- 60代になってからのがん保険の選び方がわからない
- 60代以上の人にとってがん保険に入るべきなのか知りたい
- 60代以降でもがん保険に加入できるのか知りたい
定年退職とセカンドライフのスタートで大きな節目を迎える60代。
これからの生涯を健やかに過ごすために、保険を検討する人も多いのではないだろうか。
大切なのは、あなたのライフステージに合わせた保険を選ぶこと。
中でも2人に1人が患う可能性があると言われるがんは、長期入院や先進医療などで治療費が高額になるケースも多い。
平均寿命が80歳を越える現代において、60代からでも万が一のリスクに備えておく必要があるのだ。
そこでこの記事では、60代からがん保険に加入する方におすすめの商品とその選び方について解説する。
シニア世代のがん保険の必要性や、どの保険が自分に合っているのか分からないという方には、ぜひ本記事を参考に理解を深めてほしい。
なぜ60代からでもがん保険に入るべきなのか
60代になってから、がん保険を検討する人もいるだろう。がん保険に加入しているが、もう少し保障を手厚くしたいと考えている人もいるかもしれない。
60代からがん保険が必要なのだろうか。ここでは、さまざまな統計データから、がん保険の必要性について解説する。
60代のがん罹患率と保険加入率
がん情報センターがまとめた年齢別罹患率(りかんりつ)をみると、40代では女性のほうが罹患率が高く、50代後半から男性が急激に増えていることがわかる。
性別関係なく、60代以降のがん対策が必要といえる。
年齢階層別 罹患率
また生命保険文化センターでは、生命保険の加入率を調査している。
がん保険に限らないが、60代の加入率をみると、世帯主・配偶者ともに8割強の加入率であることがわかる。
60代ともなれば一般的に高額な死亡保障は不要であるため、医療保険やがん保険を中心に加入していると思われる。
世帯主の加入率
29歳以下 | 63.5% | 60~64歳 | 89.3% |
---|---|---|---|
30~34歳 | 87.8% | 65~69歳 | 90.8% |
35~39歳 | 83.3% | 70~74歳 | 82.4% |
40~44歳 | 88.6% | 75~79歳 | 79.1% |
45~49歳 | 89.6% | 80~84歳 | 68.1% |
50~54歳 | 90.3% | 85~89歳 | 56.6% |
55~59歳 | 91.8% | 90歳以上 | 30.4% |
配偶者の加入率
29歳以下 | 63.0% | 60~64歳 | 85.5% |
---|---|---|---|
30~34歳 | 72.2% | 65~69歳 | 84.7% |
35~39歳 | 80.4% | 70~74歳 | 78.6% |
40~44歳 | 82.2% | 75~79歳 | 72.8% |
45~49歳 | 84.1% | 80~84歳 | 62.5% |
50~54歳 | 85.5% | 85~89歳 | 42.4% |
55~59歳 | 87.5% | 90歳以上 | 40.0% |
60代が使える社会保険制度
がんの罹患率や生命保険の年齢別加入率について認識できたら、公的社会保険制度についての理解も必要である。
健康保険では70歳未満であれば、所得に関係なく医療費の3割負担だが、75歳から後期高齢者医療制度に移行するなど、制度の切り替えがある。
- 65歳~:3割負担
- 70歳~:2割負担 ※現役並み所得者は3割負担
- 75歳~:1割負担 ※現役並み所得者は3割負担
医療費の負担割合は、原則、70歳から2割負担、75歳から1割負担になるが、現役並みの所得者については、引き続き3割負担となる。
また高齢者の自己負担割合を上げる検討がされており、今後も同じ負担割合とは限らない。
また、公的介護保険では、所得に応じて自己負担割合は1〜3割となっている。
要介護度によって支援限度が決まっている。健康保険も介護保険も医療費の一部のみ負担するが、医療費がかさめば負担は重くなる。
60代ががん保険に加入する必要性
貯蓄や資産が十分ある人を除き、がんになった場合の治療費を負担に感じる人は多いだろう。
家計の状況によっては、希望する治療を受けられない可能性もある。
治療費の負担を軽減させ、治療の選択肢を増やすために、がん保険に加入しておいたほうが安心である。
ただ、60代から加入する場合、保険料は高くなっているため、家計の状況をよく見極めて判断しなければならない。
60代におすすめのがん保険を紹介
60代でがん保険を検討する場合、どのようながん保険に加入すればよいのだろうか。
できれば、保険料を無駄にせず、がん保険を有効活用したい。ここでは、60代におすすめのがん保険を紹介する。
なお、いつがん保険に加入するかによって最適な保険商品は変化する。
年代別におすすめのがん保険についてまとめた記事もあるので、年代ごとに比較してみると60代で重視するべきポイントがより明確になるはずだ。
60代におすすめのがん保険
60代でがん保険を検討する場合、定期型よりも終身型がおすすめである。
性別やライフステージに関わらず、60代以上であれば、がん保険でリスクに備えたい。
定期型の場合、更新できる年齢に上限があり、保険料は高くなっている。
ここでは、保険会社2社のがん保険を紹介する。
上記のプランで、60代男性は月々3,850円、女性は月々2,440円である。
初めてがん保険に加入する人やがんの上乗せ保障が必要な人にもお勧めである。
上記の保障内容で、60代男性は月々7,085円、女性は月々5,779円となる。
このがん保険も、所定の手術を受けたときやがんと診断されたときに給付金が支払われるタイプで、入院給付金は特約で付帯する。
抗がん剤治療給付金やがん放射線治療給付金の支払限度日数は無制限で、同一月に別の治療を受けたとしてもそれぞれ支払われる。
保障内容はカスタマイズ可能であるため、一度シミュレーションしてみるとよいだろう。
60代ががん保険で注目すべき保障内容
おすすめのがん保険を紹介したが、がん保険の商品は多い。
注目すべき保障内容を解説するので、がん保険を選ぶ際の参考にしていただきたい。
基本的に入院給付金の支払限度日数は無制限である。
がんの入院日数は短期化傾向にあるが、長期入院になった場合には入院給付金は役立つ。
手術を受けた場合には手術給付金、通院で治療を受ける場合には通院給付金が手助けとなる。
一方で、これらの給付金ではカバーしきれない治療も考えられる。
通院で抗がん剤治療を長期にわたり受ける場合には、通院給付金だけでは不足する可能性がある。
従来のがん保険による保障と実際の治療との隙間を埋められるのが、がん診断給付金である。
がん診断給付金はがんと診断されたらまとまった保険金が支払われるため、治療に該当しない外見ケアなどにも使える。
60代ががん保険に加入する際の注意点
がん保険は一部の商品を除き、契約時から90日間(3ヶ月間)の免責期間がある。
この期間にがんと診断されても、保障されない。
保障内容についても注意が必要である。がんは大きく「悪性新生物」と「上皮内新生物」に分かれる。
「上皮内新生物」について、保障の対象外であったり、減額されたりする保険もあるので、確認しよう。
ただし、「上皮内新生物」が対象外であっても、その分、保険料が割安であればメリットでもある。
またがん診断給付金の支払条件や回数も確認しなければならない。
特に複数回支払われる保険の場合、2回目以降の支払条件を確認しておこう。
60代から加入するがん保険を選ぶポイント
60代以降は、がん保険を利用する可能性は高い。
がん保険の必要性については前述したが、自分に合ったがん保険を選ぶことが重要である。
そこで、60代から加入する場合のがん保険の選び方について、そのポイントを解説する。
保険料と保障内容のバランス
がん保険に限らず、保険に加入する場合は、保険料と保障内容のバランスを考える必要がある。
がん保険に加入すれば、基本的にがんになったときの助けとなるだろう。しかし、治療費すべてをカバーできるかどうかはわからない。
無理のない保険料の範囲内で、充実した保障を得られるよう、多くのがん保険を検討し、なるべく保険料と保障内容のバランスがよい保険を選ぼう。
医療保険の併用
医療保険は虫歯の治療や美容整形など一部の治療を除き、幅広い病気やケガを保障の対象としている。
がんも医療保険の対象である。医療保険の入院日額タイプに加入している場合は、入院給付金や手術給付金が保障されている。
がん保険に加入する場合は、この医療保険の保障内容も参考にがん保険の保障を決めるとよい。
たとえば、医療保険が入院日額タイプなら、がん保険でも入院日額タイプに加入し入院や手術時の保障を手厚くしたり、がん診断給付金をメインにして保障範囲を広くしたりできる。
複数のがん保険を比較する
この記事では、60代におすすめのがん保険を紹介したが、実際に検討する際には、できるだけ多くの保険商品を比較していただきたい。
最初はがん保険に詳しくなくても、商品を比較しているうちに詳しくなるはずである。
また比較する際には、必ず自分の条件でシミュレーションしよう。
保険会社の公式サイトで保険の見積もりができるので、保険料を含め簡単に保障内容を比較できるだろう。
60代のがん保険は、備えておくと精神的な安定にもつながる
本記事では、60代からがん保険に加入する方におすすめの商品とその選び方について解説した。
年齢を重ねるに連れ、健康リスクは高まっていく。
中には公的制度や医療保険のみで十分だろうと考える人もいるだろうが、長期にわたる入院や先進医療などによって治療費が高額になるケースも多い。
高齢者特有の健康状況やライフスタイルに合わせて、自分が求める保障内容を備えた保険に入ることが求められるのだ。
今回紹介した商品の特徴や保険選びのポイントを参考に、自分にとって必要ながん保険を見つけるようにしてほしい。
このように、何より重要なことは、がん保険の特徴を理解し、また自分自身の生活環境や経済状況、健康状態を考慮してがん保険の必要性を判断することだ。
もし商品の選択やがん保険の必要性に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
一人一人に合ったアドバイスをもらうことで、保険の必要性やあなたに合ったがん保険を見つけることができるはずだ。
また、保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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