- 差額ベット代に医療保険が下りるのかどうか知りたい
- 差額ベッド代の自己負担分を減らす方法が知りたい
- 差額ベット代の平均的な金額と保障内容について理解したい
差額ベッド代とは、入院の際に必要となる費用の一つである。
もし、差額ベッド代が発生した時に、医療保険は適用されるのだろうか。
本記事では、そもそも差額ベット代とは何なのか、差額ベット代で保険はおりるのか、自己負担額を減らす方法について解説していく。
これから医療保険への加入を検討している方や万が一の際にかかる負担額を少しでも減らす方法を知りたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてほしい。
差額ベッド代とは
差額ベッド代とは公的医療制度の話などでよく耳にする言葉だ。
差額ベッド代とは
差額ベット代とは正式名称を差額室料(さがくしつりょう)といい、通常の大部屋と違い条件の良い個室等を使用した場合に、患者に請求される大部屋との差額費用である。
入院時は日常時とはまったく異なる精神状態であり、面識のない人との相部屋よりも個室を希望するニーズが高い。
医療機関にもよるが病院は通常1部屋に6人用〜8人用のベッドが配置されるが、差額ベッド代が必要な病室は1人用の個室、もしくは少人数の4人部屋が該当する。
差額室料が必要な病室を「特別療養環境室」という。
日本では国民皆保険制度が導入されており、属性と年齢によって医療費の自己負担額は医療費全体の1割〜3割で抑えられている。
また1カ月における負担が一定額を超えた場合、高額療養費制度を利用すれば、超えた金額が還付される。
差額ベッド代はこの公的保障の対象ではないため、全額を自己負担する必要が生じる。公的医療保障は原則「多くの人が受けられる環境を補助」するものであり、金銭負担をすれば得られるサービスは対象にはならない。
差額ベッドの定義とメリット
- 一病室の病床数は4床以下であること
- 病室の面積は一人当たり6.4平方メートル以上であること
- 病床ごとのプライバシーの確保を図るための仕切りなどの設備が備えてあること
- 特別の療養環境として適切な設備を有すること
では差額ベットを利用することで、どのようなメリットがあるのだろうか
同室患者の生活習慣に影響されない
大部屋での治療は昼夜、偶然同室となったほかの患者と過ごすことになる。
いびきが気になったり、朝早く起床して物音で目覚めさせられたりという話をよく耳にする。
病気を早めに完治するためには、入院前と生活環境が変わらないことでストレスを貯めないことも大事だ。
差額ベッド代を出すことで、病院における最適な生活環境を得ることができる
家族や友人が気兼ねなく来訪できる
入院中のトラブルとなりやすいのは、家族や友人の訪問だ。
静かに療養したいのに友人が騒ぐことによる周囲の喧噪もあれば、訪問する家族から大部屋だと行きにくいという遠慮もある。
差額ベッドにすることで患者本人だけではなく、周囲も安心することが可能だ。
生活範囲が広がる
特に高齢者は6人も8人もいる大部屋では、自由に移動できないことも多い。
個室であれば部屋のなかに自分ひとりなので、移動するときのスペースも広い。
人と接することを大部屋のメリットとする声は多いが、意外なのは個室にすることで生活範囲を広げるという視点だ。
これらのメリットを鑑み、支払う差額ベッド代金としてコスパが合うかを考えたい。
また後述する医療保険に既に加入していて、差額ベッド代が保障される場合、上記のように複数のメリットがある。
ストレスを軽減して完治を早めるためにも、差額ベッドを上手に活用したい。
差額ベッド代はどれくらいか
上記統計によると、差額ベット代は1日あたり1,000円から10万円。
なかには10万円以上になるなど範囲が広い。1人用の個室が最も高く、4人部屋が最も安くなる。
単独個室よりも2人は格段に安くなるが、1つの部屋に見知らぬ2人というのもストレスが貯まるもののため、代金だけではなくコミュニケーションの面も含めて考えたい。
入院時に差額ベッド代をどうするか入院患者に意思確認がされるが、症状によっては本人に確認が取れないため、家族に確認されることも多い。
突然の入院はいつ発生するかわからないため、差額ベット代の公的医療との関係性は日頃から認識しておきたい。
差額ベット代は全額自己負担?
基本的に全額自己負担となる差額ベッド代だが、以下のような場合は差額ベッド代を支払う必要が無いとされている。
差額ベッド代が請求されないケース
以下のような場合は、実際に個室にて治療していても差額ベッド代は不要となることが多い。
- 患者の意志に関わらず病院側管理の都合等により個室へ入院した場合
- 病院側からのキャパシティの問題にて結果的に患者が個室に移動する場合の差額ベッド代は、患者負担とはならない。
- 患者本人の「治療上の必要」により個室へ入院させる場合
- 患者を治療する観点から、医療機関の意思決定に依る個室への移動は、差額ベッド代がかかることはない。
- 差額ベッド代が必要な個室へ入院することに、患者の同意が得られていない場合
- 患者の同意が得られていない場合は、後々のトラブルを避けるために差額ベッド代を支払う必要がない。
差額ベッド代の有無は家族も留意しておく
当然これらは医療機関側の判断となるので、患者側から主張できるものではない。
入院においては後々トラブルとならないよう、確認しておきたい。
多くの医療機関ではトラブルを避けるため、差額ベッド代が自己負担であることを医師などが説明し、同意書にサインをする。
前提として病院に入院するとき、当事者である患者は落ち着いて差額ベッド代が必要か判断し、サインできる状態にはない。
その分家族が留意して、本人の意思を代行することが必要だ。
とはいえ元気なときに「あなたが万が一入院するなら差額ベッドは必要か」とは聞けないので、家計の状況を見ながら家族が判断するようにしたい。
特に高齢者の患者が理解せずに差額ベッド代の同意書にサインしている場合は、家族が病院と交渉することで無効とすることもできる。
差額ベッド代は医療費控除にならない
差額ベッド代が自己負担となることで、考慮しなければならないのが医療費控除だ。
医療費控除は1年間に支払った所定の医療費を、翌年の所得税課税対象額から控除する仕組みだ。
医療機関の受診料や処方薬の代金などが対象となる。この医療費控除の対象に、差額ベッド代は含まれない。
差額ベッド代は公的医療保険と高額療養費に加えて医療費控除にも含まれないため、すべての対象から外れると認識しておきたい。
自己負担額を減らす方法とは
では差額ベッド代の自己負担額を減らすのは、どうすればいいのだろうか。
民間の医療保険を検討する
民間の医療保険は差額ベッド代が含まれているものも多い。
ただ各社の医療保障を見ると、差額ベッド代として明記しているケースは少ない。
アフラックの表記を見てみよう。
アフラック医療保障EVER
- 疾病・災害入院給付金 日額5,000円
- 通院給付金 日額 5,000円
- 入院、通院時に発生する諸経費(差額ベッド代や入院・通院のための交通費など)に備えられます。
他社もおおむねこのような表記だ。所定の入院給付金や通院給付金は、なにに利用してもかまわない。
言い換えれば給付金の枠内で個室を利用してもいいし、4人部屋の費用に充当してもいいという考え方になる。
特に個室は差額ベッド代も高額になるため、医療保険の保障を上手に活用したい。
必要になってから差額ベッド代保障を付加することは可能か
医療保険において差額ベッド代が特約に入っていれば、年齢の若いときは節約をして、年齢を重ねてから差額ベッド代をつけるという考え方もある。
ただ前項で説明した通り、差額ベッド代は入院給付・通院給付のなかに含まれている。
差額ベッド代に関わらず、保障全体で考えたいところだ。
ただ、最近あらたに誕生したサービスのなかに、医療保険は必要ないが差額ベッド代だけを保障するものがあり、注目されている。
差額ベッド代保険を検討する
生命保険の一種に少額短期保険(少短)というものがある。
1,000万円以下、1年以内の保障で入れるコンパクトな保険だ。
このうちの1社であるプラス少額短期保険から、「差額ベッド代保険」が提供されている。
この保険に加入すると差額ベッド代の実費負担分1日最高2万円、1保険期間で80万円までが補償される。
申込も満20歳から89歳まで申込可能だ。1年の補償期間が終了した後は、更新をすることで保険を継続することができる。
少短の考え方は医療保険プラスではなく、公的保障プラスで考えたい。
公的保障の弱点である差額ベッド代や先進医療を補填するためにパッケージ化した医療保険ではなく、公的医療に差額ベッド代などのパーツを補填するという考え方をすれば、差額ベッド代のみにピンポイントで対応することができる。
差額ベッド代は公的保障の対象にならない「お金の面」と、見知らぬ人との共同生活を回避する「患者の生活の面」がある。
両者のバランスを考えながら、本人もしくは家族として考え、利用するか否かの結論を出していきたい。
まとめ
本記事では、差額ベッド代が発生するケースや実際の費用、自己負担を減らす方法について解説した。
入院費や手術費用への対策は考えていても、差額ベッド代のことまで対策できていない方は多いのではないだろうか。
万が一の時治療に専念できるように、少しでも出費は減らしておきたいものだ。
しかし、保険の選び方は個々の生活状況や健康状態によっても変わるため、専門家の意見を聞くことをおすすめする。
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