- がん保険を見直すデメリットを把握したい
- 見直しに最適なタイミングがいつか知りたい
- 見直す際のポイントを知りたい
我々の生活に欠かせないがん保険。しかし、医療技術の進歩による治療法の変化に合わせ、商品は定期的にアップデートされる。
また、自身のライフステージが移り変わることで必要な保障内容もまた変化する。
そのため、がん保険には見直しが必要になるのだ。
そこで本記事では、「がん保険の見直し」について、メリット・デメリット、最適なタイミングや見直す際のポイントなどを踏まえ詳細に解説する。
ぜひ参考にしてがん保険を賢く活用してほしい。
どんなデメリットがある?なぜがん保険を見直すべきなのか
がん保険は「加入後も定期的な見直しが必要」と言われることが多い。
「なぜ見直す必要があるのか」という点が気になっている方も多いだろう。
ここでは、がん保険を見直す必要性とメリット・デメリットについて解説していく。
がん保険を見直す必要性
がん保険の見直しを行う必要がある理由として、「自身の生活環境」と「がん治療を取り巻く医療事情」の2つが加入時と比べて変化している点が挙げられる。
加入当時は最適な保障内容だったはずが、現在の状況に合わないものになっている可能性があるのだ。
例えば、独身時代に契約したがん保険は「自分1人の生活を守れれば十分」という考えのもと保障を備えているケースが多い。
結婚・出産によって家族が増えている場合、独身時代の保障内容では不足する場合があるだろう。
ライフステージ・生活環境の変化に応じ、保障内容を見直すことが大切だ。
また、がん治療を取り巻く環境も日々変化を続けている。
厚生労働省の「患者調査」によると、平成8年調査ではがんの平均入院日数が35.8日だったのに対し、令和2年調査では18.2日まで短くなっている。
昔加入した商品の場合、長期入院をカバーするために入院保障を手厚く備えるタイプとなっている可能性が高い。
しかし近年は入院日数が短期化し、通院による治療で対応するケースが増えているため、入院保障が手厚いタイプでは十分な保障を得られない可能性がある。
近年のがん治療の実態に合わせた保障内容に見直す必要があるだろう。
このように自身の生活環境や医療事情の変化を考慮すると、がん保険を定期的に見直す必要性は高いと言える。
がん保険の見直しを行うメリット
がん保険の見直しを行うメリットとしては、主に以下の2点が挙げられる。
- 自身の状況に合った合理的な保障に変更できる
- がん治療の実態に合った保障を準備できる
見直しを行うことで、現在自分自身が置かれている状況に合わせた合理的な保障を準備できる。
年齢や家族構成の変化に合わせた最適な保障を準備できる点が大きなメリットだ。
例えば、結婚や出産によって守るべき家族が増えて保障を手厚くしたり、年齢を重ねてがんのリスクが高まったことで充実した保障内容に変更したりと、状況に合わせた保障を準備できる。
特に、若いうちに契約していた商品は最低限の保障内容になっている可能性が高いため、一度見直しをしておくと良いだろう。
また、前述した通りがんの治療実態は日々変化を続けている。
それに合わせて商品の内容もアップデートされているため、現時点でのがん治療に適した保障を選択できる点も見直しを行うメリットだ。
近年は入院・手術による治療だけでなく、抗がん剤や放射線などで通院しながら治療を進めていくケースも多い。
入院日数にかかわらず、抗がん剤治療や放射線治療を受けるごとに給付金が支払われるタイプの商品も増えている。
入院保障のみが手厚いタイプではなく、幅広い治療に対応可能な商品に見直すと良いだろう。
上記の2点を踏まえ、現在の自分に合うがん保障を準備しよう。
がん保険見直しのデメリット
一方、がん保険を見直す際には以下のデメリットを考慮しなければならない。
- 免責期間がある
- 保険料が高くなることがある
- 健康状態次第では新規加入を断られるリスクがある
がん保険には、契約してから一定期間保障が受けられない「免責期間」が設けられている。
保険の見直しによって加入中の商品を解約し、別の商品に加入しようと検討している場合は免責期間に注意が必要だ。
一般的にがん保険の免責期間は「90日間」または「3ヶ月間」に設定されている。
免責期間中は古い商品を解約せずに2つの商品を契約しておき、免責期間が終わってから古い商品を解約すると保障がない期間を作らずに済む。
また、年齢を重ねるとがんに罹患するリスクも高まることから、がん保険の保険料は加齢とともに高くなっていく。
見直し後に保険料が高くなってしまうリスクがあることを頭に入れておこう。
そして、がん保険は新規で加入する際に健康状態の告知を行う義務がある。
告知した健康状態をもとに保険会社が契約の引受を判断するため、健康状態によっては新規で加入できないリスクがある点に注意が必要だ。
特に、一度がんを経験していたり、現在持病の治療中だったりする場合は新規で契約できない可能性が高い。
見直しによって保険の乗り換えを検討している場合は、現在契約中の商品を解約する前に新規の商品に加入できるかどうかを確認しておこう。
がん保険の見直しに最適なタイミングとは?
それでは、実際に見直しをすべきタイミングはいつなのだろうか。
適切なタイミングで保障内容・保険料を見直し、最適な保険プランの設計が大切だ。
ここでは、がん保険の見直しをすべきタイミングや見直し時のチェックポイント、新旧商品を比較した保障内容の違いなどを紹介していく。
がん保険の見直しをすべきタイミング
がん保険の見直しを検討すべきタイミングとして「ライフステージが変化したタイミング」が挙げられる。
自身のライフステージが変わったタイミングに合わせ、保障内容の見直しを実施しよう。
ライフステージが変化するタイミングの例は以下の通りだ。
- 結婚
- 子どもの誕生
- 子どもの独立
- 転職・会社からの独立
- 退職
- マイホームの購入
結婚や子どもの誕生、子どもの独立などで家族構成が変化した場合、保障の見直しをおすすめする。
家族の人数が変われば、万が一がんにかかったときに必要な生活費等の費用も変わる。
家族構成に合わせた最適な保障内容を準備しよう。
また、転職や会社からの独立、退職などで収入に変化が訪れたときも、一度保障を見直しておくと良いだろう。
特に退職後はまとまった退職金を受け取ったことで手厚いがん保障が不要になり、保障を減らすことになる可能性もある。収入や貯蓄状況などを踏まえた合理的な保障の準備が大切だ。
そして、住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合も見直しをおすすめする。
月々の支出が増えるケースも多く、万が一がんにかかったときの経済的な負担が大きくなるリスクがある。
住宅ローンの返済をしながら無理なくがん治療の費用も支払えるよう、がん保障を見直しておくと良いだろう。
上記の通り、自身を取り巻く環境に大きな変化が訪れたときは定期的にがん保険を見直すことをおすすめする。
なお、新たな契約や見直しなど、がん保険に関する相談先について知りたいという方は、下記の記事をぜひ参考にしてほしい。
保険を見直す際のチェックポイント
がん保険を見直す際、以下の3つのポイントをチェックしておこう。
- 保険料が予算の範囲内に収まっているか
- 無保険期間が生まれないか
- 保障期間は適切に設定されているか
見直しを行う際、加齢や保障を充実させたことによって保険料が高くなってしまう可能性がある。
保険料が許容できる範囲に収まっているかチェックしておこう。
保障を充実させるために保険料が上がってしまうのは仕方ないことだが、極端に保険料が高くなると家計に大きな負担がかかってしまう。
保険を無理なく継続可能な範囲の保険料となっているか確認しておくことが大切だ。
また、前述した通りがん保険には一定の免責期間が設けられている。現在契約中の商品を先に解約し、その後新規の商品を契約する流れにしてしまうと、保障を得られない「無保険期間」ができてしまうため注意が必要だ。
少し保険料がもったいなく感じられるかもしれないが、新しい商品の免責期間が終わってから前の商品を解約しよう。
そして、がん保障を得られる期間がライフプランに適しているかの確認も重要だ。
一生涯の保障を得られる「終身型」と一定期間の保障を準備できる「定期型」のどちらを検討すべきかじっくり考えよう。
がんの罹患リスクは年齢とともに高まっていくため、終身型に加入していると高齢になっても安心して治療に専念できる。
一方、定期型は終身型よりも割安な保険料で契約できるため、「子どもが独立するまで」などの一定期間を保障したい場合におすすめだ。
こうしたチェックポイントを踏まえ、がん保障の内容を見直そう。
新旧がん保険の違い
「がん保険の保障内容ががん治療の実態に合わせて変化している」と解説したが、実際どのような変化をしているのだろうか。
アフラック生命の新旧がん保険を比較し、違いを確認してみよう。
以下の表は、1999年10月から販売されている「スーパーがん保険23」と2022年8月から販売されている「『生きる』を創るがん保険WINGS」の主契約の保障内容を比較したものだ。
商品 | 保障内容 |
---|---|
スーパーがん保険23 | 入院給付金 在宅療養給付金 死亡保険金 死亡払戻金 |
「生きる」を創るがん保険WINGS | 診断給付金 特定診断給付金 複数回診断給付金 入院給付金 通院給付金 治療給付金特 定保険外診療給付金 がんゲノムプロファイリング給付金 がん先進医療・患者申出療養給付金 がん先進医療・患者申出療養一時金 |
古いタイプの商品は入院給付金が保障のメインとなっており、そのほかにがんで死亡したときの死亡保険金やがん以外の原因で死亡したときの死亡払戻金が保障されている。
一方、新しい商品は死亡時の保障がない分、診断給付金や治療給付金などが充実している。
幅広いリスクを網羅できており、がん治療の選択肢をしっかりとカバーしていることが特徴だ。
このように、古い商品と新しい商品では保障内容に大きな差がある。
近年のがん治療に合う保障を得るためにも、一度がん保険の保障内容を見直しておくと良いだろう。
デメリットだけではないがん保険の見直し
がん保険の見直しには「免責期間がある」「保険料が高くなることがある」などのデメリットがある。
しかしデメリットだけではなくメリットもあるため、見直しを行って自分に適した保障内容を備えることが重要だ。
ここでは、自分に適した保険に加入する重要性や自分に合う保険を選ぶ際のポイントを紹介していく。
自分に適した保険に加入する重要性
一度加入したがん保険を「面倒くさい」などの理由で見直しせず、放置している方も多いのではないだろうか。
しかし自分に適した保障内容の商品に加入する重要性は高く、しっかりと見直しを行うことが大切だ。
がんの治療は長期化しやすく、再発のリスクも高いことから治療費やその他の諸費用が高額になる傾向がある。
治療中に仕事ができない状態が続くと、自身の収入も減少してしまう。
そんなときに自分に合った保障を準備できていないと治療費などが不足する可能性があり、貯蓄を取り崩すことになったり、家族の生活に負担をかけることになったりするリスクがある。
子どもの教育費などが満足に準備できず、子どもが希望する進路を経済的な理由であきらめざるを得ないケースも出てくるかもしれない。
こうした事態を防ぐためにも、自身の状況に合った最適な保障内容を定期的に見直す必要があるのだ。
「免責期間がある」「保険料が高くなることがある」といった点もきちんと踏まえた上で、自分に合う商品への見直しを進めていこう。
自分に合う保険を選ぶ際のポイント
自分に合うがん保険を選ぶ際のポイントとして以下の2点を押さえておこう。
- 希望のライフプランや収支の見通しを明確にする
- ほかの保険との兼ね合いを考える
まず、自分自身が希望しているライフプランや収支の見通しの明確化が大切だ。
「今後どういったライフイベントを予定しているか」「ライフイベントにいくらお金がかかるか」を確認の上、最適な保障内容を準備しよう。
例えば「子どもの習い事を始める」「家族で海外旅行へ行く」などのライフプランを描いている場合、手厚い保障を準備しておく必要がある。
今後の収入・支出の見通しを立てた上で、不足する分をカバーできるような保障を準備しておくと良いだろう。
また、すでに加入しているほかの保険についても確認が必要だ。
特に、医療保険に加入済みの場合は保障が重複していないか確かめておこう。
医療保険はケガや病気による入院・手術を保障する商品であり、がんも保障の範囲内に含まれている。
つまりすでに医療保険に加入している場合、入院・手術に対する保障をがん保険で手厚くする必要性は低いと言えるだろう。
また、医療保険にオプションとして「がん特約」を契約している場合、がんに罹患したときの保障が上乗せされる。
がん保険でも手厚い保障を準備すると過剰な保障となってしまうリスクがある。
現在加入している保険商品の内容を見直し、無駄のない保険プランの設計が重要だ。
専門家への相談もおすすめ
ここまでがん保険の見直しについてさまざまな内容を解説してきたが、実際に見直すとなると難しく感じる方も多いだろう。
そんな方は保険の専門家への相談をおすすめする。
保険の専門家は保険の新規加入や見直しなど、保険についての悩みを総合的にサポートする役割を担っている。
豊富な相談実績をもとに個別のニーズに合った商品の提案もでき、自分自身に最適な保険プランを設計できる点が魅力だ。
しかし保険のプロは数多く存在し、自分の希望する相談内容にマッチする担当者に出会うことは容易ではない。
そんなときは「生命保険ナビ」の利用がおすすめだ。
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見直しのメリット・デメリットを知ってがん保険をより充実させよう
医療技術の進歩に伴うがん治療の変化やライフステージの移り変わりに合わせ、がん保険は定期的に見直すことが必要となる。
ただ、保険料が上がったり、保障が開始されるまでに空白期間ができる可能性があることには注意したい。
また、がん保険には様々なプランがあるため、一人ひとりのライフステージに合わせ、自分に必要な保障内容を備えた保険に入ることが大切である。
今回紹介した保険選びのポイントを参考に、あなたに合ったがん保険を見つけるようにしてほしい。
もし、どの保険に入るべきかの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロへの相談も積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った保険を見つけられるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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