- 30代男性が生命保険で備えるべきリスクを知りたい
- 30代男性が生命保険を選ぶ時のポイントを理解したい
- 30代男性におすすめの生命保険を具体的に知りたい
30代になると、仕事で責任のあるポジションを任されたり、転職や昇進などで仕事に全力を注いだりする人は多いだろう。
もちろん、結婚してパートナーができることもあれば、子どもが生まれて守るべき家族が増えた人もいるのではないだろうか。
はたまた、健康診断の結果が思ったより悪くて、体のケアが必要だと考えている人もいるかもしれない。
30代ではさまざまなライフステージの変化があり、これを機に、生命保険への加入や見直しを検討する人は多いものだ。
この記事では、このような30代男性に向けて、おすすめの生命保険や備えたいリスク、保険の選び方などを解説している。
どのようなリスクに備える必要があるか理解して適切に備えておきたい人は、ぜひ参考にしてほしい。
30代男性が生命保険で備えるべきリスク
30代男性においては、20代の頃に比べて体力はやや落ちるものの、現場の第一線として働いている人は多いだろう。
経済的にも少しずつ余裕が出てきて、将来への備えを意識し始めるのも30代になってからではないだろうか。
30代男性の場合、仕事の多忙さや結婚しているかどうかなどで食生活の偏りも大きい傾向があり、健康上のリスクが顕在化し始める人もいる。
一般的に、30代男性の場合は病気や長期間働けなくなった際のリスクや、守るべき家族がいる場合、自身の身に万が一の事態が起きた際のリスクに備える必要があるだろう。
ここでは、大規模なアンケート結果をもとに、生命保険の加入率などの客観的な数値を紹介する。
なお、本記事における「生命保険」とは、死亡保険や医療保険、介護保険などを総称する意味で用いており、「生命保険=死亡保険」という意味ではない。
30代男性の生命保険加入率と年代ごとの比較
生命保険文化センターがまとめた「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、2022年における30代男性が生命保険に加入している割合は81.5%だった。
なお、30代女性の加入率は82.8%で、全世代の平均は男性が77.6%、女性が81.5%、総平均で79.8%という結果である。
何かしらの生命保険に加入している割合はおよそ8割で、保険に加入していない人はかなりの少数派と言えるだろう。
ちなみに、20代男性の生命保険加入率は46.4%で、30代に比べると大きく乖離があることがわかった。
続いて、30代男性の生命保険加入率の推移は以下のとおりだ。
2022年 | 81.5% |
---|---|
2019年 | 82.4% |
2016年 | 84.1% |
2013年 | 84.1% |
2010年 | 82.3% |
2007年 | 88.5% |
2004年 | 83.0% |
2001年 | 86.6% |
1998年 | 83.9% |
本調査は3年ごとに行われているのだが、直近25年ほどを通じて、加入率は概ね80〜85%を推移していることがわかる。
傾向として、2007年をピークに加入率はやや減少しているとも言えそうだ。
さらに、2022年における各世代の生命保険加入率は下表のとおりである。
年代 | 男性(%) | 女性(%) |
---|---|---|
20代 | 46.4 | 57.1 |
30代 | 81.5 | 82.8 |
40代 | 86.1 | 86.3 |
50代 | 86.9 | 87.8 |
60代 | 85.8 | 86.5 |
70代 | 72.5 | 78.8 |
表を見ても分かるように、20代においては保険の必要性を感じにくい結果が如実に表れている。
言い換えると、30代以降においては、ライフステージの変化によって生命保険の必要性が高くなったことが推測できるだろう。
男女ともに50代において加入率が最も高くなり、以後の加入率は徐々に下がっている結果となった。
これらの結果から、30代で子育てが始まって保険の必要性が高まり、50代を過ぎて子どもが独立することで、不要になった保険を解約する人が出始めるものと推測できるだろう。
30代男性における生命保険の必要性
30代男性の場合、以下のライフステージの変化に備える必要があるだろう。
- 結婚によってパートナーができる
- パートナーの出産により家族が増える
- マイホームの購入による住宅ローンの契約と返済
結婚して子どもがいない間であれば、夫婦ともに働いているケースが大半だ。
詳しくは後述するが、この期間であれば、死亡保険に加入するとしても保険金額は限定的でもよいだろう。
出産によって家族が増え、マイホームを購入して住宅ローンを契約した場合は、死亡保険が必須だ。
万が一が起きた際、遺された家族が路頭に迷わないようにするためにも、影響度が大きいリスクほど保険に加入して対策を取るべきなのだ。
上記だけでなく、健康上のリスクにも適切に対策しなければならない。
会社によっては、35歳を機に、職場で人間ドックを受診するように勧められる場合もあるだろう。
30代を過ぎた途端に代謝が下がり、体型に変化が出始めるのもこの時期だ。
飲酒や喫煙、偏った食生活などが続けば、生活習慣病の予備軍として指摘される可能性もあるだろう。
生活習慣病だけでなく、現代の多忙なビジネスパーソンにおいては、精神的に病んでしまうリスクにも備えておいたほうがよい。
うつ病を中心とする精神疾患は完治するまでに半年程度の期間がかかる。
その間は働けなくなると思っておいたほうがよく、収入が途絶えることへの対策も欠かせないのだ。
しかし、会社員であれば傷病手当金が出るため、毎月の収入と受給できる傷病手当金の差額をどのように工面するか検討する必要があるだろう。
30代男性で生命保険に加入すべき人の特徴
30代男性において、以下の項目に該当する人は、生命保険に加入することをおすすめしたい。
- 結婚して子どもが生まれた人
- 結婚して住宅を購入してローンを組んだ人
- 日常的に外食をしている独身者
- 飲酒や喫煙が習慣化している人
- 日頃から全く運動していない人
- 貯金がほとんどない人
- 自営業で働いている人
ライフステージに大きな変化があった人は、死亡保険への加入が必須であることは先ほど解説したとおりだ。
日頃の食生活や生活習慣などに関して、程度に差があるため一概には言えないが、一週間のほとんどを外食で済ませていたり、休肝日がほぼなかったりする人は注意が必要である。
脂質の摂り過ぎによって肥満や生活習慣病のリスクが高まる可能性があり、日頃の心がけ次第で調整できるからには、普段の習慣から見直すべきだろう。
ほかにも、病気や怪我で入院した際の費用を賄うほどの貯金も心許ない場合は、むしろ医療保険に加入したほうが安心だ。
関連して、自営業の場合は社会保障制度が限定的になるため、就業不能保険を中心とした働けなくなった際のリスクには手厚く保障しておくべきだろう。
30代男性が生命保険を選ぶポイント
生命保険を選ぶ際は、自分の状況においてどのようなリスクが想定されるか、そのリスクがどの程度の大きさであるかを明確にすることが大切である。
想定される各リスクに対してどのように備えるか考えるなかで、生命保険に加入することで適切にリスクに備えられるのであれば、自身に必要な保険になっているはずだ。
ここでは、30代の男性が生命保険を選ぶポイントとして、以下の3パターンで解説していく。
- 独身の場合
- 結婚して子どもがいない場合
- 結婚して子どもがいる場合
以下の内容を自分の生活環境などに照らし合わせて、保険の必要性について考えてみてほしい。
独身の場合
30代男性で独身の場合、想定されるリスクとして以下の内容が挙げられるだろう。
- 病気に罹ったことによる入院のリスク
- 精神疾患の罹患による長期休業のリスク
- 長期休業に伴う収入減少に対するリスク
上記のリスクに備えるなら、医療保険または就業不能保険への加入が選択肢になる。
一般的な病気の場合、入院期間は短期化している傾向のため、長くても2週間程度と考えておいてよいだろう。
現在の公的医療保障は充実しており、高額療養費制度を使えば入院費用の負担は9万円ほどで済むはずだ。
一時的に立て替えが必要な場合もあるが、費用負担の上限を超えた額は還付される仕組みのため、入院への備えは貯金で賄える人もいるだろう。
最も気をつけたいのが精神疾患への備えだ。うつ病などは治療に半年ほどかかるため、その期間の生活費や入院費などは相当額になるだろう。
この点、会社員であれば傷病手当金が支払われるため、給料の60%ほどは確保できる。
そのため、現在の貯金額や毎月の生活費を踏まえて、傷病手当金だけではカバーできない生活費を保険で補う必要があるか慎重に検討すべきだ。
なお、独身の場合は、死亡保険への加入の優先順位は高くないだろう。
つまるところ、万が一の事態があった際、葬式費用を保険でカバーできるようにしたいかどうかだ。
遺された両親や兄弟に迷惑をかけたくない場合は、最低限の掛け捨て型の死亡保険に加入してもよいだろう。
結婚して子どもがいない場合
30代男性で、結婚しているが子どもはいない状況であれば、以下のリスクに備えておくことをおすすめしたい。
- 万が一の際の死亡保障
- 病気や精神疾患に罹患した場合の医療保障
- 老後に向けた個人年金や資産形成
将来的に子どもを育てたいと考えている場合はもちろん、遺されたパートナーに迷惑をかけないためにも、死亡保険は加入しておいたほうがよいだろう。
考え方としては独身の場合と同じく、基本的には葬式費用として200万円ほどの保険金がおりる掛け捨て型の死亡保険で十分だ。
パートナーにもある程度のお金を残しておきたい場合は、保険金を500万円程度にしてもよいだろう。
病気や精神疾患に罹患した場合の医療保障への考え方も、先ほどと同様である。
結婚して子どもを持たない選択をする場合は、老後に向けた資産形成を始めてもよいだろう。
30年・40年後に必要な資金は、時間をかけて少額積立することで無理なく用意できるはずだ。
個人年金保険だけでなく、新NISAやiDeCoも含めて適切な方法で資産形成をスタートさせてもよいだろう。
結婚して子どもがいる場合
30代男性のうち、結婚して子どもがいる場合には、以下のリスクに備える必要がある。
- 万が一の際の死亡保障
- 子どもの教育費に対する備え
- 病気や精神疾患、老後の資産形成
子どもができて家族が増えた場合は、高校ないし大学を卒業するまでの間、まとまった金額の死亡保障が必須だ。
後述する教育費を考えると、子どもがいる場合の死亡保障は3,000万円を目安にするケースが多い。
この額を用意するのはあくまで子どもが独立するまででよく、約20年間は定期保険でまとまった保障を用意するのがセオリーだ。
そして、子どもの教育費に対する備えも欠かせない。
一般的に、子どもが大学を卒業するまでにかかる教育費は1,200万円ほどとされている。
もちろん、大学進学に伴って一人暮らしをするのであれば、仕送りも別途する必要があるだろう。
教育費は後半になるにつれて負担が大きくなるため、学資保険で大学の入学金や授業料をカバーする人も多い。
病気に対する備えは先ほどと共通する考え方で問題ないが、子どもがいる場合は家計の支出はもちろん、パートナーの収入が大きく変化する。
そのため、収支のバランスを踏まえて無理のない保険料を算出し、加入する保険を慎重に判断する必要があるだろう。
30代男性におすすめの生命保険を紹介
実際にどのような保険商品が適しているかは、それぞれの状況によって異なる。
しかし、先ほど紹介したようなパターン分けを前提にすれば、それぞれどの生命保険がおすすめか、選択肢はある程度絞られる。
ここでは、以下の3パターンに分けて、30代男性におすすめの生命保険を具体的に紹介しよう。
- 30代の独身男性におすすめの生命保険
- 結婚して子どもがいない30代男性におすすめの生命保険
- 結婚して子どもがいる30代男性におすすめの生命保険
以後で紹介する保険商品を一つの目安にして、同種の商品と比較検討してみてほしい。
30代の独身男性におすすめの生命保険
30代の独身男性においては、医療保険を最優先に検討したうえで、場合によっては就業不能保険も選択肢に入れてもよいだろう。
医療保険としておすすめしたいのが、チューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムZ」だ。
この保険は入院・手術給付金を受け取れる終身型の医療保険で、病気やケガを総合的に保障できる。
日帰り入院から保障しており、手術は入院の有無にかかわらず、約1,000種類を保障しているのも特徴的だ。
保険料もかなり安価で、入院給付日額5,000円の場合、35歳男性で月々の保険料は1,134円だ。
ただし、入院時の一時金や通院時の日額給付はないため、この点は覚えておいたほうがよいだろう。
就業不能保険でおすすめなのが、ライフネット生命の「働く人への保険3」だ。
この保険は、病気やケガで長期間働けないときはもちろん、精神疾患による入院、復帰を応援する一時金が支払われる。
就業不能状態の回復後、生活や収入などが元通りになるまでの経済的不安に備えるための「復帰支援一時金」を受け取れるのは、ライフネット生命ならではだ。
ただし、就業不能保険には、上記のとおり就業不能状態が継続している必要があり、ライフネット生命の場合は14日間継続していない限り、一時金や給付金が支払われない。
この点は、各社の就業不能保険に共通している点だが、必ず押さえておこう。
結婚して子どもがいない30代男性におすすめの生命保険
30代男性で結婚して子どもがいない場合は、上記の医療保険や必要に応じて就業不能保険を検討するだけでなく、もしもの際に頼りになる死亡保険と、将来に備えた個人年金保険を視野に入れておくとよいだろう。
結婚して子どもがいない30代男性におすすめな死亡保険は、SBI生命の「クリック定期!Neo」だ。
この保険は、手頃な保険料で加入できるインターネット申込専用の商品である。
解約返戻金のない掛け捨て型の死亡保険で、保険期間は最短10年から5年刻みで選択可能だ。
ライフステージに合わせて設定できるため、必要な保障を必要な期間だけ用意できるのは助かるだろう。
ただし、インターネット申込専用のため、商品の詳細を担当者などから話を聞いた上で検討したい場合は不向きかもしれない。
また、定期保険のため何ごともなければ保険料は支払い損になる。
保険の特性上やむを得ないが、商品によっては返戻金があるタイプも提供されているため、あわせて確認してみてほしい。
個人年金保険としておすすめなのが、住友生命の「たのしみ未来」だ。
この保険は、保険料の払込期間を10〜50年から選択でき、据え置き期間も最長15年まで選べてカスタマイズ性が高い。
受け取り年齢から逆算して各期間を設定すれば、老後資金の一部の形成に役立つだろう。
ただし、個人年金保険は途中解約すると、解約返戻金は元本割れするため注意が必要だ。
無理のない保険料にするのはもちろん、ほかの手段を含めて慎重に検討しよう。
結婚して子どもがいる30代男性におすすめの生命保険
30代で結婚して子どもがいる男性においては、まとまった保険金が支払われる死亡保険は必須であり、子どもの将来に向けた学資保険は検討したほうがよいだろう。
おすすめの死亡保険は、ライフネット生命の「定期死亡保険かぞくへの保険」だ。
この保険もネット専用の保険で、手頃な保険料ながら充実した保障を用意できる。
死亡保障に特化したシンプルな構成で、24時間いつでも申し込めるのも、忙しい毎日を過ごす人にとっては検討しやすいだろう。
保険期間は10・20・30年から選べるため、子どもが独立するまでというニーズにもフィットしやすいはずだ。
ただし、掛け捨て型の定期保険になるため、保険期間が過ぎれば保障はなくなる。
また、途中解約しても返戻金がない点には注意が必要だ。
学資保険としておすすめなのが、明治安田生命の「つみたて学資」だ。
この保険は、条件次第では返戻率114.6%を実現できるリターンの大きさが魅力で、大学などの時期にあわせて教育資金を確実に用意できる。
保険料の払込は10または15歳で終了するため、教育費が本格的にかかりはじめる高校入学前までに保険料の支払いを終えられるのも大きな特徴だ。
学資保険の場合、加入のタイミングが遅くなるほど返戻率が下がりやすいため、検討するなら子どもが生まれる前がベストだ。
また、個人年金保険同様、途中解約は元本割れする可能性が高い点には注意が必要である。
このように、「いつ保険に加入するか」で最適なプランは異なる。また同じ30代であっても、性別や独身・既婚などのステイタスによってその最適解は変わってくる。
年齢別におすすめの保険や30代におすすめの保険をまとめたこちらの記事も参考にしていただくと、より30代男性が気をつけるべきポイントへの理解も深まるだろう。
30代男性が備えるべきリスクや生命保険を選ぶポイントを理解して最適な生命保険を選ぼう
本記事では、30代男性におすすめの生命保険と保険選びのポイントを解説した。
30代を迎えると、生活習慣病をはじめとする健康への不安を感じ始めるケースが多い一方、結婚や子どもの誕生により、万が一のために保険の必要性を感じる人も増える。
独身の場合は病気や精神疾患に罹患した際の保障、既婚の場合はパートナーや子どもの生活費を保障する必要があるだろう。
本記事では30代男性に必要な生命保険を具体的に紹介したが、これらはあくまで一例であり、最適な商品は人によって異なる。
保険選びに関して少しでも疑問や不安がある場合は、保険のプロに相談したほうがよいだろう。
専門的なアドバイスを通して、自分が本当に備えるべきリスクに対して、適切な保険で備えられるようになるはずだ。
あなたと保険のプロをつなぐマッチングサイトである「生命保険ナビ」では、条件や意向に最適な担当者を全国から選べる。
保険のプロの専門知識を頼りに、最適な生命保険を選びたい方は、以下のボタンから申し込んでみてほしい。