- 20代女性が医療保険の保険料をいくら払っているのか知りたい
- 20代女性の医療保険の適正額がわからない
- 20代女性が保険を選ぶ際のポイントを押さえたい
少子高齢化が進む日本では、老後の生活に備え医療保険への加入を検討する人が増えてきている。
しかし、まだ健康で貯蓄も十分とは言えない20代女性の方の中には、自分が医療保険にいくら払うべきなのか、判断ができずにいる人も多いだろう。
また、女性特有のリスクに備えたいと思いながらも、そもそも20代から医療保険が必要なのかと疑問に感じる方もいるはずだ。
そこで本記事では、20代女性が医療保険に加入する必要性や保険料の平均額・適正額を解説する。
また、20代女性が保険を選ぶ際のポイントについても解説する。
同世代が医療保険にかける相場や保険を選ぶポイントを参考に、あなたに必要な保障を備えてほしい。
20代女性が医療保険に入る必要性
20代は、まだまだ病気や入院が身近でないことが多い。
しかし、病気のリスクはゼロではなく、疾病の種類によっては若いうちから罹患率が高まるものもある。
この章では、20代女性の健康リスクや医療保険の必要性について解説する。
20代女性が抱える健康上のリスク
厚生労働省による年齢別の入院率をみると、20歳〜24歳の女性は人口10万人に対し156人、25歳〜29歳の女性は258人となっている。
このように入院の可能性は決して高いわけではないが、病気になる人はゼロではない。
特に、生理不順や生理痛、月経前困難症(PMS)に悩まされることは20代であっても珍しくない。
ストレスによる月経トラブルが目立つが、その陰に子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が潜んでいることもある。
また、がんのリスクも実は大きい。女性のがん罹患率の上位5部位(乳房、大腸、肺、胃、子宮)のうち、女性特有の器官にまつわる子宮がんは20代後半から、子宮がんは30代から緩やかに増加する傾向にある。
女性特有の器官にまつわるがんは、20代や30代などの比較的早い段階から発症リスクが高まるのだ。
医療保険の必要性について
結論から言えば、20代女性であっても、徐々に高まる健康リスクや妊娠・出産のトラブルに備えて医療保険を早い段階から用意する必要がある。
公的制度による支援は受けられるものの、すべての治療費を賄えるわけではないからだ。
日本の医療制度では、公的保険の範囲内であれば医療費は一定割合だけで済む。
また、高額療養費制度や医療費制度もあり、自己負担が軽くなる仕組みが整っている。
しかし、入院時の食事代や個室に移る際の差額代は全額自己負担だ。
また、妊娠・出産についても一定の公的制度があるが、異常分娩時の入院費用や雑費などは対象外だ。
不妊治療も国の支援が充実しつつあるが、自由診療となるケースも多数あり、実費が発生することが多い。
このような自己負担分は保険で備えておくと安心だ。
また、保険は、貯蓄・収入が少ない若い人ほど必要であると言える。
貯蓄が少ないと、1回の入院・手術だけで、生活全体へのダメージが大きくなる。
突然、何十万もする費用を支払わなければならなくなると、その後の暮らしが立ちいかなくなることもある。
資金が足りないといった経済的な理由で、治療方法や療養する環境の選択肢が狭まることもある。
経済的損失を抑え、希望通りの治療を叶えるには、自分自身で保険を備えなければならないのだ。
女性向け医療保険の保障内容
医療保険の中でも20代の女性に特におすすめなのが、若いうちからリスクが高まる女性特有の部位や疾病に対する手厚い保障を備える女性向け医療保険だ。
女性特有の部位の疾病や妊娠・出産のトラブルの場合、一時金が支払われたり給付金が増額したりする。
主な保障内容は次のとおりだ。
女性特有の疾病保障
子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう症などの病気診断時や入院時、手術時に通常の疾病の金額に上乗せされ支払われる。
女性特有のがん保障
子宮がん・卵巣がん・乳がんの診断時に、一時金としてまとまった金額を受け取れる。
入院時の支払額が他の疾病に比べて2倍になるなどがある。
乳がん・子宮頸がん検診時に1万円の給付があるなど、疾病の早期発見にも役立つものもある。
妊娠・出産の保障
切迫早産や帝王切開など妊娠出産に関わる入院時に、一時金が支払われる。
出産の度に10万円など出産祝い金が用意されているものもあり、育児に必要な費用を補うことができる。
不妊治療の保障
公的保険では対象外となっている不妊治療時に給付金を受け取れる。
体外受精、顕微授精のための採卵、胚移植を行った場合、回数ごとに2万円~5万円の給付金が最大12回支払われるものなどがある。
女性向け医療保険は各保険会社で取り扱われており、保障内容や給付の条件は商品によってさまざまだ。
若いうちでもトラブルに見舞われがちな女性特有の病気に備える存在として、加入を検討するべきだと言えるだろう。
20代女性の医療保険の保険料平均額と適正額
20代の女性はどの程度の保険料を負担するべきなのか。保険料の平均額を確認し、大まかな予算を想定しよう。
また、収入に対する保険料の割合についても検討し、適性額を見極めるポイントについても説明する。
20代女性の医療保険料平均額
(公財)生命保険文化センターの調査によると、20代女性の医療保険、もしくは生命保険の医療保障に加入している割合は47.7%となっている。
半数近くの人が病気のリスクに対し自発的に準備をしているといえる。
20代男性の加入率(32.8%)と比べても、女性の方がもしものときのリスクに備えている割合が高いことが分かる。
なお、平均保険料について医療保険単独の統計は出ていない。
そのためここでは生命保険などと合わせた年齢別の保険料平均をまとめたので参考にしてほしい。
女性の年齢別払込保険料平均
年間 | ひと月当たり | |
---|---|---|
20代 | 9.6万円 | 8,000円 |
30代 | 14万円 | 16.666円 |
40代 | 18万円 | 15,500円 |
50代 | 19万円 | 15,833円 |
60代 | 15.9万円 | 13,250円 |
保険料の平均額を見てみると、20代女性は1か月の保険料が平均8,000円と他の年代より少なくなっている。
これは、
- 収入が多くないため最低限の保険を準備している
- 年齢が若いため保険料が安い
といった要因が考えられる。
ただし、これはあくまで平均の額だ。同じ20代といっても、独身・既婚や、子どもの有無、収入、住宅ローンの有無によって保険料は大きく異なる。
特に家族がいる場合、万一の際の生活費確保のため保障を手厚くする必要があるため、保険料は高くなる傾向にある。
20代女性の保険料適性額
平均額はあくまで参考であり、これが全ての人にとって適正な額というわけではない。
平均額だけで保険を決めてしまうと、保障が足りない、もしくは過剰といったように自分のニーズに合わない可能性が高い。
そのため、医療保険に加入する際は、必要な保障と支払える額のバランスを見極める必要がある。
では、全体の収入のうち、医療保険にかける金額はどのぐらいが適切なのだろうか。
年収ごとに、保険料の金額と世帯年収における保険料の割合をみてみよう。
世帯年収 | 平均保険料(年間) | 世帯年収における保険料の割合 |
---|---|---|
200万未満 | 20.5万 | 11.7% |
200万~300万 | 28.0万 | 11.6% |
300万~400万 | 31.5万 | 9.0% |
400万~500万 | 30.6万 | 6.8% |
500万~600万 | 31.9万 | 5.8% |
600万~700万 | 32.9万 | 5.1% |
700万~1000万 | 43.4万 | 5.2% |
1000万以上 | 57.9万 | 4.2% |
年収200万以下の場合、収入に対する保険料の割合が高くなり、11.7%となっている。
しかし年収の増加と共に割合は下がっていき、年収1000万円を超えると4.2%となる。
年間払込保険料の年収に占める割合は平均6.7%となっている。
これをもとにすると、収入に対する医療保険の保険料の割合は5〜7%が適正であると考えられる。
これから医療保険を検討する場合や既に入っている場合は、保険料が収入の何%にあたるか計算し、適性額を考えていくと良いだろう。
医療保険の保険料を適性額にするには
収入に対する保険料の適正な割合を知ったところで、具体的に自分にあった保険料に設定するにはどうすれば良いのだろうか。
ここでは保険料を適切に抑えるためのポイントを紹介する。
特約での付加ができないか検討する
希望する保障がある場合、新しい医療保険に加入するのではなく、特約で追加できないか検討してみよう。
単独の医療保険より特約の方が、安い保険料に設定されていることが多い。
現在加入中の保険や、これから加入する保険の特約のバリエーションについても確認しておこう。
複数の商品と比較する
同じ保障内容であっても、商品によって保険料はさまざまだ。
保険会社によって注力している保障やおすすめしたい給付金は違うため、保険料に差がつくこともある。
保障の名前や特約の名称が違っていても、実は同じ内容をカバーしていたということもある。
約款やパンフレットで保障内容をしっかりと確認し、保険料の比較した上で自分にあった商品を見つけるようにしよう。
安さだけを求めない
保険選びでは、安さだけを求めてはいけない。必要な保障はきちんと用意できているのか、もしもの時の保障額は十分かということも必ず確認しよう。
このように、必要は保障内容と保険料のバランスを保つことを大切にしてほしい。
20代女性が医療保険を選ぶポイント
多くの20代女性が初めて医療保険に加入することになるだろう。
そこで最後の章では、20代女性が保険選びで抑えておくべきポイントを以下の3つにまとめて解説する。
- 早めに加入する
- まずは最低限の保障を確保する
- 年齢やライフステージごとに見直す
「いつ医療保険に入るか」によって最適な保険商品は変わる。
年代別におすすめの医療保険についてまとめた記事もあるので、比較していただくと、より20代の加入者が重視するべきポイントが理解できるはずだ。
早めに加入する
保険はできるだけ早めに検討し、加入することをおすすめする。理由は2つある。
幅広い選択肢から保険を選べる
保険の契約時は、過去の病歴や現在の健康状態を申告する「告知」が必要だ。
この告知で入院・手術歴があると、希望通りの保険に加入できないことがあるのだ。
妊娠時も保険に加入できない、もしくは特定の部位を保障しないなど条件がつくこともある。
帝王切開を一度行った場合は、出産時の保障が制限付きになる場合も考えられる。
保険は健康状態が良いほど幅広い商品を選べる。元気なうちに早めに保険を検討すれば、条件の良いものを選びやすい。
特に女性の場合は妊娠・出産前の加入がおすすめだ。
保険料を抑えられる
医療保険の保険料は、申し込み時点の年齢に応じて決まる。
保険料は若いほど病気のリスクが低いとされ、安く設定されている。
同じ保障であっても、若いうちに契約すると保険にかかるコストを下げられるのだ。
特に終身タイプの保険は、一生涯保険料が変わらない。月では数百円の差であっても一生涯の支払いとなるとその差は大きくなる。
そのため若いうちに契約しておくメリットは大きいと言える。
まずは必要最低限の保障を確保する
20代は趣味や仕事、人間関係を充実させたい時期だ。
気力・体力ともに十分にあり、今の生活を楽しむことも重視したい。
そのため、まずは最低限の保険を用意することから始めてみよう。
日本には公的医療制度があり、ある程度の経済的損失はカバーできる。また、傷病手当金や所得補償が受けられるケースもある。
貯蓄が少ない間は公的制度を前提にしつつ、入院や手術の保障はシンプルなプランで確保してみよう。
その上で、入院や治療が長期化する女性のがんを手厚くするなど、不安な部分を保険で補うのがおすすめだ。
例えば、独身の場合は死亡保障は不要であることが多い。
まずは自分自身のケガや病気に備えることに注力し、家族ができたときに改めて検討するのも良いだろう。
このよつに、気になる保障は特約で検討すると、後々追加や変更がしやすい。
そのため、20代にとっては特約が豊富で組み換えがしやすい商品もおすすめだと言える。
年齢やライフステージごとに見直す
加入当初は自分にとって最適な保険だったとしても、年齢によって適切な保障内容・保障額は変わってくる。
以下は、年代ごとに直面する健康リスクの一例だ。
- 30代:妊娠・出産にまつわるトラブルが多い。不妊や異常分娩などで、医療機関を頼る機会も多い。子宮内膜症や子宮筋腫といった女性特有の疾患も増える。
- 40代:子宮・卵巣・乳房に関わるがんや病気が増加する。特に乳がんの罹患率は40代後半から急激に高まる。
- 50代:50代前半は大腸がん、50代後半からは胃と肺のがんが増え始める。
閉経に伴う更年期障害の症状もあらわる。
女性ホルモンの減少により、関節の柔軟性が奪われるといった身体的なトラブルが生じることもある。
このように年齢ごとにかかりやすい疾病は異なることから、適宜必要な保険を用意するのが大切だ。
また、女性は、結婚や出産、育児などさまざまな選択肢があり、男性以上にライフステージがめまぐるしく変化する。
当初予定していたライフプランとは異なる状況になる場合もある。
直面するリスクや病気、症状は移り変わることから、年齢以外にも家族の状況などに合わせて、保険は必ずこまめに見直すようにしよう。
まとめ
本記事では、20代女性が医療保険に加入する必要性や保険料の平均額・適正額、また20代女性が保険を選ぶ際のポイントを解説した。
女性は20代のうちから、妊娠や出産を含めた特有のリスクに備える必要がある。
一方20代女性が支払っている保険料の平均額は、1万円を切っており、手厚い保障をかけている女性は少ない。
ただ、早いうちから医療保険への加入を検討することで、安価な保険料で様々な保障内容の保険商品を選択できる。
そのため、20代から自分に必要な医療保険について考えておくことをおすすめする。
自分に必要な医療保険を一人で選べるか不安だという人は、保険のプロに相談することも検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な医療保険を的確に選択することができるはずだ。
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