- 医療保険へ加入するメリットを理解したい
- 医療保険を選ぶ際のポイントが知りたい
- 自分の年齢に適したおすすめの医療保険が知りたい
病気やケガなどにより入院や通院した際の備えとして、医療保険に加入する人は多いだろう。
現在販売されている医療保険にはさまざまな種類があり、がんや脳卒中などの生活習慣病への保障が手厚いものや、女性特有の病気に備えられるものもある。
そもそも、年代によって重視すべき保障内容が異なるため、各年代でおすすめな医療保険が何か気になる人は多い。
そこで本記事では、医療保険が必要な理由や選ぶ際のポイントを詳しくまとめた。
記事の後半では、年代別におすすめな医療保険を6つ紹介している。
医療保険への加入を検討している人はもちろん、現在加入している医療保険を見直したいという人も、本記事の内容を踏まえ、想定されるリスクに適切に備えてほしい。
医療保険で備えるべきリスクとは
病気やケガなどで入院・手術したり、退院後に通院したりした際に保障を受けられる医療保険であるが、実際にどれほどの人が医療保険に加入しているか気になる人も多いだろう。
生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、医療保障に対する私的準備状況として、医療保険と回答したのは68.8%だった。
本調査は複数回答だが、結果は以下のとおりである。
- 医療保険:68.8%
- 損害保険:20.8%
- 預貯金:44.5%
- 有価証券:7.8%
- その他:0.3%
- 準備していない:15.3%
- わからない:2.0%
何かしらの方法で病気やケガに備えている人の割合は82.7%であり、預貯金で備えていると回答している人も一定数いることがわかる。
なお、男女別の医療保険の加入割合は、男性が66.2%で女性が70.9%だった。
さらに、男女別・年齢別で医療保険に加入している人の割合は、下表のとおりである。
年代 | 男性(%) | 女性(%) |
---|---|---|
20代 | 32.8 | 47.6 |
30代 | 68.4 | 72.4 |
40代 | 74.9 | 76.2 |
50代 | 72.1 | 77.2 |
60代 | 75.4 | 77.2 |
70代 | 64.7 | 65.2 |
20代の加入率は大きく下がっており、年齢的な若さゆえに、医療保険の必要性を考えにくい傾向が伺える。
また、医療保険の支払いに関して、経済的な余裕がほかの世代に比べて乏しい可能性もあるだろう。
男女ともに年齢が上がるにつれて加入率は高まり、60代が加入率のピークとなった。
医療保険への加入割合は上記のとおりで、全世代で平均すると、およそ10人に7人は保険で備えていることがわかる。
それでは、具体的にどのようなリスクに備えていくべきなのか、以下3つの視点で詳しく解説していこう。
- 入院や手術で働けなくなった際の生活費に備える
- 公的医療保険でカバーできない費用を補う
- 年齢が上がるほど病気に罹患する確率は高まる
入院や手術で働けなくなった際の生活費に備える
医療保険で備えたいリスクとして最初にイメージするのが、入院や手術で働けなくなった際の生活費ではないだろうか。
厚生労働省がまとめた「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、同年における平均入院日数は32.3日と報告されている。
なお、年齢別の調査結果は以下のとおりだ。
年齢 | 平均入院日数(日) |
---|---|
0~14歳 | 8.9 |
15~34歳 | 12.2 |
35~64歳 | 24.4 |
65歳以上 | 40.3 |
70歳以上(再掲) | 41.7 |
75歳以上(再掲) | 45.0 |
見てもわかるように、年齢を重ねるほど入院日数が長くなっている。
現役世代の平均入院日数は約25日となっており、職場を4週間ほど休むことになる期間と言えるだろう。
ちなみに、平均入院日数は年々短くなっており、前回調査の平成29年では30.6日で最も短かったが、さらに遡ると昭和62年は平均47.3日も入院している。
傾向として入院日数は短くなっており、全体の平均である約32日、つまり約1ヶ月の入院生活に対してどのように備えるべきか考える必要があると言えそうだ。
このとき、働けなくなった際の社会保障制度として、傷病手当金がある。
これは、社会保険加入者であれば受け取れるもので、国民健康保険加入者にはない制度だ。
原則として、入院による働けない期間が3日間続き、4日目に入ると受給できるものである。
金額は給料のおよそ3分の2で、期間は最長で1年半だ。
傷病手当金は会社から給料が支払われている期間には相殺される場合もあり、実際にどれほどの額が支給されるかは状況によって異なるため注意が必要である。
傷病手当金を受け取れる場合、収入は減少するもののなくなるわけではないため、大きな心配はないだろう。
一方、個人事業主やフリーランスの場合は傷病手当金を受け取れず、自分が稼働しない限り収入が途絶えてしまう場合には医療保険は必須である。
先述の生命保険文化センターの調査によると、直近の入院時の自己負担費用は平均19.8万円とされている。
これには後述する高額療養費を利用した後の金額で、入院中の食事代や差額ベッド代を含むものだ。
平均して約20万円の入院費用がかかるという結果で、保険でカバーできるようにすべきか、預貯金で十分対応できるのかなど、それぞれの状況と照らし合わせて考えてみよう。
公的医療保険でカバーできない費用を補う
医療保険で備えたいリスクとして、公的医療保険でカバーできない費用も挙げられる。
医療保険の必要性を検討する際、不要だと考える人が主張する点として高額療養費制度がある。
高額療養費制度とは、毎月の入院や通院費用に関して、所得に応じて限度額が定められており、同額を超えた分は還付または現物給付(窓口負担のタイミングで控除)される制度である。
高額療養費制度は社会保障制度として誰もが適用されるもので、一般的な給与水準であれば窓口負担は9万円前後になるだろう。
この点だけを見ると医療費の負担は限定的だが、先ほど紹介したように、入院費用の平均は19.8万円だった。
つまり、高額療養費制度ではカバーできていない費用が10万円ほど存在していることがわかる。
これが、入院時にかかる差額ベッド代や食事費用、家族がお見舞いに来た際の交通費などだ。
差額ベッド代に関しては、個室を希望すると1日数千円ほどかかるのが一般的である。
入院するまでは「4人部屋で十分だ」と考える人が多いものの、いざ入院すると自分一人の時間が欲しくなるもので、落ち着ける空間を求めたくなるようだ。
これらの諸費用は高額療養費制度の対象外であるため、全額自己負担になる。
入院期間が長引けば、その分差額ベッド代は高くなる。
そして、治療に専念したいと考えた場合には個室を希望したくなるため、いざという時に備えて医療保険があると安心というわけだ。
現在ではがんは治る病気として認知され始めており、治療体制も充実している。
だが、先進医療の治療対象になった場合は、技術料は全額自己負担であり、場合によっては相当な費用負担を余儀なくされるため、治療に集中するためにも医療保険で先進医療に備えておく必要性も考えられる。
実際、高額療養費制度が恒久的に続くとは限らず、社会保障制度が根本から変わる可能性もゼロではない。
人口動態の変化に伴って医療費負担が増える未来も想定して、自助努力として医療保険に加入しておいたほうがよいだろう。
年齢が上がるほど病気に罹患する確率は高まる
誰もがあらがえない事実として、年齢が上がるほど病気に罹患する確率は高まるものだ。
厚生労働省の「人口動態統計の概況」によると、男女別の死因の上位5位は以下のとおりである。
順位 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
1位 | がん:27.9% | がん:21.1% |
2位 | 高血圧性を除く心疾患:14.1% | 老衰:16.8% |
3位 | 脳血管疾患:6.7% | 高血圧性を除く心疾患:15.6% |
4位 | 老衰:6.3% | 脳血管疾患:7.1% |
5位 | 肺炎:5.4% | 肺炎:4.0% |
上記は2022年の結果だが、いわゆる三大疾病が死因の上位に名を連ねていることがわかる。
生活習慣病に罹患するリスクは誰もが抱えており、飲酒や喫煙、脂っこいものを好む食生活、全く運動をしないなどの生活が常態化していると、発症率は当然高まるだろう。
また、がんは国民病とも呼ばれており、一生涯のなかでがんに罹患する確率は男性の場合で60%、女性は50%とされている。
2人に1人はがんにかかる状況において、医療保険やがん保険への備えは考えざるを得ないだろう。
そして、医療保険は健康なうちに加入することが非常に重要である。
なぜなら、一度病気にかかってしまうと、その後に医療保険に加入しようとすると一部不担保と呼ばれる条件がついたり、保険金額が引き下げられたりするからだ。
医療保険は相互扶助のもとで制度が成り立っているため、健康な人は割安な保険料で契約できる一方、病気にかかるリスクが相対的に高い人ほど保険料は高まる。
病状によっては引受条件緩和型や告知なしで加入できる医療保険を検討せざるを得ないが、保険料は当然割高だ。
なお、具体的に「何歳から医療保険に加入するべきなのか」を判断するためには、年代別の加入率などをまとめた以下の記事を参考にしてほしい。
また、保険の見直しも同様で、保障内容が不十分であれば、早めに他社と比較検討して割安な保険料のうちに最適な保障を用意することをおすすめしたい。
医療保険を選ぶときのポイント
自分に最適な医療保険を選びたいと誰もが考えるところだが、結局どのような基準で判断すればよいかわからない人も多いだろう。
ここでは、医療保険を選ぶ際のポイントについて、以下の3点で詳しく解説する。
- どの範囲を医療保険でカバーしたいか決める
- 年齢や性別・家族の生活状況で重視したい保障を決める
- 無理のない保険料に収まっているか確認する
これらを判断基準にして、現在医療保険に加入している人は現状を把握してみてほしい。
自分の場合はどのように考えるべきか、当てはめながら条件を絞り込んでみよう。
どの範囲を医療保険でカバーしたいか決める
医療保険を比較検討する際、最初に考えたいのが保障の範囲である。
一口に医療保険と言っても、入院した際に日額給付として受け取るのか、一括で受け取るのか、手術の場合に一時金が出るようにするのかなど、適用条件はさまざまだ。
- 入院時の日額給付
- 入院時の一時金
- 通院時の日額給付
- 手術時の一時金
- 先進医療に対する保障
- がん特約
- 三大疾病特約
- 女性特有の病気に対する特約
- 用途の定めのない一時金の給付
医療保険に限らず、全ての生命保険には主契約と呼ばれるベースの内容と、特約でつけられるものとに分かれている。
もちろん、特約をつければつけるほど月々の保険料は高まる。
一方で、特約を付したものの、該当する可能性が極めて低い場合にはつけないほうが適切だろう。
生命保険文化センターの調査によると、医療保険に加入している人の入院給付金日額の平均は男性が9,600円、女性が8,100円であった。
また、一時金が支払われるタイプの医療保険に加入している人の一時金の平均額は男性で21.6万円、女性は16.4万円である。
男性が家計を支えている可能性が高いことを踏まえると、平均額に差があるのは納得いく結果だろう。
全体の傾向としては、日額給付10,000円の医療保険に加入している人が多いものと推測され、一時金であれば、20万円ないし30万円を受け取れる保険に加入していると考えられる。
給付金額はもちろん、支払い限度日数や保険期間を基準に医療保険を比較検討することも大切だ。
一度の入院に対して60日が支払い限度になっていることが多いが、先述の平均入院日数を踏まえると、保険料を抑えたい場合は30日に設定してもよさそうだ。
また、日帰り入院・手術でも給付金を受け取れるかどうかが異なるため、各社のパンフレットを確認してみよう。
保険期間に関しては、終身または定期の2つに大別でき、終身医療保険であれば加入時の保険料で据え置きになるため早めの加入が鍵だ。
医療保険は年齢を重ねるごとに必要性が高まるため、保険期間に定めのある定期型の加入は稀かもしれない。
ここまで紹介した「給付金の金額や種類」「支払い限度日数」「保険期間」に関して、自分ならどの程度の保障が必要であるか、いくつかパターンを分けながら具体的に書き出してみるとよいだろう。
年齢や性別・家族の生活状況で重視したい保障を決める
先ほど紹介したのは医療保険の条件面に関してであるが、選ぶポイントとして、重視したい保障内容から考えることも重要である。
保険料だけを見ても、仮に月々5,000円を支払う場合、20代と50代では考え方が大きく異なるだろう。
経済的な余裕度やお金の使い道・優先順位などを踏まえると、若年層においては安価な保険料にしたいニーズが強いはずだ。
一方、50代になれば健康への意識は相当程度高まっており、なかには実際に入院して医療保険のありがたみを痛感している人もいるだろう。
医療保険の存在がリアルに感じられる人ほど、保険料よりも充実した保障内容を優先するはずだ。
性別や家族の生活状況によっても、リスクの捉え方や備え方は異なる。
一家の大黒柱として家計を支えている場合には、まとまった保障額を受け取れたほうが安心できるだろう。
逆に、結婚して子どもはおらず、経済的にも比較的余裕があるなら最低限の保障に留めて、不足する際は預貯金で備える選択肢も取れるはずだ。
家族でがんに罹患する人が多ければ、がんに対する備えを重視すべきである。
人間ドックの結果が思わしくなかったのであれば、三大疾病または七大生活習慣病への備えを手厚くしてもよいだろう。
医療保険の主契約として入院や手術に対する給付はカバーされることが多いものの、通院に対しては特約で保障されるのが一般的だ。
近年の傾向としては入院期間が短期化しており、退院後の通院が長引くケースもある。
そのため、通院に対する保障に関しても、人によっては重視したほうがよいだろう。
自分の生活環境やライフステージなどを踏まえて、さまざまな保障内容のうち何を重視したいか、優先順位を一度つけてみてほしい。
条件面と優先したい保障内容が定まれば、最適な医療保険を見つけられるはずだ。
無理のない保険料に収まっているか確認する
医療保険を選ぶ際の最後の決め手になるのが、保険料が適正であるかどうかだ。
「備えあれば憂いなし」とはいうものの、保険料が高額になり過ぎて支払いがギリギリになるのは本末転倒である。
保険の前提として覚えておきたいのが、保険金支払事由に該当してはじめて保険は意味をなし、健康であり続けると保険料は支払損になる点だ。
上記の原則は当然ではあるが、医療保険を含む各種生命保険は、「安心」を買っているようなものである。
そのため、毎月支払い続けても無理のない金額であるか、払い込んだ保険料が返ってこなくても構わないと思えるか、慎重に判断しよう。
「保険に加入して損した」と思ってしまう場合は、保険料が高すぎる可能性がある。
保険料と引き換えに手に入れられる安心を天秤にかけて、バランスが取れているか検討しよう。
生命保険文化センターの調査によると、すべての生命保険の年間払込保険料について、男性は20.6万円、女性は16.0万円という結果だった。男女別の払込保険料ごとの割合は下表のとおりである。
年間の払込保険料 | 男性(%) | 女性(%) |
---|---|---|
12万円未満 | 33.0 | 44.1 |
12〜24万円未満 | 29.1 | 31.0 |
24〜36万円未満 | 15.7 | 11.6 |
36〜48万円未満 | 6.2 | 3.1 |
48〜60万円未満 | 2.5 | 1.4 |
60万円以上 | 4.5 | 2.4 |
わからない | 8.9 | 6.4 |
上記の結果は医療保険だけの金額ではない点に注意が必要だが、ボリュームゾーンとして最も多いのが12万円未満であることがわかる。
合計して月々1万円未満の保険料を支払っているケースが最も一般的で、次に多いのが、月々1〜2万円の保険料という状況だ。
次に、年齢別の年間払込保険料を見てみると、下表のとおり男女ともに50代が最も高いことがわかる。
年代 | 男性(万円) | 女性(万円) |
---|---|---|
20歳代 | 11.9 | 9.6 |
30歳代 | 19.9 | 14.0 |
40歳代 | 22.4 | 18.6 |
50歳代 | 25.5 | 19.0 |
60歳代 | 21.2 | 15.9 |
70歳代 | 16.4 | 13.0 |
年代別で見ると、20代においては月々1万円未満の保険料が一般的である一方、50代男性は月々2万円以上の保険料を払い込んでいる。
この点、自分の身に万が一の事態が起きた際の影響度が大きいからこその結果といえるだろう。
上記の払込保険料も一つの目安にして、自分と同年代の人は生命保険の合計保険料をどれくらいに納めているかも踏まえて、最適な保険を選んでみよう。
年代別におすすめの医療保険を紹介
医療保険の選び方のポイントは理解できたものの、実際におすすめの保険商品が何か知りたい人も多いだろう。
ここでは、以下の年代別でおすすめの医療保険を紹介する。
- 20代・30代におすすめの医療保険
- 40代・50代におすすめの医療保険
- 60代以上の方におすすめの医療保険
年代によって価値観や医療保険に求めるもの、重視したい項目は異なるだろう。
年代ごとの背景を踏まえておすすめの医療保険を紹介しているので、以下で紹介する保険商品をベースにして、気になるものと比較検討してみてほしい。
20代・30代におすすめの医療保険
20代や30代においては、医療保険を選ぶ際に保険料の安さを重視したい人が多いだろう。
経済的な余裕は40代・50代に比べて高いとは言えず、結婚して子どもが生まれると家計はギリギリになりがちだ。
以下では、20代・30代におすすめの医療保険として、安価ながら保障内容が充実している商品を紹介しよう。
20代・30代におすすめの医療保険①
20代・30代におすすめの医療保険の一つ目が、SBI生命の「終身医療保険Neo」だ。
この保険は、リーズナブルな保険料ながら充実した保障を確保できるのが最大の特徴である。
入院・手術への給付といった基本的な保障をベースに、ニーズが高い保障を厳選しており、喫煙状況や体格などの項目について、SBI生命の基準を満たすと「優良体料率」として保険料をより抑えられる。
また、各種特約も用意されているため、自身のニーズ・リスク許容度に合わせて自由にカスタマイズできるのも大きな特徴だ。
ネットで申し込める手軽さも、20代・30代の若年層にとっては便利だろう。
気になる保険料だが、入院給付金日額5,000円、保険期間及び保険料払込期間は終身、1回の支払い限度日数は60日、優良体料率適用の場合、20歳男性で月々770円、女性で945円、30歳男性で1,010円、女性で1,155円となっている。
特約をつけても月々の保険料を1,000円台で抑えられるため、安価に充実した保障の医療保険を希望するならSBI生命がよいだろう。
20代・30代におすすめの医療保険②
20代・30代におすすめの医療保険の二つ目が、ライフネット生命の「じぶんへの保険3」だ。
この保険は、日帰り入院も保障されるため、入院期間が短くなりがちな若年層にとってはメリットといえるだろう。
また、入院が5日以内の場合、一律で5日分の入院給付金が支払われるのも大きな特徴である。
終身医療保険であるため、保険料は加入時のまま一生涯上がらないため、健康体だからこそ割安な保険料で加入できる20代・30代のうちに契約を検討すべきだろう。
ほかにも、三大生活習慣病に罹患した場合、入院給付金の支払い限度日数が無制限に延長されるコースもある。
また、はじめてがんと診断された場合、治療給付金として入院給付金日額の100倍を一括で受け取れるのも、大きな安心感につながるだろう。
保険料に関しては、入院給付金日額5,000円、保険期間・保険料払込期間が終身の「エコノミーコース」であれば、30歳男性で月々1,578円、女性で1,701円だ。
なお、三大生活習慣病に備える「おすすめコース」の場合、30歳男性で3,079円、女性で3,127円だ。
SBI生命ほどのお値打ち感はないものの、ライフネット生命のほうが保障内容は充実しているため、両者を比較しながら検討してみてほしい。
40代・50代におすすめの医療保険
40代・50代になると、健康意識が高くなりやすいほか、自身の健康状態が気になる人も多い。
医療保険を検討する際は、がんや生活習慣病に対する保障の手厚さを重視する傾向にある。
ここでは、40代・50代におすすめの医療保険として、がんや生活習慣病への手厚い保障にフォーカスして2つの保険商品を紹介しよう。
40代・50代におすすめの医療保険①
40代・50代におすすめの医療保険の一つ目が、チューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムZ」だ。
この保険は、入院や手術への給付金はもちろん、特定疾病や女性疾病を含めて、幅広い保障から自由にカスタマイズできるのが大きな特徴である。
主契約で放射線治療に対する給付金もカバーしており、先進医療特約をつければ通算2,000万円まで保障される。
がんや生活習慣病におすすめな特約が「特定疾病一時金」オプションだ。
上皮内新生物を含むがん、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血、急性心筋梗塞などに罹患した際、一時金として30・50・80・100万円から選べるものだ。
一時金は何度でも支払われるため、再発や転移した際も安心できるだろう。
なお、脳動脈瘤や狭心症、不整脈、心不全なども対象となっているため、適用範囲の広さも特徴的だ。
ほかにも、「特定疾病保険料払込免除」オプションもあるため、保障は一生涯続きながら、保険料の負担がなくなるのも助かるだろう。
40代・50代におすすめの医療保険②
40代・50代におすすめの医療保険の二つ目が、オリックス生命の「医療保険CURE Next[キュア・ネクスト]」だ。
この保険は終身型の医療保険であり、一生涯の保障を加入時の保険料のまま維持できる。
解約返戻金がない分、充実した保障内容を割安な保険料で実現しているのが大きな特徴である。
がんなどの七大生活習慣病への保障は手厚く、特約を付した場合、1回の入院に対する支払限度日数は2倍になる。
さらに、三大疾病で入院すると、支払限度日数は無制限だ。
先進医療を受けた際には通算2,000万円まで保障され、先進医療一時金として、先進医療給付金の10%相当額も支払われる。
ほかにも、「特定三疾病一時金特約」を追加すると、がんの診断または入院、急性心筋梗塞・脳卒中で入院したときまたは手術をうけたときなどに一時金を受け取れる。
1年に1回が限度とされているが、回数に制限はないため、治療に専念しやすくなるだろう。
60代以上の方におすすめの医療保険
60代以上のミドルシニアやシニア世代であれば、自身の健康状態によっては保険への加入を断られるケースもある。
年齢が上がるほど病気にかかるリスクは上がるため、加入できる保険の種類は若年層に比べて少ないのはやむを得ないだろう。
そのため、60代以上の方であれば、加入条件の緩さを一つの判断基準にするのがおすすめだ。
ここでは、60代以上の方におすすめな医療保険として、加入条件にフォーカスして2つの商品を紹介しよう。
60代以上の方におすすめの医療保険①
60代以上の方におすすめの医療保険の一つ目として、FWD生命の「FWD医療引受緩和」が挙げられる。
この保険は、持病や既往症がある人でも申し込めるのが大きな特徴で、以下の質問事項に「いいえ」と答えられれば申込み可能だ。
- 最近3ヶ月以内に、医師から入院または手術をすすめられたことはあるか
- 過去1年以内に病気やケガで入院したこと、または手術をうけたことがあるか(例外となる手術も多数あり)
- 過去5年以内にがん(上皮内新生物を含む)と診断されたことがあるか、統合失調症、肝硬変、アルコール依存症、認知症で入院したことがあるか
直近の入院または手術が特になければ加入できるため、比較的検討しやすいだろう。
日帰り入院から保障しており、入院給付金の支払限度日数は30・60・120日から選べる。
入院期間が長くなりがちなシニア世代にとっては、限度日数を120日まで延ばせるのは安心できるのではないだろうか。
ほかにも入院時の一時金や退院後の通院、自由診療に対する保障などの特約も別途用意されているため、必要に応じて検討してみてほしい。
ただし、付加する特約によっては追加の質問事項があるため注意が必要だ。
60代以上の方におすすめの医療保険②
60代以上の方におすすめな医療保険の二つ目が、はなさく生命の「かんたん告知 はなさく医療」だ。
この保険も、持病や既往症がある人でも申し込める引受基準緩和型の終身医療保険だ。
満85歳まで契約可能で、こちらの場合は以下の告知項目がすべて「いいえ」なら申込みできる。
- 直近3ヶ月以内に、医師から入院・手術・検査・先進医療をすすめられたことがあるか
- 過去2年以内に、病気やケガで入院・手術・先進医療をうけたことがあるか
- 過去5年以内に、悪性新生物または上皮内新生物、肝硬変、認知症、アルコール依存症、統合失調症で診療を受けたことがあるか
FWD生命の場合とほぼ同じ内容だが、がん保障を手厚くしたり三大疾病保障を充実させたい場合には別途告知が必要になる。詳細は公式サイトを確認しよう。
シニア世代が医療保険を検討する際は、通院時の保障や保障期間を延長できると使い勝手が高まる。
はなさく生命の医療保険は特約の種類も豊富にあるため、比較的加入条件が緩いなかでも、自身のニーズを満たす保障を用意できるだろう。
まとめ
本記事では、医療保険で備えるべきリスクや保険商品を選ぶポイントを解説した。
また、年代別におすすめの医療保険を合計6つ紹介した。
年齢を重ねるほど病気にかかったり入院したりするリスクは当然上がるため、医療保険で備えておいたほうがよいだろう。
また、一度入院などをしてしまうと医療保険に入りづらくなってしまい、保険料も割高になることから、加入を検討するなら早めがおすすめだ。
医療保険を選ぶ際は、自分に必要な保障を明確にしたうえで、優先順位をつけて保険料が高くなりすぎないようにしよう。
本記事では具体的な医療保険を紹介しているものの、必ずしもあなたのニーズに完全に合致するわけではない。
あくまで参考程度にしたうえで、各社の保険商品と比較検討して良し悪しを判断しよう。
自分にぴったりな保険選びに少しでも疑問や不安がある際は、保険のプロに相談するのがおすすめだ。
保険のプロとあなたをつなぐマッチングサイトである「生命保険ナビ」を使えば、あなたにぴったりな担当者を見つけられるだろう。
専門家から無料でアドバイスをもらいながら、自分に本当に必要な医療保険を探したい方は、生命保険ナビをぜひ活用してみてほしい。