30代におすすめの生命保険とは?|選び方と必要保障額・保険選びのポイントを解説

「30代 生命保険 おすすめ」で検索しても、出てくるのはランキングばかり。

だが、家族構成も収入も貯蓄も違う人に、同じ「1位」が当てはまるわけがない。

生命保険の正しい選び方は、目的を決め、公的保障を差し引き、不足分だけを民間で埋めること。その手順を、必要保障額の出し方から保険タイプの比較、家族構成別の設計例まで一本の流れで整理した。

※本記事の数値情報は2026年2月時点のものである。年金額については令和7年4月分からの額を使用している。

この記事で解決できるお悩み
  • 30代の生命保険、何を基準に選べばいいかわからない
  • 自分に必要な保障額の計算方法を知りたい
  • 公的保障でどこまでカバーできるか把握したい
  • 家族構成に合う保険の組み合わせを整理したい
  • 保険の見直し・乗り換えで失敗したくない
目次

面倒な比較は不要!全国どこでも面談可能!

30代の生命保険おすすめは『目的→不足分』で決まる

生命保険の「おすすめ」とは、万人共通の正解ではない。あなたが何のリスクに、いくら、いつまで備えるか。この3つが固まれば、選ぶべき保険は自然に絞り込める。

ランキングを眺める前に、まず自分の「目的→不足分」を言語化するところから始めよう。

30代の生命保険おすすめが人で違う理由

2024年の調査によると、生命保険・個人年金保険の世帯加入率は全体で89.2%、30〜34歳では80.3%にのぼる。多くの世帯が何らかの保険に入っている一方で、その中身は人によって大きく異なる。

違いを生むのは、主に次の4つの要因だ。

  • 家族構成:配偶者や子どもの有無で、死亡保障の必要度が変わる
  • 働き方:会社員か自営業かで、公的保障の厚みがまったく違う
  • 住宅:住宅ローンに団信(団体信用生命保険)が付いていれば、死亡保障の一部はカバー済み
  • 貯蓄:手元資金が厚い人ほど、保険で備える範囲は小さくなる

つまり、同じ「30代」でも最適解はバラバラ。平均値に合わせること自体にあまり意味はない。

おすすめを決める3要素:目的・期間・予算

保険選びのブレを止めるには、先に3つの要素を固めるとよい。

1つ目は「目的」。死亡したときの家族の生活費なのか、病気で働けない期間の収入補填なのか、入院時の自己負担の穴埋めなのか。守るリスクの種類を明確にする。

2つ目は「期間」。子どもが独立するまでの20年間か、住宅ローンが終わるまでの30年か、あるいは一生涯か。期間が変われば保険料も保険タイプも変わる。

3つ目は「予算」。毎月の保険料を家計のどこまで許容するか。ただし「安いから正解」ではなく、必要な保障を確保したうえでの最適化が前提だ。

この3つを固めるために、次の章でまず公的保障を棚卸しする。

30代の典型ケース3つ

自分がどの型に近いか、ざっくりつかんでおくと後の章が読みやすくなる。

ケースA:独身30代。扶養家族がいないため、死亡保障は最小限でいい。優先すべきは、病気やケガで働けなくなるリスクと医療費の備え。

ケースB:共働き30代。夫婦のどちらかが倒れても、もう一方の収入がある。死亡保障は「収入差と住居費」を軸に絞り込むのが合理的だ。

ケースC:子育て30代。2024年調査では、30〜34歳世帯の普通死亡保険金額は平均2,526万円。教育費を含む生活保障が大きくなる時期だからこそ、必要額の計算が欠かせない。

では、その計算の前提になる「公的保障」の全体像を押さえよう。

生命保険を選ぶ30代が先に見る公的保障

30代の医療費は原則3割負担。さらに高額療養費制度で月の上限が決まっている。働けないときは傷病手当金、死亡時には遺族年金——。民間保険を考える前に、こうした公的保障をまず棚卸しすることで、「不足分だけを保険で補う」という設計の土台ができる。

医療費を減らす公的保障の範囲

病院の窓口で支払う医療費は、70歳未満なら原則3割。ただし、手術や入院で医療費が膨らんでも、高額療養費制度によって月の自己負担には上限がある。

所得区分ごとの限度額は次のとおりだ。

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所得区分自己負担限度額(月額)多数回該当
区分ア(高所得)252,600円+(総医療費-842,000円)×1%140,100円
区分イ167,400円+(総医療費-558,000円)×1%93,000円
区分ウ(一般的な会社員の多くが該当)80,100円+(総医療費-267,000円)×1%44,400円
区分エ57,600円44,400円
区分オ(低所得)35,400円24,600円

総医療費とは、保険適用される医療費の10割分で計算する。多数回該当とは、直近12か月で上限に3回以上達した場合に4回目から限度額が下がる仕組みのことだ。

ただし、高額療養費はあくまで「保険診療」が対象。差額ベッド代、入院時の食事代、先進医療の技術料などは対象外になる。この「対象外の費用」こそが、民間の医療保険で備える候補になる。

働けないときの保障:会社員/自営業

会社員が業務外の病気やケガで働けなくなった場合、健康保険から傷病手当金が支給される。支給額は「支給開始日以前12か月の標準報酬月額平均÷30×2/3」、つまりおおよそ給与の3分の2相当だ。

連続する3日間の待期のあと、4日目以降が支給対象となり、支給期間は通算1年6か月。裏を返せば、残り3分の1と1年6か月を超える長期療養は自力で賄う必要がある。

一方、自営業やフリーランスが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金の仕組みがない。公的保障として頼れるのは、障害状態に該当した場合の障害基礎年金だ。

令和7年4月分からの額で、2級は年額831,700円、1級は年額1,039,625円。子の加算が1人目・2人目は各239,300円、3人目以降は各79,800円つく。会社員と比べると収入の空白期間が大きいため、自営業は民間の就業不能保険を検討する比重が高くなる。

死亡時の公的保障:遺族年金など

世帯主が亡くなった場合の公的保障として代表的なのが遺族基礎年金だ。金額の構成は基本額831,700円(年額)に子の加算を足す形になる。

1人目・2人目の子は各239,300円、3人目以降は各79,800円。ただし、遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が受給対象であり、子のいない配偶者には原則として支給されない。この受給要件の違いが、必要保障額の計算に直結する。

会社員の場合、遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が上乗せされる可能性がある。また勤務先の死亡退職金や弔慰金も要確認だ。金額は就業規則や人事部門に問い合わせればわかる。

遺族厚生年金の計算式は報酬比例部分に基づくため金額の断定は避けるが、「収入側に入れるべき項目」として覚えておきたい。

団信・会社の団体保険の確認

住宅ローンを組んでいるなら、団体信用生命保険(団信)がついているケースがほとんどだ。団信はローン残高を死亡や高度障害でゼロにする仕組みだが、遺族の「生活費」まではカバーしない。

住居費の不安が消える一方で、食費や教育費は別途手当てが必要になる点を見落としがちだ。

勤務先の福利厚生も棚卸ししておこう。確認すべきは、団体生命保険の加入有無と保障額、弔慰金の支給条件、健康保険組合の付加給付だ。ここで把握した「既にある保障」が、次の章で計算する必要保障額の「収入側」に入る。

公的保障の全体像がつかめたところで、具体的な数字で必要保障額を出してみよう。

30代の生命保険:必要保障額の出し方

「保障は多いほど安心」と考えがちだが、これが過剰加入のもと。必要保障額は足し算ではなく、引き算で出すものだ。正しい手順を知れば、ムダな保険料を払うリスクを大幅に減らせる。

生命保険の必要保障額は『支出-収入』

基本の考え方はシンプル。万一のとき「必要になる支出の総額」から「見込める収入の総額」を引く。この差額が、民間の生命保険で備えるべき金額になる。

支出に入れるのは、遺族の生活費、住居費、教育費、葬儀・整理資金、予備費など。収入に入れるのは、遺族年金、配偶者の勤労収入、死亡退職金・弔慰金、貯蓄、団信による住宅ローン相殺分だ。

ここで重要なのが「期間」の設定。子どもが独立するまでなのか、配偶者が年金を受け取るまでなのかで、支出総額は何百万円も変わる。期間を甘く見積もると保障が足りず、長く取りすぎると保険料が膨らむ。

30代子育て世帯の試算テンプレ

子育て世帯の場合、支出の中で最も幅が出るのが教育費だ。文部科学省の調査によると、幼稚園から高校までの15年間の学習費総額は、すべて公立なら約614万円、すべて私立なら約1,969万円と3倍以上の開きがある。

大学費用も大きい。私立大学(学部)の初年度学生納付金等は平均で約150万円(令和7年度調査)。一方、高等教育の修学支援新制度を利用できる場合、国公立大学の授業料等減免の上限額は入学金282,000円、授業料535,800円が示されている。

進路によって数百万円単位の差がつくため、複数パターンで試算するのが安全だ。

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支出項目金額(入力欄)期間根拠メモ
遺族の生活費〇〇万円/年〇年現在の家計の7〜8割が目安
住居費〇〇万円/年〇年団信ありならゼロに近づく
教育費〇〇万円末子卒業まで全公立614万〜全私立1,969万円
葬儀・整理資金〇〇万円一時金平均約119万円の調査あり
予備費〇〇万円各家庭で設定

ここから遺族年金や配偶者収入などを差し引いた金額が、保険で備える候補になる。

30代独身の必要保障額の考え方

扶養家族がいない独身の場合、大きな死亡保障は基本的に不要だ。備える対象は主に、自分の葬儀・整理資金と、親への援助が必要なケース。

葬儀費用は平均総額が約119万円という調査紹介があり、葬儀形式は家族葬が50.0%と最多になっている。

協会けんぽでは埋葬料(費)として50,000円が定額支給されるが、葬儀費用全体をまかなうには到底足りない。ただし、貯蓄で十分カバーできるなら無理に保険に入る必要はない。独身30代は、死亡保障よりも医療保険や就業不能保険に予算を振り向けるほうが現実的だろう。

保険期間の決め方:いつまで必要か

保険期間は、保険料を左右する大きなレバーだ。期間が長いほど保険料は高くなる。考え方の基本は「リスクが続く期間だけ保障をつける」こと。

子育て世帯なら末子が独立するまで、住宅ローンの団信がない部分ならローン完済まで、就業不能リスクなら公的年金の受給開始まで——というように、ゴールから逆算する。

更新型の保険は更新ごとに保険料が上がるため、更新回数が少なくて済む期間設計を意識するとよい。

必要額と期間が見えてきた。次は、どの保険タイプで備えるかだ。

30代におすすめの生命保険タイプと向き不向き

生命保険には複数のタイプがあり、それぞれ役割が違う。「全部入っておけば安心」ではなく、目的ごとの使い分けが前提になる。まずは全体像を一覧で確認しよう。

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タイプ主な目的保障期間向く人注意点
定期保険死亡保障(大きく)一定期間子育て世帯更新で保険料が上がる
終身保険葬儀・整理資金一生涯最低限の死亡保障を持ちたい人保険料が高めになりやすい
収入保障保険遺族の生活費一定期間月額で受け取りたい人時間とともに受取総額が減る
医療保険入院・手術費用一定〜一生涯自己負担や付随費用に備えたい人公的保障との重複に注意
がん保険がん治療費一定〜一生涯長期治療・収入減に備えたい人支払条件を要確認
就業不能保険収入の補填一定期間自営業・フリーランス免責期間・精神疾患の扱い

定期保険:一定期間を安く大きく

定期保険は、決められた期間内に死亡した場合にまとまった保険金が支払われるタイプ。掛け捨てのため保険料が抑えやすく、子どもが独立するまでの20年間に大きな死亡保障をつけたい子育て世帯に向く。

注意点は更新の仕組み。更新型の場合、更新ごとに保険料がその時点の年齢で再計算されるため、40代・50代で負担が増える。必要な期間が明確なら、その期間ぴったりの全期型を選ぶ手もある。

終身保険:一生涯+葬儀費用

終身保険は、保障が一生涯続く。主な使い道は葬儀・整理資金の準備だ。葬儀費用の平均は約119万円とされ、協会けんぽの埋葬料50,000円だけでは大きく不足する。この差額を終身保険で備える考え方が基本になる。

ただし、終身保険は保険料が定期保険より割高だ。「貯蓄性がある」と言われることもあるが、途中解約すると払い込んだ保険料を下回る場合がある。大きな死亡保障を終身で持つのは保険料負担が重いため、定期保険との使い分けがカギになる。

収入保障保険:生活費を月額で受取

収入保障保険は、死亡時に遺族が「毎月〇万円」を一定期間受け取れるタイプ。必要保障額を月額の生活費で設計できるため、「支出-収入」の不足分に合わせやすい利点がある。

特徴は、保険期間の経過とともに受取総額が減っていく点だ。子どもが成長するにつれ必要な保障も減っていくという考え方に合致するが、一方で「まとまった一時金が必要」な場面には向かない。定期保険と組み合わせて使うケースもある。

医療保険:入院・手術・通院の備え

医療保険を考えるとき、前提として押さえたいのは高額療養費制度の存在だ。一般的な所得区分(区分ウ)なら、月の自己負担上限は80,100円+αにとどまる。つまり、保険診療の範囲では「際限なく医療費がかかる」わけではない。

民間の医療保険で備えるのは、高額療養費の対象外となる差額ベッド代や食事代、先進医療の自己負担、入院中の収入減といった部分だ。

2024年の調査では、医療保険の疾病入院給付金日額は平均8,900円、入院一時金は平均78,000円。この数字はあくまで「加入者の設定の平均」であり、推奨額ではない点に注意したい。必要な金額は、貯蓄や家族の状況によって変わる。

がん保険:長期治療に特化する考え方

がん保険が力を発揮するのは、通院治療が長期化し、医療費だけでなく収入減も重なるケースだ。医療保険との違いは、がんに特化した診断一時金や通院給付が手厚い点にある。

ただし、がん保険は「がんにならなければ給付ゼロ」というシンプルな構造。医療保険で一定のカバーができている場合や、貯蓄で対応可能な場合は、無理に追加する必要はない。加入を検討するなら、支払条件(上皮内がんの扱い、診断一時金の回数制限など)を必ず確認しよう。

就業不能保険:収入減をカバーする

就業不能保険は、病気やケガで長期間働けなくなったときに、毎月の給付金が受け取れるタイプだ。会社員なら傷病手当金で給与の約3分の2が通算1年6か月支給されるため、民間保険はその「上乗せ」や「期間超過」をカバーする設計になる。

自営業は傷病手当金がないため、就業不能保険の優先度が大きく上がる。公的には障害基礎年金があるが、障害等級に該当しないと支給されず、等級に該当しても2級で年額831,700円と生活費を賄うには心もとない。免責期間や精神疾患の取り扱いは商品ごとに差があるため、比較時の重要チェック項目になる。

保険タイプの役割が整理できた。いよいよ具体的な商品比較に入る。

生命保険(30代)の比較ポイント7つ

候補の保険タイプが決まったら、次は「どの商品にするか」の比較だ。保険料の安さだけで飛びつくと、肝心なときに給付が出ないこともある。

比較は条件を揃え、免責や支払条件まで読み込んでから判断するのが鉄則。見落としやすい7つのチェックポイントを順に確認しよう。

比較① 保障額と保障期間

比較の出発点は「保障額」と「保障期間」が自分の必要保障額に合っているかどうか。先に算出した「支出-収入」の不足分と照らし合わせ、過不足がないか確認する。

保障額が同じでも、期間が違えば保険料はまったく変わるため、期間もセットで見る必要がある。

比較② 保険料と払込期間

保険料を比較するとき、2024年の調査によると年間払込保険料(全生保)の平均は30〜34歳で29.3万円、35〜39歳で32.3万円だ。

ただし平均はあくまで参考値であり、「平均=適正」ではない。月額と総額の両方で比較し、払込期間(何歳まで払うか)による総支払額の差も確認する。

比較③ 更新型・全期型の違い

更新型は保険料が当初安いが、更新ごとにその時点の年齢で再計算される。全期型は契約時の保険料が保険期間を通じて変わらない。

同じ保障を得る場合のトータルコストを試算し、どちらが家計に合うか見極めたい。

比較④ 免責と支払条件の読み方

保険金や給付金が「出ない条件」を定めたのが免責事項。就業不能保険の免責期間、がん保険の待機期間、災害死亡と疾病死亡の区別など、商品ごとに異なる。

約款や契約概要の「支払われない場合」の欄を必ず読み、自分のリスクシナリオと照合しておこう。

比較⑤ 特約の優先順位

特約(オプション)を盛りすぎると保険料が膨らみ、何に備えているか自分でもわからなくなる。先進医療特約のように低コストで大きな安心が得られるものと、使う場面が限定的なものを分けて優先順位をつけると整理しやすい。

迷ったら「その特約がなかったら困る具体的な場面」を言語化してみるとよい。

比較⑥ 解約払戻金と貯蓄性

終身保険や一部の養老保険には解約払戻金がある。「保険で貯蓄もできる」と捉えがちだが、途中解約すると元本割れするケースが少なくない。

貯蓄目的なら保険以外の手段と比較したうえで判断するのが冷静なやり方だ。掛け捨ての定期保険と預貯金・投資を分けて管理する方法も検討に値する。

比較⑦ 相談・請求のしやすさ

いざ給付金を請求するとき、手続きがスムーズかどうかも比較材料になる。コールセンターの対応時間、オンライン請求の可否、担当者の有無など。保険料の安さだけでなく、「使うときのストレスの少なさ」まで含めて判断すると後悔が減りやすい。

比較の軸が揃った。次は家族構成に合わせた設計例だ。

家族構成別:30代の生命保険おすすめ設計例

保険選びで最も差がつくのが家族構成だ。独身とひとり親では、備えるリスクの種類も大きさもまったく違う。

以下に家族構成別の設計パターンを一覧にまとめた。保障額の断定はしないが、「どのリスクを優先するか」の方向性をつかむ参考にしてほしい。

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家族構成優先リスクおすすめタイプ期間の目安
独身医療・就業不能医療+就業不能〜65歳前後
共働き(子なし)収入減・医療収入保障+医療定年or住宅ローン完済
子育て死亡・教育費定期or収入保障+医療末子独立まで
自営業就業不能就業不能+定期〜65歳前後
ひとり親死亡・就業不能定期+就業不能+医療末子独立まで
妊娠・出産期入院・女性特有医療(女性特約)早期加入が有利

独身30代:最低限の生命保険設計

扶養家族がいない独身の場合、死亡保障の優先度は低い。備えるとすれば葬儀・整理資金の範囲で、平均約119万円とされる葬儀費用から貯蓄や埋葬料(50,000円)を差し引いた額が目安になる。

親への仕送りや借入の保証人になっている場合は、その分を上乗せする。

それよりも手厚くしたいのが医療保険と就業不能保険。独身は自分の収入が途絶えたとき、すぐに生活に影響が出る。「働けなくなるリスク」を中心に組み立てるのが実用的だ。

共働き30代:死亡保障をどう絞るか

共働きの場合、一方が亡くなっても片方の収入が残る。カギになるのは「収入差」と「住居費の負担構造」だ。

収入がほぼ同等なら死亡保障は最小限でよいが、一方に大きく偏っている場合は、その差額分の保障を検討する。

子どもの予定がある場合は、出産後に保障を上乗せする前提でプランを組んでおくと慌てずに済む。住宅ローンに団信がついていれば、住居費リスクはカバー済みと考えてよい。

子育て30代:必要保障額が最大化する

正直、30代の保険設計で最も悩むのがこの時期だろう。教育費の負担が見えているからだ。

幼稚園から高校までの学習費総額は全公立で約614万円、全私立で約1,969万円。さらに大学では、私立大学の初年度納付金だけで平均約150万円かかる。

これだけの支出を遺族年金と配偶者収入だけでは賄いきれない可能性がある。収入保障保険や定期保険で「末子が独立するまで」の保障を確保し、期間が過ぎたら保障を縮小する設計が現実的だ。教育費は複数パターンで試算し、保障額に幅を持たせておくとよい。

自営業30代:就業不能を厚くする

自営業は会社員と比べて公的保障が薄い。傷病手当金がなく、障害基礎年金の受給要件に該当しなければ、収入が完全にゼロになるリスクがある。就業不能保険で毎月の固定費(家賃、ローン返済、生活費の基礎部分)をカバーできる設計が優先事項だ。

死亡保障も、家族がいるなら定期保険や収入保障保険で手当てする。法人化している場合は、法人契約の保険も選択肢に入るため、税理士やFPへの相談を検討するとよいだろう。

ひとり親30代:教育費と生活費の備え

ひとり親は「自分が倒れたら家計が止まる」というリスクを一人で抱える。死亡保障と就業不能保障の両方を厚めにする必要がある。

教育費は全公立でも約614万円、私立を含めればさらに膨らむため、必要保障額の算出が特に重要だ。

公的保障(遺族基礎年金、児童扶養手当、ひとり親家庭の医療費助成など)を最大限活用したうえで、不足分を民間保険で補う。複数のリスクに同時に備えるため、保険料負担が重くなりやすい。だからこそ、優先順位を明確にし、予算内で効果が高い組み合わせを探りたい。

妊娠・出産期30代:女性特有の備え

妊娠・出産にまつわる入院や手術(帝王切開など)は、医療保険の給付対象になることがある。ただし、妊娠後に加入すると妊娠関連の疾病が保障対象外になるケースや、そもそも加入を断られるケースもある。

加入を検討しているなら、妊娠前のタイミングが有利だ。すでに妊娠中の場合は、加入可能な商品の条件を確認し、告知事項を正確に記入する必要がある。

出産後に改めて保障全体を見直す前提で、まず最低限の備えを整えておくという発想も現実的だろう。

自分に近いパターンが見えてきたら、次の判断フローで最終確認してみよう。

30代の生命保険を決める3分判断フロー

「結局、自分はどれを選べばいいのか」。ここまで読んで、まだ迷いが残っている人のために、3つの質問で組み合わせを絞り込むフローを用意した。

完璧な答えを出すためのものではなく、「方向性」を決めるための道具だと考えてほしい。

質問1:守る相手は家族か自分か

配偶者や子どもなど、自分の収入がなくなったときに困る家族がいるか。いるなら死亡保障の優先度が上がる。いないなら、死亡保障は葬儀費用程度に絞り、医療・就業不能に予算を回す方向だ。

質問2:必要な期間は何年か

保障が必要な期間が「一定期間」なら定期保険か収入保障保険、「一生涯」なら終身保険が候補になる。子どもが独立するまで、ローンが終わるまでなど、具体的な年数を出しておくと比較がしやすい。

質問3:不足リスクを3つに分ける

公的保障で足りない部分を「死亡リスク」「医療リスク」「就業不能リスク」の3つに分解する。

高額療養費で月の上限がある医療費と、傷病手当金がない自営業の就業不能リスクでは、不足の大きさがまるで違う。不足が大きいリスクから順に予算を配分するのが基本だ。

フローの結論:おすすめの組み合わせ

3つの質問に答えると、おおむね以下のパターンに集約される。

パターンおすすめの組み合わせ
家族あり・一定期間・死亡リスク大収入保障 or 定期+医療
家族あり・一定期間・就業不能リスク大収入保障+就業不能+医療
自分のみ・一定期間・医療中心医療+就業不能
自分のみ・一生涯・最低限終身(少額)+医療
自営業・一定期間・全般定期+就業不能+医療

ここで出た組み合わせはあくまで「型」であり、最適な保障額は前章の計算で個別に出す必要がある。型が決まったら、見積もりに進む前に注意点を確認しておこう。

30代の生命保険で後悔しない注意点

選び方が正しくても、手順を間違えると後悔する。「解約してから新しい保険の審査に落ちた」「特約をつけすぎて保険料が家計を圧迫した」——こうした失敗は、事前に知っておけば防げるものばかりだ。

30代の生命保険でありがちな失敗5つ

  • 過剰加入:不安から保障を盛りすぎ、貯蓄や投資に回す余裕がなくなる
  • 更新の見落とし:更新型で保険料が跳ね上がることを知らずに契約する
  • 特約の重複:複数の保険で同じリスクに二重に備えてしまう
  • 見直しの先送り:結婚や出産後も独身時代の保険をそのまま放置する
  • 解約タイミングのミス:新しい保険が成立する前に旧契約を解約し、保障の空白期間をつくる

見直し・乗り換えの安全な手順

保険の乗り換えには「正しい順番」がある。手順を間違えると、無保険の期間が生まれたり、健康状態の変化で新規加入できなかったりするリスクが発生する。

STEP
新しい保険に申し込む

まず新しい保険に申し込む。旧契約を先に解約しない。

STEP
審査を通過し、契約が成立したことを確認する

保険会社からの通知を待つ。

STEP
新しい保険の保障が開始されてから、旧契約の減額または解約手続きに入る

保障開始日を確認してから旧契約に連絡する。

STEP
旧契約の保障終了日と新契約の保障開始日に空白がないか最終チェックを行う

両方の日付を書類で突き合わせて確認する。

「先に解約してから探す」は最もやってはいけないパターン。この順番さえ守れば、保障の空白は防げる。

告知で注意する持病・通院歴

保険の申し込み時に求められるのが「告知」——過去の病歴や通院歴、服薬状況を正確に申告する義務だ。告知義務違反があると、いざというときに保険金が支払われないリスクが生じる。

申告前に、過去5年程度の通院歴・手術歴・服薬内容を整理しておくとスムーズだ。持病がある場合は「引受基準緩和型」や「無選択型」の保険も選択肢に入るが、保険料が割高になる傾向がある。

自己判断で告知を省略するのは避け、正直に申告したうえで加入可否を確認するのが安全だ。

受取人・保険金額の更新タイミング

保険は「入ったら終わり」ではない。結婚、出産、住宅購入、転職といったライフイベントのたびに、受取人と保険金額の見直しが必要になる。

  • 結婚:受取人を配偶者に変更、死亡保障の追加検討
  • 出産:必要保障額の再計算、収入保障や定期保険の追加
  • 住宅購入:団信加入で死亡保障を減額できる可能性
  • 転職:会社の団体保険や福利厚生の変化を確認

相談先の選び方:FP/代理店/通販

保険の相談先は大きく3つに分かれる。それぞれ特徴が異なるため、自分の状況に合った相手を選ぶことが大切だ。

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相談先中立性比較範囲費用
独立系FP高い傾向幅広い相談料が発生する場合あり
来店型代理店中程度取扱会社の範囲無料が多い
通販(ネット)自社商品のみ保険料が安い傾向

どこに相談するにしても、事前に「必要保障額」「優先するリスク」「予算の上限」を整理しておくと、会話が効率的に進む。相談先に聞きたい質問を3つほどメモしておくのもおすすめだ。

最後に、よくある疑問をまとめて確認しておこう。

30代の生命保険でよくある質問

30代で生命保険はいくら必要?

「いくら」は家族構成・収入・貯蓄・住居形態で大きく変わるため、一律の金額は示せない。基本は「必要な支出総額-見込める収入総額=不足分」で算出する。

教育費だけでも全公立で約614万円、全私立で約1,969万円と幅が大きいため、複数パターンで試算するのが現実的だ。

30代は定期と終身どっち?

目的と期間で使い分けるのが合理的だ。子どもが独立するまでの大きな死亡保障なら定期保険、一生涯の葬儀・整理資金なら終身保険が候補になる。

葬儀費用の調査平均が約119万円であることを踏まえ、この程度の額を終身で持ち、それ以上は定期でカバーする併用型も選択肢に入る。

生命保険は月いくらが目安?

2024年調査によると、年間払込保険料の平均は30〜34歳で29.3万円(月換算で約2.4万円)、35〜39歳で32.3万円(月換算で約2.7万円)。

ただし「平均に合わせる」のではなく、必要な保障を確保したうえで家計に無理がない額かどうかが判断基準になる。手取り収入に対する保険料の比率が高すぎないか確認しよう。

子どもなし30代でも生命保険は必要?

死亡保障の優先度は低いが、医療保険や就業不能保険は検討の価値がある。万一の入院や長期療養で収入が途絶えるリスクは、子どもの有無にかかわらず存在する。

葬儀費用(平均約119万円)を貯蓄で賄えるなら、死亡保障は最小限で問題ないだろう。

共働きでも死亡保障は必要?

一概に「不要」とはいえない。夫婦の収入差、住宅ローンの名義と団信の有無、子どもの有無と教育方針によって答えが変わる。

収入がほぼ同等で子どもがいなければ死亡保障は最小限でよいが、片方の収入に大きく依存している場合は検討の余地がある。

生命保険の見直しは何年ごと?

「〇年ごと」と決めるより、年に1回の棚卸しと、ライフイベント(結婚・出産・住宅購入・転職など)のタイミングでの見直しを組み合わせるのが実用的だ。

見直しの際は、先に新しい保険を確保してから旧契約を調整する手順を守ることが重要になる。

最後に:見積もり・相談前の最終チェック

保険の見積もりや相談に進む前に、次の項目を整理しておくと判断がスムーズだ。

  • 家族構成と扶養の状況(配偶者の収入、子どもの年齢と人数)
  • 毎月の生活費と住居費(団信の有無を含む)
  • 公的保障の確認結果(遺族年金の受給見込み、傷病手当金の有無)
  • 勤務先の保障(団体保険、弔慰金、福利厚生)
  • 現在の貯蓄額と、今後の貯蓄計画

これらを手元にまとめておけば、FPや代理店との相談で的確な提案を受けやすくなる。「自分の数字」を持って臨むだけで、相談の質は格段に違ってくるはずだ。

30代の生命保険選びは、「目的を決め、公的保障を差し引き、不足分だけを保険で埋める」——このシンプルな原則に尽きる。

必要保障額は家族構成・収入・貯蓄で人それぞれ異なるため、ランキングや平均値をそのまま当てはめるのではなく、自分の数字で計算することが大切だ。判断材料が揃ったら、信頼できる専門家に相談してみるのも一つの手だろう。

※本記事の情報は制度改正等により変更される可能性がある。最新の内容は各公的機関の公式サイトで確認されたい。

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生命保険ナビ編集部は、「保障を無駄なく、安心を最大化する保険選び」を目的として、保険相談のおすすめ先保険相談のキャンペーンを紹介。読者がライフステージに応じて最適な保険設計ができるよう、公平かつ分かりやすい情報発信を心がけている。運営元のアドバイザーナビ株式会社は、IFAや保険代理店のアドバイザーと生活者をつなぐマッチングサービス「生命保険ナビ」を展開中。