- 妻にがん保険が必要なのかがわからない
- 妻におすすめのがん保険が知りたい
- 妻が加入するがん保険の選び方を知りたい
女性のがんの罹患率を男性と比較すると、20代から50代までの幅広い世代で上回っていることがわかる。
そのため、専業主婦や共働きなどの属性に限らず、妻もがん保険に加入するべきと言われている。
本記事では、妻ががん保険に加入する必要性についてあらためて解説したのち、おすすめの保険やがん保険選びのポイントを解説していく。
妻にがん保険が必要なのかと悩んでいる人には、ぜひ参考にしてほしい。
妻にがん保険は必要なのか?
性別ごとのがん罹患率・死亡率やがん治療にかかる費用などから、「妻にがん保険は必要なのか?」を考察した。
妻にがん保険へ加入してもらうか否かを迷っているときは、参考にしてほしい。
性別ごとに見るがん罹患率・死亡率
厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計(確定数)(2023年9月)」や、国立研究開発法人国立がん研究センター「最新がん統計」では、がんに関するさまざまな統計データを男女別で確認できる。
これらのデータから、妻にがん保険が必要か否かを見ていこう。
男女別の生涯がん罹患率は次の通りだ。
がんの罹患率 | ||
---|---|---|
部位 | 男性 | 女性 |
全がん | 65.5% | 51.2% |
食道 | 2.5% | 0.5% |
胃 | 10% | 4.7% |
結腸 | 6.5% | 5.9% |
直腸 | 3.8% | 2.3% |
大腸 | 10.3% | 8.1% |
肝臓 | 3% | 1.5% |
胆のう・胆管 | 1.5% | 1.3% |
膵臓(すい臓) | 2.7% | 2.6% |
肺 | 10% | 5% |
乳房(女性) | 11.2% | |
子宮 | 3.4% | |
子宮頸部 | 1.3% | |
子宮体部 | 2.1% | |
卵巣 | 1.6% | |
前立腺 | 11% | |
甲状腺 | 0.6% | 1.7% |
悪性リンパ腫 | 2.3% | 2.1% |
白血病 | 1.1% | 0.8% |
男性よりは低いものの、女性のがん罹患率は50%を超えている。2人に1人はがんにかかる計算だ。
また女性の場合、女性特有である乳がんの罹患率が11.2%と、10人に1人以上の割合になっている。
次に、がんによる死亡率(2022年度)を男女別に見ていこう。
累積がん死亡リスク | ||
---|---|---|
部位 | 男性 | 女性 |
全がん | 26.2% | 17.7% |
食道 | 1% | 0.2% |
胃 | 3.2% | 1.6% |
結腸 | 2.1% | 2.1% |
直腸 | 1.1% | 0.6% |
大腸 | 3.3% | 2.7% |
肝臓 | 1.9% | 0.9% |
胆のう・胆管 | 1.2% | 0.9% |
膵臓(すい臓) | 2.2% | 2.1% |
肺 | 6.2% | 2.5% |
乳房(女性) | 1.7% | |
子宮 | 0.8% | |
子宮頸部 | 0.3% | |
子宮体部 | 0.3% | |
卵巣 | 0.6% | |
前立腺 | 1.6% | |
甲状腺 | 0.1% | 0.1% |
悪性リンパ腫 | 0.9% | 0.7% |
白血病 | 0.7% | 0.4% |
罹患率と同じく、男性よりも女性のほうが死亡率は低くなっている。しかし、17.7%と約6人に1人ががんで死亡している。
また厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計(確定数)(2023年9月)」を見ると、男女ともに死因順位1位はがんとなっていた。
女性はがんによって、年間で約16万人亡くなっているという結果となっている。
さらに、年齢別でのがん罹患率を性別ごとに見ていく。
前提として、がんは年齢が高くなるほど罹患しやすく入院日数が伸びやすいのが一般的だ。
しかし女性の場合は女性特有のがんの存在もあり、50代までは男性よりもがん罹患率が高いという結果が出ている。
年齢階級別罹患数 | ||
---|---|---|
男性 | 女性 | |
20~24歳 | 716 | 1,351 |
25~29歳 | 1,066 | 4,065 |
30~34歳 | 1,754 | 8,044 |
35~39歳 | 3,253 | 1万2,660 |
40~44歳 | 6,231 | 2万628 |
45~49歳 | 1万1,159 | 2万9,998 |
50~54歳 | 1万7,810 | 2万9,250 |
55~59歳 | 2万9,639 | 3万543 |
60~64歳 | 5万503 | 3万6,383 |
65~69歳 | 9万1,896 | 5万3,565 |
このように、がんの罹患率や死亡率を見ると、がんは男女問わず多くの人にとって備える必要性が高い病気だと言える。
とくに妻の年齢が若いときは、自分だけではなく妻のがん保険加入も十分に検討すべき事項だと心得ておこう。
かかる費用から考える妻とがん保険
厚生労働省「2021年度 医療給付実態調査(2023年9月)」によると、がんによる入院一回にかかる費用と、入院1日・入院外治療1回につきかかる費用(健康保険などの公的医療保険制度適用後)は次のようになっていた。
入院治療費の平均費用 | 入院治療費の1日あたりの平均費用 | 入院外治療の平均費用 | |
---|---|---|---|
胃がん | 6万6,762円 | 5,764円 | 4,377円 |
結腸がん | 6万7,379円 | 6,195円 | 4,543円 |
直腸がん | 7万8,429円 | 6,679円 | 6,173円 |
肝がん | 6万5,769円 | 6,157円 | 1万85円 |
肺がん | 7万3,062円 | 6,473円 | 5,969円 |
乳がん | 6万285円 | 6,948円 | 5,886円 |
子宮がん | 6万4,619円 | 7,018円 | 3,333円 |
がん全体の平均だと、入院1回あたり7万円、入院外治療費1回につき6,000円かかるイメージになる。
ここからケースによっては先進医療費数万〜数百万円、差額ベット代、入院中・退院後の生活費、介護サービス費、交通費などが必要になる。
例えば国立研究開発法人 国立がん研究センター 東病院「先進医療」によると、がん関係で発生する先進医療の技術料(2023年8月1日時点)のうち、保険が適用されない手術で高額なものは次の通りになっていた。
- 陽子線治療:150万~300万円
- シスプラチン静脈内投与および強度変調陽子線治療の併用療法:214万5,000円
食事代や差額ベッド代などのがんにかかる費用をすべて考慮すると、がんでの入院1日あたり1万5,000円~2万円だと予測できる。
このように、1人あたりにかかるがん治療費は高額になりやすい傾向がある。
妻ががんになったとき、がん保険に加入していないと保険料はすべてこちらで負担しなければならない。
がんの平均入院日数は20日程度なので、1回の入院で30万~40万円ほどかかると思っておこう。
もし治療費をすべてまかなえる貯蓄や収入があるなら、がん保険に入る必要性は薄くなる。一方でがん治療に関する支出が大変だと感じるときは、がん保険で備えることを検討しよう。
なお、公的医療制度の高額療養費制度(1か月の間に病院や薬局の窓口で支払った金額が自己負担限度額を超えたときに、超えた分を支給する制度)を利用すれば、費用を抑えられる。
妻ががん保険に入るメリット・デメリット
妻ががん保険に入るメリット・デメリットをそれぞれまとめた。
妻にがん保険へ加入してもらうか否かの判断材料の1つとしてほしい。
妻ががん保険に入るメリット | 妻ががん保険に入るデメリット |
---|---|
高額になるがん治療費に備えられる がん診断給付金なら、すぐに給付を受けられる 通院や治療の回数・種類に応じて給付が受けられる保障がある がんに特化しているので、三大疾病保険といった他の医療保険よりもがん保障の保険料が安い傾向がある | 月々の保険料が数千円~数万円発生する 妻ががんに罹患しなかったら、支払った保険料が無駄になる可能性がある がん以外の保障が他の保険よりも少ない |
妻におすすめのがん保険を紹介
ここからは弊社が考える、妻におすすめのがん保険を紹介する。
あくまで弊社の見解であるため、参考情報としてご活用いただけると幸いである。
がん保険の夫婦型を知っておこう
がん保険の夫婦型とは、契約者とその配偶者がセットで契約するがん保険のことである。
夫婦型のがん保険で妻と一緒に加入すると、2人がバラバラのがん保険を利用するよりお得になる可能性がある。
夫婦型の特徴は次の通りだ。
- 個別に加入するよりも、保険料が安くなる傾向がある
- 夫婦まとめて手続きできるので、加入時や管理の手間が省ける
- 自分が亡くなったとき、妻の保険料の支払いが免除になる商品がある
- 離婚したときに、妻の保障も消滅する
- がん保険の見直しがやりづらくなる
もし妻と一緒にあなた自身のがん保障を考えている場合は、夫婦型のがん保険への加入も検討してみよう。
なお夫婦に限らず、子どもなどを含めて保障する家族型のがん保険も存在する。
妻におすすめのがん保険
妻におすすめのがん保険をいくつかピックアップした。、妻のがん保険を選ぶときの参考にしてほしい。
妻におすすめの がん保険 | 概要 |
---|---|
がん終身 (アクサダイレクト生命) | ・がん診断給付金、がん手術給付金、退院後療養給付金などがん関係の保障が手厚く、2023年価格ドットコム保険アワード(がん保険の部)で1位に輝いている ・女性が入院特約を付ければ、女性特有のがんで入院したときに2倍の入院給付金が給付される |
終身がん治療保険プレミアムZLady (チューリッヒ生命) | ・がんに関する手術、放射線治療、抗がん剤治療を中心にがんに関する手厚い保障が受けられる ・女性特有のがんへの備えだけでなく、女性総合疾病入院一時金、特定不妊治療支援給付金、女性無事故給付金など妊娠・出産に関する保障も特約で付けられる |
メディフィットがん保険 (メディケア生命) | ・主契約での自由診療による所定の抗がん剤治療の保障、がん手術給付金、がん骨髄移植給付金などを受けられる ・女性がん手術特約で、女性特有のがんの手術に関するさまざまな給付金やがん罹患後の予防手術の保障が受けられる |
なないろがん一時保険 (なないろ生命) | ・がん診断給付金が最大500万円まで受け取れる上に、月額給付での抗がん剤治療や放射線治療に対する保障も受けられる割安ながん保険 ・女性特有のがんや上皮内がんを含めたすべてのがんが保障対象になる |
がん保険ダブルエール (ライフネット生命) | ・がん診断給付金などに加え、入院・通院でのがん治療の保障や、がんによる収入減少への保障などを提供している ・家事代行サービス、食材の宅配、外見ケア、医療用ウィッグなどのがん生活サポートサービスの紹介を受けられる(ライフネット生命外のサービス) |
それぞれで保障内容・保険料などが異なるので、あなたの妻やあなた自身の経済状況や健康状態に応じた保険商品を選ぼう。
また、「独身者」や「既婚者」など、ライフステージ別のおすすめのがん保険については、こちらの記事でまとめたので、気になる方はあわせて参考にしてほしい。
妻ががん保険に加入する際に気をつけるべき点
妻ががん保険に加入する際には、妻ががんにかかったときに想定すべき物事や、がん保険加入前にチェックしておくべき点がある。
具体的な確認点は次の通りだ。
- 妻が担当していた仕事・家事・育児などの負担とそれらに対する保障
- がん治療中の介護の有無や介護者に関する部分
- 乳がんや子宮頸がんなど、女性特有のがんに関する保障内容
- 妻の年齢、健康状態、がんの遺伝関係
妻が加入するがん保険の選び方
妻が加入するがん保険を選ぶときは、「がん保険の保障内容」「保険期間・保険料に関するシミュレーションの実施」「保険商品の比較検討」の3点を押さえておこう。
どのようながん保障があるのか確認する
妻が加入するがん保険には、どのようながん保障があるかを事前にしっかりとチェックしておこう。
必要な給付金・保険金がない商品だと、支払う保険料に対して十分な保障を受けられない可能性がある。
がん保険にはがん診断給付金、がん入院給付金、がん手術給付金など受け取るタイミングが異なる給付金・保険金があるため、保障内容はしっかりと確認しておきたい。
また、女性特有のがんに関する主契約・特約があるかも、妻のがん保険を考える上で重要だ。
保険期間・保険料の設定をシミュレーションする
妻が契約するがん保険の保険期間・保険料をシミュレーションすることで、支払う保険料総額の目安やライフステージごとの保険契約の状態などを予測できる。
シミュレーションによってがん保険に必要な保険料総額を予測できれば、妻に合う保険商品や契約内容の判断材料になるだろう。
保険期間や保険料をシミュレーションするには、保険会社の公式ホームページのシミュレーターを使う、保険会社の担当者へ相談する、保険分野に強いFP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などの専門家に相談するなどの方法が考えられる。
さまざまな保険商品を比較検討する
妻やあなたに合う保険商品を選ぶには、さまざまな保険商品を比較検討するのがよい。
比較対象は、保険期間、保障内容、保険料、サポート体制などが挙げられる。
とくに女性向けがん保険の保障内容は商品によって大きく異なるので、できる限り多くの保険商品の中から探すことをおすすめする。
妻だからこそがん保険の保障は充実させておこう
本記事では、妻ががん保険に加入する必要性について解説したのち、おすすめの保険やがん保険選びのポイントを解説した。
女性のがん罹患率や実際の治療費などから、自分の妻向けの商品をしっかりと選ぶことが大切だ。
保険に加入する際には、1人ひとりのライフステージに合わせ、自分に必要な保障内容を備えた保険を選ぶことが求められる。
今回紹介した商品や保険選びのポイントを参考に、あなたに合ったがん保険を見つけるようにしてほしい。
がん保険選びで重要なのは、生活環境や経済状況、健康状態を考慮して加入する保険を判断することだ。
もし保険に入るべきかの判断に少しでも疑問や不安があれば、保険のプロに相談することも積極的に検討してほしい。
1人ひとりに合ったアドバイスをもらうことで、あなたに合った保険を見つけられるだろう。
しかし保険のプロは数多く存在し、その中から自分にとって最適な担当を見つけるのは難しいだろう。
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