- 生命保険の掛け捨て型保険と終身保険などの貯蓄型保険の違いを知りたい
- どの生命保険が自分にとって最適かわからない
- 保険を選ぶ時のポイントが知りたい
生命保険には、保険料について掛け捨て型と貯蓄型の2パターンが存在する。
しかし、具体的には何が違うのか、それぞれどういったメリットがあるのかわからない人も多いだろう。
生命保険を選ぶ際には、自分に最適な保険を見極めることが重要だ。
そこで、本記事では、掛け捨て型と終身型の保険を比較し、それぞれの特徴や特徴、自分に適した保険の選び方について詳しく解説していく。
これから生命保険への加入を検討している方や既に加入している方でプランを見直したい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてほしい。
【定期保険・終身保険】掛け捨て型保険と貯蓄型保険とは?
生命保険を選ぶ際に、「掛け捨て型と貯蓄型どちらの方がいいんだろう…」と悩んでしまう人も多いだろう。
どちらの保険にもメリット・デメリットがあるため、その人に最適な保険は異なる。
ここでは、自分にベストな保険を見つけるための「掛け捨て型と貯蓄型保険の基礎知識」を紹介していくので、1つずつ学んでいこう。
目的に合わせて「掛け捨て型保険」と「貯蓄型保険」から選べる
保険料の安さから「定期保険は魅力的だな」と考えても、掛け捨て型では解約返戻金や満期保険金を受け取れないという点から、「損をするから貯蓄型の方がいいよね…」と考える人も多いだろう。
しかし、本当に自分にベストな保険を知るためには、年齢・保険料・家族構成などさまざまな面からどちらの保険が合っているかを判断していく必要があるのだ。
では、どのような「掛け捨て型保険」と「貯蓄型保険」の種類があるのかを具体的に紹介していく。
掛け捨て型保険 | |
---|---|
定期保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、一定期間中に死亡・高度障害状態になった場合、保険金が受け取れる保険のこと |
定期医療保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、一定期間中に病気・ケガが原因で入院や手術を受ける場合、保険金を受け取る保険のこと |
定期がん保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、一定期間中にがんと診断された、もしくは入院・手術を受ける場合、保険金を受け取れる保険のこと |
収入保障保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、一定期間中に死亡・高度障害状態になった場合、年金のように保険金を受け取れる保険のこと |
貯蓄型保険 | |
---|---|
終身保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、死亡・高度障害状態になった場合、保険金を受け取れる保障が一生涯続く保険のこと |
貯蓄型医療保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、病気・ケガが原因で入院や手術を受ける場合、保険金を受け取れる保障が一生涯続く保険のこと |
個人年金保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が設定した年齢になると、年金を受け取れる保険のこと |
学資保険 | 被保険者(子ども)の教育資金を準備するための保険のこと 契約者(基本的に親)が死亡、もしくは高度障害状態になった場合、保険料の支払いが免除になる |
養老保険 | 被保険者(保障を受けられる人)が、死亡すると死亡保険金を受け取れ、満期を迎えられると満期保険金を受け取れる保険のこと |
以上のような保険があり、ライフステージなど複数のポイントを配慮した上で決めていく必要があるのだ。
保険期間が決まっている「掛け捨て型保険」
「掛け捨て型保険」のメリット・デメリットを具体的に知っていくことで、ベストな保険を選びやすくなるので、詳しく解説していく。
参考として、代表的な「定期保険」と「定期医療保険」について紹介するので、「自分が求めている保障内容かな?」というように考えていこう。
定期保険のメリット
定期保険のメリットは、保険料が他の保険に比べてリーズナブルというポイントだ。
「自分に万が一のことがあっても、子どもが大人になるまで生活できるように」などの目的に合わせた期間、保険金を多く設定できるため柔軟性が高い。
さまざまな変化に合わせて契約できるのは、定期保険ならではのメリットである。
定期保険のデメリット
定期保険のデメリットは、解約返戻金がもらえない保険商品が多いというポイントである。
「まとまったお金がほしい」と思った際に、保険を解約してお金を得ることができないので、経済的に困窮したシーンにも備えたい人にはおすすめできない。
また、年齢や〇年間という期間が決まっているため、満期を迎えると更新する必要がある。
更新をする場合、現在の保険料よりも価格が上がってしまうため、選ぶ際は配慮しなければならない。
定期医療保険のメリット
定期医療保険は、保険料がリーズナブルというポイントと見直しを定期的に行えることがメリットだと言える。
医療は日々進歩しているため、昔の保障内容では適用されないケースもあるのだ。
例えば、入院日数の減少が挙げられるだろう。昔は長期間入院する必要があった病気でも、現在の医療であれば数日間の入院で済むケースもある。
下記に入院日数の変化を記載していくので、参考にしてほしい。
調査実施日 | 入院日数 |
---|---|
1984年 | 54.6日 |
1999年 | 39.8日 |
2014年 | 29.9日 |
2016円 | 28.5日 |
このように、入院日数は減少しており、1984年と2014年を比べると【約半分】の日数にまで短期化されているのだ。
「入院〇日目から支給」などの決まりがある保険では、日帰り入院や短期入院などでは保険金を受け取れないため、定期的な見直しが必要になる。
そのため、見直しを行いやすい定期医療保険は医療の変化に合わせられるため、時代にあった保障を受けられるのだ。
定期医療保険のデメリット
定期医療保険のデメリットは、定期保険同様保険料が更新のたびに上がってしまうというポイントである。
年齢が上がれば病気になるリスクも上がってしまうので、現在支払っている保険料よりも高くなるのは避けられない。
また、満期を迎えると保障を受けられなくなってしまうので、「更新」か「別の保険に加入する」という選択をしなければならない。
満期を迎えるたびに、どちらの選択をするか悩んでしまう可能性があるため、このポイントはデメリットだと言える。
さまざまなシーンに備えられる「貯蓄型保険」
上記で紹介した掛け捨て型保険と対照的な「貯蓄型保険」について解説していくので、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。
終身保険のメリット
終身保険のメリットは、保険料が上がらずに保障が一生が続くというポイントだ。
加入時に計算された保険料が変わらず、同じ保障を受け続けられるのは嬉しいメリットである。
しかし、最大のメリットは「解約返戻金を受け取れる」ことだと言えるだろう。
「まとまったお金がほしい」という状況になった場合、保険を解約することで解約返戻金を受け取れる。
他にも、「契約者貸付制度」を利用すると、解約返戻金の一部を保険会社から借りられるのだ。
このように、「経済的に困窮するリスクに備えられる」というのは貯蓄型保険ならではのメリットだと言える。
また、「生命保険料控除制度(保険料から一定金額を差し引ける制度)」を利用した際に、定期保険よりも節税効果を発揮でき、みなし財産として家族にお金を遺せるポイントもメリットだ。
※みなし財産:保険金が財産とみなされることを指す
終身保険のデメリット
終身保険のデメリットは、保険料が定期保険に比べると高いというポイントである。
若いうちに加入すると保険料を安く抑えられるが、ある程度の年齢で加入した場合、保険料が高額なケースが多い。
また、保険の見直しを行いにくいポイントはデメリットである。長期的に使うことが目的であるため、「シーンに合わせて見直したい」と考えている人にはおすすめできない。
「解約返戻金がもらえるなら、いつ解約してもいいの?」と、思う人もいるかもしれない。
しかし、一定期間を過ぎなければ今まで支払った保険料以下の金額になるので、解約するタイミングは重要である。
最後のデメリットは、インフレに弱いというポイントである。「インフレ」と聞くと難しいイメージを抱くかもしれないが、簡単に言うと「物価が上がっていくこと」を指す。
例えば、子どもの頃よく買っていたお菓子が昔より高くなっており、「昔は100円で買えたのに、今は130円もするの?」と驚いたことがある人もいるだろう。
これはインフレしたためで、お金の価値が下がっていると言えるのだ。
基本的に少しずつインフレしていくため、契約時点では2,000万円の価値があった保険金も、実際に受け取る際に2,000万円以下の価値に下がるのだ。
そのため、インフレに弱いというデメリットがある。
貯蓄型医療保険のメリット
貯蓄型医療保険のメリットは、保険金を受け取れる点だ。
定期医療保険に加入している場合、病気やケガが原因で入院・手術を行なったシーンのみ保険を受け取れる。
しかし、貯蓄型医療保険は、解約する際に「解約返戻金」、満期を迎えると「満期保険金」を受け取れるのだ。(条件あり)
貯蓄が苦手な人でも、貯蓄型医療保険を活用することで将来のために資金準備ができ、もしものシーンに備えられる。
そのため、保険の中でも人気が高い保険だと言える。
貯蓄型医療保険のデメリット
終身保険同様、定期医療保険に比べると毎月の保険料が高くなるポイントはデメリットである。
また、保険料の払込期間を過ぎていない時点で解約すると、解約返戻金の金額が今まで支払った保険料よりも減ってしまうので注意が必要だ。
【定期保険・終身保険】掛け捨て型保険と貯蓄型保険の違い
上記では各保険の特徴を紹介したが、具体的にどのような差があるのかを解説していく。
「どの保険が適しているか」を考えながら、項目を確認していくと自分にあった保険が見えてくるだろう。
毎月の保険料が異なる
掛け捨て型保険と貯蓄型保険の違いの1つに、保険料の金額が挙げられる。
上記でも紹介した通り、掛け捨て型保険の方が毎月の保険料は安いケースが多い。
貯蓄型保険は貯蓄が目的の1つのため、保険料が高めに設定されているのだ。
貯蓄型保険は、解約返戻金などの形で保険金を受け取れるポイントが魅力的で人気が高い。
しかし、「せっかく保険に加入するなら」とすべての保険を貯蓄型にしていると、保険料が原因で生活が苦しくなってしまうケースも0ではないのだ。
求めている条件や支払える保険料など、さまざまな視点から「どちらの保険が適しているか」を確認していくといいだろう。
解約返戻金などの保険金がもらえるか
掛け捨て型保険では、解約返戻金や満期保険金などの保険金を受け取れない。
そのため、「損をしている」と考えてしまう人も多い。しかし、考え方を変えれば「受け取れる保険金がないから保険料が安い」と言える。
そのため、保険に加入する目的から「解約返戻金や満期保険金が必要かどうか」について考えるといい。
例えば、「子どもの教育資金を準備したい」という加入目的があった場合、貯蓄が目的になるので貯蓄型保険が適している。
だが、「子どもが大人になるまでの間、もしものときにお金で困らないように」という目的であれば、定期医療保険を選び、死亡給付金の上乗せをすると最低限の保険料でリスクに備えられる。
このように、すべての目的に対して「解約返戻金などの保険金をもらえる方がいい」とは言えないため、保険に加入する目的をはっきりさせることは非常に重要である。
保険期間の長さの違い
保険期間とは、保険商品の保障を受けられる期間のことを指す。
この保険期間が、掛け捨て型保険と貯蓄型保険では大きく異なるのだ。
掛け捨て型保険であれば、保険商品によって「10年」「65歳まで」などの期間が決まっている。
満期を迎えると、「更新」か「新しい保険に加入し直す」のどちらかの選択肢を選ぶのだ。
しかし、貯蓄型保険であれば、多くの商品が終身保障や、目的に合わせた最適な年齢が満期として設定されていることが多い。
保険商品によっては、病気やケガのリスクに備えながら貯蓄を行えるので人気がある。
【定期保険・終身保険】掛け捨て型保険と貯蓄型保険はどちらが向いている?
掛け捨て型保険と貯蓄型保険の特徴や、違いを上記では解説したが、「どっちが私に向いているんだろう…」と悩んでしまう人も多いだろう。
ここでは、各保険に向いている人・向いていない人の特徴を紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
「掛け捨て型保険」が向いている人・向いていない人
保険料の安さが魅力的な掛け捨て型保険だが、どのようなポイントが当てはまる人が向いているのか・向いていないのかについて解説していく。
- 最低限の保険料で、十分な保障がほしい人
- 一定期間だけ保障を手厚くして備えたい人
- 資産形成を投資など別の方法で行いたい人
- 定期的に、時代やライフステージに合わせた保険に変えていきたい見直したい人
- 一生涯の保障が欲しい人
- 保険を活用して貯蓄を行いたい人
- 経済的に苦しくなった際にまとまった金額が欲しい人
以上のような内容が、掛け捨て型保険が向いている人・向いていない人の特徴である。では、貯蓄型保険が向いている人・向いていない人の特徴を下記で紹介するので、1つの判断基準として確認していこう。
「貯蓄型保険」が向いている人・向いていない人
目的に合わせた保険金を受け取れる貯蓄型保険だが、すべての目的におすすめできる訳ではない。
そのため、しっかりと自分に適しているかを見極める必要がある。
見極めるポイントとして、向いている人と向いていない人の特徴を紹介していくので、参考にしてみてはいかがだろうか。
- 老後のための資金などを計画的に準備したい人
- 貯蓄が苦手な人
- 貯蓄をしながら、もしものシーンにも備えたい人
- より節税効果を活用したい人
- 目的に合わせた資産形成は、投資など別の方法を選びたい人
- 毎月の保険料をなるべく安くしたい人
- 早期解約などで損をしたくない人
以上が貯蓄型保険に向いている人・向いていない人の特徴である。
掛け捨て型保険と比べ、現在の自分にはどのような保険が向いているのか考えてみるといいだろう。
保険選びのポイントを解説
掛け捨て型保険と貯蓄型保険について紹介したが、「たくさん種類があって、どの保険を選べばいいかわからない…」と悩んでしまう人も多いだろう。
そのような人におすすめの選び方を紹介するので、以下の方法を試してみてはいかがだろうか。
- 保険に加入する目的をはっきりさせる
- ライフステージから考える
- 保険の専門家に相談する
では、具体的にどのように考えていけばいいのかを解説していくので、実際に考えてみよう。
①保険に加入する目的をはっきりさせる
「家族から保険に加入することを勧められたから」などの理由で保険に加入すると、本当に必要な保障以上の保険を選んでしまうことになる。
そうなると、高額な保険料を支払うことになり、貯蓄を行うこと・趣味などにお金を使いにくくなるだろう。
しかし、保険に加入する目的をはっきりとさせておけば、「本当に必要な保障内容」と「適切な保険料」を選べる。
- どのような保障がほしいか
- 保険金はいくらくらいか
- どれくらいの期間、保障を受けたいか
- 解約返戻金や満期保険金を受け取りたいか(いくら受け取りたいか)
- いつまでに保険料を払い込みたいか
- 保険料はいくらくらいがいいか
具体的にこのような内容を考えてみると、自分が求めている保険の基準が出てくるのでぜひ導き出してほしい。
また、「公的保険でいくらカバーできるのか」というポイントも考えてみるといいだろう。
②ライフステージから考える
現在のライフステージから「どのようなリスクに備えるべきか」を考えるのも、保険を選ぶ際に大切な基準になる。
例えば、子どもが授かったタイミングで「自分にもしものことがあったとき、生活できるように死亡保障を増やそう」と考える人が多いだろう。
ここで終身保険を選ぶと一生涯保障を受けられるが、その分保険料も高くなる。
そのため、定期保険で希望の保険期間分(例:子どもが18歳になるまで)、保険金を上乗せさせる方がいいケースが多いだろう。
このように、現在自分がいるステージに合わせて保険を選ぶことで、自分に今必要な保険が分かりやすくなる。
③保険の専門家に相談する
保険選びのポイントを紹介したが、「保険は難しいイメージがあるから、選ぶことに不安を感じる…」という人も多いだろう。
終身保険や定期保険だけではなく、さまざまな保険の種類があるため、自分に適した保険を選ぶのは難しい。
しかし、「人生の中でも大きな買い物」と言われている保険だからこそ、慎重に選びたい人も少なくない。
そのような人におすすめなのが、保険の専門家に相談するということだ。
専門家に相談する場合、保険代理店で無料相談を受ける・自分に合った保険の専門家を見つけるなどの方法がある。
保険代理店であれば買い物ついでに相談することができ、気軽に保険について考えられる。
しかし、代理店にある保険商品しか提案できない。
そのため、自分にあった保険の専門家を見つけることが非常に重要である。
なぜなら、数多くの中から自分に適した保険を選んでもらえるためだ。
「生命保険ナビ」では、保険の知識を持ち合わせた優秀な専門家と無料でマッチングできるため、保険選びに悩んでいる際はぜひ活用してほしい。
【掛け捨て型保険と貯蓄型保険】保険の目的によって使い分けよう
本記事では、生命保険について、定期保険などの掛け捨て型保険と終身保険などの貯蓄型保険の違いについて解説した。
また、それぞれの保険にどのような人が向いているのかについても解説したので、自身に照らし合わせて考えてほしい。
上述の通り、保険に加入する際には、加入目的やライフステージごとに応じて適切な商品を選ぶことが重要である。
しかし、商品の比較やプランの比較を行う際には、保障内容や保険料、商品の特性などの専門的な知識が必要となる。
さらに、保険には膨大な数の商品が存在するため、そのなかから自分に適した商品を選ぶのは難しいだろう。
そこで、保険を選ぶ際には、専門家に相談することをおすすめする。
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