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公務員は保険に入る必要があるのか?共済組合の保障内容とともに検討しよう

この記事で解決できるお悩み
  • 公務員専用の共済組合について理解したい
  • 共済組合の選び方や活用方法について知りたい
  • 公務員が共済組合と保険の両方に入る必要があるのか知りたい

公務員特有の共済組合とは一体どんなものなのだろうか。

また、保険と共済組合の制度の両立は可能なのだろうか。

そんな疑問を抱いている方も少なくないはずだ。

そこで本記事では、公務員が加入する共済組合の概要から、その活用方法、そして保険と併用する必要性に至るまで詳しく解説する。

保険に入ろうか悩んでいるという公務員の方には、ぜひ参考にしてほしい。

目次

民間の保険は不要?公務員専用の共済組合とは何か

公務員専用の共済組合とは何か 生命保険ナビ

公務員として働いている人の中には「共済組合があるから民間の保険は必要ない」と聞いたことがある方もいるのではないだろうか。

しかし「そもそも共済組合がどういうものかよく分かっていない」という方も多い。

ここでは、共済組合の基本的な特徴や給付の内容、メリット・デメリットについて解説していく。

共済組合の特徴

共済組合とは、公務員や私立学校の教職員などが加入する社会保険組合のことだ。

お互いに助け合うことを目的に運営されており、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員がそれぞれ所属している団体ごとに組合が設けられている。

共済組合は、組合員が支払う掛金と国・地方公共団体の負担金が財源となっている。

病気やケガ、死亡時の給付や老後の年金給付などが行われる仕組みだ。

掛金(保険料)を支払って万が一のリスクに備えるという点では、民間の保険商品と共通している。

また、組合員に扶養されている家族も給付を受けることが可能だ。

共済組合の被扶養者として認められるのは組合員の収入によって生計を維持しており、以下のいずれかに該当する者となる。

  • 組合員の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹(同居・別居は問わない)
  • 上記以外の人で3親等以内の親族(同居が条件)

本人だけでなく、家族・親族も生計維持関係にあれば給付の対象となる点が共済組合の大きな特徴だ。

なお「年間130万円以上の収入がある」など、一定の条件に該当してしまうと被扶養者と認められない点を押さえておこう。

共済組合が提供する給付の種類

共済組合で受けられる給付は大きく分けて以下の2種類となっている。

  • 短期給付
  • 長期給付

短期給付とは、組合員とその被扶養者のケガや病気、出産、死亡などに対して行われる給付のことだ。

「保健給付」「休業給付」「災害給付」の3種類があり、それぞれ法律で給付内容が定められた「法定給付」と、組合独自で行う「附加給付」がある。

病気やケガをしたときの「療養費」や出産時の「出産費」、死亡時の「埋葬料」、傷病休業中の「傷病手当金」などが短期給付に該当する。

一方の長期給付とは、組合員が退職したり、障害状態となったりしたときに組合員とその家族の生活を守るために行われる給付のことだ。

「老齢給付」や「障害給付」、「遺族給付」などがある。

65歳以上が受け取れる「老齢厚生年金」や所定の障害状態になると支給される「障害厚生年金」、死亡した際に遺族に支給される「遺族厚生年金」などが長期給付に該当する。

働いている期間中のケガや病気、出産、死亡だけでなく、退職後の生活や所定の障害状態などを幅広くカバーできる点が共済組合による給付の大きな特徴だ。

共済組合のメリット・デメリット

共済組合のメリットとしては、主に以下の2点が挙げられる。

  • 幅広く保障される
  • 手頃な掛金で保障を得られる

前述の通り、共済組合は短期給付と長期給付によって幅広いリスクに対応していることが特徴である。

長い人生で想定されるさまざまなリスクをカバーできる点が大きなメリットだ。

また、共済組合は組合員から集める掛金だけでなく、国や地方公共団体による負担金も財源に含まれている。

そのため掛金が割安となっており、少ない負担で保障を得られる点も魅力と言えるだろう。

一方、以下のようなデメリットがある点も押さえておきたい。

  • ケガや病気に対する保障が一生涯続くわけではない
  • 保障内容のカスタマイズができない

共済組合は、一部の保障を退職後も継続させることができるものの、民間の保険のように一生涯にわたる保障を得ることはできない。

退職後は年齢を重ねていることもあり、ケガや病気のリスクが高まっているため別の保障を検討する必要があるだろう。

また、自分の希望するライフプランや家族構成、健康状態に応じた保障内容のカスタマイズができない点もデメリットだ。

不要な保障が含まれていたり、欲しい保障が物足りなかったりする可能性があるため、しっかりと確認しておこう。

公務員が知るべき共済組合の活用法

共済組合の活用方法とは 生命保険ナビ

ここまで共済組合の基本的な特徴を解説してきたが、実際どのように活用すると良いのだろうか。

活用方法を正しく理解し、万が一のリスクに備えられるようにしておこう。

ここでは、共済組合の活用方法を簡単にご紹介する。公務員の方はぜひこちらを参考に共済組合を有効活用しよう。

就労できなくなった時に支援してもらう

さまざまな理由で仕事を休むこととなった時、共済組合では理由に応じて給付金の支給を行っている。

ケガや出産・育児、介護等で休業する場合は、共済組合による休業給付を上手く活用しよう。

共済組合による休業給付が支給されるパターンは主に以下の5つだ。

  • 病気やケガで休んだ時
  • 出産のために休んだ時
  • 育児のために休んだ時
  • 介護のために休んだ時
  • 家族の病気やケガが理由で休んだ時

組合員が公務以外による病気やケガで休業し、報酬が減額されたり支払われなかったりした場合、傷病手当金が支給される。

さらに受給終了後も、同じ病気・ケガが原因で勤務できない場合は傷病手当金附加金も支給される。

出産や育児のために勤務を休む場合は「出産手当金」「育児休業手当金」が支給される。

育児休業手当金は子どもが1歳に達する日までの期間について支給される仕組みだ。

また、組合員が介護を必要とする家族の介護を行うために、介護休暇の承認を得て休む時は「介護休業手当金」が支給される。

家族の病気やケガで欠勤する場合も「休業手当金」が支給される。

このようにさまざまな理由によって休業をした時、収入の減少を補うための給付が受けられるため、活用して経済的な負担を軽減させよう。

医療費が高額になった場合に支援してもらう

共済組合では、高額な医療費に対する給付も行っている。

入院・手術等によって医療費の負担が大きくなった時は、共済組合を有効活用しよう。

1ヶ月の医療費の自己負担額が一定額(高額療養費算定基準額)を超えた場合、超えた部分が高額療養費として支給される。

高額療養費算定基準額は、組合員の標準報酬月額によって異なる。

70歳未満の組合員または被扶養者の高額療養費算定基準額は以下の表の通りだ。

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区分高額療養費算定基準額
標準報酬月額83万円以上252,600円+(医療費−842,000円)×1%
標準報酬月額53万円以上79万円以下167,400円+(医療費−558,000円)×1%
標準報酬月額28万円以上50万円以下80,100円+(医療費−267,000円)×1%
標準報酬月額26万円以下57,600円
低所得者(市町村民税非課税者等)35,400円
出典:地方職員共済組合「医療費が高額になったとき」

1ヶ月の医療費自己負担額が上記の表の額を超えた場合、超えた部分が支給されるため、医療費が極端に大きな負担となる心配はない。

また、同一の月に同一の医療機関等で受けた診療について、高額療養費の支給があってもなお自己負担額が1件につき25,000円(標準報酬月額53万円以上は50,000円)を超える場合、超えた部分が一部負担金払戻金として支給される。

このように、医療費の自己負担が高額になっても軽減させる仕組みが用意されている。

入院や手術などで高額な医療費が発生した場合にも、共済組合を上手く活用しよう。

民間の保険の代わりとして利用する

共済組合は幅広いリスクに対応しているため、民間の保険商品の代わりとしても十分活用できる。ケガや病気による入院、死亡などのリスクをカバーする役割として活用しよう。

共済組合では、例えば以下のような費用について給付を受けられる。

  • 病気やケガをしたときの医療費
  • 入院したときの食事代
  • 死亡したときの埋葬料
  • 災害に遭ったときの災害見舞金

病気やケガをしたとき、医療機関の窓口で組合員証を提示すると、医療費の自己負担割合が原則3割で済む。

現金が給付されるわけではないが、自己負担額を抑えて医療サービスを受けることが可能だ。

また、入院時に食事の提供を受けた場合、1食につき460円を負担すれば残りは共済組合が負担してくれる。

こちらも現金給付ではないものの、自己負担額を抑えられる仕組みだ。

そして組合員本人が死亡したときは埋葬料、被扶養者が死亡したときは家族埋葬料が支給される。

一律5万円が支給される仕組みとなっており、死亡時の経済的負担を軽減可能だ。

さらに組合員・被扶養者が非常災害で死亡したり、住居・家財に損害を受けたりしたときは「弔慰金」「災害見舞金」が支給される。民間の損害保険と同じような役割も持っている。

このようにさまざまなリスクをカバーできるため、民間の保険に加入する代わりに共済組合を活用するというのもひとつの手としておすすめだ。

共済組合と民間の保険を両方利用する必要はあるのか

共済組合と民間の保険を両方利用する必要はあるのか 生命保険ナビ

ここまで共済組合の特徴や活用方法について解説してきたが、果たして公務員は共済組合のほかに民間の保険に加入する必要はあるのだろうか。

また、民間の保険に加入する場合はどういった商品を選ぶべきなのだろうか。

ここでは、共済組合と民間の保険を両方活用する必要性や公務員におすすめの保険商品、両方加入する場合に注意すべき点についてご紹介する。

共済組合でカバーしきれない部分を補うために必要

共済組合に加入している公務員であっても、民間の保険に加入する必要性はある。

なぜなら共済組合だけではカバーしきれない部分が出てくるためだ。

例えば、共済組合では医療費の自己負担を原則3割に軽減できたり、一定額を超えた部分が払い戻されたりといった仕組みが用意されている。

しかしそれでも一定額の自己負担がかかるほか、入院期間中の差額ベッド代などは保障の対象外となっている。

長期入院が必要となった場合には共済組合だけではカバーできないため、民間の医療保険などを活用する必要があるだろう。

また、共済組合では死亡時に埋葬料が5万円支給される仕組みとなっている。

しかし、残された家族の当面の生活費や住居費、子どもの教育費などを考えると5万円では足りない。民間の死亡保険などに加入し、万が一死亡したときの保障を備えておく必要がある。

このように共済組合は幅広いリスクに対応できる反面、手厚い保障を受けられるというわけではない。

不足する部分を補うためにも、民間の保険商品を活用することをおすすめする。

公務員におすすめの保険とは

共済組合で不足する分をカバーしたい公務員の方には、以下の保険がおすすめだ。

  • 死亡保険(終身保険)
  • 終身医療保険
  • がん保険

まず、万が一の死亡リスクに備えた死亡保険として「終身保険」の活用をおすすめする。

終身保険は一生涯にわたる死亡保障を確保でき、途中で解約しても解約返戻金を受け取れる点が魅力の商品だ。

公務員の共済組合は一生涯にわたる保障を得られないというデメリットがあるため、終身保険で備えておくと良い。

特に若いうちに加入すると保険料を割安に抑えられるため、早めに加入して死亡リスクに備えておこう。

また、「終身医療保険」もおすすめの保険のひとつだ。

治療費の自己負担分はもちろん、入院期間中の差額ベッド代や食事代などもカバーできるため、安心して治療に専念できる。

終身タイプの医療保険に加入していれば、一生涯にわたる医療保障を得られる。

共済組合に加入している間の不足分をカバーするだけでなく、ケガや病気のリスクが高まる退職後も手厚い保障の準備が可能だ。

そして、「がん保険」への加入も視野に入れておこう。

共済組合ではがんに特化した保障があるわけではないため、民間の保険商品でカバーしておくと良いだろう。

がんの治療は先進医療などを利用するケースも多い。先進医療は数十万円から数百万円の医療費が自己負担となるため、民間のがん保険などを活用することをおすすめする。

両方利用する際の注意点

共済組合と民間の保険商品を両方利用する場合、保障に無駄が生じないように注意しておこう。

「手厚い保障を準備したい」と考えてどんどん保険に加入してしまうと、保険料の負担が大きくなってしまう可能性があるためだ。

例えば、入院・手術に対する保障は共済組合でも最低限受けられる。

医療費の自己負担は原則3割となっており、自己負担が一定額を超えたら払い戻しを受けられる。

医療費の自己負担が極端に大きくなる心配はないため、民間の医療保険もそこまで手厚くする必要はない。

不足分以上の保障を備えてしまうと、保険料が家計に大きな負担をかける可能性がある。

場合によっては保険契約を継続できず、途中で解約してしまうリスクもあるだろう。

まずは共済組合でどの程度の保障を得られるか確認し、不足分だけを民間の保険商品でカバーするように心掛けよう。

なお、公務員におすすめの保険や選び方のポイントについては以下の記事でも詳しく解説している。

あわせてチェックしていただき、共済と保険を上手に活用してほしい。

あわせて読みたい

公務員の共済組合にもデメリットが!足りない部分は民間の保険で補おう

まとめ 生命保険ナビ

本記事では、公務員が加入する共済組合の概要と活用方法、そして保険と併用する必要性までを解説した。

共済組合には幅広い範囲の保障があり、基本的には保険の代わりとして機能するものである。

ただ、終身保障ではないなどの欠点もあるため、カバーしきれない範囲を民間の保険で補うことでより保障範囲を広げることができる。

併用する際には保障内容と保険料のバランスを考慮し、無理のない範囲で保険に加入するようにしよう。

本記事でもいくつかおすすめの保険を解説したが、一人で共済組合と併用できる保険を見つけるのは難しいだろう。

そのため、保険の比較や自身にとって適切な保険の選択に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも検討してほしい。

一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、的確に必要な保険がどちらなのか判断することができるはずだ。

また、全国の保険のプロから自分に合った担当者を探す際には「生命保険ナビ」の活用をおすすめする。

「生命保険ナビ」は、自身の条件に合った保険のプロを簡単に見つけることができるマッチングサービスである。

気になった担当者とは無料相談もできるので、ぜひ活用してほしい。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。お客様と保険のプロを結ぶマッチングサイト「生命保険ナビ」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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