- 公務員が保険に入る必要があるのか知りたい
- 公務員におすすめの保険を知りたい
- 公務員が保険に入る際に重視すべきポイントが知りたい
公務員は福利厚生が手厚く、団体保険や共済組合といったお得な制度を活用できるため、民間の保険が必要ないと言われることが多い。
だが、本当に全ての公務員が保険に入る必要がないと言えるのだろうか。
そこで本記事では、公務員が保険に入る必要があるのか、公務員におすすめの保険があるのか、そして公務員が保険に入る場合は何を重視すればいいのかという3点について解説していく。
公務員で保険に加入するべきか悩んでいる方は、参考にしてほしい。
公務員が保険に入る必要はあるのか
民間の保険は公的な保障を補うためにある。そのため、公的な保障が手薄な人ほど民間の保険に入る必要性が高く、手厚い人ほど低くなる。
公務員は一般的に公的な保障が自営業や会社員に比べて手厚いとよく言われる。
そのため、公務員は保険に入る必要はないと考えている人もいるかもしれない。
しかし、全ての公務員にとって民間の保険が不要というのも極論だ。
- 公務員が保険に入る必要がないと言われる理由
- 公務員でも保険に入るべきケース
- 民間の保険に入る前に確認しておきたい共済組合の存在
3つの観点から、それぞれ公務員が保険に入る必要があるのかどうかを改めて確認してみよう。
民間の保険が必要かどうかを考えるきっかけにしてほしい。
公務員が保険に加入する必要がないと言われる理由
公務員は社会保障や福利厚生は手厚く民間の保険でわざわざ補う必要がないから、加入する必要がないと言われる。
公務員が自営業者や会社員に比べて保障がどの程度、手厚いのかを改めて確認してみよう。
まず、休職した場合の補償の手厚さの違いを確認してみよう。
会社員が長期間、働けなくなった場合は「傷病手当金」が支給される。月給の約67%を通算1年6ヶ月非課税で受け取れる制度だ。
しかし、国家公務員は最初の3ヶ月に病気休暇を取得すれば90日間は満額支給される。
また90日以降も休職扱いになれば1年間に基本給の8割を受け取れる点を考えても、民間企業に比べて手厚いことが分かるだろう。
2年目以降は後に紹介する共済組合の傷病手当金もある。地方公務員に関しても、国家公務員に準じた待遇を受けられる。
医療に関しても日本は公務員に限らず健康保険や高額療養制度が充実しており、会社員でも医療保険は無理に入らなくても良いと考える人もいる。
公務員はさらに、医療費の自己負担額が一定額を超えて高額療養費が支給されても、さらに一部負担払戻金まで支給される。
公務員と一口に言っても国家公務員か地方公務員か、行政職、警察官、自衛隊、医療職、教員など様々な職種があるため、個別具体的に確認しなければいけないところもあるが、一般的な民間企業に比べ保障が手厚い。
民間企業や自営業に比べると民間の保険で無理に補わなければいけないことも少ないだろう。
そのため、公務員の方は民間の保険加入の前に受けられる保障を確認すれば無駄な保険に加入せずにすむ。
公務員が保険に入るべきケースとは
公務員の手厚い保障でも備えとして不十分だと考えられる場合は、民間の保険に加入を検討しても良い。
例えば、貯蓄が少なすぎるケースは民間の保険加入を検討しても良い。
保険の原則は、滅多に起きないが、万一、起きたら経済的な損失が大きいものに備えることだ。
公務員の保障がいくら手厚くても貯蓄があまりにも少なすぎたらケガ、病気、急な出費ですぐに家計が傾いてしまう。
また、先進医療や自由診療が必要なケースでは公的な健康保険があっても、自己負担が大きく民間の医療保険で別に備えないと厳しいことも考えられる。
例えば、がんに対する備えはその良い例だろう。
教育費に関しても本当に十分な教育資金を用意できるか考えた方が良い。
日本政策金融公庫によれば、教育にかかる費用は全て公立で大学を卒業するなら平均約822.5万円、全て私立なら平均2,307.5万円かかる。
もし、子供が増えたら教育費に対する備えも考えなければいけない。教育費以外にも子育てにはお金がかかる。子育て中に万一、家計の柱である公務員が亡くなるケースも考えられる。
退職後に老後の資金は本当に足りるのかも検討すると良い。
2015年に公務員の手厚い共済年金が厚生年金に一本化され官民の年金格差は是正に向かった。
公務員も長い目で考えると手厚い保障や年金がいつまでも続くとは限らないため、公務員でも自分でリスクに備えなければいけないケースは想定する必要があるだろう。
共済組合の存在
公務員が保険に加入しなくても良いと言われる理由に共済組合の存在がある。
共済組合は、組合員がお互いに助け合い、相互の生活の安定と福祉の向上を図ることを目的としてつくられた社会保障制度だ。
国家公務員や地方公務員、学校や警察の共済組合もある。共済組合に加入することで主に以下のメリットがある。
- 組合員とその家族の病気・負傷・出産・死亡または災害に対する給付
- 組合員の退職・障害または死亡にかかる年金(一時金)の給付
- 疾病の予防、人間ドックなどの助成など
共済組合の保険は割安な割に保障が厚い。公務員は休職1年目までは基本給の8割を得られるが、休職2年目からも共済組合の保障が受けられる。
例えば、共済組合には、同一の病気、ケガの場合は1年、1日につき標準報酬日額(標準報酬月額*の1/22相当額)×2/3まで共済の傷病手当金が受け取れるなどの保障がある。
共済組合は安い掛け金で保障を受けられるため、民間の保険に加入する必要がないと考える人もいるかもしれない。
しかし、共済組合の保障だけでは、備えとして不十分なこともある。
また、民間の保険ほど選択肢の幅が広くはないため健康状態やライフスタイルに最適な保険を組み合わせることもできない。
そして、生涯、共済組合の保障が続くわけでもない。共済組合では不十分な備えに関しては民間の保険の加入を検討するべきだ。
公務員におすすめの保険とは
公務員が受けられる公的な保障に加えて、加入しておくと足りない部分を補える民間の保険を3種類紹介する。
- 終身保険
- がん保険
- 個人年金保険
民間の保険加入を検討する際の参考にしてほしい。
終身保険
終身保険は一生涯を通じて、保障があり何歳で死亡しても保険金を受け取れるタイプの保険だ。
途中で解約しても解約返戻金を受け取れるため、貯蓄性もある。また相続税対策にも有効で、相続人1人あたり500万円分の非課税枠も使える。
残された遺族にお金を残したいと考える方にもおすすめだ。
また、低解約返戻金型終身保険も学資保険の代わりに使えることで注目されている。
保険料払込期間後に学資保険よりも返戻率が高くなることもあり、加入の際に子供の年齢制限もない。
被保険者の保護者が亡くなっても、子どもに学費を残せる。
民間の終身保険はニーズに応じて、様々なものがあり、特約などを組み合わせることで、それぞれの人に必要な備えができる。
共済組合の保障は一生涯続くわけではないため、終身保険で補える部分があれば、加入を検討すると良いだろう。
がん保険
がん保険は保障の対象をがんに絞った保険だ。がんと診断されたり、入院や手術、抗がん剤などを使った治療を受けたりすると給付金が支払われる。
また、がん保険によっては付帯サービスも充実している。
がんは日本人の死因で最も多く、しかも治療によっては健康保険が効かない先進医療や自由診療が必要になることもある。
自由診療によっては負担が数百万円を超えてしまうことも十分ある。
そのため、保障が手厚い公務員でも、がんになってしまうと経済的な損失が大きく、公的な保障では備えとして不十分なことも考えられる。
がんに対する備えを手厚くしておきたいなら、公務員でもがん保険加入はおすすめだ。
また、民間のがん保険は選択肢が豊富で入院給付金がなく治療に特化した保険や、診断で給付金が降りるタイプなど様々だ。
民間保険の豊富な選択肢の中から、ご自身に合ったがん保険を選ぼう。
個人年金保険
老後資金の備えとして、よく挙げられるのがNISAとiDeCoだ。
もちろん公務員でもNISAやiDeCoを使った資産形成は老後資金づくりで有効な手段だ。
ただ、NISAやiDeCoには年間に投資できる上限がある。
特に公務員の場合、iDeCoの投資上限枠は2023年現在、月額12,000円までだ。
2024年の12月から月額2万円まで上限枠は増えるが、それでも限度があり途中で解約する条件も厳しい。
そこで、個人年金保険という選択肢が出てくる。個人年金保険は公的な年金を補填する目的で加入する貯蓄型保険だ。
契約時に定めた年齢から年金を受け取れる。またiDeCoとは異なり途中でお金が必要になったときに解約することもできる。
また個人年金保険の保険料は一部、控除の対象にもなる。
将来への備えとしてNISAやiDeCo以外に個人年金保険加入という選択肢も検討してみると良いだろう。
公務員が保険に入る際の注意点
公務員が民間の保険に加入する際に注意するべき点は以下の3つだ。
- 公的保険の不足を補えるかどうか
- 加入しても定期的な見直しをする
- 家計とのバランスをとる
民間の保険は選択肢が豊富で保障内容が充実したものも多い。しかし、あらゆるリスクに民間の保険で備えようとすると保険料がかさんでしまう。
保険は住宅についで人生でも2番目に大きな出費と言われるほど高い買い物と言われることもある。
加入する前に注意点をよく確認しておこう。
民間保険で公的保険の不足を補う
民間の保険は公的な保険では足りない備えを補うために加入しよう。
特に公務員は会社員や自営業者に比べて手厚い保障がある。
そのため民間保険に加入する前にやるべきことは、自身が病気やケガになったり休職したりしたときに、どのような保障が受けられるのかを確認することだ。
そして、備えが手薄なところを明確にしてから、民間の保険で補おう。
本当に必要な保障を厳選することが、無駄な保険に加入せずにすむ際に重要だ。
実際に保険に加入する際には無駄な特約がついていないか、本当に公的な保険だけで不十分なのかをよく確認しよう。
先に紹介した終身保険、がん保険などは公務員の公的保険の備えを補う際におすすめの保険なので検討してみることをおすすめする。
保険の見直しを定期的に行う
ライフステージや家族構成に応じて備えるべきリスクは変わってくる。
また、保険料も種類によっては更新で値上がりしてしまう。見直しをいっさいせずに同じ保険に加入し続けるのは、家計の余計な負担となってしまう。
民間の保険に加入しても、そのままにせず保険の見直しは定期的に行った方が良い。
そのため、民間の保険に加入する際には、見直しができない保険は避けることをおすすめする。
また、民間の保険会社は、それぞれ重点的に力を入れている保険とそうでもない保険がある。
そのため、特定の保険会社に依存しない方が良い。保険会社自体も見直し、複数の会社から選ぶことで最適な保険選びにつながる。
家計とのバランスをとる
あらゆるリスクに民間の保険で備えようとすると、保険料が家計に重くのしかかってしまう。
保険に加入する際には家計とのバランスも考えよう。
しかし、家計に対して保険料はどの程度が適切なのかよく分からないという方も多いのではないだろうか。
参考にこちらのデータを参照してほしい。
生命保険に関する実態調査で、年収に対して支払っている保険料の比率が分かる。
例えば年収が400万年〜500万円未満ならば、保険料が年収に占める割合は6.8%だ。
この数字よりも負担する保険料が重くなるのか、軽くなるのかも一つの参考になるだろう。
もちろん、備えたいリスクによっては保険料が割高でも加入した方が良いケースもあるが目安にはなるはずだ。
また、保険料を安くする方法として、払い方を工夫するのも有効だ。例えば前納払いといって、まとめて支払うことで年間の保険料を抑えられることがある。
また、保険料をクレジットカードで支払えるならポイント還元も期待できる。
特に保険料は長い目で見ると大きな出費になるため、還元率の高いクレジットカードで支払えば、ポイントをかなり貯められるはずだ。
保険だけに頼りすぎず、本当に必要な備えを厳選して保険料が家計の負担になりすぎないように気をつけよう。
公務員も公的保険を補うための保険に加入しよう!
本記事では、公務員が保険に入る必要性とおすすめの保険、また加入する際に注意すべき点について解説した。
公務員は福利厚生に恵まれているからこそ、差し当たりの保険として何が必要なのかを見極める必要がある。
また、保険選びに当たっては退職後の生活なども視野に入れ、公的保険との関係性や家族構成、生活スタイルなどを踏まえた検討が必須となる。
そのため、もし保険の比較や自身にとって適切な保険の選択にまよったら、保険のプロに相談することも検討してみよう。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険がどちらなのか判断することができるはずだ。
また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。
「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。
気になった担当者とは無料相談もできるので、是非活用してほしい。