- 薬剤師が資産運用する時のポイントが知りたい
- 薬剤師におすすめの資産運用プランを知りたい
- 資産運用を成功させる秘訣を知りたい
マーケティングテクノロジー株式会社が調査した「親に聞く子供になってほしい職業に関する調査」では、「医師・薬剤師」が1位となった。
景気の波に左右されず、収入水準も高いとされている職業として認知されている。
とはいえ、薬剤師でも将来の生活に向けた資産形成は必要である。
では、どのような資産運用が最適なのだろうか。
今回は、薬剤師が資産形成をするならどのような方法が適切なのか解説する。
薬剤師で将来の資産形成に興味がある人や、おすすめの資産運用プランが知りたい人は参考にしてほしい。
職業別の資産運用について、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
職業別の資産運用について、分かりやすく解説されている。
薬剤師が資産運用を行う重要性
薬剤師が資産形成をする必要性について解説する前に、薬剤師の年収や退職金事情について確認する。
薬剤師の給与水準は、他の業種に比べても高い水準にある。
だからこそ、将来の生活設計を見据えた準備ができれば、理想のライフプランを実現させられるだろう。
そこで、以下のポイントに沿いながら、薬剤師が資産運用をする必要性について解説する。
- 薬剤師の年収と退職金の実態
- 資産運用で資産を形成する重要性
- 薬剤師が資産運用をするメリット
それぞれのポイントについて確認していこう。
薬剤師の年収と退職金の実態
薬剤師は、民間企業への就職をはじめ、病院勤務や公務員として働く方法がある。
- 民間企業
- 調剤薬局やドラッグストア
- 病院
- 大学病院など
- 公務員
- 薬系技術職員
民間企業で薬剤師として働いた場合の給与を、厚生労働省の調査結果から確認する。
厚生労働省が調査した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の年収を企業規模別にみると、以下の通りとなった。
企業規模 | 年収 |
---|---|
10人以上 | 583万3,900円 |
10人以上99人以下 | 579万3,600円 |
100人以上999人以下 | 581万5,600円 |
1,000人以上 | 585万7,200円 |
また、公務員の給与は人事院が2023年8月に調査した「国家公務員給与の実態」から確認する。
国家公務員の平均給与をみると、月額で41万2747円だった。
賞与の平均支給額は、2023年夏で平均63万円、冬が約67万4,300円だった。
月給と賞与の平均額を合計すると625万7,2644円となっている。
以上から、他業種と比べて平均年収は高い結果となった。
薬剤師が資産運用をする重要性
結婚や住宅購入、子どもの教育資金や老後資金など、さまざまなライフイベントでお金は必要になる。
なぜ、このような資金を資産運用で準備する必要があるのだろうか。
資産運用が必要だとされている背景は「インフレリスク」と「公的年金の制度維持」が挙げられる。
インフレリスクは、物やサービスに関する費用が上がることで、家計に大きな圧迫が生じる。
総務省が公表した「消費者物価指数」をみると、2024年2月の総合指数は前年同月比で2.8%上昇している。
物価が上がると、より多くの資金で物やサービスを購入する必要があるので、資産の価値が目減りしていることになる。
そのため、こうしたインフレによる資産価値の目減りに対応するために、より金利の高い金融商品に資金を預けて、資産を増やす必要がある。
さらに、公的年金の制度を維持し続けられるのかが問題となっている。
金融庁が「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書」の調査で提唱された「老後2,000万円問題」では、老後の生活は公的年金だけではまかなえないことを意味している。
以上の点から、資産運用を実施する必要性は高まっているといえるだろう。
薬剤師が資産運用をするメリット
薬剤師は、収入水準が他の業種に比べて高い傾向にあるため、資産形成を早くから実施しやすい。
そのため、理想のライフプランの実現に向けた対策が可能である。
資産運用は、原則として余剰資金から行うことが望ましい。
しかし、若年層は収入が少ないため、資産運用に回すだけの余剰資金を準備できない傾向にある。
実際に、金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産を保有していない20代は36.8%と、およそ3人に1人は金融資産を保有していないと回答している。
そのため、若年層から資産形成に向けた準備ができるのは、薬剤師のアドバンテージだといえるだろう。
だからこそ、理想のライフプラン実現に向けて、しっかりとした計画や仕組みづくりが重要となる。
では、どのような方法で資産運用を行えば成功するのか確認していこう。
薬剤師におすすめの資産運用の秘訣
資産運用を成功させる絶対の方法はないものの、リスクをできるだけ抑えながら安定した成果が期待できる方法はある。
運用成果を安定してプラスにする方法は、以下のポイントを踏まえながら実践すると良い。
- 投資計画の立案
- 長期・分散・積立投資の実行
- 適切なポートフォリオの構成と定期的な見直し・リバランスの実施
それぞれ解説していこう。
投資計画の立案
資産運用を実際に始める前に、まずは投資計画の策定が必要になる。
まずは、予算の設定を行う。投資に回す資金を設定するには、手持ちの資産を「いつ」「どのような」目的で使うか、明確にしておく必要がある。
手元にある資産は、時間軸ごとに「短期」「中期」「長期」と分けると良い。
- 短期
- 10年未満
- 中期
- 20年未満
- 長期
- 20年以上
また、病気や転職など突発的な資金が必要なケースを想定して、生活費の半年分は貯金しておく必要がある。
半年分の生活費が確保できたら、余剰資金を活用して資産運用を始めると良い。
さらに、投資に回す予算を算出したら、自身のリスク許容度を把握する。
リスク許容度は、許容できる投資リスクの度合を意味する。
個人の資産状況や世帯状況といった客観的な項目と、本人の性格や価値観などでリスク許容度を検討する。
リスク許容度が高いと、より高いリターンを見込んだ投資ができる。
リスク許容度は、一般的に次の要素で検討する。
- 年齢
- 年齢が低いとリスク許容度が高め
- 年収
- 年収が多いとリスク許容度が高め
- 保有資産
- 保有資産が多いとリスク許容度が高め
- 将来の必要な支出
- 将来支出が少ないとリスク許容度が高め
- 資産運用の経験
- 投資経験が豊富だとリスク許容度が高め
- 性格
- 積極的な性格ではリスク許容度が高め
リスク許容度に見合った資産運用をしないと、途中の運用がマイナスになった場合に、投資を継続できずに資産を売却してしまう可能性がある。
また、精神面や生活面にも影響が出るリスクもあるので、自分の許容度に見合う投資をすると良い。
長期・分散・積立投資の実行
資産運用を行う場合「長期投資」「分散投資」「積立投資」のポイントを踏まえながら実施すると良い。
- 長期投資
- 資産を長く保有する
- 分散投資
- 異なる値動きをする資産を保有する
- 積立投資
- 一括投資ではなく分割して投資する
長期投資は、資産運用の効果を高めてくれるメリットがある。
一般的に、株式や投資信託への投資は複利で運用をするため、運用成果がプラスであれば投資期間が長くなるほどリターンは大きくなりやすい。
分散投資は、異なる値動きをする資産を組み合わせて投資をすることでリターンとリスクのブレを小さくする方法である。
株式や債券だけでなく、リートなども組み合わせながらリスクコントロールすると良い。
一般的に、株式の割合が増えるとリスクとリターンが高くなりやすい。
積立投資は、一括投資と比較して購入単価が平準化されるので、安定的な運用効果が期待できる。
一定のタイミングで同じ金額で購入し続ける「ドルコスト平均法」が、代表的な積立投資の方法である。
定期的な見直し・リバランスの実施
投資目標の変化や、市場の変動、運用成果に応じてポートフォリオを見直す必要がある。
当初は積極的にリスクを取りながら高いリターンを期待して資産運用をしていても、運用成果がマイナスになっている場合など、このまま継続していくべきか検討するべきだ。
薬剤師におすすめの資産運用プラン
薬剤師の人でもおすすめの資産運用プランを、以下のケースに分けて紹介する。
- 初心者向け
- 高いリターンを狙いたい人向け
- 忙しい人向け
それぞれのポイントについて確認していこう。
初心者向け「株式や債券を含んだ投資信託」
投資信託は、投資家から集めた資金をファンドマネジャーが運用し、その利益を投資家に還元する仕組みの金融商品だ。
運用する資産や運用方針もファンドマネジャーが決定し、リバランスなども行う。投資家は購入するファンドを決めるだけで運用を開始できる。
株式や債券など各資産クラスを組み入れる投資信託であれば、安定的な運用成果が期待できるので、初心者でも始めやすい。
また、投資信託は運用方針によって、インデックスファンドとアクティブファンドに分けられる。
- インデックスファンド
- 目標とする指標(ベンチマーク)に連動する運用を目指す
- アクティブファンド
- 目標とする指標(ベンチマーク)を上回る運用を目指す
インデックスファンドもアクティブファンドも、それぞれメリットデメリットがあるため、運用する本人の運用目的やリスク許容度に合わせた選択が必要だ。
アクティブファンドは分析や調査がより必要となるため、信託報酬は高めに設定されている。
高いリターンを狙いたい人向け「オルタナティブ資産」
オルタナティブ資産は、株式や債券よりも流動性が低い分、高いリターンを狙いやすい資産である。
代表的なオルタナティブ資産としては、不動産投資(リート)、インフラストラクチャー、プライベート・エクイティ(未公開株)などが挙げられる。
ただし、上記の資産運用は専門的な知識も必要で、他の金融商品に比べてハイリスクでもある。
そのため、専門家に相談したうえで準備すると良いだろう。
忙しい人向け「ロボアドバイザー」
ロボアドバイザーは、AIを活用して投資を行う方法である。
資産の購入配分や、組み入れ割合などを自動的に提案してもらえる。
特に、投資一任型は商品の運用や、その後のリバランスなどもすべてロボアドバイザーが実施するので、忙しい人でも始めやすい。
ただし、手数料は割高なので、運用方法として取り入れるべきなのかは、しっかり確認してから始めよう。
薬剤師は資産運用の相談を誰にするべき?
資産運用で予算を設定する方法や、実際にどのような資産で投資をするかは、専門的な知識が必要になる。
特に知識が必要なのは、銘柄選びやベンチマークとする指標の考え方、コストの妥当性などである。
また、世帯や資産の状況によっても投資の予算や目標設定も異なるだろう。
そのため、薬剤師に限らず投資経験がない人には、自身で投資を始めるうえで分からないことが多い。
そこで、今回は資産運用の専門家であるIFAに相談するメリットについて解説する。
薬剤師が資産運用を専門家へ相談する重要性
投資目標や予算の設定など、薬剤師に限らず初心者はどのような方法で投資を始めると良いか判断がつかない。
特に、投資に回す余剰資金を出しやすい薬剤師は、リスクの高い商品に投資して積極的にリターンを狙えるので、より専門的なアドバイスを受けながら準備する必要がある。
そのため、目標とする運用成果を達成させるためには、資産運用に関する知識や経験が豊富な専門家であるIFAに相談すると良い。
IFAは独立系ファイナンシャルアドバイザーのことだ。
IFAの役割とメリット
IFAに相談すると、それぞれの状況に合った適切なポートフォリオや投資額をいくらにするべきか相談できるメリットがある。
予算設定だけでなく、自分に合う資産や具体的な投資手法についても、アドバイスが受けられる。
さらに、IFAは幅広い投資商品の中から自分に最適な金融商品を紹介してもらえる点もメリットだ。
ファンドの騰落率や、各種コストの面から、おすすめの金融商品を紹介してくれる点もメリットといえるだろう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の活用法
最適なIFAを見つけるためにも、IFA検索プラットフォームを経由して、自身の相談内容を得意分野としているアドバイザーを見つけると良いだろう。
「資産運用ナビ」は、投資が初めての人でも安心して利用できる無料のIFA検索プラットフォームなので、気軽に利用してみてほしい。
予算の設定や投資計画の策定だけでなく、おすすめの投資方法など、資産運用に関する総合的なアドバイスが受けられるだろう。
薬剤師は余剰資金で資産運用を始めよう
薬剤師は、年収や退職金など他の業種に比べて高くなる傾向にあった。
そのため、投資に回す余剰資金も出しやすい。
そのため、理想的なライフプランの実現に向けて、早くから準備できるメリットがある。
資産運用を成功させる方法は、薬剤師に限らず予算設定やリスク許容度を把握したうえで、「長期投資」「分散投資」「積立投資」を行うと良い。
とはいえ、あくまでも一例であり、どのような方法がマッチしているかは個人で異なる。
専門的な知識も必要なので、資産運用の専門家であるIFAに相談しながら最適な方法を見つけると良い。
IFAは、資産運用の専門家なので、疑問や不安があればアドバイスを受けられるだけでなく、中立的な立場から長期にわたってフォローしてもらえる点もメリットだ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用し、あなたに合ったIFAを見つけると良い。