- 20代もがん保険に加入するべきなのかわからない
- 20代でがん保険に加入するメリット・デメリットが知りたい
- 20代におすすめながん保険とその選び方を知りたい
若く健康な20代の皆さんは、がん保険の存在を遠く感じていないだろうか?
しかし、がんは年齢を問わず突如として命を脅かす存在である。また、再発や転移による度重なる入院や、高額な医療費が経済的負担となることもあるため、万一のリスクに備えるがん保険の役割は大きいと言える。
そこで本記事では、20代から考えるべきがん保険の重要性、若いうちからがん保険へ加入することのメリットと注意点を解説する。
また、20代におすすめながん保険とその選び方についても述べるので、ぜひ参考にしてほしい。
なぜ20代からがん保険への加入を考えるのか?
20代はまだまだ若くて健康であるため「がん保険など必要ない」と感じている方も多いのではないだろうか。
しかし20代であってもがんに罹患するリスクはあり、手遅れになる前に検討しておくことが大切だ。
ここでは、20代ががん保険への加入を検討すべき理由を「がん罹患率」「治療にかかる費用」「先進医療の技術料」という3つの観点から解説していく。
年代別のがん罹患率
以下の表は、国立がん研究センターがん情報サービスの「がん統計」で発表された2019年におけるがんの全部位の年齢階級別罹患率を一部抜粋してまとめたものだ。
年齢階級 | 罹患率(人口10万対) |
20〜24歳 | 25.4 |
25〜29歳 | 43.0 |
30〜34歳 | 78.3 |
35〜39歳 | 133.3 |
40〜44歳 | 223.8 |
45〜49歳 | 337.6 |
50〜54歳 | 467.8 |
55〜59歳 | 682.5 |
60〜64歳 | 1022.9 |
65〜69歳 | 1499.9 |
70〜74歳 | 1952.8 |
75〜79歳 | 2327.5 |
80〜84歳 | 2540.9 |
85〜89歳 | 2576.7 |
90〜94歳 | 2514.8 |
95〜99歳 | 2353.7 |
100歳以上 | 1985.5 |
上記の表を見ると、やはり年齢を重ねるほどにがんの罹患率は高まっていることが分かる。
がん患者の多くの割合を占めているのは60代以上の世代と言えるだろう。
しかし20代でもがんに罹患するリスクがまったくないわけではなく、万が一かかってしまう可能性はある。
そのときに一切の保障も準備していないと、経済的に大きな負担を抱えてしまうリスクがある。
また、現時点ではほかの年代と比べて罹患率が低くなっているが、将来的にはリスクは高まっていく。
早めにがん保険への加入を検討しておくことが、長い目で見たときのリスク対策になるだろう。
がんの治療にかかる費用
以下の表は、厚生労働省が発表している「令和3年度医療給付実態調査」の結果をもとに、がん種類別の1入院あたりの平均医療費を算出してまとめたものだ。
がんの種類 | 1入院あたりの平均医療費 |
胃がん | 66,762円 |
結腸がん | 67,379円 |
直腸がん | 78,429円 |
肝がん | 65,789円 |
肺がん | 73,062円 |
乳がん | 60,285円 |
子宮がん | 64,619円 |
悪性リンパ腫 | 107,234円 |
白血病 | 176,568円 |
その他の悪性新生物 | 67,646円 |
上記の費用は公的医療保険が適用された上でかかる費用となっている。
1回の入院で平均的に6万円以上の費用が発生しており、全額自己負担しなければならない。
また、近年はがんの治療に関して入院日数が減少傾向にあり、通院治療によって対応するケースが増えてきている。
入院後に通院治療をすることが多いため、上記の費用に加えて通院治療の費用も想定しておく必要があるだろう。
さらに入院期間中の差額ベッド代や食事代、見舞いに来る家族の交通費や薬の副作用で使うウィッグなどの費用も負担しなければならない。
がんの治療中は仕事ができずに収入が減少してしまうリスクもあるため、がん保険に加入していなければ貯蓄を取り崩して支払う必要がある。
20代の多くは、まだ十分に収入が上がっていないケースも多く、なかなか貯蓄をできていない方も多いだろう。
上記のような費用を貯蓄だけで支払うことが厳しいと感じる方は、がん保険で備えておく必要性が高い。
先進医療の技術料は全額自己負担
治療にかかる医療費や入院期間中の諸費用などは、20代で計画的に貯蓄をしている人であれば十分に支払える額だ。
しかし先進医療の技術料については、ある程度貯蓄ができている人でも支払いが厳しくなる可能性があるだろう。
先進医療とは、厚生労働省が承認する高度な医療技術を用いた治療のことだ。
先進医療の技術料は公的医療保険の対象外であるため、全額自己負担しなければならない。
治療の種類にもよるが、技術料は数十万円以上になるケースも少なくない。
がんの治療に用いられる陽子線治療や重粒子線治療などは、数百万円の費用が発生する場合もある。
つまりがんに罹患した場合、選ぶ治療法によっては数百万円の費用を自分で負担しなければならないケースがあるということだ。
それだけの費用を貯蓄から問題なく支払える20代はなかなかいないだろう。
がん保険の「先進医療給付金」であれば、先進医療の技術料について保障を受けられる。
高額な費用を負担するリスクをしっかりとカバーできるのだ。
がんにかかった際に「先進医療を治療の選択肢として考えたい」という場合は、がん保険の加入を検討しよう。
20代でがん保険に加入するメリット・デメリット
20代でがん保険への加入を検討する必要性を解説してきたが、実際に加入するとどういったメリット・デメリットがあるのだろうか。
また、どのような人が20代でもがん保険に入るべきなのだろうか。
ここでは、20代でがん保険に加入するメリット・デメリットや必要な人・不要な人の特徴について解説していく。
20代からがん保険に加入するメリット
20代でがん保険に加入するメリットとしては主に以下の2点が挙げられる。
- 保険料の負担を抑えられる
- がんにかかる前に加入できる
年齢を重ねるとがんのリスクが高まるため、がん保険の保険料も加齢とともに上昇していく。
若い20代のうちに加入しておけば、手頃な保険料でがん保障を得られる点が大きなメリットだ。
特に、終身型のがん保険の場合は契約時から保障内容と保険料が変わらない仕組みとなっている。
早めに加入しておくことで、保険料の負担を抑えながら一生涯の保障を得ることができる。
現時点ではがんのリスクが低くても、年齢とともにがんに罹患するリスクは上がっていく。
将来がん保障が必要になるのであれば、保険料が安い20代のうちに保障を確保しておくというのはひとつの手と言えるだろう。
また、がん保険は一度がんを経験してしまうと加入が難しくなってしまう。
年齢を重ねてがんにかかると加入できないリスクがあることを踏まえると、20代の健康なうちに加入できる点がメリットと言える。
がんは再発のリスクも高い病気で、一度罹患すると継続的な保障が必要となるケースが多い。
しかしがん保険に加入する前に罹患してしまうと、新規での保険契約が厳しくなってしまう可能性があるのだ。
確実にがん保障を備えたいと考えているのであれば、健康な20代のうちに加入しておくと良いだろう。
20代でがん保険に加入するデメリット
一方、20代でがん保険に加入するデメリットとしては以下の点が挙げられる。
- がんのリスクが低い
- 保険料を無駄に感じてしまう
前述した表の通り、20代はほかの年代に比べてがんに罹患するリスクが低い年代だ。
リスクが低い中で保障を準備しても、給付金・保険金等を受け取れる可能性が低い点はデメリットと言える。
罹患のリスクが低いがんに備えるより、貯蓄をしたり、医療保障・死亡保障などを充実させたりする方が有意義に感じる方も多いだろう。
若いうちはお金を別のことに使い、もっとリスクが高くなってから検討するという考え方も間違いではない。
また、「がんのリスクが低い」という点ともつながってくるが、支払う保険料を無駄に感じてしまう点もデメリットだ。
どうしても健康なうちはがんに対する危機感が生まれにくく、保険料を支払う意味があるのか悩んでしまうケースがあるだろう。
周りの同世代でがんにかかった人がいれば「自分もかかるかも」という意識が芽生えやすい。
しかし20代は罹患リスクも低いため、なかなか自分ががんにかかるイメージを持てない。
支払う保険料をどうしても無駄に感じてしまう場合がある点も、20代でがん保険に加入するデメリットと言えるだろう。
がん保険が必要な人・不要な人
20代でがん保険に加入する必要性が高いのは以下のようなタイプの人だ。
- 身内にがん経験者が多い
- フリーランス・自営業者
- 貯蓄が少ない
がんは遺伝的要因も絡んで罹患する病気であるため、身内にがん経験者が多い場合は早めにがん保険に加入しておくと良いだろう。
もちろん必ずがんにかかるというわけではないが、がん保険でリスクに備えておくと安心だ。
また、フリーランスや自営業者にはがんの治療で仕事を休んだ場合の「傷病手当金」がない。
会社員・公務員に比べて公的保障が手薄であるため、がん保険でカバーしておく必要性が高い。
そして貯蓄が少ない、または貯蓄を崩したくない人もがん保険への加入がおすすめだ。
特に20代はまとまった貯蓄をできていない場合も多いので、万が一のリスクに備えておく必要があるだろう。
一方、20代で以下の2つに該当する人はがん保険に加入する必要性が低い。
- 十分な貯蓄がある
- ほかに優先して備えたい保障がある
すでに十分な貯蓄があり、がんの治療にかかる諸費用を問題なく支払える場合はがん保険に加入する必要性は低い。
ただし、先進医療の技術料なども考慮した上で不要かどうかを判断する必要がある。
また、医療保障や死亡保障など、ほかにがん保障よりも優先して備えたい保障がある場合もがん保険の必要性は低い。
20代はがんに罹患するリスクも低いため、医療保障・死亡保障を優先的に充実させる考え方も正しいと言える。
自分にとってがん保険が必要か、不要かをしっかりと判断し、最適な保険プランを設計しよう。
20代におすすめながん保険と選び方
がん保険はさまざまな種類があり、実際にどれを選ぶべきか迷う方も多いだろう。
ここでは、20代におすすめのがん保険と商品選びのポイントを紹介していく。
なお、いつがん保険に加入するかによって最適な保険商品は変化する。
年代別におすすめのがん保険についてまとめた記事もあるので、年代ごとに比較してみると20代で重視するべきポイントがより明確になるはずだ。
20代の独身者におすすめのがん保険
20代独身の場合、自分の両親を養っているケースを除き、自分自身の生活を守れれば十分である。
手厚い保障を準備するというよりも、シンプルな保障に絞って保険料の負担を抑える工夫が大切だ。
20代独身の方におすすめの商品は以下の2つが挙げられる。
- ネオファースト生命「ネオdeがんちりょう」
- なないろ生命「なないろがん一時金保険」
ネオファースト生命の「ネオdeがんちりょう」は、たばこを吸わない人の保険料が安くなる仕組みの商品だ。
過去1年以内に喫煙をしていないと、通常よりも割安な非喫煙者保険料率が適用される。
健康意識を高めつつ、保険料の負担も抑えられる点が魅力となっている。
なないろ生命の「なないろがん一時金保険」は、シンプルな保障内容によって手頃な保険料を実現している商品だ。
主契約の保障内容は一時金のみとなっており、その分保険料が安く抑えられている。
オプションで保障を追加できるため、希望に合った保険プランを設計できる点が魅力だ。
保険料の負担をなるべく抑えたい独身の方は、上記の保険から検討してみると良いだろう。
20代の既婚者におすすめのがん保険
20代で既婚の場合、自分ががんで治療すると家族の生活に影響が生じる可能性がある。
がんのリスクを手厚くカバーできる商品を選ぶことをおすすめする。
20代既婚者におすすめのがん保険は以下の2つだ。
- アクサダイレクト生命「アクサダイレクトのがん終身」
- ライフネット生命「がん保険ダブルエール」
「アクサダイレクトのがん終身」は、すべての部位のがんについて初期からカバーできることが特徴の商品だ。
上皮内新生物や高度異形成も満額で保障され、すべての段階のがんを保障できる。
保障も一生涯続くため、年齢を重ねてがんのリスクが高まっても安心だ。
ライフネット生命の「がん保険ダブルエール」は「がん治療にかかる費用」と「治療中に減少する収入」の2つを保障する商品である。
診断一時金と治療内容に応じたサポート給付でがん治療にかかる費用を保障しつつ、治療の長期化による収入の減少も給付金でサポートする。
家族がいる既婚者でも安心して加入できることが特徴の商品だ。
いずれの商品も、手厚く備えたい既婚者に適した特徴を持っている。
自分の希望に合う保障を準備し、がんのリスクに備えよう。
がん保険の選び方
がん保険を選ぶ際、以下の2つのポイントを押さえておこう。
- 必要な保障額を計算する
- 無理なく継続できる保険料を設定する
まず、がんにかかった際に「いくら保障が得られれば安心か」を確認しよう。
万が一がんにかかったとき、がん保険から得られる保障が不足してしまっては意味がないためだ。
前述した治療費の目安や入院期間中の諸費用、治療期間中に減少する収入などを計算し、必要な保障額を導き出す必要がある。
現時点の貯蓄・資産の状況なども踏まえ、最適な保障額を計算しよう。
また、保障内容と同じくらい保険料の設定も重要となる。
20代であればそこまで保険料が高額になる心配はないが、無理なく継続できる保険料を設定することが大切だ。
特に、終身タイプのがん保険で保険料を終身払いにする場合、保険料は一生涯にわたって負担しなければならない。
公的年金が主な収入源となる老後にも無理なく保険料を負担できるか検討した上で、適切な保険料を設定することが重要だ。
上記2つのポイントを踏まえ、最適ながん保険を選択しよう。
高額な治療費をカバーできるがん保険は20代からでもメリットは大きい
本記事では、20代から考えるべきがん保険の重要性、また若いうちからがん保険へ加入することのメリットと注意点を解説した。
若く働き盛りの20代の方は、「自分にはがん保険は必要ない」と考えることもあるだろう。
しかし、がんは2人に1人が発症するといわれ、また高額な医療費がかかることもある。
特に貯蓄が十分でない20代にとっては、早い時期から備えておくメリットが大きい。
ただ、一口にがん保険と言っても数多くの保険会社やプランが存在する。
その中で、年齢だけでなく、それぞれのライフステージに合わせて自分が求める保障内容を備えた保険に入ることが求められる。
今回紹介した商品の特徴や保険選びのポイントを参考に、自分にとって必要ながん保険を見つけるようにしてほしい。
このように、何より重要なことは、がん保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮してがん保険の必要性を判断することだ。
もし商品の選択やがん保険の見直しに少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合ったがん保険を見つけることができるはずだ。
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