- 生命保険がおりない場合とはどのような時なのか知りたい
- 生命保険がおりなかった場合の対処法を知りたい
- 生命保険の加入条件について知りたい
生命保険に加入していても、保険がおりない場合があるのをご存知だろうか。
これを聞くと、これから生命保険への加入を検討している方は、不安に思うだろう。
では、保険がおりないのはどんなケースだろうか。
本記事では、生命保険がおりないケースとおりなかった場合の対処法について解説していく。
この記事を読んで、いざという時に困らないよう正しく保険を活用しよう。
また、生命保険に入っていない人も少なくないため、自分が加入する必要があるのかどうかについても解説する。
これから生命保険への加入を検討している方や既に加入している方でプランを見直したい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてほしい。
保険がおりないケースはある?まずは生命保険を理解しよう
そもそも生命保険とは、自身の身に万が一の事態が起きた場合に備える保険である。
生命保険は、死亡または高度障害状態が認定された場合に保険金が支払われるのが原則である。
一口に生命保険と言っても種類はさまざまで、自身のライフステージに合わせた保険の加入が重要であることは言うまでもない。
ここでは、生命保険の基本的な知識について解説していこう。
生命保険は大きく4種類に分けられる
生命保険は大きく分けて以下の4種類が提供されている。
- 終身保険
- 定期保険
- 収入保障保険
- 養老保険
それぞれの特徴とメリット・デメリットは下表のとおりだ。
保険の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
終身保険 | 保障が一生涯続く更新しないタイプの生命保険 | 保障は一生涯 保険料は一定 貯蓄の性質もある | 高額な保険金を用意するには不適 解約返戻金が元本割れすることもある |
定期保険 | 保険期間があらかじめ定められ、満了時に更新または解約・乗り換えるタイプの生命保険 | 安価な保険料でまとまった保険金を用意できる 保険期間を選べる ライフステージに合わせやすい | 解約返戻金は基本的にない 更新する度に保険料が上がるケースがほとんど(保険金を同額にした場合) |
収入保障保険 | 保険金を年金のように受け取れるタイプの生命保険で、満了が近づくほど受取額は減少 | 保険金を保険期間満了まで分割して受け取れる 加入直後の保険金総額と同額の定期保険と比べて保険料は安価 | 保険期間の満了に近づくにつれて保険金額が減少する 一括で保険金を受け取ると毎月給付型に比べて受け取り総額は少なくなる |
養老保険 | 保険金支払い事由に該当すると保険金が支払われ、期間を満了すると満期保険金が支払われるタイプの生命保険 | 貯蓄と保険をワンセットで用意できる 支払い事由に該当した場合に限らず、期間を満了しても保険金を受け取れる | 保険料は割高 中途解約すると元本割れする可能性が高い 外貨建ての場合は為替変動リスクもある |
生命保険にはさまざまな種類があり、状況によって適切な商品・備え方は千差万別だ。
保険金の受け取り方も商品によって異なるため、保険金額はもちろん、もしもの場合に最も安心できる形は何かを考えることが、生命保険選びで欠かせない視点である。
生命保険の加入条件
生命保険に加入する条件の詳細は保険会社によって異なるものの、いずれの場合においても、保険会社は被保険者となる人の健康状態等の告知をもとに加入の是非を判断している。
告知書による申告だけでなく、保険会社が提携している医師の診断を受けたうえで、保険金を支払う可能性の高さや持病の有無を判断し、統計上のデータも踏まえて加入できるかどうかを保険会社は決めている。
なお、保険の加入審査結果は以下のパターンがあることも覚えておこう。
- 無条件引き受け:特段の問題なく、申込み内容のとおりに契約できる状態
- 特別条件付きの引き受け:保険料の割り増しや特定疾病の不担保などの条件を付した状態による契約
- 謝絶:審査に通らなかった状態
生命保険の場合は特定疾病の不担保という概念はないため、保険料の割り増しや保険金額の削減という形で契約が締結される場合もあるだろう。
生命保険には引受条件緩和型のタイプもあり、従来の告知書よりも限定的な内容によって審査を行う商品もある。
生命保険には、条件面においても複数の商品が用意されているのだ。
生命保険は複数種類の組み合わせが効果的
生命保険にはさまざまな種類があり、終身保険のみなど、一つの商品で万が一の備えに対応できないケースも多いのが実情である。
特に、終身保険の場合はまとまった保険金額を用意するには保険料もグッと上がってしまうため、家計を圧迫してしまう点には注意が必要だ。
一方、定期保険の場合も更新する度に保険料が値上がりし、同じ保障をかけ続けてもライフステージや家計の状況にそぐわない場合も多い。
そのため、生命保険は商品の特徴を踏まえて掛け合わせるのが効果的である。
たとえば、終身保険で200万円程度の保険金を用意したうえで、子育て期間は定期保険で3,000万円の保険金を追加で用意するのが割と一般的な備え方だ。
子育てが終盤に近づいた場合は保険金額を1,000万円に抑えるという考え方もできるだろう。
生命保険の加入方法はライフステージによってカスタマイズすることで、それぞれの状況に合わせた保障を用意できるようになることも覚えておこう。
生命保険がおりないケースとは
生命保険金が支払われるのは「死亡または高度障害に該当した場合」というのが原則であるが、もちろん例外もある。
生命保険の場合は保険法という法律に規定されており、具体的には以下の4パターンに該当すると保険金は支払われない。
- 支払い事由に該当しない場合
- 免責事由に該当した場合
- 告知義務違反による契約解除の場合
- 保険金詐欺などの不法な取得を目的にした場合
保険金が支払われないケースは法律で大枠が定められており、具体的な内容や目的・期間などは保険会社によって異なる。
以下、それぞれについて詳しく見ていこう。
支払い事由に該当しない場合
保険金の支払い事由に該当しない場合、保険金は支払われない。
具体的に想定されるのは以下のケースだ。
- 保険金の支払い事由が契約の開始前から生じている場合
- 入院日数や手術の内容が支払い事由に該当しない場合
医療保険の場合はイメージがつきやすいだろう。生命保険において支払い事由に該当しないケースを想定するのは難しいが、高度障害の認定に関しては、契約の開始前から発症していた場合などが考えられる。
被保険者が亡くなった後に生命保険に加入するのは前後関係として成り立たないため、支払い事由に該当しないケースは稀と考えて良いだろう。
免責事由に該当した場合
生命保険金の免責事由に当てはまる場合も、保険金は支払われない。
免責事由として挙げられるのは以下のとおりだ。
- 契約開始から一定期間(免責期間)の間に死亡した場合
- 契約者または保険金受取人の故意による場合
- 精神障害の状態を原因とする場合
- 酒気帯びや無免許運転による交通事故の場合
- 地震や津波による被害の場合
いわゆる自殺の場合、生命保険金の支払いで揉めるケースが多い。
保険会社によって異なるが、契約締結から3年間を免責期間とすることが多く、期間内の自殺は保険金の受け取りを目的としたものと認定される可能性がある。
契約者の死が自殺であるかの立証責任は保険会社にあり、保険金取得を目的としたものでない場合は、当該期間内であっても保険金が支払われるのが実情のようだ。
故意による場合はいわゆる保険金殺人と呼ばれるもので、法律上の公平性や公益に反するケースは保険金を支払わないこととしている。
ほかにも、精神障害が原因とするケース、酒気帯びや無免許運転による交通事故死の場合も保険金が支払われない。
こちらも公益に反する側面がある点で理解できるだろう。
地震や津波といった天災に関してはケースバイケースであるものの、保険金が支払われないケースもあるようだ。
告知義務違反による契約解除の場合
生命保険に加入する際に申告した内容が虚偽の場合、保険金は支払われないため注意が必要である。
生命保険の加入には公平性が求められ、保険金の支払いリスクが相対的に高い人は相応の保険料を支払うことで、不平等感の解消を図っている。
現在の健康状態や過去の傷病歴、職業などを偽って生命保険に加入するのは保険の公平性担保を損なう行為に該当するため、判明した時点で契約解除になるのだ。
生命保険の審査に関しては以下記事で詳しく解説しているので、参考にしてほしい。
保険金詐欺などの不法な取得を目的にした場合
保険会社をだます目的や不正に保険金を取得する目的で支払い事由に該当することを主張しても、保険金は支払われない。
この点、被保険者と異なる人が契約者となり、その後、保険金を不当に取得するために被保険者を殺害するといったケースは想定できるものの、現実としてはごく稀だろう。
保険が失効した場合
4パターンとは別なのだが、保険が失効してしまった場合にも注意が必要である。
たとえば、保険料を月払いしている場合で、数ヶ月にわたって支払いが滞ると保険が効力を失う場合があるのだ。
保険の効力が失われた後に保険金の支払い事由が生じても保険金は支払われないため、保険料は毎月確実に支払う必要がある。
なお、効力を失った場合においては、保険会社に手続きを依頼することで契約を復活させられる。
復活させる方法は保険会社によって異なるため、該当する場合はコールセンターなどに確認しよう。
生命保険は加入るすべき?
生命保険に加入しても保険金がおりないケースがあるものの、通常であれば万が一の事態に備えられるものだ。
実際、人によっては「生命保険に加入する必要性がイマイチわかっていない」という場合もあるだろう。
特に、社会人になってまもない若年層の場合、保険の必要性を考える機会すら少ないかもしれない。
ここでは、生命保険に加入するべきかどうかについて、考え方の手順を紹介しよう。
生命保険に加入するメリット
生命保険に加入するメリットは以下のとおりだ。
- 自身の身にもしもの事態があった際に備えられる
- 保険として備えつつ将来に向けた貯蓄ができる
- 遺された家族の生活費を用意できる
- 安心して毎日を過ごせるようになる
「生命保険に加入する目的=一家の大黒柱を失う場合に備える」というイメージかもしれないが、単身者の場合にも備えておいて損はないものである。
亡くなった後の葬式や遺品の整理など、さまざまな手続きが必要であり、それらにかかる金額は200万円程度とされているのだ。
自分が亡くなった際、遺された両親や兄弟に迷惑をかけないためにも、自身の葬儀費用程度の保険金が支払われるようにしておくのも、一種の親孝行なのかもしれない。
もちろん、生命保険に加入しておくことで、最も避けたい事態が起きてしまった場合に備えられる。
遺されたパートナーや子どもに対して、収入減少による不安を解消させられるのは、生命保険に加入する最大のメリットだろう。
生命保険に加入するデメリット
もちろん、生命保険に加入するデメリットもいくつかある。
- 契約内容によっては保険料を支払っただけで返ってこない
- 契約を中途解約すると元本割れする場合もある
- 加入する保障内容によっては家計を圧迫する
保険の本来的な性質は「安心を買う」というものだ。定期保険の場合、契約期間において保険金支払い事由が生じなければ保険金は支払われないうえ、保険料が返戻されることもない。
結果として保険料の支払い損にはなるものの、当該期間中の安心を買っているのだ。
「安心をいくらで買うか」という点において、バランスが崩れるとデメリットに感じる場合もあるだろう。
また、解約返戻金が発生する生命保険の場合、契約して早期に解約すると、返戻金は保険料総額を下回るケースが多い。
支払われた保険料を運用し、利息を上乗せして返戻するのが養老保険の仕組みであるため、早期解約にも注意が必要だ。
保障内容によっては高額な保険料になるため、場合によっては家計を圧迫しかねない。
もちろん、必要な保障をかけている場合はやむを得ないが、本当にその保障が必要なのか、乗り換えることで保険料を抑えられないか検討する余地はあるだろう。
生命保険に加入しなくても良い人
生命保険に加入しなくても良い人の特徴をまとめた。
- 現金で十分な金額を用意できている
- 子どものいないフルタイムの共働き世帯で、収入が安定している
- 子育てを終えて退職金を受け取り、年金を受給している
もしもの事態が起きたとしても、その後に影響を及ぼさない、または及ぼす範囲が限定的であれば、あえて生命保険に加入する必要はないだろう。
つまるところ、生命保険で備えたいリスクは「収入減少」に収束する。
言い換えると、もしもの事態が起きて収入が減少した際、今までと変わらない生活ができない場合には生命保険に加入するべきだろう。
生命保険を選ぶ際のポイント
生命保険を選ぶ際のポイントは以下の3点だ。
- 生命保険に加入する目的を明確にする
- 自身の収入目安と今後のライフイベントを明確にする
- 保険料と保障内容のバランスを見極める
生命保険に加入する目的は人によって異なる。
- 自身の葬儀費用を賄いたい
- パートナーが自立できるまでの期間に備えたい
- 子どもが独立するまでの期間は手厚く備えたい
- パートナーが年金を受給するまでは備えておきたい
目的を明確にしたうえで、家計の収支を見直し、ライフイベントを見据えて保障内容や期間を慎重に見極めよう。
生命保険は長期間にわたって加入するもので、個人の買い物としてもかなり高額だ。
保険料を抑えすぎて必要な保障をカバーできていないのは本末転倒だが、あまりに手厚い保障は不要かもしれない。
適切な保険の組み合わせを考えるとパターンもさまざまであるため、迷う場合はファイナンシャルプランナーにライフプランの設計から相談するとよいだろう。
客観的かつプロの立場で保険に関するアドバイスを受けることで、自身に必要な保険を効率よく見つけられるはずだ。
生命保険がおりない原因はおもに4つ!対処法も理解して万が一のリスクに備えよう
本記事では、生命保険がおりないのはどのようなケースなのか、また、おりなかった場合の対処法について解説した。
生命保険は、事故や病気などによる生活の不安を保障する重要なツールである。
しかし、本記事で説明した通り、保険がおりないこともあるので注意が必要だ。
しかし、保険加入時には、払い続けられる適正な保険料がいくらなのか、告知事項は十分かなど、自分の判断では難しい部分も多々ある。
そこで、少しでも不安がある場合は、保険のプロに相談してほしい。
「生命保険ナビ」では全国の保険のプロのなかから自分に適した保険のプロとマッチングすることが可能であるため、安心して保険選びを行うことができる。
担当者と相談し、いざという時にきちんと保障が受けられるよう、正しく理解した上で保険に加入してほしい。
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