- 生命保険に加入するタイミングがわからない
- 保険加入の最適な時期を知りたい
- 生命保険がいつからおりるのか知りたい
「生命保険への加入は若いうちがいい」とよく耳にするが、実際はどうなのか。
これから生命保険への加入を検討している方の中には、どのタイミングで加入するべきか悩んでいる方も多いだろう。
本記事では、保険に加入するタイミングや自分に適した加入時期、加入保険の選び方について解説していく。
保険がおりる時期についても解説していくため、これから生命保険への加入を検討している方や既に加入している方でプランを見直したい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてほしい。
生命保険はいつから加入するべき?
いざという時に安心できるのが保険に加入する最大のメリットであるが、「加入のタイミングが分からない」「毎月の保険料を払うほどの余裕がない」などの理由で加入を見送っている人もいるだろう。
特に、若年層であるほど健康上の不安も小さく、保険の必要性を考えるシーンが少ないのは無理もない。
しかし、医療保険や死亡保険などの各種生命保険は、若いうちに加入したほうがメリットがあるのも事実である。
ここでは、生命保険の加入状況に関する調査結果を踏まえて、どれくらいの割合の人が保険に加入しているのか、加入するタイミングに関する傾向などについて詳しく解説しよう。
【年代別で解説】生命保険の加入率は何%?
公益財団法人生命保険文化センターがまとめた調査結果によると、2022年における生命保険に加入する人の割合は79.8%であった。
なお、男性が77.6%、女性が81.5%という結果で、女性のほうが加入割合は高い結果となっている。
この調査結果によると、年代別・男女別の加入割合は下表のとおりであった。
年代 | 男性の加入率(%) | 女性の加入率(%) |
---|---|---|
20代 | 46.4 | 57.1 |
30代 | 81.5 | 82.8 |
40代 | 86.1 | 86.3 |
50代 | 86.9 | 87.8 |
60代 | 85.8 | 86.5 |
70代 | 72.5 | 78.8 |
20代の加入率は平均を大きく下回る数値で、30代になると加入率は一気に高まっていることがわかる。
加入率のピークは50代で、70代で加入する割合はピーク時から10%前後減少する結果となった。
全体の傾向として、成人の10人に8人ほどが何らかの生命保険に加入しており、2人ほどが保険に加入していないことがわかる。
20代だけで見ると、男性の場合は保険に加入していない人のほうが若干多く、女性の場合は10人に6人ほどが何らかの保険に加入しているようだ。
30代までに生命保険に加入する人が多い理由
調査結果からもわかるように、生命保険への加入は30代以降で急激に増加する。
生命保険に加入する人が増加する理由としては以下が挙げられる。
- 結婚や出産、マイホームの購入など、ライフステージの大きな変化
- 保険に加入すべき理由や目的が明確になった
- 経済的な余裕ができたことにより、保険への備えを考えるようになった
30代に差し掛かると、結婚や出産などの大きなイベントを迎える人が多いのはイメージしやすい。
守るべき人が増えると、その分、自分の身にもしもの事態が起きた際、及ぼす影響の範囲が広がるのは事実だ。
単身者であれば、自身の生活をやりくりできればよかったものの、結婚してパートナーができれば、保険に加入する必然性が高まるのは至極当然と言えるだろう。
また、20代で保険の必要性を感じていたとしても、保険料を継続的に支払えるほどの余裕がない可能性もある。
30代を過ぎれば会社の中堅・中核として収入も増え、保険に加入できる経済的余裕も生まれるだろう。
30代は人生の転機を迎える人の割合が相対的に高いため、生命保険に加入する人が増えるのである。
いつから生命保険に加入するかを検討する3つのタイミング
各種生命保険への加入を検討するのは、大きく分けて以下3つのタイミングだ。
- 就職
- 結婚
- 出産
大学を卒業して就職すると、親元を離れて一人暮らしを始める人も多いだろう。
生計を完全に別にして、衣食住すべての支出を自身の収入だけでやりくりしなければならない。
安定した収入を得られるものの、怪我や病気をして入院する可能性はあり、入院費用などの備えとして医療保険への加入を検討するのが就職したタイミングである。
ほかにも、自身の葬儀代くらいは自分で用意したい人もいるだろう。
一般的に葬儀費用は200万円ほどとされているため、両親や兄弟に迷惑をかけたくない人は、最低限の保険金が出る死亡保険に加入する人もいるのが就職したタイミングである。
結婚や出産は先ほど解説した通りだが、守るべき家族が増える以上、手厚い保障が必要になるのは言うまでもない。
- 死亡保険
- 医療保険
- 学資保険
- 個人年金保険
もしもに備えるだけでなく、子どもの教育費や老後の資金をどのように用意するかについても考える必要がある。
将来のライフプランを見据えて、必要な金額を保障できるだけの保険の加入を迫られるのが、結婚や出産のタイミングなのだ。
そもそも自分はいつから生命保険に加入するべき?
生命保険に加入する割合や加入を検討するタイミングについて把握できたものの、現実問題として、自身が各種生命保険に加入するべきか判断できない人もいるだろう。
結論としては、保険の加入を気にし始めたタイミングで契約するのが最もおすすめだ。
ここでは、生命保険に加入する必要性や、若いうちに生命保険に加入するメリット・デメリットについて詳しく解説しよう。
それぞれの解説を踏まえて、自身の状況に当てはめながら検討してみてほしい。
生命保険に加入する必要性
そもそも、生命保険に加入する必要性は以下が挙げられる。
- 医療費や入院費用に備えられる
- 貯蓄ではカバーできない金額を保障できる
- 万が一の事態が起きても家族の生活を保障できる
- 自分の葬儀代をカバーできる
- 子どもの教育費を用意できる
- 老後の生活資金を用意するため
「医療保険や死亡保険は必要ない」という主張をする人もいるが、確かに日本では国民皆保険・年金制度のため、医療費は原則1〜3割負担であり、年齢条件を満たせば年金がもらえる。
遺族年金や傷病手当金、高額療養費制度などもあるものの、現行の社会保障制度が将来にわたって同じ水準で継続する保証はどこにもないのだ。
- 入院時の食事代
- 差額ベッド代
- 交通費
- 自由診療費用
そもそもこれらは全額実費負担で、がん治療の場合は200万円前後の高額な治療費がかかることもある。
確かに、現時点で公的医療保障はかなり充実しているものの、超高齢化が進む国内において、同じ社会保障制度を維持できるかは疑問が残るだろう。
「貯蓄から投資へ」という合言葉があるように、老後資金は自助努力で賄うように政府も旗を振っているのは事実だ。
万が一に対する備えは国に頼るのではなく、民間の生命保険を適切に選び、自ら保障を用意しておくのが将来を見据えた最適解と言えるだろう。
若いうちに生命保険に加入するメリット
生命保険には、若いうちに加入しておくことでしか得られないメリットがいくつかある。
- 若い人ほど健康状態が優れているため保険料を抑えられる
- 加入できる保険の種類が多い
- 貯蓄が少なくても万が一のときに安心できる
保険の仕組みの根底にあるのは「公平性の担保」という視点だ。
要するに、保険金を支払う可能性が相対的に高い人は多くの保険料を負担し、保険金を支払う可能性が低い人、言い換えると健康な人には少ない保険料を負担してもらうことで、公平性を保っているのである。
20代や30代の若い間は健康上のリスクを抱えている可能性が相対的に低く、良い条件で保険に加入しやすいのだ。
つまり、申込みたい保障内容どおりの保険に加入でき、保険料も安価に抑えやすいメリットがある。
健康状態が良ければ、その分保険商品の選択肢も増える。
逆に、健康上にリスクがある人は、一般的な生命保険の告知書で引っかかる可能性が高く、条件付きで加入することもあるのだ。
場合によっては加入できず、保険料が割高な引受条件緩和型と呼ばれる保険しか選べないこともある。
そして、20代の頃は貯蓄もあまりできないため、入院費用の支払いが困難なケースも想定されるだろう。
「保険の支払いが困難だ」などと考えている人は、保障内容が手厚すぎる可能性がある。
実際、掛け捨て型の保険であれば、毎月の保険料の支払いが飲み会1回分にも満たない金額で十分な保障を用意できるだろう。
貯蓄が少ない場合は、むしろ保険に加入すべきである。キャッシュが手元にあれば、むしろ保険に加入しなくても対応できるのだ。
そのため、若い世代こそ保険に積極的に加入すべきだろう。
若いうちに生命保険に加入するデメリット
若いうちに生命保険に加入するのはデメリットもある。
- 毎月の家計を圧迫することになる
- インフレリスクに弱くなる
- 中途解約は元本割れする可能性が高い
既に倹約な生活をしており、それでも毎月の収支がギリギリな場合は、保険の加入に後ろ向きになってしまうのは無理もないだろう。
ただし、先ほど解説したように、保険の加入は若いほどメリットが大きく、貯蓄が少ないなかでも万が一に備えられる安心感は思いのほか大きい。
安価な保険料で医療保障をつけられる商品もあるため、一度確認してみると良いだろう。
保険に貯蓄性を求める場合に注意したいのが、インフレした際に保険商品の価値が目減りしてしまうことだ。
物価の上昇と賃金の上昇が連動していれば問題ないが、保険商品の場合、満期の利回りよりもインフレ率のほうが高いと、実質的なマイナスになる可能性もあるため注意が必要である。
たとえば、10年かけてインフレ率が3%上昇した場合を想定すると、現在100万円で買える商品は10年後に103万円支払わないと購入できない。
保険で貯蓄型の商品を契約した場合、利回りが1%では10年後に101万円を受け取ることになり、その商品を買えなくなるのだ。
また、返戻金のある貯蓄型の保険商品の場合、中途解約すると元本割れする可能性が高い点にも注意が必要である。
保険はなんとなく加入するものではなく、明確な目的意識が重要なのだ。
いつからどんな保険に入ればいいの?自分に適した加入時期や生命保険の選び方
各種生命保険に加入するのは若いほどメリットがあるのだが、どのように保険商品を選べば良いのか、どの種類の保険に加入すると良いのか分からない人は多いだろう。
ここでは、ライフステージごとに適した保険商品と、自分に適した保険の選び方と注意点などについて詳しく解説している。
漠然と保険に加入したほうが良いと思っている人は、以下の内容を踏まえて適切な保険商品を検討してみてほしい。
ライフステージごとに適した生命保険とは?
生命保険への加入を検討すべきタイミングは「就職」「結婚」「出産」の3つが一般的であることは前半で解説したとおりだ。
ここでは、各ライフステージ・イベントを迎えたタイミングで検討したい保険を紹介しよう。
ライフステージ・イベント | 検討したい保険の種類 |
---|---|
就職 | ・医療保険:掛け捨ての安価な保険料で、怪我や病気の入通院リスクに備える ・死亡保険:終身または定期保険で、葬儀代の目安である200万円前後を自ら用意する |
結婚 | ・死亡保険:パートナーに迷惑をかけないため、遺されたパートナーが自立できるまでの期間の備えとして相当額を保障 ・医療保険:女性の場合、特有の病気に備えて早めの加入を検討・個人年金保険 老後の備えとして、少額の積立保険も検討の余地あり |
出産 | ・死亡保険の掛け合わせ:終身型で最低限の保障を確保しつつ、定期保険で子どもが独立するまでの期間は手厚い保障を用意 ・学資保険:子どもが大学に入学するまでの期間をフル活用して、教育資金の用意を早めにスタートさせる |
ライフイベントごとで検討したい保険は、影響を及ぼす範囲に合わせて保障内容を拡充させる考え方が基本だ。逆に、子どもが独立すれば手厚い死亡保障は不要である。その分、年齢が上がるほど病気に対する備えを手厚くすべきだろう。
ほかにも、会社から独立して個人事業主になる場合には、就業不能保険への加入も検討すべきだ。働けなくなった場合の備えは必要性が格段に上がるため、別途覚えておこう。
自分に適した生命保険の選び方
自分に適した保険を選ぶ際は、以下の3ステップで考えると良いだろう。
- 生命保険に加入する目的を明確にする
- 必要な保障額を計算する
- 保険料と保障内容のバランスを見極める
まずは保険に加入する目的を明確にしてほしい。
- 怪我に備えたい
- 老後が不安
- 働けなくなった時の収入がない
人によって不安のタネは異なるため、「何に備えたいか」という点を最初に言語化しよう。
そのうえで、どの程度の保障があれば安心して毎日を過ごせるかシミュレーションしてみてほしい。
まずは現在の収支を計算し、もしもの事態が起きた場合にその収支がどの程度崩れるか考えよう。
このとき、公的制度でどの程度保障を受けられるかもしっかり調べることが大切だ。
公的制度を考慮せずに必要な保障額を計算すると、保障内容が手厚過ぎる保険に入ってしまいかねない。
もしもの事態に備えたい保障額が明確になれば、条件を満たす保険商品を探して保険料とのバランスを見極めよう。
毎月の収支を計算していれば、保険料を支払える限度額も明確になっているだろう。
目的を見据えて必要保障額のシミュレーションをしっかりできていれば、自身に適した保険商品を選べるはずだ。
生命保険を選ぶ際の注意点
保険を選ぶ際は、いくつか注意しておきたい点がある。
- 保険料は払い続けなければならない
- 保険金の支払い事由を満たさないケースもある
- 保険料が払い損になる可能性もある
- 解約返戻金が元本割れする可能性もある
繰り返しになるが、保険は万が一が起きた際に保険金を受け取れるものであるため、健康的に過ごせた場合は保障を受けられない。
貯蓄型の保険商品の場合、中途解約は元本を毀損する可能性がある点はあらかじめ覚えておこう。
医療保険やがん保険などの場合、治療内容によっては保険の適用外になる可能性もゼロではない。
保障内容は入念に確認し、どのような場合に保障の範囲外になるかは事前に理解しておこう。
生命保険がおりるタイミング・時期はいつ?
実際に保険金が支払われるタイミングについてであるが、実態は保険会社によって異なるものの、一般的には書類を提出してから数日ないし1週間程度であることが多い。
医療保険の場合、窓口での一時的な自己負担をゼロにできる場合もあれば、医療機関には実費を支払い、後ほど保険会社から保険金を受け取って精算するケースもある。
一時的ではあっても、まとまった金額を用意するのが難しい場合は、保険金を受け取る方法や期間についても契約前に確認しておこう。
いつから生命保険に加入するのが自分に最適なのか考える
本記事では、生命保険に加入する適切なタイミングや加入する際のメリット・デメリット、注意点について解説した。
若いうちの保険加入には、保険料が低くなることや、健康状態により加入しやすいなどのメリットがある。
しかし、デメリットもあるのでよく理解して加入しよう。
また保険に加入する際には、ライフステージごとに必要な保障内容をしっかりと把握し、最適な保険に加入することが重要である。
しかし、細かな条件や自身の状況に応じて選ぶべき保険は大きく異なる。
さらに、保険は膨大な数の商品があり、全てを理解した上で比較検討することは難しいだろう。
そのため、自分一人で選ぶことに不安を感じた場合は、保険のプロに頼ることも良いだろう。
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