- FX取引における「ドル円」と「円ドル」の違いを知りたい
- 円高や円安がFX取引にどう影響するのか知りたい
- FX取引の基本的な仕組みを理解したい
テレビや世界の経済新聞を見ていると、ドル円の話題がたくさん見つかる。
皆さん、決まってドル円と呼ぶが、円ドルと逆から読む者はいない。なぜ、逆から呼ぶものがいないのか、疑問に思ったことはないだろうか。
そもそも、FXにおいてドル円と円ドルに違いはあるのだろうか。
今回は、FXの為替レートの基本知識やドル円と円ドルの違い、円安や円高を軸にFX市場やFXの仕組みをわかりやすく解説していく。
この記事を読めば、テレビで使われている言葉の意味がわかるようになり、世界の動きがこれまでとは少し違って見えるだろう。
ドル円と円ドルの違いの前に!まずはFXの為替レートの基本を理解しよう
FX市場では、「日本とアメリカの為替レートは、1ドル=100円」といった言葉をよく見聞きするが、そもそも為替が何かを理解できていない方が多い。
まずは、為替の基本から学び、為替レートとはいったいどのようなものなのか、ドル円と円ドルとの関係性を説明していく。
為替の基本
為替の歴史は非常に古い。諸説あるかもしれないが、江戸時代に為替は発達したといわれている。
江戸時代の商人は、お金を支払う際、現金を支払うと盗難のリスクが生じるため、両替商に為替手形を発行してもらい、相手に渡した。
受け取った為替手形は、両替商へ渡すことで、現金の受け取りができるのだ。
そのため、為替と呼ばれる支払い証明を利用することで商売を行っていたのである。
現代は、インターネットの到来によって、現金を相手へ直接送ることはほとんどなくなったが、口座振替や口座振り込みは為替取引の一種といえる。
なお、このような国内の為替取引は、内国為替と呼ぶ。
為替レートとは?
国内を超えて国外の異なる通貨の国々と取引をする場合、外国為替取引を行う。
たとえば、海外証券や商品の輸出、海外不動産投資などは、外国為替の仕組みが利用されているのだ。
実際の取引では、利用する通貨と受け渡しの仕方を決めている。
そのため、自国の通貨で取引ができない場合は、通貨交換が必要となる。
通貨交換は、お金を交換するための市場で行われる。
この通貨交換市場は、外国為替市場と呼ばれており、そこで利用されているのが通貨交換比率、つまり為替レートなのだ。
そのため、為替レートは、外国為替相場と言い換えることができる。
昨日と比べて円安となった理由は?
テレビを見ていると、「外国為替市場に関しては、昨日と比べて1円の円安になった」と放送されることがありますが、少し意味を想像してみてほしい。
円安とは、外貨の価値が上がったため円の価値が下がったことを意味する。
円安が覚えづらいという方は、「円安のことを円弱(えんよわ)」と言い換えると覚えやすくなる。
なぜなら、円弱(えんよわ)なら、いかにも円の価値が下がった気がするからだ。
つまり、今まで1ドルを100円で通貨交換できていたとしても、円安になってしまえば、円の価値が下がっているため101円提示しないと1ドルが買えなくなってしまうということだ。
逆に、円高の場合は、円の価値が高まっているため、99円で1ドルと通貨交換できるのだ。
こうやってひとつずつ理解していくと、FXの楽しみが増えるのはもちろん、テレビの話題の理解も深まっていくだろう。
FXにおける「ドル円」と「円ドル」の違い
FXにおける「ドル円」と「円ドル」の違いについて、具体例を用いてわかりやすく解説する。
「ドル円」とは
FX取引において、「ドル円」とは米ドルと日本円の為替レートを表す通貨ペアのことである。
1米ドルに対して何円で取引されるかを示す。「ドル円」は、FX市場でも取引量の多い通貨ペアの一つである。
両国の経済状況や政策の変化が、直接的にこの通貨ペアの価値に影響を与える。
「円ドル」とは
「円ドル」は「ドル円」とは逆の表記方法である。1円に対して何ドルで取引されるかを示す。
この表記方法では、円の価値がドルを基準として表現される。投資家にとって、「円ドル」表記は日本円の対ドル価値を直接的に把握できるメリットがある。
具体的な例として、ドル円が150円の場合を挙げてみよう。
- 1米ドル = 150円
- 表記
- USD/JPY = 150
これを「円ドル」で表現すると以下のようになる。
- 1円 = 0.015米ドル
- 表記
- JPY/USD = 0.015
しかし、FX初心者からみると「ドル円」表記の方が直感的に理解しやすい場合が多い。
また、実際の外国為替市場でも小数点以下の数値を扱うのは不便である。
そのため、「円ドル」という表記はほとんど使用されない。
ドル円と円ドルの通貨交換で発生する2つのケース
FXでは、2つの通貨ペアの通貨交換が行われる。
一般的に、右から左へと通貨交換が行われることを買いと呼び、左から右へと通貨交換が行われることを売りという。
買いのケース
買いの場合、今後の値動きが上がる可能性が高いと考え、円はアメリカドルに通貨交換される。
そのため、100円のときにアメリカドルに通貨交換し、105円になったタイミングで日本円に通貨交換すれば5円の利益が得られる。
売りのケース
売りの場合、今後の値動きが下がる可能性が高いと考え、アメリカドルが日本円に通貨交換される。
1ドル105円のときに日本円に通貨交換し、100円になったタイミングでアメリカドルに通貨交換すれば5円の利益が得られる。
逆に、売りで入った際、1ドル105円のときに日本円に通貨交換し、110円になったタイミングでアメリカドルに通貨交換すれば、5円の損失となる。つまり、-5円だ。
この点については、FXの実践経験のない方にとっては、少し難しいと感じるかもしれない。
ここでは、買いの場合は金額が上がると利益になり、売りの場合は金額が下がると利益になると覚えておけば、基本的に問題はない。
円安と円高で学べるFX市場
円安や円高といった言葉の意味がわかれば、相場という言葉の深みについても理解ができてくるだろう。
次に、円安や円高をテーマに、FX市場について説明していく。
相場は、動き続けている
そもそも、為替相場は、何で決まっているかご存じだろうか。
為替相場、つまり為替レートは、需要と供給で決まっており、常に相場は動き続けているのである。
たとえば、円を外貨へと通貨交換する需要より、外貨を円へと通貨交換する需要が高ければ、円高になる。
つまり、円が多く買われているため、円の価値が高まっているのである。
円高を日本円とアメリカドルの関係性で表すと、1ドル100円が1ドル99円に下がり、ドルの価値は下がり、円の価値は上がったということだ。つまり、ドル安=円高になったのだ。
相場への具体的な影響
テレビ番組で「日本は、円高になっている」や「円安になっている」と放送されていることがあるが、具体的にどのような影響があるのだろうか。
円高になれば、円の価値が上がっているため、外国の製品をいつもより安く買うことができる。
円高市場では、外貨の円への通貨交換が行われるため、そのお金は株式市場へと流れていく。その結果、日本の株価が上昇するのだ。
一方で円高は、日本から海外への輸出費が高くなるため、海外での売り上げが低下してしまう。また、ドル資産へ投資をしている場合、資産価値は低下していく。
では、円安の場合は、どうだろうか。アメリカドルの海外資産の価値は上がり、海外で輸出製品が売れやすくなる。
つまり、海外の人から見ると、円安になると日本の製品が安くなるのだ。
一方で、円安になれば海外製品の価格が高くなり、海外へと通貨交換が行われるため、株価が下がっていく。
FXにおけるドル円と円ドルの違いを理解し、FX取引を始めよう
「ドル円」と「円ドル」は、FX取引において重要な概念であり、その違いを理解することが取引戦略を立てる上で不可欠である。
「ドル円」は1米ドルに対する円の価値を、「円ドル」は1円に対するドルの価値を示す。
円高・円安の変動は、FX取引に直接的な影響を与える。円高では外国製品の購入が有利になり、円安では輸出産業が恩恵を受けるなど、経済全体にも波及効果がある。
これらの基本的な概念を理解することで、FX市場の動きをより深く分析できるようになるだろう。
本記事で学んだ知識を活用し、実際のFX取引を始めてみてはいかがだろうか。