- 医療保険の加入後に保障がいつから始まるか知りたい
- 医療保険の保障が受けられない事態を防ぎたい
- 自分に適した医療保険を見つける方法が知りたい
医療保険に加入した直後に入院してしまった場合、保障が受けられるか心配だという人はいないだろうか。
結論から書くと、一部の保険を除いて、申込から保障開始までには一定の期間を要する。
そこで本記事では、医療保険の保障が始まるタイミングや確実に保障を受けるためのポイント、さらに自分に適した医療保険を見つける方法について解説する。
ぜひ参考にして医療保険を安心して活用できるようになってほしい。
医療保険の保障はいつから開始されるのか
医療保険は、申し込み後すぐに保障が始まるわけではない。
この章では、保障開始のタイミングについて解説する。また、保険申込みから保障が開始されるまでの流れや所要期間についても説明する。
保障開始は原則責任開始日から
医療保険の保障期間が始まるのは、「責任開始日」以降である。
責任開始日とは、保険会社が保険の保障を受ける被保険者に対して、保障の責任が生じた日のことを指す。
責任開始日は、告知・入金のいずれか遅い方となるが、次の手順を経て決定される。
- 「申込」「告知」「第一回保険料入金」の3つをすべて完了させる
- 3つの手続きを保険会社が確認し承諾する
- 保険の保障が開始される
- 「告知」もしくは「保険料入金」のいずれか遅い方が責任開始日となる
保障の期間は保険会社の承諾日ではなく、責任開始日にさかのぼって開始される。
保険会社による承諾が遅くなったとしても、「告知」か「入金」いずれかのタイミングから保障が開始されると考えればよい。
なお、医療保険の契約によっては保険料を口座振替で引き落とすことがある。
その場合は、口座からの引き落としを待たずに「申込」か「告知」の遅い方を責任開始日とすることもある。
申し込みから保障開始の流れ
続けて、医療保険の申込から保障が開始されるまでの流れと、おおよその必要な期間を解説する。
申込書に必要事項記入・署名・押印する。
契約や保障にあたって特に留意すべきことに同意する「重要事項確認書」や申し込む商品が希望の保障や金額と一致しているかを確認する「意向確認書」があればあわせて記入する。
書面での申込ではなく、Webでの申込もある。
病歴や現在の健康状態を申告する告知書を記入する。
記入だけの場合はすぐに完了するが、告知内容や保障額によっては、健康診断の結果の提示や医療機関での診査が求められることがある。
その場合は医療機関への手配や受診などに1週間から3週間を要する。
希望した保険が引受可能か保険会社が判断する。申込の書類やデータが到着してから1週間から10日ほどかかる。
引受可能である場合は、保険会社から保険証券が郵送される。
引受不可の場合は謝絶・引受延期の通知や連絡が来る。
その際、特定部位の不担保や保険料割り増しなど条件を変更した契約を案内されることもある。
初回保険料の払い込みを行う。払込票を使った振り込みやコンビニ払いができる。
口座からの引き落とし、クレジットカードでの支払いに対応している保険会社もある。
以上の4ステップを経て、保険契約が成立し保障が開始される。
申込日から保障が開始されるケース
保険会社や保険商品によっては、申し込みの時点で保障が開始する場合もある。
例えば、ライフネット生命の終身医療保険「じぶんへの保険3」・「じぶんへの保険3レディース」や楽天生命「楽天生命スーパー医療保険」の保障は、申し込みをしたその日から保障が開始される。(2023年11月時点)
申し込み日から保障が始まるケースであっても、実際には申し込み後すぐに保障が受けられるわけではない。
申込・告知・診査、第1回保険料振込が完了し保険会社が承諾したのち、申込日までさかのぼって保障が開始される。
このように、保険会社ごとに責任開始日のルールは異なるため、医療保険を契約するときは責任開始日がいつになるのかを把握しておく必要がある。
責任開始日は、保障を受けられるかを判断するにあたって重要な起点日となるが、いくつかの段階を経て決まるものであり、申込時点では定かではない。
適切な期間に保障を受けるためにも、余裕を持った手続きを心がけるようにしたい。
医療保険の保障を確実に受けるためのポイント
ここまで医療保険の責任開始日や保障期間について解説してきた。
しかし、万一の際に必要な保障がきちんと受けられるかという点にも注意する必要がある。
そこでこの章では、医療保険に入ってから確実に保障を受けるためのポイントを解説する。
入院・手術・通院の給付対象期間を確認する
保険が有効な保障期間だけでなく、病気になったときの給付金が支払われる期間についても理解しておこう。
入院保障については、入院1日目から保障を受けられるものが増えてきた。
かつては〇日以上入院した場合といった条件があり、その日数を下回る入院は対象外になるものが多かった。
最近では医療事情が変化し、短期入院が増えてきたことから、入院日数に関わらず給付を受けられるものが主流となりつつある。
合わせて保障する期間の限度についても確認しておこう。
入院・通院保障には一回の入院に対する支払い限度日数や、支払いの通算限度日数がある。
はじめて入院した日や退院翌日を起点として、90日や120日を限度とする期間が定められている。
また、1契約全体で180日・240日までと通算の日数に限度を設けているものもある。
なお、退院から180日以内に再び入院した場合は継続した1回の入院とみなし、入院日数を合算することもあるなど、短期間の入院に条件をつけているケースもあるため注意が必要だ。
このように、入院・手術・通院の保障の内容は商品によってさまざまだ。
万一の際に必要な保障が受けられなかったという事態にならないよう、どの期間保障されるのかは正確に把握しておきたい。
免責期間があるか確認する
医療保険の中には免責期間を設けている商品がある。免責期間とは、保険の加入後であっても保障を対象外とする期間のことだ。
医療保険の免責期間で代表的なものは、がんの保障だ。多くの医療保険では、がんの保障に対し90日もしくは3か月の免責期間が設定されている。
契約が成立し、保険料を支払っていても免責期間内にがんと診断された場合、保障を受けることができない。
がんは罹患していたとしても初期に自覚症状が出にくく、本人が自覚していない場合がある。
症状が出るまでに時間がかかり、検診などでようやく発見されるケースも多い。
また、自覚症状が出てから慌ててがん保険への加入を考える方もいるかもしれない。
保険の平等性を維持するためにも、がんに関わる保障には、一定期間保障がない期間が設定されている。
保険は必要と思って入ったときに、すぐには役立たないことがある。
各保障の免責期間の有無を確認し、希望するタイミングでしっかりと保障を受けられるようにしなければならない。
何よりも、時間のある健康な内に余裕をもって保険を検討し加入しておくことが大切だと言えるだろう。
保険料の支払いに気を付ける
医療保険の保障は「申し込み」「告知」「保険料の支払い」の3つがそろうことで成立する。
保障を確実に受けるためにも、保険料の支払いに不備や払い忘れがないよう十分注意するべきである。
保険料の支払い方法別に、それぞれの気を付けるべき点をまとめた。
クレジットカード払い
ネットなどで手続きしクレジットカードで支払う方法。
カードの限度額オーバーや有効期限切れに気を付けなければならない。
振り込み
振込用紙を用いて保険会社から指定された口座へ振り込む。
最近ではコンビニで支払えるものもある。
契約者が金融機関やコンビニに出向き手続きをする必要があるため、忘れてしまう、振込用紙を紛失してしまうといったことも考えられる。
引き落とし
契約者の指定した口座から、保険料が自動的に引き落とされ保険会社に入金される。
手続き上の不備や口座の残高不足が懸念される。
第1回保険料の払い込み保障が開始した後も支払いは継続する。
残高不足や手続き忘れなどにより保険料を支払いできなかった場合、保険会社が定める一定の猶予期間を経た後、契約が失効し保障が受けられなくなる。
これらの事態を回避するためには、保険加入後も継続して払い続けることのできる範囲で保険料を設定することも重要となる。
自分に適した医療保険を見つける方法
ここまで確実に保障を受けるためのポイントについて解説した。
保険は、保障を受けられる期間に注意しなければならないが、そもそも自分にあった保障の内容であるかも重要だ。
では、最適な医療保険を見つけるにはどうすればいいのか。最後の章では保険選びのポイントを解説する。
自分の年齢や家族構成で必要な保障内容を決める
医療保険と一口にいっても保障内容はさまざまだ。
例えば、次のような違いがある。
- 保障期間の違い:保障が一生涯続く「終身タイプ」、期間があらかじめ決まっている「定期タイプ」
- 支払われ方の違い:入院や通院時に給付金をまとめて受け取れる「一時金タイプ」、入院通院日数によって給付額が変わる「日額タイプ」
- 満期後の扱いの違い:満期後払った保険料が一定額戻ってくる「返戻タイプ」、返戻金がない「掛け捨てタイプ」
まずは、商品の内容や保障のルールが記載されたパンフレットで特徴を知り、違いを整理しよう。
そのうえで、年齢や家族の構成に応じて自分に必要な保障を検討していく。
年齢が若ければ、長期の入院保障より、軽度な疾病に対応できる通院保障を充実させるなどが考えられる。
パートナーや子どもがいる場合は、休職する間の収入の補填を手厚くする他、入院時家族と過ごすための個室代への備えも必要だ。
また、必要な保険は仕事の変化や子供の成長に応じて変化する。
今契約した医療保険が一生涯適切とは限らない。
保険は入って終わりという認識ではなく、ライフステージの変化に応じて適宜見直す必要があるということも忘れずにいたい。
なお、医療保険の保障内容についてはこちらの記事でも解説しているので、あわせて参考にしてほしい。
主契約で足りない場合は特約を利用する
医療保険には、あらかじめセットされている主契約がある。
それに対し、特約はオプションで付け足す任意の保障だ。
より手厚い保障や特定の部分に不安がある場合は、特約を付加することで最適な保険を用意できる。
自由にカスタマイズが可能であるため、主契約を維持した状態で適宜最適な保険設計が可能だ。
例えば
- 子どもが独立するまで保障を手厚くする
- がんのリスクが上がり始める時期に合わせて付け足す
- 老後の健康リスクが上がる時期に入院・通院費用を増やす
といったライフステージの変化に合わせた活用の仕方ができる。
また、代表的な特約には次のようなものがある。
- がん保障
- がんを患ったときの入院・手術・通院を保障する。がんと診断されたときに一時金を受け取れるタイプもある。がん保険単体で準備するよりも保険料が割安になることが多い。
- 女性疾病保障特約
- 卵巣や子宮など女性特有部位の病気、または乳がんなど女性の発症確率が高い病気の保障を手厚くする。妊娠・出産のトラブルを保障するものもある。
- 先進医療特約
- 公的保険の適用外である治療であっても、国が認めた先進医療の場合は自己負担分を給付金として受け取ることができる。この特約があれば1回100万円以上など高額な費用のかかる治療であっても経済的な負担の心配なく選択できる。
保険料は無理なく支払える範囲で設定する
保険で安心したいがために、保障額を上げたり、いろんな特約を付け足したくなることもあるだろう。
しかし、保障を充実させれば、その分保険料は高くなってしまう。
月々ではわずかな差であっても、長年支払うとなると大きな負担になることもある。
保険とは、将来の安心や安定を手にするために用意するものである。
高額な保険料で、生活が不安定になってしまっては元も子もない。
本当に必要な保障を検討し、安心と保険料のバランスを保つのが大切だ。
万一の病気の際、どの程度自己負担で対応し、どの程度保険に頼るのかを明確にし、必要な保障内容を精査してほしい。
まとめ
本記事では、医療保険の保障が始まるタイミングや確実に保障を受けるためのポイント、さらに自分に適した医療保険を見つける方法について解説した。
医療保険は、一部を除いて申込・審査・保険料の入金の3ステップを踏まないと保障が適用されない。
もしこれ以前に入院となった場合は、保険金が受け取れない可能性があるので、加入時に条件を確認しておこう。
また、保険の適用条件以外にも、保障内容や保障期間など医療保険に加入する際には様々な点に考慮する必要がある。
そのため、自分に必要な医療保険を一人で選べるか不安だという人は、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに必要な医療保険を的確に選択することができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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