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【5250】プライム・ストラテジー株式会社代表取締役社長 渡部直樹氏「新事業と海外展開によるグローバルソフトウェア企業としての成長を目指す」

※本コラムは2023年6月20日に実施したIRインタビューをもとにしております。

プライム・ストラテジー株式会社は高速化を実現するプロダクトやこれをもとにしたサービスが強みの企業です。

また、ストック型ビジネスを中心に展開しており、高い営業利益率も特徴的です。

代表取締役社長の渡部直樹氏に詳しい事業内容や今後の成長戦略を伺いました。

目次

プライム・ストラテジー株式会社を一言で言うと

技術や製品など知的資本の形成を行い、そこから高い収益を実現していく技術者集団と言えます。

代表就任の経緯

私は元々、2007年に鳥取で株式会社飛鳥情報経済研究所という会社を創業しました。そして、当社とは取引先としてビジネスを何回かさせていただいておりました。

そのため、当社の現会長の中村とも交流があったのですが、その後2021年10月ぐらいに当社に来ないかというお話をいただき、即決しました。

プライム・ストラテジーという会社は、外から見ても技術力が優れた稀有な会社で、且つ、WordPressのリーディングカンパニーとして注目すべき企業だとずっと思っていました。ですので、お話をいただいた時は嬉しく思いました。

その後2022年の4月に当社に参画し、社歴は1年2カ月と短いですが、2023年の6月に代表取締役社長に就任いたしました。

この度の就任は、これまで創業者の中村が率いていたオーナー企業型のトップダウン経営から、分散型のパブリックカンパニーへと変革することを目的としたものです。

権限と責任の一極集中に起因する業務停滞のリスクを低減するとともに、当社がもう一段階成長するための施策でもあります。

これまでの当社の文化や考え方をしっかり引き継ぎつつ、技術力のある会社として認知していただき、技術者集団としての地位を確立していきたいと思っています。

事業内容について 

当社の事業はプロダクトの開発とサービスの提供の2つの側面があります。

まずプロダクトの開発としては超高速CMS実行環境「KUSANAGI」、高速化エンジン「WEXAL® Page Speed Technology®」、戦略AI「ONIMARU® David」を開発しており、これらをまとめて「KUSANAGI Stack」と呼んでおります。

プライムストラテジー株式会社 2023年11月期第1四半期決算説明資料 より引用

またサービスとしては、KUSANAGIマネージドサービス、クラウドインテグレーションサービス、ライセンス提供を行っております。

このうち、当社の主力サービスであるのが「KUSANAGIマネージドサービス」であり、企業向けWordPressサイトおよびサーバの運用管理まで行うマネージド型のサポートサービスです。

サーバ運用で手間のかかる部分を当社が代行し、マーケティング、 Web担当者の方が本来の業務としているコンテンツ作成等に集中できる環境を提供します。

プライムストラテジー株式会社 2023年11月期第1四半期決算説明資料 より引用

当社は一般的なOSと比べて20倍の高速化を実現するプロダクトの存在が大きな差別化ポイントとなっています(下図「KUSANAGI」のパフォーマンスを参照)。

速いということはサーバが落ちないということであり、アクセスが集中した時でも安定して稼働することができます。

よくサイトにアクセスが集中してしまい、サーバがダウンしてしまうということがありますが、これはせっかく興味をもっていただいたのにサイトをみてもらえないという機会損失につながってしまいます。

当社はこの課題に対して高速化によってサイトを見ていただいているお客様が快適に利用できるようにしています。

また、高速化による二つ目の効果として、サーバの台数を減らせることでコストカットが実現できます。例えば、サーバの台数を3台から1台に減らしたり、ハイスペックなサーバーを通常のサーバーに置き換えたりすることができます。

このようなメリットを評価していただき、企業のホームページだけでなく大学や、読売新聞など多くのページビューを集める出版社のメディアサイト等にも導入いただいております。

当社の優位性は以下の3要素からなる先行者メリットにあります。

①サーバのOS開発に関わる専門的なノウハウがあること

当社では、サーバの中でOS部分、サービス部分、プログラムアプリケーション部分、それぞれに対して高速化のチューニングを行っています。

このようにすべてのレイヤーで高速化をできるエンジニアはそういませんし、そう簡単には育ちません。

プライムストラテジー株式会社 2023年11月期第1四半期決算説明資料 より引用

②「KUSANAGI」の無料提供といった価格面による優位性

現在当社は、マーケティングの宣伝目的で「KUSANAGI」を無料で提供させていただいています。

もし当社が有料で提供していれば、他社は無料で提供するという価格戦略を取ることができますが、そういった戦略をとることができません。

さらに、非常に高いパフォーマンスで多くのプラットフォームで展開しているため、後発が出にくい状況となっています。

③高いカバー率

当社はプロダクトを国内外の主要な28のプラットフォームで展開しており、34ヵ国251リージョンをカバーしております。

そのため、他社が類似製品を作ったとしても、もうすでに「KUSANAGI」を採用していればわざわざリプレイスする必要はないといった判断になることが想定されます。

プライムストラテジー株式会社 2023年11月期第1四半期決算説明資料 より引用

以上の3つの要素から優位性をすでに確立しており、当社への参入障壁は非常に高いと言えます。

一方、当社の課題は営業戦略の一部にあります。

当社のサービスは外部からの攻撃に備えるなどといったセキュリティ分野にあるため、現場担当者にはその意義がなかなか響きません。

万が一侵入されたら会社の企業価値が毀損してしまうなどとセキュリティ面の対策を検討するのは課長・部長クラスになります。

そのため、なるべく課長・部長クラスの方々に訴求できるような営業やマーケティング戦略をしていきたいです。

そのためにも、まずは無償提供で認知度や技術力を確かめてもらうのが重要だと考えています。

中長期の成長イメージとそのための施策

まず、短・中期的な施策は、国内・海外へのライセンス展開です。

現在国内において2社合計で年間約1億円のライセンス収入がありますが、より規模の大きい海外事業者とより規模の大きいライセンス契約を実現していきたいと考えております。

特に、国内市場の何倍もの市場規模をもつ北米を中心にまずは展開する予定です。

現在国内のレンタルサーバはコモディティ化が進んでおり、各社差別化を求めています。北米も日本企業と同じような課題があり、常に差別化したプロダクトを探しているといった状況です。

レンタルサーバ事業者は、当社のプロダクトを採用することにより他社との差別化をお客様にアピールできます。

海外事業者にもこの点に興味をもっていただけると思っているので、そこでしっかりライセンスを提供していきたいです。また、北米の事業者は規模が大きいので、契約金額も上がることが期待できます。

さらに、ライセンスは許諾をするだけなので、当社にとっては契約料がほぼ利益になります。そのため、収益性の面でも業績に貢献するでしょう。

また、中長期的な展開としては、「ハイパーオートメーション」事業の育成があります。

現在主力の「KUSANAGIマネージドサービス」は、引き続きメイン事業ですが、次の主力サービスとしてハイパーオートメーションをしっかり育てていきたいと思っています。

当社が少人数体制でも高いレベルのサービス提供ができているのは、このハイパーオートメーションという技術を社内で活発に利用しているためです。

このノウハウを他社に展開することで、当社の新しい収益の柱としていきたい考えです。

それが何年後かというのを正確にお伝えすることは難しいですが、しっかり市場を作り、まずは大手企業を中心に展開していきたいと思います。

プライムストラテジー株式会社 2023年11月期第1四半期決算説明資料 より引用

投資家の皆様へメッセージ

市場のニーズに応えていくために、新しいプロダクトをしっかり創ってまいります。

製品開発は時間がかかるものですので、半分創薬メーカー的な形で長い間研究開発をしています。長期的な目線で当社のことを考えていただけますと幸いです。

安定した利益成長、ガバナンス体制を確保しながらも、さらなる知的資本の形成を通じ、非連続的な成長を実現させて、スタンダード市場の新潮流を創ってまいります。

プライム・ストラテジー株式会社

本社所在地:東京都千代田区内神田1丁目2番2号 小川ビル10階

設立:2002年12月

資本金:4億2939万4600円(2023年6月30日時点)

上場市場:東証スタンダード(2023年2月22日上場)

証券コード:5250

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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