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【6542】株式会社FCホールディングス 事業概要と成長戦略に関するIRインタビュー

※本コラムは2024年4月8日に実施したIRインタビューをもとにしております。

株式会社FCホールディングスは設計技術や経営技術を駆使して、新しい価値を生み出し続け、地域社会と共に成長し社会価値を持続的に創出する会社です。

代表取締役社長の福島宏治氏に事業戦略の変遷や今後の成長方針を伺いました。

目次

株式会社FCホールディングスを一言で言うと

「ファウンダーズコンサルタント」として建設コンサルタント業界を牽引する企業です。 

FCホールディングスの沿革

株式会社FCホールディングス代表取締役社長 福島宏治氏

創業経緯

当社は1949年に戦後の復興を支援する目的で、創業者が土木工学の知見を活かして設立されました。

初めは福岡県筑豊、現在の田川市で、石炭採掘の際の落盤防止設計を行っていました。

この地域は石炭の重要な産地で、人命に直結する事故防止のために、初期から高い専門性を活かして事業を展開していました。

その後、1960年ごろのエネルギー革命により石炭から石油へのシフトが進み事業の転換を迫られ、1963年に福山コンサルタントとして鉄とコンクリートをキーワードに、現在の主力事業でもある設計コンサルティング業務に特化しました。

交通道路分野の強化と店頭登録

1961年には国鉄から新幹線整備の仕事を受注し、その後も難易度の高い若戸大橋の設計など、大規模なインフラプロジェクトに関わってきました。

また、人々の移動を科学するという観点から、1960年代には交通関連事業にも進出し、その後も国内外で事業を拡大していきました。

瀬戸大橋や青函トンネルの設計にも携わるなど、建設コンサルタントとしての地位を確立し、さらに交通道路の設計においては競合が少なく、重点的に注力してきました。

そして1995年には、当社の事業がインフラという長期的な視点で社会に貢献する領域を対象にしていることから、安定した経営が求められるということで、株式を店頭登録しました(現在は東証スタンダード市場に上場)。

コンパクトシティ構想への取り組み

近年、少子高齢化と人口減少が進む中で、より効率的な「コンパクトシティ」を推進することが政府によって推進され、それに対応して多角化しながら事業を拡大させてきました。

そして2017年に、より効率的な経営を行うため、福山コンサルタントを母体とした純粋持株会社に再編し、FCホールディングスとしてホールディングス体制へと移行しました。

現在は地域密着型のビジネスを行うために各地域で自社ビルを構え、仙台、東京、広島、徳島、北九州、福岡、熊本が主な活動拠点です。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

FCホールディングスの事業概要と特徴

概要

当社の事業は社会インフラ・防災分野、環境・都市・地域創⽣分野、モビリティ形成分野の3セグメントに分かれています。

各分野において建設コンサルタントとして公共事業の企画、計画、調査・設計、施工監理、運用・維持管理を行っており、国内外で事業を展開しています。

主要顧客は国・地方自治体、NEXCO、民間などで工事以外の技術的コンサルティングを手がけています。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

事業における優位性

地域の課題に対してプロポーザル方式での受注

一般的に公共事業は価格が最も低い入札者が選ばれる入札方式が多いですが、当社はそのような方式での受注はあまり受けていません。

その代わりに国や地方公共団体の課題に対する技術提案を通じたプロポーザル方式での受注を獲得しています。

これにより当社の純粋な技術力を評価してもらうことができ、価格競争に巻き込まれることなく事業を受注することが可能です。

しかし、このようなプロポーザル方式で安定的に受注を確保するためには、地域の課題に精通し、適切な解決策を提案し続けることが必要です。

そのため、当社は大学の専門家などの助言も受けながら、地域の課題に対しての提案内容をブラッシュアップしています。

本社は福岡に拠点を置いていますが、各地域の課題を解決するためにも、我々は地域密着型の拠点作りを心掛けております。

採用面においても積極的に現地採用を行うことで地域ごとのナレッジを蓄積し、他社との差別化を図っています。

実際に我々は宇都宮市でのLRT導入や守谷市での地域創生プロジェクト、さらには沖縄県下でのホテル事業などPFI(民間資金による公共施設整備)プロジェクトも手掛け、多岐にわたって実績を挙げています。

災害対応・防災/開発支援・渋滞対策

当社はエッセンシャルワーカーとして、災害時には既存の業務を停止してでも、緊急対応にあたります。

これまでも2011年の東日本大震災時にも、2016年の熊本地震時にも緊急車両の通行を確保するためなどにおいて即座に現場対応を行いました。

このような社会貢献の高い活動もしているため、地方自治体との良好な関係性の構築にも役立っており、当社の特筆すべき優位性の一つとなっています。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

また、現在TSMCの熊本進出に伴い、新しいプロジェクトに関連して大規模開発支援、渋滞対策、地域振興に資する事業を行っています。

この地域は日本で最も渋滞が激しいとされる場所の一つですが、当社は創業以来の渋滞データを持っていることも強みになっています。

さらに九州全域の橋梁に関する75年分のデータも蓄積しており、これらのデータに地域の人口の属性や年齢層などを組み合わせることで、具体的な整備提案が可能です。

我々の強みは、単にデータを持っているだけでなく、それを活用してコスト効率の高い解決策を提案し、それに基づいた設計を行うことまでワンストップで提供できることにあります。

我々はこのような事例からもご理解いただけると思いますが、それぞれの地域に精通して解決策を提案できることは、他のコンサルタントと比較しても大きな強みだと考えています。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

時代のニーズに合わせた新技術の投入

当社は、2024年3月にインフラ・テックソリューションズ(以下ITS)を立ち上げました。

ITSは主に点検分野における非破壊検査技術に焦点を当て、深刻化する社会インフラの老朽化問題に対応するため新技術の開発、実証を行っていく会社です。

具体的には、理化学研究所発のRANS-μ(ランズ・マイクロ)、ミラ、オーリス等の非破壊技術、センサー等を用いたモニタリング技術を用いて事業拡大を目指しています。

これらの技術は、一例をあげれば、コンクリートを叩いて音の違いを聞く従来の方法に代わり、より精密かつ効率的に内部の空洞や損傷を検査することができます。

このような新技術への投資や現場への投入をいち早く行い、防災課題や人員不足に対してアプローチすることができることが当社の強みです。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

FCホールディングスの成長戦略

既存事業の深化

当社グループの福山コンサルタントは、建設コンサルタントの売上高総利益率は上位50社中で4位、九州地方整備局(2022年度)受注額では道路部門1位を獲得するなど、特定地域や特定分野で高い競争力と占有率を確保しています。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

そこで、当社は既存事業の安定的な受注や拡大を続けていくために、人的資本投資に力を入れ、事業基盤を盤石なものにしようと考えています。

現在、当社の従業員のうち上場後に入社した社員が全体の約90%を占めているので、組織を通じてどのように社会貢献できるか、価値を発揮できるかを常に考えています。

そして人的資本の価値最大化を測るためにも働きやすい環境の整備を目的としたテレワークの導入や、高いプロフェッショナルを育成するための資格取得支援制度やアルムナイ制度の制定など、柔軟な働き方を推進しています。

また、現在の定年は65歳ですが、技術や知識があれば引き続き活躍できる「生涯現役モデル」も始めました。

このような取り組みを通じて社員に対して長期的なキャリアを支援し、組織全体での持続可能な発展を図っています。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

研究開発、他社連携を核とした共創戦略の強化

当社は交通設計を中心に展開してきており、水関連のプロジェクトはあまり得意ではありませんでした。

そのため、この分野は他社と共創しながら取り組んでいます。

最近では、下水道部門で特許を取得し、下水道の老朽化対策や、水道管の破裂による道路陥没を防ぐための下水道管渠の劣化状態診断システムを実用化しました。

このようにITや社会科学の需要が高まっている中、学術機関や専門知識を持つ企業と組むことで産学連携を実現し、事業の更なる拡大を目指していきます。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

M&A推進を中⼼とした規模・市場の拡張

当社のM&A戦略として、業務提携や資本提携を含む広範な意味でのM&A戦略の方針を打ち出しています。

先ほどもお話ししましたが、世間的に需要の高いIT分野や当社事業とのシナジーが非常に高い社会科学の分野に対して投資を行っています。

また、現在拠点として手薄になっている日本海側や中京地域などに進出を図っていきたいとも考えています。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

注目していただきたいポイント

当社の強みは、”負けない戦術”を持っているということです。

基本的なビジネスの基盤は、事業戦略・地域戦略においてしっかりと構築されており、安定した成長を続けています。

また収益性は業界トップレベルであり、売上高に対する営業利益率は10%以上、株主資本利益率(ROE)も10%を超えています。

ただし、市場評価である株価純資産倍率(PBR)が1倍を超えていません(2024年4月現在)。

業界全体としての認知が不足しているのが現状です。

今後はIR活動を含めた広報戦略を強化し、株主還元や配当を通じて投資家様の満足度を高めることで、株価をさらに押し上げていく計画です。

ぜひ当社の安定した事業戦略と資本政策に注目していただければと思います。

株式会社FCホールディングス 2024年6月期第2四半期決算 IR説明会資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

今後も当社は高い技術力を土台に、持続可能な利益を追求していきます。

従業員一人ひとりが自立し、幸せに働ける環境を整えることで事業の安定性や生産性の向上を図ってまいります。

投資家の皆様におきましては、引き続き暖かいご支援をよろしくお願いいたします。

株式会社FCホールディングス

本社所在地:〒812-0013 福岡市博多区博多駅東三丁目6番18号

設立:2017年1月4日

資本金:4億円(2024年4月アクセス時点)

上場市場:東証スタンダード市場 (2017年1月4日上場)

証券コード:6542

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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