- 退職金運用を証券会社に相談するか悩んでいる
- 証券会社の選び方が分からない
- 退職金運用を相談できる場所を知りたい
定年退職を迎える前に考えておきたいのが、退職金の運用先についてだ。
より効果的に運用するために、証券会社への相談を検討している人もいるだろう。
本記事では、退職金運用を証券会社へ相談するメリット・デメリットや、証券会社の選び方、他の相談先について解説していく。
そもそも退職金は運用すべき?
そもそも退職金は資産運用に回すべきなのだろうか。
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職金の平均額は下記の通りだ。
最終学歴 | 退職金の平均額 |
---|---|
大学・大学院卒 (管理・事務・技術職) | 1,983万円 |
高校卒(管理・事務・技術職) | 1,618万円 |
高校卒(現業職) | 1,159万円 |
退職金の平均額は最終学歴によって異なるものの、それでも1,000万円以上のまとまった資金を手にする人が多い。
とはいえ、一気に退職金を使う予定がある人は少ないだろう。
大半は、「退職金を少しずつ切り崩しながら暮らす」という人が多いのではないだろうか。
退職金を資産運用に回すことは、お金の寿命を延ばす効果がある。
ここで、資産運用しながら切り崩した場合と、まったく運用せずに切り崩した場合のお金の寿命を比較してみよう。
2,000万円を毎月20万円ずつ切り崩した場合
利回り | お金の寿命 |
---|---|
0% | 8年4ヵ月 |
1% | 8年8ヵ月 |
3% | 9年6ヵ月 |
5% | 10年8ヵ月 |
まったく資産運用しない場合は8年4ヵ月で資産が尽きてしまうが、資産運用で利回りを得られるとその分お金の寿命を伸ばすことができる。
より退職金を有効に活用するためには、一部資産運用に回すことが重要といえる。
退職金をどこに預けるについて、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
退職金運用を証券会社に相談するメリット
退職金運用を証券会社へ相談するメリットとして、次の3点が挙げられる。
- 専門知識を持つ人から直接アドバイスを受けられる
- 退職金専用のプランがある
- 最新情報を提供してもらえる
それぞれくわしく解説していこう。
専門知識を持つ人から直接アドバイスを受けられる
退職金運用は、慎重にリスクをコントロールしながら取り組む必要がある。
退職金は老後の生活を支える大切な資金源であるためだ。
適切な運用に取り組むためには、意向に合った金融商品を選び、定期的に運用状況をチェックする必要がある。
しかし、「資産運用の経験が少なく、自分で運用する自信がない」という人も少なくない。
その点、証券会社の職員は金融商品や金融市場に深い知見を持っており、専門的なアドバイスを受けられる。
退職金運用についても投資意向を踏まえたうえで助言してくれるので、投資経験が少ない人でも安心して取り組むことが可能だ。
退職金専用のプランがある
証券会社などの金融機関では、退職金の運用を検討している人を対象に専用プランを用意している。
ここで、その一例を紹介しよう。
金融機関 | プラン内容 |
---|---|
大和証券 | 3ヶ月円定期の金利1.0% |
みずほ証券 | 株式等委託手数料50%割引 株式投資信託の初回の購入時手数料50%相当額キャッシュバック |
三菱UFJ信託銀行 | 4つのコースに応じて定期預金金利が0.9~7.0%適用 |
三井住友銀行 | 金融商品と同時申し込みで定期預金金利2.0% |
長引く低金利政策により通常の定期預金金利はほとんどゼロに近い状況だが、退職金専用のプランではキャンペーン金利として上乗せされるものが多い。
退職金の運用に取り組む際は、こうしたキャンペーンも有効活用することが大切だ。
最新情報を提供してもらえる
金融市場は刻一刻と変化しているため、退職金で資産運用を始めた後は、常に最新情報を収集しなければならない。
市況が変化した際は、素早く売買の判断を下す必要があるためだ。
しかし、「定年退職後もしばらくは再雇用で働く」といった場合は、なかなか情報収集に時間を割けないこともあるだろう。
その点、証券会社を利用していれば、担当者が定期的にアフターフォローを実施してくれる。
運用状況をこまめに報告してくれるので、適時必要な情報を確認できるメリットがある。
また、市況が大きく変化したときも担当者からすぐに連絡をくれるので、安心して資産運用に取り組むことが可能だ。
「どうやって情報収集すればいいか分からない」、「マーケットを注視する自信がない」という人は、証券会社に相談してみるとよいだろう。
退職金運用を証券会社に相談するデメリット
さまざまなメリットがある証券会社への相談だが、一方で次のようなデメリットも存在する。
- 定期的に担当者が変わる
- 担当者によって知識量が異なる
- 利益相反が起きる可能性がある
それぞれくわしく解説していこう。
定期的に担当者が変わる
証券会社などの金融機関では、およそ3年周期で担当者が転勤してしまう。
コンプライアンス上の仕組みではあるが、定期的に担当者が変わることに煩わしさを感じる人も少なくない。
「担当者によって言うことが違う」、「転勤のたびに担当者との信頼関係がリセットされてしまう」など不満の声があるのも事実だ。
もちろん転勤の際は新担当者へ引き継ぎが行われるものの、「前に話したことを再度話さなければならない」といったケースもあるだろう。
証券会社を選ぶときに担当者の印象によって決める例もあるが、その担当者は3年ほどで転勤してしまうため、ずっと担当してもらえるわけではないことをきちんと理解しておこう。
担当者によって知識量が異なる
前述の通り証券会社では定期的に担当者が変更するが、その中で担当者による知識量の差を感じることも少なくない。
証券会社には多くの職員が働いており、ベテランの担当者もいれば新人の担当者もいるなど、経験や知識量は人それぞれだ。
中には、「前の担当者の方が頼りがいがあった」ということもあるだろう。
「投資経験が少ないので、新人の担当者は避けてほしい」など要望を伝えることはできるものの、流動的に人が入れ替わる証券会社では、要望を100%受け入れてもらうことは難しいといえる。
時には、相性が合わない担当者や、入社から間もない担当者がつくこともあるかもしれない。
利益相反が起きる可能性がある
証券会社を利用するときに理解しておきたいのが、利益相反が起きる可能性についてだ。
証券会社では顧客の意向を優先した営業活動が行われているものの、営業ノルマや企業利益を追求する必要がある以上、完全に顧客目線に立つことは難しいといえる。
時に、手数料が高い商品や売出し中の商品を薦められないとも限らない。
そのため、証券会社へ相談する際は、薦められた商品をそのまま購入するのではなく、「本当に自分の投資意向に合っているか」、「コストは許容範囲内か」ということを自らチェックする必要がある。
退職金運用を相談する証券会社選び
退職金運用を相談する証券会社を選ぶときは、次の4点を比較したい。
- 退職者向けキャンペーンの内容
- 手数料
- 対面相談の可否
- 取扱商品
それぞれくわしく解説していこう。
退職者向けキャンペーンの内容
前述の通り、証券会社では退職者向けのキャンペーンを開催しているところがある。
キャンペーンでは手数料が優遇されたり、定期預金の金利が上乗せされたりなど、通常時と比べてお得な特典が多いため、ぜひ積極的に活用したい。
キャンペーン内容は証券会社によって異なるので、よく比較して利用先を検討するようにしよう。
手数料
証券会社選びでは、手数料も重要なポイントだ。
たとえば、投資信託の運用では購入手数料や信託報酬、信託財産留保額などの手数料が発生する。
しかし、中には「NISA口座での買付は手数料を優遇する」など独自の手数料規定を設けていることもあり、運用にかかるコストは証券会社によってさまざまだ。
手数料は運用成果に直結するポイントでもあるため、複数の証券会社を比較して慎重に検討したい。
ただし、証券会社でかかる手数料は「ただ安ければいい」というものでもない。
たとえば、ネット証券は対面証券に比べると手数料が安い傾向にあるが、「担当者に相談しながら運用先を決めたい」という人にとっては、手数料の安さよりも対面で相談できることの方が重要といえる。
手数料を比較するときは、単純なコストの比較だけでなく、自分のニーズとの一致についても考えるようにしよう。
対面相談の可否
投資経験が少ない人は、対面相談の可否もよく検討したい。
最近ではネット証券のユーザーが増加しており、オンライン上で自分で資産運用に取り組む人も少なくない。
しかし、退職金のようなまとまった資金での運用となると、「自分1人ですべて決める」ということに不安を覚える人もいるだろう。
より適切な退職金運用に取り組むためには、プロの意見を取り入れながら運用方法や金融商品を決めることが大切だ。
ネット証券のなかにも対面での相談に対応しているところもあるため、自分の投資経験などと照らし合わせたうえで証券会社を選ぶようにしよう。
取扱商品
国内外の株式や債券、投資信託などの取扱商品も証券会社によって異なるポイントだ。
たとえば投資信託ひとつを取っても、証券会社によって取扱銘柄数に差がある。
なるべく投資先の選択肢を広げるためには、より多くの商品を取り扱っている証券会社を選ぶことがおすすめだ。
また、国内株式への投資を検討している場合は、単元未満株の取り扱いの有無についてもチェックしておこう。
退職金運用の相談先は証券会社以外にもある?
退職金運用の相談は、証券会社以外にも次のようなところで行える。
- 銀行
- 保険会社
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- IFAを(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
それぞれ特徴を紹介していこう。
銀行
銀行も投資信託や債券、保険商品などの金融商品を取り扱っており、退職金運用の相談が行える。
銀行では、退職者向けに定期預金金利の上乗せキャンペーンを実施していることも多く、資産運用に回さない資金でも利回りを得られるメリットがある。
また、定年退職を迎えたことで、退職金で住宅ローンを繰り上げ返済するか悩んでいる人も多いだろう。
銀行では、資産運用だけでなく、住宅ローンについて相談できる利便性もある。
運用以外の使い道について総合的に相談できるため、資産運用と繰り上げ返済で悩んでいる人は銀行への相談がおすすめだ。
保険会社
保険会社も退職金運用の相談先のひとつだ。
保険というと月払いや年払いで保険料を支払うイメージがあるかもしれないが、中には一括で保険料を納めるタイプの商品もある。
貯蓄機能を備えているものもあるため、退職金の運用先として選ぶ人も少なくない。
また、保険会社に相談することで、すでに加入中の保険の見直しができるメリットもある。
現役時代と退職後では、保険のニーズが変化する可能性が高い。
たとえば、現役時代は住宅ローンや遺された家族の生活費への備えから、高い保険金を準備している人も多いだろう。
しかし、定年退職して住宅ローンを払い終わったり、子供が独立したりすれば、保険でそれほど高い保障を準備する必要がなくなる。
退職金運用の相談を保険会社にすると、こうした保険の見直しを同時に行うことが可能だ。
FP(ファイナンシャルプランナー)
FP(ファイナンシャルプランナー)は、主に家計の見直しやライフプランニング形成のサポートをしてくれる金融アドバイザーだ。
定年退職後は収支が大きく変化するため、改めて家計の見直しを行う必要がある。
また、介護や病気などのリスクに備えるために、60歳以降のライフプランニングについてもしっかりと考えておきたい。
FPはそうした悩みに金融のプロとしてアドバイスをくれる存在であるため、今後セカンドライフを送るにあたっての不安を解消できるメリットがある。
ただし、FPは具体的な運用商品の紹介はできない。「こういう運用が向いていますよ」というアドバイスをもらうことはできるものの、その後の金融商品の選定は自ら行う必要があるため注意が必要だ。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
IFAとは「Independent Financial Advisor」の略で、日本語では「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と訳される。日本ではまだ馴染みのない存在かもしれないが、金融先進国である欧米ではすでに広く認知された存在だ。
IFAが提供するサービスは、主に次のようなものが挙げられる。
- 金融商品の提案・販売
- 運用計画の立案
- ライフプランニング形成のサポート
- 家計の見直し
- 保険の見直し
- 相続対策 など
IFAは、これまで紹介してきた証券会社や保険会社、FPなどをまとめた金融アドバイザーだ。
金融商品の提案からライフプランニング形成のサポート、保険の見直しまで幅広いサービスを受けられるため、「お金のかかりつけ医」のようなイメージをすると分かりやすいだろう。
次章では、IFAへ相談するメリットについてさらにくわしく解説していく。
退職金運用をIFAへ相談するメリット
退職金をIFAへ相談するメリットとして、次の3点が挙げられる。
- 担当者が変わらない
- 顧客目線でアドバイスをもらえる
- お金のことをまとめて相談できる
それぞれくわしく解説していこう。
証券会社とは異なり、担当者が変わらない
IFAでは「生涯担当制」がとられており、会社都合の転勤によって担当者が変わることがない。
証券会社ではおよそ3年周期で担当者が変わるため、そのたびに信頼関係がリセットされてしまうデメリットがある。
大切な退職金運用を相談する先であるからこそ、コロコロと担当者が変わることに不安を感じる人も多いだろう。
一方、IFAは同じ人が担当し続けてくれるため、長期に渡って信頼関係を築くことが可能だ。
中には、「子供世帯の相談にも乗ってほしい」と2世代にわたって同じ担当者に相談する人もいるほどである。
これから過ごすセカンドライフにおいて、信頼できるIFAと共に資産の管理に取り組めるのは、相談者にとって大きなメリットといえる。
顧客目線でアドバイスをもらえる
IFAの大きな特徴は「特定の金融機関に所属していない」という点である。
IFAは「金融商品仲介業者」として業務を行っており、特定の証券会社や銀行などに所属しているわけではない。
そのため、相談者にとっては「金融のプロからフラットな立場からアドバイスをもらえる」というメリットがある。
もちろん金融機関の職員も顧客の意向を第一にしてくれるものの、企業利益や営業ノルマを追求する以上、完全に顧客の意向のみを優先することは難しい。
実際に売り出し中の商品のセールスに付き合わされたり、手数料の高い商品を薦められたりするケースもある。
その点、IFAは企業利益や営業ノルマを追求する必要がないため、真に顧客目線に立ったアドバイスをもらうことができる。
大切な退職金運用を相談するにあたって、中立的な立場の人に相談ができるのは安心できるポイントだ。
お金のことをまとめて相談できる
IFAは、お金のことをワンストップで相談できるのも大きなメリットである。
定年退職後は、主に次のようなお金の悩みや不安が生じる。
- 住宅ローンを繰り上げ返済するかどうか
- 保険の見直しを行いたい
- 収入減少による家計の変化が不安
- 介護や医療への備えはどれくらい必要か
- 子供にスムーズに相続したい など
通常は、「住宅ローンのことは銀行へ、保険の見直しは保険会社へ」など相談内容に応じて相談先を変えなければならない。
何件もハシゴしながら相談するとなると、手間に感じられることもあるだろう。
しかし、IFAは金融商品の紹介から家計の見直し、ライフプランニング形成のサポートまで幅広いアドバイスを受けられるため、お金に関する相談が1ヶ所で完結できるメリットがある。
今後さまざまなお金の悩みが生じるなかで、「お金のことなら◯◯さんに聞いてみよう」という存在ができるのは非常に心強いといえる。
退職金運用の相談で大切にしたいポイント
退職金で資産運用に取り組む際は、次の4つの点を大切にしたい。
- リスクを取りすぎない
- 一括投資にこだわらない
- 運用計画を明確にする
- プロに相談する
それぞれくわしく解説していこう。
リスクを取りすぎない
退職金の運用では、積極的にリターンを狙うことよりも「リスクを抑えつつ守りながら増やす」ということを重視したい。退職金は老後の生活を支える大切な資金源であるため、もしハイリスクな運用で損失を負ってしまうと、セカンドライフの暮らしぶりにも大きな影響を与えてしまうためだ。
特に、初めて資産運用に取り組む人は「早く資産を増やしたい」という気持ちが大きくなるかもしれないが、退職金での運用は慎重に取り組むことを意識するようにしよう。
一括投資にこだわらない
退職金運用では、一括投資にこだわらないことも大切だ。退職金のようにまとまった資金が手元にあると、「早く運用に回さなくては」と思うかもしれないが、一括投資は買付のタイミングによって損益が変わるため、市況をよく見極める必要がある。
なるべくリスクを分散して投資するためには、一度にまとめて投資するのではなく、複数回に分けて投資することもおすすめだ。
たとえば2,000万円を運用に回す場合、「500万円ずつ4回に分けて投資する」などタイミングを分散して買い付けることを検討してみよう。
運用計画を明確にする
退職金運用に取り組む際は何となく始めるのではなく、しっかりと運用計画を立てることが重要だ。
特に、次のような点は明確にしておきたい。
- どれくらいの期間運用するのか
- 退職金のうちいくら資産運用に回すのか
- 目指したい利回りはどれくらいか
- 直近で大きな支出の予定はないか
これらの運用計画が明確になっていなければ、リスクを取りすぎた運用になってしまったり、必要なお金まで運用に回してしまったりなど、資産運用を失敗する要因になりかねない。
適切な資産運用に取り組むためには、まず自分の投資意向や運用計画をきちんと明確にしておこう。
証券会社やIFAなどのプロに相談する
退職金運用に取り組むときは、金融のプロへ相談することも大切だ。
退職金は老後の暮らしを支える大切な資金源となるため、資産運用は慎重に行う必要がある。
自分の考えだけに従って資産運用を行うと、リスクが大きくなりすぎてしまったり、適切な金融商品を選べなかったりするなど、資産運用で失敗してしまう要因になりかねない。
より自分のライフプランや投資意向に合った資産運用に取り組むためには、金融のプロに相談してアドバイスを受けることを検討しよう。
退職金運用で活用できる金融商品
退職金運用に向いている金融商品として、主に次の4つが挙げられる。
- 投資信託
- 株式
- 債券
- 貯蓄型保険
それぞれ特徴を紹介していこう。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金をもとに運用のプロが株式や債券、REITなどに分散投資する金融商品である。
投資信託は、1つのファンドのなかに複数の銘柄を組み入れて運用するため、「どの銘柄に投資すればよいのか分からない」という人でも分散投資ができるメリットがある。
投資信託は、主に次のような種類に分けられる。
- 株式型ファンド
- 債券型ファンド
- REIT
- バランスファンド
退職金運用は大きなリスクは取れないことから、債券型ファンドやバランスファンドを中心に運用することがおすすめだ。
なるべくリスクを抑えながら、安定的に運用することを目指そう。
また、投資信託はNISAの対象となっていることも特徴だ。
2024年からの新NISAでは、1年につき最大360万円まで非課税で投資できるため、ぜひ退職金の運用に活用してみよう。
株式
株式投資は、企業が発行する株式に直接投資する方法だ。
中には配当金や株主優待を受け取れる銘柄もあり、収入が限られる老後の暮らしの新たな収入源となる可能性もある。
たとえば、公的年金は偶数月に入金されるが、配当銘柄を上手く組み合わせれば毎月収入が入るようにすることも可能だ。
しかし、万が一株式を発行する企業が経営破綻したときは投資した元本が戻ってこないこともあるため、先ほど紹介した投資信託と比べるとリスクが高くなる傾向にある。
退職金で株式投資に取り組む際は、投資配分に気をつけて、株式投資の割合が大きくならないように気をつけよう。
なお、株式についてもNISAの対象となっている。
2024年からの新NISAでは、「成長投資枠」にて買付が可能だ。
成長投資枠は1人あたり最大1,200万円まで非課税で投資ができるため、よくポートフォリオを検討しながら活用してみよう。
債券
債券とは、企業や国、地方自治体が発行するもので、あらかじめ満期や利率が決められていることが特徴だ。
通常は、満期が到来したときに元本が償還されるため、株式投資に比べてリスクが低い傾向にある。
たとえば、日本の個人向け国債には3年、5年、10年の3種類の満期があり、直近募集分の利回りは下記の通りだ。
2023年10月募集分
満期 | 金利タイプ | 表面利率 |
---|---|---|
3年 | 固定 | 0.09% |
5年 | 固定 | 0.33% |
10年 | 変動 | 0.51% |
日本では低金利政策が行われていることから、個人向け国債の利回りも決して高いとはいえないものの、投資信託や株式と違って元本保証が受けられるメリットがある。
退職金運用では、こうした低リスク商品を上手く組み合わせながら、資産を守る対策を行うことも重要だ。
貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、万が一の事態に備えながら貯蓄機能の役割も持つ保険商品のことだ。
貯蓄型保険では満期保険金や解約返戻金が受け取れるので、掛け捨て保険のように支払った保険料が無駄になることがない。
また、保険商品によっては、支払った保険料よりも満期保険金や解約返戻金が多くなるものがあり、貯蓄代わりに活用することも可能だ。
中でも定額タイプの保険は、契約時に「何年後にいくらになる」ということが確定するため、資産運用の計画が立てやすいメリットがある。
株式や投資信託と上手く使い分けながら、「手堅い運用方法」として活用してみるとよいだろう。
退職金運用は信頼できるところに相談しよう
老後の暮らしの大切な支えとなる退職金は、慎重に運用する必要がある。
そのため、1人で運用方針を決めるのではなく、金融のプロの意見を取り入れながら運用方法や金融商品を選ぶことがおすすめだ。
特に、IFAは顧客目線でのアドバイスをくれることから、安心して退職金運用の相談ができる。
退職金運用以外のことも相談できるため、ぜひセカンドライフの新たなパートナーとしてIFAを活用してみよう。
当サイト「資産運用ナビ」では、全国各地のIFAを紹介するマッチングサービスを提供している。
ぜひ気軽に相談してほしい。