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【5025】株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 代表取締役社長CEO 陣隆浩氏「ポテンシャルの高い中古マンション市場で成長を目指す」

【5025】株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 代表取締役社長CEO 陣隆浩氏「ポテンシャルの高い中古マンション市場で成長を目指す」わたしのIFAコラム

※本コラムは2022年9月13日に実施したIRインタビューをもとにしております。

新築マンション、中古マンションのビッグデータとテクノロジーで、新しい不動産マーケティングプラットフォーム事業を展開するマーキュリーリアルテックイノベーター。これからの成長シナリオについて、代表取締役社長CEOの陣隆浩氏に話を伺いました。

目次

株式会社マーキュリーリアルテックイノベーターを一言で言うと

不動産のマーケティングソリューションを幅広く提供しております。上場は2022年2月で直近のことですが、会社の設立自体は1991年ですから、社歴は30年を超えました。

私たちの強みは、過去30年の歴史のなかで新築マンションの戸別データを積み上げてきたことです。このビッグデータを不動産デベロッパーや不動産ポータルサイトに提供し、不動産業者向けのマーケティングプラットフォームを展開するのと同時に、マンションを保有しているオーナー向けの情報提供なども行っています。

創業の経緯

高校2年生で起業しようと考えるようになり、20歳の時に不動産会社を立ち上げました。

その間には、さまざまなストーリーがあるのですが、まず鹿児島実業高校で野球部に入り、そこで知り合った友人と共に、まずは野球部を改革しようと考えました。というのも、当時の野球部は完全なスパルタ式の指導方法が横行していて、それを何とか変えたいという想いがあったのです。

それで、自分と同期の1年生を束ねて、キャプテン投票の時に私の友人に票を入れてくれたら、それで野球部の改革に乗り出すという話をしたところ、上級生と揉めてしまい、私は退部を余儀なくされました。野球部を退部になったことで、当時漠然と描いていたプロ野球選手への道が断たれてしまいました。どうしようなどと考えている時、幸せな人生を送るにはお金が必要だし、それなら社長になろうと思い立ちました。とはいえ、大企業では社長になった時、恐らく50歳とか60歳になってしまうし、それならいっそ自分で会社をつくろうかなどと、何となく考えていました。

野球部を退部後は、しばらくどこの部にも属さなかったのですが、3年生になった時、なぜかラグビー部からお誘いがあり、そのまま入部して、冬に花園に初出場し、そこでの活躍が評価されて高校生日本代表に選出されイギリスへの遠征も果たしました。帰国してから明治大学のラグビー部に入ったある日、練習が終わって合宿所に帰るのに歩いていたら、ある人に声を掛けられたのです。その人物が、高校1年生の時にキャプテンに押し上げて、一緒に野球部を改革しようとした友人でした。

彼は高校を卒業してから大手通信会社で働いていたのですが、巨大な組織で出世するには限界があると考えていて、私に一緒に会社をつくらないかと持ち掛けてきました。そのうえ、たまたま高校時代に教育実習で来ていた先生が、教職ではなく不動産会社に勤めていて、「もし会社をつくるなら一度、うちに来て会社がどういうものなのかを見てみなさい」と言って下さったことがきっかけとなり、不動産業界に出会いました。

人のご縁で20歳の時に起業したのですが、バブル崩壊の影響で休眠状態になり、私自身はそのまま不動産会社で働いていました。そして29歳の時に転職した会社が、今、私たちが提供している不動産マーケティングソリューションを提供していたのですが、あえなく倒産してしまいました。

そこで、その会社のメンバー10人と、同じような事業内容でエクスという会社を立ち上げました。それとほぼ同時期に、オフィスキャスターという会社で類似した事業を立ち上げた前職の仲間がいたこともあって、両者合併して新会社としたのが、マーキュリーリアルテックイノベーターの歴史の始まりです。

事業内容について

不動産マーケティングソリューションを提供している会社で、そのなかでプラットフォーム事業とデジタルマーケティング事業、その他サービスという3つの事業を展開しています。

プラットフォーム事業はSaaS型の不動産マーケティングシステムになっていて、新築マンション業界向けには「Realnetマンションサマリ」をはじめとするサマリシリーズを、中古マンション業界向けには「パンフレットダウンロードサービス」を提供しています。

【5025】株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 代表取締役社長CEO 陣隆浩氏「ポテンシャルの高い中古マンション市場で成長を目指す」わたしのIFAコラム
株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 2023年2⽉期 第1四半期 決算説明資料 より引用

Realnetマンションサマリには、新築分譲されたマンションのデータが棟数で6万棟超、部屋数で約270万戸分、蓄積されています。新築分譲マンションを開発・販売する際のマーケティングに有効なシステムです。

パンフレットダウンロードサービスは、新築分譲時のパンフレットや図面集、価格表などのデータをダウンロードできるというもので、中古マンション業者がお客様に物件の内容を説明するのに必要なデータを取り揃えています。こちらは4万物件超のパンフレット、約63万タイプの間取り図が揃っていて、利用していただいている業者の数は2300社を超えています。今後、物件写真のダウンロードをはじめ、新しいサービスを展開していきます。

【5025】株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 代表取締役社長CEO 陣隆浩氏「ポテンシャルの高い中古マンション市場で成長を目指す」わたしのIFAコラム
株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 2023年2⽉期 第1四半期 決算説明資料 より引用

デジタルマーケティング事業は、インターネットを介したマンション販売の広告などをお手伝いするサービスです。そして、その他サービスとして、私たちが持っている不動産ビッグデータとテクノロジーを融合させた新規事業の模索を行っています。

以上が事業の大きな柱になるのですが、特徴としては、新築マンション業界向けに提供させていただいているサマリシリーズの解約率が非常に低いことです。

サマリシリーズにはマンションサマリの他に賃貸サマリ、売買サマリなど全部で8種類あって、このうちメインとなっているマンションサマリについてSaaS型への移行が完了しました。これによって顧客のテレワーク需要への対応が進み利便性を向上させることができたのですが、今後は他のサマリについても、現在のオンプレミス型から順次、SaaS型に移行させていきます。これにより、一層多くのユーザーさんにご利用いただけるようになるので、ライセンス数の増加によって、1社あたりの単価がどんどん上がっていく想定をしています。

また中古マンション業界向けサービスについては、2年半くらい前からサービスを始め、パンフレットダウンロードサービスの会員数が2300社を超えてきました。現在、私たちがマンションのビッグデータを持っているのが首都圏、東海圏、関西圏なのですが、ここの不動産業者が合計36,000社ありますので、契約者数はまだその10分の1にも満たない状態です。ですから、新しい魅力的なコンテンツを充実させることによって、この36,000社を対象にして契約数をどんどん増やしていきたいと考えています。

現状、中古マンション業界向けのサービスは、会員数が月次で40~50社ペースで増えており、カスタマーサクセスにつなげていくのが大変な状況であるのも事実です。なので、ここは来期に向けて体制を整え、月次で100社ペースを実現できるようにする予定で進めている最中です。3年後には1万社を突破させたいと考えています。

現状、中古マンションのサービスは、会員数が月次で40~50社ペースで増えており、カスタマーサクセスにつなげていくのが大変な状況であるのも事実です。なので、ここは来期に向けて体制を整え、月次で100社ペースを実現できるようにする予定で進めている最中です。3年後には1万社を突破させたいと考えています。

【5025】株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 代表取締役社長CEO 陣隆浩氏「ポテンシャルの高い中古マンション市場で成長を目指す」わたしのIFAコラム
株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 2023年2⽉期 第1四半期 決算説明資料 より引用

中長期の成長イメージとそのための施策

中古マンション業界へのサービス浸透がカギを握っていると考えています。現在の主力である新築マンション業界向けについてもサービスを拡充していきますが、より力を入れるのは中古マンション業界です。

新築分譲マンションについては、当社の専属部署にて文字情報として販売価格、間取り、平米数等をデータ化し、さらに画像はすべてスキャンして、これもデータ化しています。そのマンションが時を経て中古市場で売買される時、これらのデータがお客様向けの説明資料などを作成するのに役立ちます。その他のコンテンツとしては、仲介業者さんのDXをサポートする機能をどんどん充実させていきます。

また、当社にない技術は他社との業務提携で進めていくことができますし、新しいところでは金融業界が、不動産を担保にして融資を行う際に査定が必要になるので、私どものビッグデータが役に立つはずです。今後は、金融業界との連携も強化していきたいと考えています。

あとは個人向けに、「マンションバリュー」というサービスの充実化も進めていきます。270万戸のデータが蓄積されているのですが、要はマンションオーナーに登録していただき、皆さんに必要な情報を拡充している最中です。

中古マンション業界でいうと、仲介業者の中核となる仕事はファーミングといって、売り物件を探すことです。それを、マンションバリューというサービスを使えば簡単に売り物件を見つけることができる、というサービスです。

中古マンション業界の方がポテンシャルの高さを感じます。そのなかで私たちのデータを活用していただけるシーンが、どんどん増えていくものと考えています。

【5025】株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 代表取締役社長CEO 陣隆浩氏「ポテンシャルの高い中古マンション市場で成長を目指す」わたしのIFAコラム
株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター 2023年2⽉期 第1四半期 決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

まだまだ中長期的な成長戦略の蓋然性をお見せできていないのが正直なところで、そこは私たちの努力が必要になってくるのですが、正直、それほど焦らなくても良いという気持ちもあります。実際に、今仕掛けているさまざまなサービスが稼働し、会員数が増えてくると、徐々に私たちのサービスの必要性が、見えてくるのだと思います。

株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター ( MERCURY REALTECH INNOVATOR Inc.)

本社所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル42階

設立:1991年5月

資本金:2億4,110万円(2022年9月アクセス時)

上場市場:東証グロース(2022年2月25日上場)

証券コード:5025

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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