- 18歳から保険に新しく加入すべきなのかがわからない
- 18歳から貯蓄型保険を効果的に利用する方法が知りたい
- 18歳の子どもを加入させるのにおすすめの貯蓄型保険が知りたい
18歳は、高校を卒業して大学に進学するなど環境が大きく変化する年齢だ。
また、進学と同時に加入していた学資保険が満期を迎えることが多い時期でもある。
そのため、18歳から子どもを新しく保険に加入させる必要があるか、悩んでいるご両親の方も多いだろう。
結論から書くと、死亡保険など万が一のときの保障を目的として保険に加入させる必要性は低い。
ただ、将来に向けた資金を準備するために貯蓄型の保険を活用することはおすすめだ。
そこで本記事では、「18歳の子どもに新たに保険をかけるべきなのか?」というテーマで解説を行う。
本記事を参考にして、18歳からの保険について理解を深めてほしい。
貯蓄型保険を知る前に!18歳から新たに保険へ加入する必要はあるのか
18歳から新たに保険へ加入する必要性は高くはない。
なぜ必要性が高くないといえるかについて、日本における社会保険の側面から解説していく。
日本における社会保険の種類
日本は、社会保障制度が充実している。
社会保障制度とは、もしものときに国や地方公共団体より補助などが受けられる制度のことをいい、「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「保険医療・公衆衛生」から成る。
中でも、生活を守るために加入が義務付けられている社会保険には、主に以下の5つがある。
内容 | |
---|---|
公的医療保険 | ・健康保険のこと ・勤務先などによって種類が異なる |
年金保険 | ・厚生年金保険と国民年金保険の2種類がある ・原則65歳から年金が受け取れる ・会社員の方はどちらの年金保険にも加入し、自営業の方とその扶養家族や会社員の扶養家族は国民年金のみに加入する ・年金保険加入者が亡くなった場合は、遺族年金が受け取れる |
介護保険 | ・40歳になると加入が必須 ・要介護状態になったときに介護サービスなどが原則1割の自己負担で受けられる |
雇用保険 | ・会社員が加入する保険 ・雇用保険加入者が失業した場合は、失業給付が受け取れる |
労災保険 | ・会社員が加入する保険 ・業務中や通勤時のケガや病気などを保障する |
上記の中でも、特に「公的医療保険」による保障は手厚い。公的医療保険については後述する。
民間の生命保険は、上記のような社会保険だけでは必要保障額(万が一のときに必要と考えられる金額)が足りない場合に加入するものだ。
そのため、子どもが学生であるうちは民間の生命保険に加入する必要はあまりない。
就職して家族の扶養から外れたりするなど、自身の収入によって生活するようになってから加入を検討することがおすすめだ。
公的医療保険の概要と仕組み
日本では、「国民皆保険制度」を取り入れているため、日本国民は必ずいずれかの公的医療保険に加入することとなる。主な公的医療保険は以下の4つだ。
加入対象者 | |
---|---|
健康保険組合 | 大企業に勤務する従業員とその扶養家族 |
全国健康保険協会(協会けんぽ) | 中小企業に勤務する従業員とその扶養家族 |
共済組合 | 教員や公務員などとその扶養家族 |
国民健康保険 | 自営業者やその扶養家族 |
これらの公的医療保険に加入することにより、年齢や収入に応じて1〜3割の自己負担で診察や治療を受けられるのである。
また、治療費が高額になった場合には「高額療養費制度」が利用可能だ。
高額療養費制度とは、病院などの窓口でひと月の間に支払った金額が、年齢や年収ごとに定められた自己負担上限額を超えたときに、その超えた分が高額療養費として支給される制度をいう。
具体的な自己負担上限額は以下のとおりだ。
69歳以下の場合
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
---|---|
年収約1,160万円〜 | 252,600円+(医療費−842,000)×1% |
年収約770万円〜約1,160万円 | 167,400円+(医療費−558,000)×1% |
年収約370万円〜約770万円 | 80,100円+(医療費−267,000)×1% |
〜年収約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
70歳以上の場合
適用区分 | 外来(個人ごと) | ひと月の上限額(世帯ごと) |
---|---|---|
年収約1,160万円〜 | 252,600円+(医療費−842,000)×1% | |
年収約770万円〜約1,160万円 | 167,400円+(医療費−558,000)×1% | |
年収約370万円〜約770万円 | 80,100円+(医療費−267,000)×1% | |
年収156万円〜約370万円 | 18,000円(年14万4千円) | 57,600円 |
Ⅱ 住民税非課税世帯 | 8,000円 | 24,600円 |
Ⅰ 住民税非課税世帯 | 15,000円 |
上記の表にある医療費は、健康保険が適用される前の治療費に対する金額(10割)であり、差額ベッド代や入院中の食事代などは含まれていない点には注意してほしい。
例えば、18歳の息子がケガをしたことによって入院し、50万円の医療費がかかったとしよう。
親が50歳で年収700万円だった場合、ひと月あたりの自己負担上限額は82,430円である。
実際に、窓口で支払う金額は50万円の3割(15万円)であるため、差額分の67,570円が高額療養費として支給されることとなる。
このように、公的医療保険から充実した保障が受けられるため、18歳の子どもに対しては保障のみを目的とした掛け捨て型※の医療保険をかける必要性は低いといえるだろう。
※解約時の解約返戻金をなくすことで、保険料を割安にした保険のこと
18歳の子どもに新たに保険をかける場合は貯蓄型保険を利用する
生命保険には保障を準備するといった目的以外にも、貯蓄を目的として利用する方法もある。
貯蓄ができる保険には、学資保険以外に以下の3種類がある。
終身保険 | 一生涯の死亡保障を準備しつつ、解約すると解約返戻金が受け取れる |
---|---|
養老保険 | 一定期間の死亡保障を準備しつつ、満期まで生存していれば死亡保険金額と同額の満期保険金が受け取れる |
個人年金保険 | 契約時に設定した年齢(60歳や65歳など)から一定期間にわたって年金が受け取れる |
これら以外にも、医療保険などに付加可能な「健康還付給付金特約」も貯蓄におすすめな特約だ。この特約については後述する。
18歳の子どもを被保険者として保険に加入するのであれば、終身保険や養老保険、医療保険などに付加できる健康還付金特約を利用することがおすすめだ。
18歳から貯蓄型保険を効果的に活用するには
貯蓄型保険を効果的に活用するためには、以下の3点に着目する必要がある。
- 満期保険金が受け取れる保険を活用する
- 健康還付給付金が受け取れる保険を活用する
- 途中解約することがないよう適切な保険料設定を行う
それぞれ解説していく。
満期保険金が受け取れる保険を活用する
貯蓄型保険に加入する場合は、満期保険金の有無についても確認しよう。
満期保険金は、保険期間満了時に生存していたときに受け取れるものだ。
ただ、先述した養老保険は保険期間が30年以上などと長くなるケースも多い。
そのため、子どもに貯蓄型保険をかけるのであれば、短い保険期間で満期を迎える保険を選ぶことも検討しよう。
健康還付給付金が受け取れる保険を活用する
健康還付給付金とは、3年や5年などの一定期間中に、5日間連続して入院しなかったときに受け取れるものをいう。
健康還付給付金の名称は保険会社によって異なり、生存給付金や健康祝金、無事故給付金などと呼ばれるケースもある。
また、入院日数も5日間ではなく10日間であったりと、商品によってさまざまだ。
健康還付給付金特約は、主に医療保険に付加でき、一定期間ごとに継続して受け取れるものだ。
18歳は健康状態が良い場合が多いため、医療保険に加入する際には健康還付給付金特約を付加することで定期的に給付金が受け取れるだろう。
早期解約することがないよう適切な保険料設定を行う
貯蓄型保険は死亡保障などを兼ね備えている商品が多く、保険料が高くなりやすい。
貯蓄するために保険に加入したのに、貯蓄型保険の保険料支払いで家計を圧迫してしまうのでは意味がないだろう。
そのため、無理なく払い続けられる保険料で加入することが大切だ。
特に、早期で解約すると元本割れしてしまう可能性がある点には注意しよう。
18歳から加入できるおすすめの貯蓄型保険を紹介
18歳の子どもを被保険者として新たに貯蓄型保険に加入する場合、おすすめなのは以下の3商品だ。それぞれの特徴を見ていこう。
- 【明治安田生命】じぶんの積立
- 【SOMPOひまわり生命】女性のための医療保険 フェミニーヌ
- 【住友生命】5年つみたて終身保険
なお、いつ保険に加入するかで最適なプランは異なる。
年齢別におすすめの保険をまとめたこちらの記事も参考にしていただくと、より10代で気をつけるべきポイントへの理解も深まるだろう。
【明治安田生命】じぶんの積立
明治安田生命が販売する「じぶんの積立」は、万が一の保障が準備できることに加えて保険期間満了まで生存していると満期保険金が受け取れる保険だ。
この商品の特徴は以下の4つである。
- 月々5,000円から加入できる
- 早期で解約したとしても、払い込んだ保険料相当額以上の金額が戻ってくる
- 満期保険金の返戻率※は103%
- 保険料の払い込みは5年で終了
※返戻率=受け取った金額÷支払った保険料総額×100
最大の特徴は、月々5,000円から加入できる点だ。1口5,000円とし、最大で4口(20,000円)まで加入できる。
また、早期で解約すると元本割れする商品が多い一方で、「じぶんの積立」はいつでも払い込んだ保険料相当額以上の金額が戻ってくる。
満期保険金の返戻率も103%となるのは嬉しいポイントだ。
さらに、保険料の払い込みは5年と比較的短期で終了する。
ただ、保険期間は10年となるため、保険料の払い込みが完了してから満期保険金が受け取れるまで期間が空く点には注意が必要だ。
満期保険の返戻率は保険料がいくらであっても変動しないため、10年後までに貯めたい金額から逆算して保険料設定が可能である。
途中で解約したとしても元本割れはしないものの、満期保険金を受け取るためにも無理なく支払える保険料を設定しよう。
【SOMPOひまわり生命】女性のための医療保険 フェミニーヌ
SOMPOひまわり生命が販売する「女性のための医療保険 フェミニーヌ」は、健康還付給付金付きの医療保険だ。
特徴としては以下の3つが挙げられる。
- 3年ごとに生存給付金が受け取れる
- 女性特有の病気に対して手厚く備えられる
- がん(上皮ないがんを含む)・心疾患・脳血管疾患で入院した場合は、入院日数無制限で保障
生存給付金額はプランによって異なるものの、3年ごとに最大で15万円受け取れるのが最大の特徴だ。
通常、医療保険における生存給付金は「3年の間に5日以上入院しなかった場合」などと支払条件があるものが多い。
しかし、この商品では3年間に何日入院をしていたとしても、生存していれば給付金が受け取れるのだ。
また、子宮筋腫や子宮内膜症などの女性特有の病気に対する保障だけでなく、がんや心疾患、脳血管疾患などの治療が長期化しやすい病気に対しても手厚い保障が準備できるのは魅力的なポイントといえる。
貯蓄性もありつつ保障が準備できる保険であるため、女性の方は加入を検討してみるのもおすすめだ。
【住友生命】5年つみたて終身保険
住友生命が販売する「5年つみたて終身保険」は、万が一のときを保障する終身保険である。この保険の特徴は以下の3つだ。
- 保険料の払込期間は5年間
- 契約から5年経過すると保険金額が増額する
- 5年経過後は死亡保険金額を上限に解約返戻金が増加し続ける
明治安田生命の「じぶんの積立」と同じく、保険料の払い込みは5年で終了するのが特徴だ。
また、契約時に設定する保険金額で保障が受けられるのは、5年を経過してからとなる。
保険料払込期間中に万が一のことがあった場合は、払い込んだ保険料相当額が戻ってくる仕組みだ。
さらに、解約返戻金は死亡保険金額を上限に増加し続ける。
終身保険であるため、解約するタイミングを自分で選べる点はメリットといえる。
5年で解約返戻率100%を超える商品は多くはない。
短期で払い込みを終了させ、いつでも100%以上の解約返戻金が受け取りたい方は「5年つみたて終身保険」がおすすめだ。
18歳からの貯蓄型保険を活用して、子どもの将来の費用を蓄えよう
本記事では、「18歳の子どもに新たに保険をかけるべきなのか?」について解説した。
子どもが18歳になったことで加入していた学資保険が満期になり、親として新たに子どもに保険をかけるべきか悩むこともあるだろう。
ただ、日本は社会保険が充実しているため、死亡保険など保障に特化したものに加入する必要性は低いといえる。
一方で、子どもの将来の費用を蓄えることを目的として、貯蓄型保険を活用するのはおすすめだ。
年齢も若く健康であれば、数ある選択肢の中から比較的安価な保険料で加入することが可能となる。
しかし、一口に貯蓄型保険といっても、保険会社によって多様な商品が用意されている。
どの保険を選ぶべきか、判断に迷ったら保険のプロに相談することも検討してほしい。
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