- 女性が医療保険で備えるべきリスクを把握したい
- 女性向け医療保険の保障内容を知りたい
- 女性向け医療保険の選び方がわからない
少子高齢化が進む日本では、老後の生活に備え医療保険への加入を検討する人が増えてきている。
医療保険の一種には女性保険というものがあり、女性特有の疾患に対する手厚い保障を受けることができる。
そんな女性保険を上手に活用したいと考える方は多いだろう。
そこで本記事では、女性が医療保険で備えるべきリスクと必要な保障内容、そして保険の選び方について解説を行う。
女性保険への加入を検討しているという方には、ぜひ参考にしてほしい。
医療保険で備えるべき女性の健康リスクとは
まずは、女性疾病を保障する特約の概要を確認しよう。
その上でなぜ女性向けの保障が必要かを、年齢別の健康リスクや女性特有の病気を踏まえた上で説明する。
医療保険に付加する特約とは
医療保険の特約とは、主契約に加えてオプションで付け足す保障のことを指す。
医療保険は通常、入院時や手術時の給付金が主契約となっているが、さらに保障を充実させたい場合、特約で保障範囲の拡大を図ることができる。
特約は自由に付け足せるため、不安をかかえる部分や個々の事情応じて組み合わせることが可能だ。
ただし、特約を付加するごとに保険料が高くなるため、必要なものを厳選して準備をする必要がある。
この特約には、女性特有の疾病やトラブルに備えたものがある。
女性疾病に関わる保障は他の医療保険との兼ね合いやライフスタイルに応じて必要性が異なる。
例えば妊娠・出産に関しては20代から40代前半にかけて特に必要性が高まる。
そのため、自由に選択ができる特約で備えるのが合理的だと言えるだろう。
女性の年齢別健康リスク
治療や入院が伴う病気には、女性特有のものがある。
かかりやすい疾病やトラブルは年齢によって異なり、それぞれのライフステージに応じた備えが必要だ。
年齢別のリスクは次のとおりである。
20代から30代
就職や結婚、出産などライフステージの変化が目まぐるしい時期だ。
生理不順や生理痛、月経前困難症(PMS)に悩まされることも多い。
ストレスによる月経トラブルが目立つが、その陰に子宮内膜症や子宮筋腫などの疾病が潜んでいることもある。
また妊娠・出産時のトラブルにも気を付けなければならない。
不妊や異常分娩などが生じ、医療機関を頼る機会も意外と多い。
40代から50代
40代以降になると乳がんや子宮がん、卵巣がんといった女性特有の器官にまつわるがんにかかるリスクが大きく上がる。
とくに乳がんの罹患率は40代後半から50代にかけて急激に高まる。
がんの治療は長期化するため精神的・経済的な損失も大きい。また、閉経に伴う更年期障害の症状もあらわれ、人によっては病院でホルモン治療や薬物療法が必要なこともある。
60代以降
60代を過ぎると、女性特有のがん以外のリスクも高まる。
死亡率の高い、大腸がんや胃がん、肺がんなどに罹患することも多くなることから、定期的な検診や健康チェックが欠かせない。
また、女性ホルモンの減少により、関節の柔軟性が奪われるといった身体的なトラブルが生じることもある。
女性の健康リスクを保険で備える
女性には、男女共通の健康問題に加え、特有の器官や女性ホルモンによる疾病がある。
男性に比べて健康リスクが高くなるということだ。
一般的には年齢が上がるにつれて健康リスクが高まるが、女性特有の器官にまつわる子宮・卵巣・乳房のがんは20代や30代といった比較的早い段階から発症リスクが高まる。
つまり女性の場合、「若ければ疾病のリスクは低い」とはいえず、早い段階から万一の備えが必要となるのだ。
また、普段は健康であっても妊娠・出産などを機にトラブルを引き起こすこともある。
実際に妊娠・出産の高年齢化によって妊娠中のトラブルや異常分娩などの割合は高まっている他、不妊などの問題も顕在化しつつある。
妊娠・出産については一定の公的制度があるものの、異常分娩時の入院費用や雑費は対象外だ。
不妊治療も国の支援が充実しつつあるが、自由診療のものも多数あり、実費が発生することが多い。
このように、女性が希望通りの治療を叶えつつ経済的損失を抑えるには、通常の医療保険に加えて、女性向けの医療保険や医療特約を準備しておく必要がある。
次の章では、女性向け医療保険の内容を説明していく。
女性向け医療保険の保障内容
女性向けの医療保険や特約にはどのような保障があるのか。この章では、内容や保険料について解説する。
女性疾病特約の主な保障内容
女性向けの医療保険には次のような保障がある。
女性特有の疾病保障
子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう症などの病気診断時や入院時、手術時は通常の疾病の2倍の給付を行うなど手厚くなっているものがある。
女性特有のがん保障
子宮がん・卵巣がん・乳がんの診断時に一時金としてまとまった金額を受け取れる。
例えば、入院時の支払額が他の疾病に比べて2倍になる商品がある。
また、乳がん・子宮頸がん検診時に1万円の給付があるなど、疾病の早期発見にも役立つものもある。
妊娠・出産の保障
切迫早産や帝王切開など、妊娠出産に関わる入院時に一時金が支払われる。
1子につき10万円など出産祝い金が用意されているものもあり、育児に必要な費用を補うことができる。
不妊治療の保障
公的保険では対象外となっている不妊治療時に給付金を受け取れる。
体外受精、顕微授精のための採卵、胚移植を行った場合、回数ごとに2万円~5万円の給付金が最大12回支払われるものなどがある。
このように、女性特有の病気や妊娠・出産のトラブルには、あらゆる種類の医療保険が各保険会社で扱われている。
いずれの商品も、長期にわたって万一の際の費用負担を軽くできる頼りになる存在だ。
女性疾病特約の保険料はどれくらいか
女性特有の疾病を保障するには次の2つの方法があり、それぞれの特徴は次のとおりだ。
女性向け医療保険に加入する
女性の保障を主契約にしている。保障内容が充実していて手厚い。
パッケージ化されているので、悩むことなく選び抜かれた保障でフルカバーできる。
女性疾病特約を付帯する
一般の医療保険にオプションとして付け足す。自身の必要性に応じて好きに組み合わせられる。
女性向け医療保険は、契約か解約の二択しかないが、女性疾病特約は妊娠・出産時などニーズに応じて付け外しができ、自由度が高い。
したがって、現在は医療保険に「女性疾病特約」を付加するパターンが注目されている。
女性疾病特約を付け足す場合、従来から契約している部分の保険料は変わらない。
追加する特約の部分のみ、中途付加時点での年齢で計算し加算される。新たに保険に入り直すよりは金額を押さえながら合理的に保障を充実させることができるわけだ。
特約の保険料は、病気のリスクが少ない若い人ほど安くなる傾向だ。
具体的な保険料は契約前に試算できるので、負担にならない金額となるよう適切に組み合わせよう。
また、特約を希望する場合でも、疾病のリスクが高いと判断され追加できないケースもあるため注意が必要だ。
女性疾病特約の保険料の一例
女性疾病特約の主な商品の保険料を紹介する。
アフラック生命「EVERシンプル」
30歳女性の場合、月額2,133円となっている。
追加できる女性向けの特約は次のとおりだ。
- 女性入院疾病特約
- 女性特有の疾病の入院した場合、1日あたり5,000円を支払い
- 女性特定手術特約
- 病気・ケガにより乳房切除手術、子宮全摘出術、卵巣全摘出術を受けた場合、手術時20万円、乳房再建時50万円を支払い
これらの特約を追加すると月々の保険料は574円加算され、月額2,707円となる。
三井住友あいおい生命「&ライフ医療保険Aセレクト」
30歳女性の場合、月額3,680円となっている。
追加できる女性向けの特約は次のとおりだ。
- 女性疾病給付特約
- 入院10日まで一時金5万円、11日以降は日額5,000円
- 入院手術は5万円 外来手術は25,000円
- がんによる乳房切除手術、子宮全摘出術、卵巣全摘出術15万円を支払い
- 女性サポート給付金付ガン診断給付特約
- 不妊治療の保障1回目から6回目は25,000円7回目から12回目は5万円
- 女性特有のガンが診断されたとき50万円を支払い
- 保険金満了時に返戻金あり
これらの特約を追加すると月々の保険料は5,056円あがり、月額8,736円となる。
アフラックEVERシンプルは、必要最低限のシンプルな特約になっている。
一方、&ライフ医療保険Aセレクトは手厚い保障で万一のときの負担を大幅に抑えてくれるため安心度が高い。
また返戻金もあるため将来への備えもしっかりできる。
このように、商品によって加算される保険料は大きく異なるため、必ず比較・検討することが大切だ。
女性向け医療保険の選び方
女性向けの医療保険は妊娠・出産時と疾病時が2大保障となっており、双方を充実させるか、もしくはどちらかを優先させるか検討すると良い。
それぞれ保障のポイントと保険を選択する際の注意点を解説する。
なお、「どんな人が医療保険に加入するのか」によって最適な保険商品は変わる。
属性別におすすめの医療保険についてまとめた記事もあるので、比較していただくとより理解が深まるはずだ。
妊娠や出産時に十分な保障があるか
女性向け医療保険を検討するにあたって将来子どもを持ちたいと考えている人は、妊娠・出産の保障を重点的に検討したい。
昨今では、不妊治療に特化した医療保険も充実している。不妊治療は自由診療の範囲になることが多く、経済的な負担が大きいことから保険で備えておけば前向きな選択ができる。
なお、不妊治療を保障対象とする場合、多くの保険商品は「不担保期間」を設けている。
これは、保障開始から2年間の不妊治療は支払いの対象外とするというものだ。
必要と思った時にすぐには保障されないので、早めの検討と加入をしておきたい。
出産入院時の支払われ方にも注目してほしい。
年々割合が増えている帝王切開だが、入院が長引き、費用負担がかさむ傾向にある。
そのため、日数に関係なくまとめて給付金を受け取れる一時金タイプがおすすめだ。
手厚い給付があれば、費用を気にすることなくサポート体制を整えることができるため安心だ。
疾病の保障範囲をどこまでにするか
女性向け医療保険、と一口に言っても保障される範囲はまちまちだ。
例えば「がんの保障」だけでも以下のような違いがある。
給付金受け取りのタイミング
がんと診断されると支払いを受けられるもの、がんによる入院手術を行った場合に支払いを受けられるもの、日帰り手術でも支払うものなどに分けられる
上皮新生物の扱い
がんの前段階である上皮内新生物も保障の範囲になっているもの、対象外としているものがある。
また、上皮内新生物を対象としつつも保額を限定しているものもある。
なお、上皮内新生物が多くみられるのが子宮頚部であり、女性が診断されやすい傾向にある。できれば上皮内新生物も保障されるタイプを選ぶと良い。
必要な保障範囲や内容は、家族構成、収入状況、既に加入している保険によって一人一人異なる。
病気になったときの家計への影響をシミュレーションし、どの程度なら貯蓄でまかなえるのか、もしくは保険を頼るべきなのか、を検討していく必要がある。
万一のことを冷静に考えられる時間のあるうちに、自分自身がどうすれば負担や不安を軽減することができるかしっかりと考えていきたい。
女性向け医療保険を選ぶ際の注意点
医療保険に加入する際には、治療歴や現在の通院状況などを申告する「告知」義務がある。
生理痛や生理不順など少し気になる症状で病院にかかった場合も、通院歴とみなされ保障内容に条件が付くこともあるため注意してほしい。
また、不妊治療中や妊娠中は特定の部位や疾病が保障の対象外となるなど、加入に制限が設けられることがある。
できれば健康なうちに、そして早めに加入を検討しておこう。
また、女性は結婚・出産・育児などライフスタイルが目まぐるしく変わる。そのたびに直面するリスクは異なり、必要な備えも都度変わる。
したがって、一度保険に入れば終わり、というわけではなく、加入後にも定期的な見直しが欠かせない。
ライフステージ別にどのような保障を用意するのが適切か分からない場合や、より細やかな設計をしたい場合は、保険の専門家を頼ることもできる。
保険のプロからのアドバイスを受け、人生のリスクやそれに備えられる対策を見通すことができれば、備えるべき保証が明確になるだろう。
信頼できる担当者がいれば、長期に渡るサポートも可能だ。
必要な保険を準備するだけではなく、継続すべき保険を見逃さないようにできる。
保険選びに迷ったら、自分の保険を管理し最適化してくれる人を探してみてはいかがだろうか。
まとめ
本記事では、女性が医療保険で備えるべきリスクと必要な保障内容、そして保険の選び方について解説を行った。
出産や子宮頸がんなどの女性特有の疾病の影響から、女性の健康リスクは男性よりも高い。
そのため、これら女性特有の疾病に対する保障を手厚くした、女性向け医療保険への加入が推奨される。
女性向け医療保険を選ぶポイントは、どの疾病に対する備えをしたいのか、保険加入の目的を明確にすることだ。
ただ、実際の女性保険の保障内容は多岐にわたるので、一人で選べるか不安だという人は、保険のプロに相談することも選択肢に入れておこう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、自分に適した女性保険を選ぶことができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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