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【医療保険の効果的活用】事例から学ぶ、最適な医療保険の選び方

この記事で解決できるお悩み
  • 自分に適した医療保険の選び方が分からない
  • 具体的な事例をもとに医療保険への加入を検討したい
  • 自分と同年代の方や同じ収入の方が加入する医療保険について知りたい

万が一に備えて、医療保険への加入を検討している方も多いだろう。

しかし、どの保険が自分に最適なのか、また、その保険をどのように活用すればよいのか迷う人もいるはずだ。

本記事では、具体的な事例とともに、自分に適した医療保険の選び方やその活用法について解説していく。

これから医療保険への加入を検討している方やすでに加入している方で保険を見直したいと考えている場合は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてほしい。

目次

収入とライフスタイルに見合った医療保険の選び方

収入とライフスタイルに見合った医療保険の選び方 生命保険ナビ

自分に最適な医療保険を選ぶには、収入やライフスタイルに見合った選び方を知っておく必要がある。

医療保険の選び方の基本や、年齢・収入別の日本の医療保険加入率などを解説する。

医療保険を選ぶときに見るべき項目

医療保険を選ぶときに見るべき項目の基本は、主に次の通りだ。

  • 保険期間(保障が受けられる期間)の設定はどうなっているか(定期保険か終身保険か)
  • 主契約・特約の内容と払込保険料はいくらなのか
  • あなたの年齢はいくつなのか(年齢が高いほど、選べる医療保険の種類が減って保険料が高くなる傾向がある)
  • 自身の収入や支出はいくらで、どの程度の払込保険料なら家計に影響なく設定できるか
  • 定期的な通院などでかかる交通費はいくらになるか
  • 入院給付金や手術一時金などの支払事由はどうなっているか
  • 継続的な給付金と、まとまった一時金のどちらがよいか

保険会社・医療保険の種類に関係なく、これらの医療保険選びの基本をしっかりと押さえておこう。

保険商品についてわからないことがあれば、保険会社の担当者に都度相談・質問を行い、自分が納得するまで考えることが大切だ。

【年齢・収入別】日本の医療保険加入率

医療保険を一括りにした加入率のデータはないものの、公益財団法人 生命保険文化センター「2022年(令和4)年度 生活保障に関する調査」から、ある程度医療保険の加入率を推測できる。

同調査の「生命保険・個人年金保険加入率」の「疾病入院給付金付生保加入率」を見ると、年齢・収入別で次の結果となっていた。

年代別男性女性
20歳代28.5%43.8%
30歳代64.4%70.2%
40歳代66.9%74.9%
50歳代70.9%78.3%
60歳代67.8%74.9%
70歳代55.5%66.5%
本人収入別男性収入別女性
収入はない22.3%収入はない62.7%
300万円未満53.5%100万円未満69.4%
300万~500万円未満67.3%100万~300万円未満74.5%
500万~700万円未満77.1%300万~500万円未満75.8%
700万~1,000万円未満76%500万円以上82.1%
1,000万円以上61.4%

上記の結果からは、30代以上になると医療保険の加入率が上昇し、収入が多いほど加入率が上昇していることがわかる。

また同調査の「医療保障に対する私的準備状況」の章を見ると、医療保障に対する備えとして具体的な手段は、生命保険が68.8%とほぼ7割を占めていた(預貯金44.5%、損害保険20.8%と続く)

さらに「疾病入院給付金が支払われる生命保険に加入(民保、18~69歳)」の割合が81.6%(前回は86.8%)と、ほとんどの方が疾病入院給付金付きの生命保険に加入していることがわかる。

医療保険は本当に必要か

日本では公的医療保険制度が充実しており、民間の医療保険は不要だという議論もある。

野村総合研究所のニュースリリースでは、資産1億円超の世帯は日本に148万5,000世帯存在し、 日本全体の約2%が1億円を超える資産をもっていると発表している。

逆に98%の人は資産があっても1億円以下であることになる。

貯蓄額1億円以上の富裕層は別として、ほとんどの日本人が民間医療保険に加入せずに、長期にわたる治療を受けることになれば、高額療養費制度を利用しても、1か月8万円程度の治療費がかかる。

毎月8万円を3か月、4か月以降(同年で高額療養費の利用が4回目からは負担金額が下がる)は4.5万円程度を9か月で、1年間治療を続けた場合、年間65.5万円の治療費を支払うことになる。

この金額はあくまで公的医療費でカバーできる治療費部分だけなので、他にも自己負担金がかなり必要になるだろう。

年収350万円でこの支出は厳しい。扶養家族がいれば更に厳しくなる。

他に働き手がいない場合、会社員や公務員であれば、傷病手当のみの収入になる。個人事業主やフリーランスならば収入はなくなる。

また、住宅ローンなどを抱えている場合は、支払いは待ってくれない。

毎月返済し続けなければならない。住宅ローンは3か月の返済遅延で差し押さえになることもあるのだ。

このようなことを避けるためにも、民間医療保険を活用してほしい。

また、実際の金銭面のみではなく、医療保険に加入することで精神的な安心感を得られることも大きなメリットだ。

せっかく貯めたお金が減っていくという不安は、病気の時にはかなりのストレスになることは間違いない。

医療保険で補填できることを考えれば、辛い治療も乗り切れるのではないだろうか。

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収入やライフスタイルに見合った医療保険の選び方とは

あなたにとって最適な医療保険を選ぶには、あなたの収入やライフスタイルに応じた商品を検討することが大切になる。

医療保険の場合だと、年代に応じた収入・ライフスタイルに合う商品の傾向があるので、参考にするとよいだろう。

例えば貯蓄の低さや独身率が高い20代の収入・ライフスタイルだと、病気やケガで仕事を休むときの備えや、将来的な保障内容の変更を見越した柔軟性ある医療保険をおすすめする。

保険料が安い掛け捨て型を選んでおき、収入が安定したら状況に合わせて保障内容を検討するのがおすすめだ。

就業不能保険などが候補として挙げられる。

30代や40代の場合は、収入増加やライフスタイルの変化が起こる年代である。家族計画(教育資金や子育て)、マイホーム購入、保障内容のアップグレードなどを意識した医療保険選びが重要だ。

健康リスクが高まる40代なら、がん・特定疾病への備えも視野に入れよう。

今のうちに老後に向けた貯蓄を考えるなら、医療保障が付いた貯蓄型保険を検討しよう。

50代になると、子どもが独立する年代になる。また、20~40代と比較して健康リスクが一気に高くなる。

ライフステージが大きく変化し、人生100年の折り返し地点となることを考えると、あらためて保障内容を見直すにはよい年代となるだろう。

がん・特定疾病への備え、死亡保障等による相続対策、介護保険、貯蓄を運用するため変額保険・外貨建終身保険などが選択肢として挙げられる。

60代以降になると、収入が減少する定年後の生活の保障や配偶者・子どもへの相続などを検討するステージとなる。

貯蓄状況と年金収入、家計状態などを洗い直し、最適な保障を検討しよう。

とくに特定疾病は65歳以上になると発生確率が一気に上がるので、保険選びの際に意識したい。

また認知症保障、介護保障、死亡保障などの特約がある医療保険の検討をおすすめする。

なお70代になると公的医療保険の自己負担分が2割に減少し、75歳以上になると後期高齢者医療制度の適用で自己負担が1割になる。

その点も意識して医療保険の見直しを行うとよい。

医療保険を活用したリアルな事例

医療保険を活用したリアルな事例 生命保険ナビ

ここからはさまざまなケースのリアルな事例を交えて、医療保険の選び方や活用方法を紹介する。

事例1.20代・独身・1人暮らしの場合の選び方

20代独身の場合だと、死亡するリスクの低さ、収入の低さ、将来的な保険の見直しの可能性などを考慮した保険選びが大切だ。

20代の年収が300〜400万円だと仮定すると、手取りは250~300万円程度である。

月々の手取り20~25万円から家賃や生活費が引かれる中で、月々の保険料が1万円を超えると、プライベートや生活に支障が出るかもしれない。

死亡保障・災害保障などを設定した終身医療保険で60歳払込済・月々1万円の保険料の事例だと、22歳から加入で60歳までで「1万円×12か月×38年=456万円」もの保険料を支払わなければならない。

10年後に見直すことと考えたとしても、それまで120万円の支払いだ。

死亡リスク・健康リスクの低さ、配偶者や子どもへの保障の必要なさなどを考えると、死亡保障などよりも医療保障や手術給付金の保障を手厚くしつつ、保険料が割安かつ後で見直しやすい定期型や掛け捨て型保険に見直してみよう。

もし年齢を重ねて結婚・子育てなどのライフステージの変化があったら、そのときに配偶者や子どもを含めた保障や貯蓄型保険などを検討するのがよい。

事例2.40歳でケガを負い20日の入院と手術を受けたときの保障

もし40歳でケガを負い、20日の入院と手術1回を受けた場合の医療保障の事例を見ていく。

加入プランの事例は次の通りだ。

  • 入院給付日額:5,000円(支払限度日数60日)
  • 手術給付金:手術1回につき10万円(入院給付金日額の20倍、施術開始から60日に1度が限度)

この場合だと、5,000円×20日+10万円=合計20万円の給付金を受け取れる。月々の保険料が2,000円だった場合は、約8.3年間分の保険料が受け取れるイメージだ。

入院給付金が出るのは60日分までの契約だが、今回の入院は20日なので20日分の給付を受けられる。

もし入院が61日以上になると、61日以降の入院給付金は受け取れない。

さらに入院一時金特約を付加しているときは、入院一時金がまとめて給付される。

手術が先進医療に該当し、なおかつ先進医療特約に加入しているときは、数百万円~数千万円の給付金を受け取ることが可能だ。

他にも女性疾病入院特約を付けていれば、女性特有の病気(乳がんや甲状腺疾患など)が原因で入院したときに、上乗せで女性疾病入院給付金を受け取れる。

ただし、特約が増えるほど月々の保険料も増えるので注意しよう。

事例3.60歳でがんの診断を受けたときの保障

60歳でがんの診断を受けて手術し70日入院、さらに入院中に脳卒中に疾患してもう一度手術し、継続入院が合計150日になったときの保障の事例について見ていこう。加入プランの事例は次の通りだ。

  • 入院給付日額:1万円(支払限度日数180日)
  • 手術給付金:40万円(入院給付金の20倍、施術開始から60日に1度が限度)
  • がん一時金特約:100万円

この場合だと、入院給付金は「1万円×150日=150万円」だ。支払限度日数が180日なので、150日の入院でも問題なく給付される。

仮に60日に設定していたら、90万円分もの保障がなくなってしまうことになる。

手術給付金は、がんと脳卒中手術で合計2回分だ。1度目のがん手術から60日を超えて脳卒中の手術を受けたので、合計80万円が受け取れる。

さらにがん一時金特約の適用により、がんと診断された時点で100万円が出る。

すべてを合計すると「150万円+80万円+100万円=330万円」の保障と、非常に大きな金額の給付を受けることが可能だ。

仮に脳血管疾患一時金の特約を付加していれば、上乗せで数十万~数百万円の一時金が支払われる。

もし保険料払込免除特約に入っていると、がん診断以降の保険料の払込がすべて免除となる。

このようにがんや脳卒中、特定疾病関係の保障は、非常に手厚くしている医療保険は多い。

とはいえ厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況(2022年6月)」などを見ると、平均入院日数は徐々に短期化している傾向がある。

例えば悪性新生物の平均入院日数は65歳以上でも21.4日と、がんであっても1か月以内に退院しているケースが増えているのだ。

同調査でも、悪性新生物の患者の入院患者数約11万2,900人に対し、通院(外来)は約18万2,200人となっている。

そのため、がんに対する備えとしては通院給付金、放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金などを利用するケースが一般的になりつつある。

厚生労働省の「令和3年度 医療給付実態調査(2023年9月)」によると、がん治療のための1入院あたり約7万円、1回通院するごとに約7,000円弱の出費が発生する。

これらも考慮した医療保険を選択しよう。

自分の適した医療保険の選び方と活用法のポイント

自分の適した医療保険の選び方と活用法のポイント 生命保険ナビ

自分に適した利用保険を選ぶには、「ライフプランを考えること」「加入の必要性や目的を明確にすること」「無理のない保険料と払込期間を設定すること」の3つが挙げられる。

ライフプランを考えること

医療保険の選び方として大切なのは、自分のライフプランについてあらかじめ考えておくことである。

医療保険の保障内容や保険料を決めるには、あなたのライフプランが非常に参考になるからだ。

将来的に考えられるリスクや加入するタイミング、見直すタイミングなどをしっかりと検討しておこう。

簡単な事例は次の通りだ。

  • 今は30歳までには結婚する予定なので、20代のうちは保障の充実よりも結婚資金やマイホーム代に使う貯蓄を優先するために、保険料が安めのものを検討する
  • 40歳までには世帯年収が800万円になりそうなので、40代あたりで保障内容のアップグレードを検討する予定を立てる

加入の必要性や目的を明確にすること

医療保険を選ぶときは、まず加入の必要性を明確にしよう。

例えば十分に貯蓄や収入がある世帯なら、医療保険に入らなくても入院や治療にかかるお金をまかなえる可能性がある。

保険金を当てにするより他の資産運用でお金を増やして備える、という方法もある。

また、必要性と一緒に加入目的についても考えておこう。

加入目的が不明瞭だと、不必要な主契約や特約にもかかわらず契約する可能性が高くなる。

「高い保険料を払ったのに、自分に必要な保障が一切受けられなかった」という事態にならないよう、「長期入院に備えたい」「がんの保障を受けたい」など、医療保険の加入目的をしっかりと決めておこう。

加入目的が明確になったところで、あわせて医療保険の重複加入(特に手厚い保障を準備したい部分について、ニーズの重なる複数の保険に加入すること)についても検討してみよう。

具体的には、「医療保険とがん保険」のように異なる2つの保険に加入する方法と、医療保険に特約をつける方法の2つがある。

重複加入のメリット

たとえば入院給付金が受取れる医療保険に、女性特約を付加した場合、より多くの場面で給付金を受け取ることができる。

他にも、女性特有の疾病に罹患すると、大部屋で過ごすのは気が滅入ることもあるだろう。

重複加入で得た給付金を利用して差額ベッド代を支払い、より快適な部屋で治療に専念することができるだろう。

また、医療保険とがん保険の両方に加入していれば、がんで長期間入院しても支払限度日数の制限なく給付金を受け取れるため非常に安心だ。

また、がん診断一時金を家族の生活費に充てるという活用法も考えられる。

重複加入のデメリット

しかしながら、重複加入は高額な保険料に繋がるため、必ずしもおすすめとは言えない。

また、保険の本数が増えると、管理が面倒になるほか、請求漏れが発生する可能性も高まる。

そのため、家計的に余裕があり、保険料をあまり気にしなくてよい場合などに積極的に検討するといいだろう。

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無理のない保険料と払込期間を設定すること

医療保障で手厚い保障を付けたとしても、貯蓄や収入に見合わない高い保険料を設定すると生活が苦しくなる可能性がある。

また「払込期間を短くして早めに支払いを終わらせたい」と短めの払込期間を設定すると、期間中の保険料が高くなりすぎる危険性がある。

医療保険を契約するときは、無理のない保険料と払込期間を設定しよう。

ただし大切なのは、必要な保障内容と保険料のバランスを見極めることだ。

「ちょうどよい保険料で、ちょうどよい保障内容になった」という状態を目指すために、各保険会社の医療保険をできる限り比較検討して選ぼう。

まとめ

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、収入やライフスタイルに適した保険の選び方や保険の活用方法について事例を用いて解説した。

医療保険は自身や家族の生活を守る大切なツールであり、適切な選び方と活用法を身に付ける必要がある。

今後のライフプランを考えた上で、リアルな事例をなぞって最良の活用法を考えることが重要だ。

しかし、ライフプランを自分で考えることは難易度が高く、保険の取扱いも専門的な知識が必要である。

自分だけで決断することに不安を覚えた場合には、専門家に相談することをおすすめする。

「生命保険ナビ」のような保険のプロに相談するサービスを活用すれば、自分のニーズに合った最適な保険を見つけることが可能だ。

保険に関して少しでも疑問や不安がある方は、以下のボタンから申し込んでみてほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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