SDGsは世界で推進されている貧困、健康、衛生、エネルギー、環境、平和など17種類の目標です。
これに対する取り組みは2015年9月に193カ国の国連に加盟している国々により実行されています。
現在、ロシアとウクライナの間で戦争が起こり、SDGsに関係する問題が個々の国内で解決する問題だけでなく、国境を超えた世界的なつながりの中で考えなければならない問題となっています。
例えば、ウクライナからの避難民の受け入れや、コロナパンデミックに対する失業問題、さらに戦争による食料不足の問題など、さまざまな問題が起こっています。
この記事では、国連の持続可能な開発サミット開催時と、ロシア、ウクライナ戦争が起きてからでは、世界のSDGsが今後、どのように変化していくのか、それによって経済はどのようになっていくのかについて、日本とアメリカのこれからの展望について解説します。
そもそも何故SDGsの考えが起きたのか
SDGsは、17項目の目標の達成を掲げています。その中でも、特に大きな問題が貧困や地球の環境保護などです。
この2つにフォーカスして説明します。
2030年までに貧困をなくすことが世界の取り組み
SDGsの最初に掲げられている「貧困をなくそう」という考えの背景には、ユニセフが抱えている下記の問題があります。
世界では、6人に1人(3億5600万人)の子どもたちが、「極度にまずしい」暮らしをしています。
※国際貧困ライン(1日1.9米ドル以下)の生活
を達成するために、1-1aのような解説策を提示しています。
※2021年2月現在
引用:日本ユニセフ協会ホームページ「子ども6人に1人が極度の貧困で暮らす ユニセフと世界銀行による分析」
このため、2030年までにSDGsは目標を達成するために、次のような目標と解説策を提示しています。
2030年までに、世界中で「極度に貧しい※」暮らしをしている人をなくす。
- 1日あたりに使えるお金が(食事、水、電気、住むところや着るもの、くすりなどすべて合わせて)1.25米ドル(約135円)未満で生活しなければならない状態
- 出典:SDGs CLUB「“地球上のあらゆる形の貧困をなくそう”」
開発途上国、特に最も開発が遅れている国で、「貧しさ」をなくすための計画や政策を実行していけるよう、いろいろな方法で資金をたくさん集める。
このようにSDGsの考えが起きた発端として、世界規模で発生してる貧困に関連する問題解決を達成する必要があるからです。
貧困には、アフリカのように飢餓や栄養不良の他に、衛生面や必要な飲料水を得るために、何キロも徒歩で移動しなければならなかったり、必要な医療や教育が十分に受けられないことなど、幅広い意味を持っています。
さらに、地球温暖化や自然災害、各種感染症などの発生は、地球規模で対応する必要があるからです。
SDGsの前進ミレニアム開発目標とは?
2000年のミレニアム開発目標には、発展途上国に対する課題に21ターゲット、8つのゴールが掲げられ、2015年までに成果をあげるように設定されていました。
- 極度の貧困と飢餓の撲滅
- 普遍的初等教育の達成
- 性別の平等の推進と女性の地位向上
- 乳幼児死亡率の削減
- 妊産婦の健康の改善
- HIV/エイズ、マラリアその他の疾病の蔓延防止
- 環境の持続可能性の確保
- 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
これらの問題は、主にアフリカや南アジアで起こり、2015年以降にも達成できない課題を抱えたまま、さらに強化された形で持続可能な開発目標(SDGs)へと引き継がれています。
ロシア・ウクライナの戦争をきっかけにSDGsはどのように変化するのか?
これまでの貧困、地球環境問題は、主にアフリカと南アジアに限定した問題でした。
しかし、ロシア、ウクライナの戦争が発生してから、貧困という意味合いは自然に原因を置いたものから、人的な被害によりもたらされる問題も追加されました。
その場合の貧困は、戦争の被害によりライフラインの破壊、不十分な食料や教育、住居や失業などが自動的に発生しています。
そして、今後はウクライナの農業が寸断されることにより、アフリカの飢餓が一層、深刻になることに対して警鐘を鳴らしています。
ウクライナからの避難民は、自分の住居や仕事を失い、生活が危険にさらされることになったことから、これまでとは全く違う意味での貧困となってしまいました。
そして、ウクライナ危機の問題は、SDGsの16番目の課題に該当します。
16「平和と公正をすべての人に」
現在、ヨーロッパ、アメリカ、日本を中心に、ウクライナからの避難民を受け入れ、平和で安全な生活を提供しています。
現在は、避難民を受け入れ就職を斡旋している活動を国や自治体、企業が対応し、一般による募金活動やクラウドファンディングなどを通じて、資金的なサポート活動を行っていますが、今後、非難生活が長期化すれば、投資家がウクライナ避難民の生活をサポ―トする企業支援のための投資などが見込まれるかもしれません。
また、ウクライナ危機はロシアから天然ガスや石油を輸入していたヨーロッパの国々にとっても、エネルギー問題に波紋を投げかけました。
今後は、水力や風力を活用したクリーンエネルギーの開発がさらに見込まれることでしょう。
アメリカと日本のSDGsの今後はどうなるのか
ウクライナ問題は、ヨーロッパ諸国だけではなく、日本とアメリカにも大きな影響を与えています。
戦争を機に、アメリカと日本のSDGsは今後、どうなっていくのでしょうか?
自然に対応してきたアメリカの取り組み
SDGsにおいて、アメリカの存在は欠かせません。
何故なら、アメリカ企業は気候変動に対して、以前から大きな危機感を持って対応をしてきたからです。
また、アメリカには世界を代表するグローバル企業が多数存在しています。
企業としての取り組みは、スターバックスなどの企業が環境に配慮した政策を行ったり、一般社会としての対策は、2020年にスーパーマーケットのレジ袋を有料化するなどの環境問題に取り組む運動からスタートしました。
さらに、原油・天然ガスなどの化石燃料燃料の生産量が大きく増加したことにより、再生可能エネルギーも増加しています。
これら、アメリカの再生可能エネルギーの割合は16.8%となっています。
これらの内訳については水力が中心となっており、以下の通りです。
- 水力 :6.3% (2021年6月時点)
- 風力 :9.2%
- バイオマス :1.3%
- 太陽エネルギー :2.8%
- 地熱発電所 :0.4%
水力以外では、風力が主力で2021年12月時点では9.2%となっています。
アメリカの風力発電は2030年までに20%にする計画になっています。
その他、アメリカにはロッキー山脈やアパラチア山脈などに挟まれた平原がいくつか存在するために、風力発電やサンベルト地帯とよばれる日照時間が長い地域では太陽エネルギーの開発も行われています。
エネルギー資源の8割を輸入に頼る日本の取り組み
日本は石油などの化石燃料は輸入に頼っていることから、今後は国内のクリーンエネルギーなどの増加を促進させ再生可能エネルギーを高めることが必須となります。
さらに、地球温暖化対策として排ガスゼロを2050年までに実現するための技術開発も目標にしています。
これから進む再生可能エネルギー
2015年の国連で開催された持続可能な開発サミット以降、193カ国で実施されているSDGsは、2022年ロシア、ウクライナの戦争により、これまでアフリカ、南アジアを中心に推進された取り組みがウクライナからの避難民対策が追加され、ヨーロッパ諸国に対して、早急な対策に取り組むことを余儀なくされました。
一方、全てを自国で対応できるアメリカでは、自然をエネルギーとして活用する対策が進んでおり、今後も水力、風力の再生可能エネルギーの割合は上昇が見込まれます。
また、日本においては国内の再生可能エネルギーに対する対策や排ガスに対する技術開発が必要なことから、今後の取り組みが望まれます。
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