来る貯蓄型の保険のことである。
「学資保険には早く入っておくべき」と耳にしたことがある人も多いと思うが、実際には何歳から加入でき、ベストなタイミングはいつなのだろうか。
結論から書くと、子どもが0歳の時から加入することが可能で、早ければ早いほどメリットを受けやすい。
そこで本記事では、学資保険の加入条件について整理した上で、早期に加入するべき理由を説明する。
また、学資保険利用時の注意点なども併せて解説するので、学資保険に申し込む前に内容を理解しておこう。
学資保険は何歳から何歳まで加入できるのか
学資保険は最短で0歳から加入できる。もっと具体的に言うと、お腹のなかにいる状態からでも加入可能だ。
実際には、安定期に入って以降という日数制限などがあるものの、保険会社によっては生まれる前から学資保険に加入できる。
学資保険に加入する目的は「将来の教育資金のため」であるが、つまるところ大学の学費を工面するために検討する人が多いだろう。
国公立大学の場合は4年間で約240万円、私立文系大学の場合は約350万円の学費が平均してかかる。
この費用を学資保険で賄うためには、早めの行動が鍵を握るだろう。
以下では、学資保険の加入年齢に焦点を当てて解説していく。
学資保険の加入時期への考え方に関する理解を深めていこう。
学資保険は0歳から加入できる
先ほども解説したように、学資保険は0歳・正確にはお腹のなかにいる段階から加入できるため、子育てで慌ただしくなる前に加入を検討したほうがよいだろう。
現に子育て中の家庭であれば、年齢によるが早めに加入を検討すべきである。
学資保険の特徴として、満期を設定するタイミングが基本的に年齢で明確に定まるところだ。
満期として設定するほとんどのケースが、大学に進学する18歳の時点である。
つまり、学資保険における保険期間は最長で18年ほどになるのが通常なのだ。
生命保険や医療保険の場合は終身型で保障を一生涯続けるケースも多いが、保険金を必要とするタイミングが明確である以上、その時点に向けて早めの準備が必要になるのはイメージがつきやすいだろう。
学資保険は0歳からでも加入できる点は、必ず覚えておこう。
学資保険の加入は小学校に上がるまでが一般的
学資保険への加入を検討するなら、「小学校に上がるまで」を一つの目安にすることをおすすめしたい。
先ほども述べたように、保険の満了期間はほとんどの場合で18歳だ。
小学生になってから学資保険に加入すると、保険期間が相対的に短くなり、加入のメリットよりもデメリットのほうが大きくなってしまう。
具体的には、学資保険の加入期間が短くなるほど返戻率が下がる傾向にあり、払込保険料の総額が満期保険金を上回る「元本割れ」を起こすリスクが高まるのだ。
「0歳と6歳なら大差はないのでは?」と思うかもしれないが、この6年間が学資保険にとって大きな違いとなる。
各保険会社は、契約者から払い込まれた保険料を運用しており、その運用益が満期保険金として分配されている。
そのため、運用期間が短くなると運用益を出すのが難しく、返戻率が下がってしまうのだ。
「学資保険の加入は6歳まで」というのを一つの目安に、加入は慎重に検討しよう。
小学生でも入れる学資保険は保険料が割高
実際、小学生でも入れる学資保険はいくつかある。
しかし、いずれの学資保険も保険料は割高だ。
現金で毎月貯金をすることを考えればわかるのだが、300万円を18年間かけて貯金する場合と、12年間で貯金する場合における月々の貯蓄額は以下のとおりとなる。
- 18年間かけて300万円を貯金する場合:300万円÷18年÷12ヶ月=13,888円
- 12年間かけて300万円を貯金する場合:300万円÷12年÷12ヶ月=20,833円
上記は現金貯金を例にしているが、学資保険においても考え方は同じである。
目標額を短期間で達成しようと思えば、必然的に保険料は値上がりするのだ。
さらに、「子どもが小学生のタイミングで学資保険に加入する=契約者も年齢を重ねている」ということでもある。
つまり、学資保険を契約する際に年齢が保険料に反映されるため、生まれて間もなく加入する場合に比べて割高になってしまうのだ。
学資保険は両親や祖父母の契約者にも年齢制限がある
子どもの年齢制限だけでなく、契約者にも年齢制限がある点には注意が必要である。
一般的に、学資保険に加入できる年齢上限は、男性が55〜60歳、女性が60〜65歳に設定されていることが多い。
学資保険には、「保険料払込免除」という制度が設けられており、契約者に万が一の事態が起きた際は支払いが不要になる。
保険料の支払いは不要だが、満期保険金は契約どおり支給される仕組みが整備されているのだ。
保険料払込免除を制度として成り立たせるには、該当する可能性が高い人の保険料を引き上げるのが、保険の公平性の担保には欠かせない。
年齢制限は契約者も関係する点は押さえておこう。
このように、「いつ学資保険に加入するか」によって適切な活用法は変化する可能性が高い。
以下の記事では年代別のおすすめの学資保険についてもまとめているので、年代ごとのポイントを押さえる際にはぜひ活用してほしい。
学資保険は何歳までに入る?学資保険に早くから加入するべき理由とは
学資保険の年齢条件については上記のとおりだ。
ここでは、学資保険に早くから加入したほうがよい理由を4つ解説しよう。
それぞれの理由を理解すれば、学資保険は今すぐにでも加入すべきであることがわかるだろう。
早く加入するほど学資保険の保険料が割安になるから
学資保険の加入を早期に済ませれば済ませるほど、保険料は割安に抑えられる。
学資保険の保険料を左右するのは、おもに以下の条件だ。
- 契約者(保護者)の年齢
- 子どもの年齢
- 契約者の健康状態
- 学資保険の契約内容(保障内容)
- 満期保険金額
保障内容が手厚かったり満期保険金額が多かったりするほど保険料が高くなるのは当然として、年齢が若いほど保険料は安くなるのだ。
学資保険の仕組みを解説したように、保険会社が払込保険料を運用する期間を長くできるほど運用益を期待しやすい。
つまり、契約者に還元できる可能性が高い分、保険料を安価に抑えられるのだ。
長期間にわたって保険料を払い込んでもらえる人を優遇するために、保険料を抑えてくれているとも言い換えられるだろう。
早く加入するほど契約者の健康状態次第で選べる学資保険のプランが増えるから
学資保険は、契約者の健康状態によって加入の可否はもちろん、選べるプランも異なる。
「学資保険に早く加入する=契約者も若い」ことと同義であり、契約時の年齢が若いほど健康状態が優れている可能性も高いだろう。
選択肢が多ければ家計に合わせた支払いプラン・契約内容を選びやすくなり、毎日をより安心して暮らせるはずだ。
早く加入するほど学資保険の高い返戻率を期待しやすいから
学資保険に早く加入するほど、高い返戻率を期待しやすくなる点も非常に重要である。
学資保険は、最長でおよそ18年にわたって払込保険料を運用できることになる。
0歳から加入すれば、払込保険料は最長で18年近く運用できる一方で、6歳から加入すると、最長で12年ほどしか運用できない。
投資の世界では時間を味方につけて複利で運用するのが重要であることから、学資保険は早く加入できるほど有利なのだ。
返戻率を高めるという観点では、保険料の払込期間に着目するのも重要である。
10年で払込が完了するのと15年かけて払込が完了するのとでは、運用元本が最大になるまでの期間が5年間異なり、その期間で運用成績も変わってくるのだ。
学資保険は早く加入できるほど返戻率を期待しやすくなる点も覚えておこう。
早く加入するほどより大きな節税効果を学資保険に期待できるから
学資保険に加入すると、払い込んだ保険料は生命保険料控除に算入できる。
年末調整で申告するものであるが、生命保険や医療保険、個人年金保険だけでなく、学資保険も控除対象になっている。
そのため、所得税と住民税の節税効果も期待できるのだ。
ただし、所得税・住民税のいずれも生命保険料控除の枠が決まっているため、生命保険で控除の限度額を満たしている場合は、学資保険による節税効果は期待できない。
生命保険控除については「生命保険を利用して節税はできるのか 生命保険料控除の仕組みや実際の節税方法を解説」で詳しく解説している。
何歳までに学資保険に加入するかを決めたら!学資保険を利用する際の注意点
学資保険は早めに加入したほうがよいことは理解できただろう。
ただし、学資保険にはいくつか注意点があるのも事実だ。
ここでは学資保険を利用する際の注意点を4つ解説する。
学資保険に加入していない場合は今すぐにでも検討すべきだが、場合によっては損をする可能性もあるため以下の内容もぜひ参考にしてほしい。
学資保険は確実に元本より増えるわけではない
学資保険に加入したからと言って、元本が保証されるわけでもなければ、元本より増えるわけでもない点には注意が必要である。
特に、小学生になってから学資保険に加入した場合は元本割れする可能性が高まる。
学資保険の加入時期だけでなく、商品タイプにも注意が必要だ。学資保険には、大きく2つの商品タイプがある。
- 貯蓄重視型
- 将来の教育資金を貯めることに重きを置いた、特約のないシンプルな設計で返戻率を重視する学資保険
- 保障重視型
- 将来の教育資金を用意しつつ、医療保険や子どもの万が一にも備えられる特約が備えられた学資保険
保障重視型の学資保険を選ぶと、そもそも返戻率が100%を下回っている可能性もある。
学資保険に加入する本来の目的は、「教育資金を用意するため」であることがほとんどだ。
医療保険や死亡保障は、別途考えることが重要である。
選ぶ商品によっては元本を毀損することが契約時点で確定している場合もあるため気をつけよう。
健康状態が理由で学資保険に加入できない場合もある
学資保険には契約者の年齢制限があることは記事の前半で解説したとおりだが、健康状態が理由で学資保険への加入を断られるケースがある点にも注意が必要である。
学資保険には保険料払込免除があるため、契約者は告知義務を求められる。生命保険や医療保険と同じ流れだが、告知書の内容で引っかかると、場合によっては加入を断られてしまうのだ。
加入を断られた場合は、ほかの保険会社を検討したり、契約者をパートナーに変えたりするとよいだろう。
なお、告知書に虚偽の申告をすると、告知義務違反になるためくれぐれもしないようにしよう。
学資保険の中途解約は元本割れするリスクがある
確実に元本より増えるわけではないことに関連して、契約の途中で解約すると元本割れする可能性が高い点にも注意が必要だ。
保険会社は払込保険料で運用をしており、運用の途中で契約を解約されると運用益を得られなくなってしまう。
その結果、契約者の払込保険料の一部を利益として確保し、残額を解約返戻金として契約者に支払うのだ。
そのため、中途解約は元本割れする可能性が高いのである。
学資保険に加入すると、基本的に子どもが18歳になるまで、または一定の払込期間に至るまで、保険料を支払い続けることになる。
長期間にわたって資金を拘束することにもつながるため、家計の支出を踏まえて無理のない範囲で保険料を設定することが大切だ。
学資保険の契約の締結方法と保険金額によっては税金がかかる
学資保険は、契約者(保険料の払込者)、保険金の受取人が同じかどうかによっては各種税金がかかる点にも注意が必要である。
具体的には、以下の場合に税金がかかるため覚えておこう。
- 契約者と保険金の受取人が同じ場合:満期保険金は所得税の課税対象となり得る
- 契約者と保険金の受取人が異なる場合:満期保険金は贈与税の課税対象となり得る
契約者と受取人が同じ場合、保険金は所得税の「一時所得」とみなされる。
ただし、満期保険金から払込保険料の総額を差し引いた金額が50万円を下回る場合は所得税の課税対象とはならない。
逆に差額が50万円を超えると、上回った額が一時所得扱いになるのだ。
例えば、満期保険金が200万円、払込保険料の総額が130万円の場合、差額は70万円だ。
その上で、一時所得の基礎控除額が50万円と定められていることから、さらに50万円を引いた20万円が一時所得とみなされる。
そのうえで、課税対象となるのは一時所得の半分と定められていることから、10万円が所得税の課税対象だ。
契約者と受取人が異なる場合、保険金は贈与税の対象となる。贈与税の場合、基礎控除は110万円まで認められているため、満期保険金が110万円を超える場合は贈与税の対象になり得ることは覚えておこう。
学資保険は小学校に上がるまでに加入しよう
本記事では学資保険の加入条件について整理した上で、早期に加入するべき理由、そして学資保険を利用する際の注意点について解説した。
学資保険は子どもが0歳の時から加入が可能で、小学生になる6歳を上限としている保険が多い。
なお、保険を契約する親や祖父母に年齢制限が設けられている場合もあるので、加入前には必ず条件を確認しよう。
また、早期に加入することで、安価な保険料で様々な種類の学資保険を検討できる。
ただ、実際に学資保険に入った後も税金の取り扱いなど考慮すべき点は多い。
家族だけで学資保険を管理するのが難しいと感じた人は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。
家族に合ったアドバイスをもらうことで、学資保険の管理を安心して行うことができるはずだ。
ただ、保険のプロは数多く存在し、家族にとって最適な担当なのかをすぐに見定めることもまた難しい。
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