- 生命保険の掛け捨てタイプについて理解を深めたい
- 掛け捨てタイプの生命保険を選ぶ際の注意点や良い選び方が知りたい
- 自身のライフスタイルやリスク状況にピッタリの掛け捨て型生命保険を選びたい
掛け捨て型生命保険は、わたしたちの生活を守る1つの手段であり、多くの商品やプランが存在する。
しかし、「自分はどの掛け捨て型保険に加入するべきかわからない」「貯蓄型のほうが自分向きなのでは?」と悩む方も多いだろう。
本記事では、生命保険の掛け捨て型と貯蓄型の違い、おすすめの掛け捨て型保険商品(2023年11月時点)、自分に適した生命保険の選び方について解説していく。
これから生命保険への加入を検討している方や、すでに加入している方でプランを見直したいときは、最後まで読んで参考にしてほしい。
掛け捨て型の生命保険とは
掛け捨て型生命保険は、月々の保険料の安さや途中解約のしやすさが特徴の商品である。
しかし一方で、「払込保険料の積立ができる貯蓄型生命保険と比べると、もったいない感じがする」というイメージを持つ方も多いだろう。
まずは掛け捨て型生命保険の一般的な商品性について解説する。
なお、あくまで一般的な傾向の話であり、詳細は保険会社の個々の商品によって変わるので注意しよう。
生命保険の基礎知識
生命保険とは、保険会社へ保険料を支払うことにより死亡や病気・ケガなどへの備えを行う保険のことである。
社会保険ではカバーできない範囲を保障してくれるのが強みだ。生命保険は、主に次の4種類の主契約に分けられる。
- 死亡保険
- 被保険者の死亡または高度障害状態となると、配偶者や子どもなどの受取人へ死亡保険金や高度障害保険金が出る生命保険
- 医療保険
- 病気・ケガによる入院・通院が発生したときに、給付金によって医療費の負担を軽減する生命保険
- 介護保険
- 被保険者が保険会社所定の介護が必要な状態を一定期間継続したときに、一時金や年金を受け取れる生命保険
- 生存保険
- 満期まで生存していると、満期保険金を受け取れる生命保険
また、主契約に加えて他の保障を追加する特約も利用可能だ。
定期保険特約、特定疾病(三大疾病)特約、傷害特約、女性疾病入院特約、リビングニーズ特約などが挙げられる。
掛け捨て方生命保険にも特約を付けられるので、どの特約を付けるべきかは契約前にしっかり検討しよう。
「もったいない」は本当か?掛け捨て型生命保険の仕組みとは
掛け捨て型生命保険は、保険の途中解約時の返金分である解約返戻金も、契約満了で受け取れる満期保険金が、ゼロまたは少額となる仕組みになっている。
また、掛け捨て型生命保険の多くは保障期間に区切りがある定期保険であるため、保障を受けることなく契約が終了することも珍しくない。
まさに「保険料を掛け捨てる」というイメージだろう。これが掛け捨て型保険がもったいないと言われる原因である。
とはいえ掛け捨て型は、一般的に払込保険料が安く設定されているメリットがある。
掛け捨て型がもったいないか否かは、あなたの経済状況や保険に関する考え方によって変わると言えるだろう。
掛け捨て型と貯蓄型の生命保険の違い
支払った保険料分の返金がほとんどない掛け捨て型に対し、払込保険料や払込期間に応じてお金が返ってくるのが貯蓄型生命保険である。
保障が一生涯続き解約返戻金も出る終身保険、進学のお祝い金・満期保険金受取や親の万が一の際にはその後の保険料が免除となる学資保険などが挙げられる。
掛け捨て型と異なり保険料を積み立てていくイメージなのが、貯蓄型の特徴だ。ただし、掛け捨て型よりも月々の保険料が高くなるデメリットがある。
公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査(2023年3月)」の「掛け捨て型商品志向か貯蓄型商品志向か」によると、掛け捨て型志向26.9%(16.4%+10.4%)より、貯蓄型商品志向66.4%(24.6%+41.8%)が多いという結果が出ている。
また、性別別で見ると女性より男性のほうが掛け捨て型商品志向が強く、年齢別で見ると年齢が高いほど掛け捨て型商品志向が強くなる傾向がある。
掛け捨て型商品志向 | わからない | 貯蓄型商品志向 | |||
---|---|---|---|---|---|
男性平均 | 18.7 | 11.4 | 10 | 20.9 | 39 |
20歳代 | 11.9 | 6 | 12.3 | 30.6 | 39.1 |
30歳代 | 19.3 | 13.1 | 3.6 | 21.1 | 42.9 |
40歳代 | 17.1 | 10.1 | 5.1 | 24 | 43.7 |
50歳代 | 15.4 | 14 | 4.5 | 26 | 40.2 |
60歳代 | 25.1 | 11.8 | 10.2 | 15.4 | 37.4 |
70歳代 | 20.1 | 12.3 | 20.8 | 16.4 | 33.3 |
掛け捨て型商品志向 | わからない | 貯蓄型商品志向 | |||
---|---|---|---|---|---|
女性 | 15.8 | 10.2 | 8.8 | 23.8 | 41.4 |
20歳代 | 10 | 5.7 | 9.5 | 31.4 | 43.3 |
30歳代 | 12.3 | 11.5 | 3.8 | 29.8 | 42.6 |
40歳代 | 14.4 | 10.1 | 3.4 | 27.2 | 44.9 |
50歳代 | 17.3 | 10.2 | 3.5 | 23.6 | 45.3 |
60歳代 | 17.8 | 9.5 | 11.9 | 21.8 | 39 |
70歳代 | 19 | 11.5 | 18.7 | 15.2 | 35.5 |
一般的には貯蓄型を望む方が多い傾向があるものの、自分の経済状況や求める保障内容によって選ぶ基準を決めておくことが大切になる。
掛け捨て型生命保険のおすすめ商品
掛け捨て型生命保険の中で、2023年11月現在、よく名前が挙がるおすすめの生命保険を紹介する。
おすすめの掛け捨て型生命保険 | 概要 |
---|---|
かぞくへの保険(ライフネット生命) | 特約なしのシンプルな設計で死亡保障に特化した掛け捨て型死亡保険 |
クリック定期!Neo(SBI生命) | 保険金300万円から設定できる割安な掛け捨て型死亡保険 |
楽天生命スーパー定期保険 (楽天生命) | 最長80歳まで続く上に1年更新型で保険の見直しが進めやすい掛け捨て型死亡保険 |
定期保険Bridge(ブリッジ) (オリックス生命) | かぞくへの保険と同じくシンプルな設計で保険料を抑えた掛け捨て型死亡保険 |
終身医療保険プレミアムZ (チューリッヒ生命) | 入院給付金や手術給付金やその他特約による保障が一生涯続く医療保険 |
近年では、申込みをインターネット限定にして人件費を抑えることで、保険料を割安にできる商品が登場している。
上記表の中なら、かぞくへの保険やクリック定期!Neoといった商品が、インターネット申込み専用商品だ。
ここで紹介した掛け捨て型生命保険は、いずれも大手保険会社が提供する信頼性のある商品である。
月々の保険料も、商品・年齢・契約内容によっては1,000円未満に抑えることも可能だ。
各保険会社の公式サイトには保険料シミュレーションツールが公開されているので、興味ある時はツールを利用しておおまかな保険料をチェックするとよいだろう。
【おすすめの掛け捨て型保険】掛け捨て型保険のメリットデメリット
掛け捨て型生命保険を検討する際は、メリット・デメリットを事前に確認しておこう。
掛け捨て型生命保険のメリット
掛け捨て型生命保険は、貯蓄型生命保険と比較して月々に支払う保険料を抑えられるメリットがある。
解約返戻金や満期保険金が設定されていない分、払込保険料が安く設定されているのだ。
また保障内容が同じ貯蓄型と掛け捨て型があると仮定したとき、安い保険料で貯蓄型より大きな保障を受けられるのが掛け捨て型の特徴の1つである。
少ない保険料であっても、高額の死亡保険金や特約の設定がやりやすい。
シンプルな設計の掛け捨て型なら収支がわかりやすく、資産計画が立てやすいのもメリットである。
さらに掛け捨て型生命保険は、解約返戻金などを気にして解約しづらい貯蓄型よりも途中解約がしやすい。
ライフステージに応じた保険の見直しが進めやすいのも、掛け捨て型ならではのメリットである。
掛け捨て型生命保険のデメリット
掛け捨て型生命保険のデメリットは、支払った保険料に対する返金がほとんどないことだ。
解約返戻金や満期保険金は、原則として掛け捨て型には設定されていない。
もし掛け捨て型生命保険で一度も保障を使わなかったとしても、保険会社から戻ってくるお金はゼロだと考えておこう。
一方で貯蓄型生命保険の場合は、払込保険料に応じた返金を受けられる(ただし、解約時期によっては払込保険料を下回る返戻金となるリスクはある)。
また掛け捨て型生命保険の死亡保障は、一般的に保障が一定期間で終了する定期保険となっているケースが多い。
一生涯の死亡保障を受けたいときは、貯蓄型生命保険を利用しよう。
ただし、一部の医療保険やがん保険は、終身型・掛け捨て型保険となっている。
もう1つのデメリットとして、掛け捨て型生命保険は「契約者貸付制度」を原則として利用できない点が挙げられる。
契約者貸付制度とは、保険解約時に支払われる予定の解約返戻金の一部を、保険会社から借りられる仕組みだ。
解約返戻金の設定がない掛け捨て型では、貸し付ける原資がない。
掛け捨て型生命保険が向いている人
掛け捨て型生命保険が向いているのは、次に該当する人である。
- 月々の支払保険料を抑えて、現役世代のときに使えるお金を残しておきたい人
- 老後に向けた資産形成や教育資金の積立などは、他の資産運用や預貯金で考えている人
- 契約者貸付制度の利用を考えている人
- 定期的に保険の保障内容を見直したい人
- 少ない保険料でも、充実した保障を受けたい人
逆に貯蓄型生命保険は、保険で老後資金・教育資金を準備したい人、掛け捨て型生命保険に抵抗がある人などに向いている。
【おすすめの掛け捨て型保険】生命保険の選び方と注意点
掛け捨て型生命保険は、保険会社や保険商品によって保障内容や保険料に違いがある。
ここからは掛け捨て型生命保険の選び方や、加入する際の注意点について解説する。
生命保険に加入する目的を明確にする
掛け捨て型生命保険に限らず、生命保険の選び方でもっとも大切なのは「生命保険に加入する目的を明確にすること」である。
加入目的がはっきりしなければ、あなたに合う保障内容・保険料がわからず、本当に必要な生命保険を契約することができない。
例えば余計な特約が付いて保険料が高くなる、設定した入院給付金だと足りなかった、学資保険で必要額の積立ができていなかったなどのトラブルが想定される。
そのため、「自分や家族にとって必要とする保障は何か」「保障ニーズを満たす主契約・特約の商品はどれか」を、慎重に検討しよう。
掛け捨て型生命保険の加入目的の例は、次のとおりだ。
- 死亡保障を受けたいが、保険料は抑えて自由に使えるお金を残しておきたい
- 就職したばかりで貯蓄がないので、保険料は抑えつつも手厚い保障を付けておきたい
- ライフステージごとに保険の見直しがしたいので、満期が早めにくる定期保険を検討したい
加入目的が明確になれば、どの生命保険が合っているのか自ずと見えてくるだろう。
自分に必要な保障額を計算する
生命保険で受け取れる保険金額を高くすればするほど、支払う保険料も高額になる。
掛け捨て型生命保険は貯蓄機能がないので、保障額の設定を間違えるとその分だけ余計な支出につながる。
また、保険料を安くしたいあまり保険金額を低くしすぎると、万が一の際の保障額が足りない事態に陥るだろう。
そのため、掛け捨て型生命保険を契約する前に「自分にとって適切な必要保障額」をおおまかに計算しておくことが大切だ。
死亡保障における必要保障額は、自分が死亡した後の遺族の支出(葬儀費用、生活費、住居費など)と、遺族の収入(遺族年金、相続財産、配偶者の収入など)の差額が目安になる。
例えば10歳の子どもが20歳になるまでの保障を受けるとして、遺族の月々の支出が32万円、収入が20万円だとすると、(32万円-20万)×12か月×10年=1,440万円が必要保障額となる。
シミュレーションを行いたいときは、インターネットのシミュレーションツールを使う、保険会社の担当者に相談する、FPといった保険のプロに相談するなどの方法がおすすめだ。
保険会社ごとの商品・保険料を比較する
保険会社や保険商品が異なると、同じ掛け捨て型生命保険でも保障内容や保険料が変わってくる。
そのため、自分に合う保険商品を選ぶためには、保険会社や保険商品ごとの特徴をチェックし比較検討することが大切だ。
とはいえ、掛け捨て型生命保険の数は膨大に存在することから、1つひとつ比較検討するのは物理的に困難である。
比較検討したい場合は、信頼性や実績ある大手保険会社の商品を中心にするとよいだろう。
掛け捨て型保険のおすすめは保険料の節約と保障のバランスが大切
本記事では、掛け捨て型生命保険の種類と特徴とおすすめ商品について解説した。
また、自分に適した保険の選び方についても解説したので参考にしてほしい。
掛け捨て型生命保険を選ぶ際には、保障内容や保険料、保険期間などのさまざまな項目を比較して、どれが自分に合う商品かを検討する必要がある。
しかし、実際には膨大な数の保険商品が販売されており、自分だけですべての商品性を理解して検討するのは非常に難しいだろう。
そこで、保険選びに困ったときにはプロに相談することをおすすめする。
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