- 新NISAで日本株投資を始める方法が知りたい
- 日本株選定の基準が知りたい
- 新NISAでの日本株運用の効果的なアプローチ法を理解したい
債券ETFは株式に比べてリスクが低い点や、定期的に分配金が受け取れる点から、分散投資先として人気の金融商品である。
新NISAで購入できるものもあるため、ぜひポートフォリオの一部に付け加えることを検討したい。
本記事では、債券ETFの概要や購入のメリット、新NISAで購入できる銘柄を紹介していく。
債券ETFの基本
まず、債券ETFの概要について学んでいこう。
債券ETFとは、国内外の公社債で構成される上場投資信託のことである。
上場投資信託とは証券取引所に上場している投資信託で、株式と同様に売買できることが特徴だ。
また、債券は通常満期が定められていることが一般的だが、ETFについては複数の債券を組み合わせて運用するため満期がない。
ひとくちに債券ETFといっても、「1つの国の国債だけに投資するもの」や「複数の国の国債に投資するもの」、「企業が発行する社債に投資するもの」など様々な種類がある。
銘柄によってリスクとリターンが異なるため、よく仕組みを理解しておくことが大切だ。
債券ETFは新NISAで購入できる?
2024年からスタートした新NISAでは、非課税枠が拡大されたことに加えて、非課税期間が無期限化された。
より活用の幅が広がったことから、資産形成にも積極的に活用したい。
ここからは、新NISAで債券ETFを購入する方法について解説していこう。
つみたて投資枠には対象ファンドがない
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税枠があり、それぞれ投資対象が異なる。
つみたて投資枠には「購入時の手数料がかからない」、「信託報酬が一定水準以下」といった基準が設けられており、その基準をクリアした投資信託・ETFのみが投資対象として認められる。
投資信託については約270本ほどのファンドが対象となっているが、ETFについては下記8本のみである。
- iシェアーズ・コア S&P 500 ETF
- iFreeETF JPX 日経400
- iFreeETF TOPIX(年1回決算型)
- iFreeETF 日経225(年1 回決算型)
- 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)
- 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
- 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
- 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)
(※2024年1月31日現在)
上記ラインナップを見ると、株式を投資対象としたETFのみとなっており、債券ETFは対象ファンドに含まれていないことが分かる。
今後、債券ETFが対象ファンドに選ばれる可能性はあるものの、現状ではつみたて投資枠を利用して債券ETFへ投資することはできない。
債券ETFは成長投資枠で購入可能
新NISAでは、成長投資枠を利用して債券ETFへ投資することができる。
債券ETFには国内ETFと海外ETFの2種類があるが、どちらも新NISAで買付が可能だ。
たとえば、東京証券取引所に上場する債券ETFは、日本取引所グループの公式サイトにて確認できる。
トップページから「株式・ETF・REIT等>ETF>銘柄一覧」へと進み、「債券」に絞ると債券ETFを一覧で確認することができる。
信託報酬も一覧で確認できるため、銘柄選定を行う際にぜひ役立ててみよう。
なお、成長投資枠で投資できるのは、生涯投資枠1,800万円のうち最大1,200万円までとなっている。
残りの600万円はつみたて投資枠で利用する必要があり、全額を成長投資枠で埋めることはできないため注意しよう。
なお、新NISAの投資対象についてはこちらの記事でもまとめたので、さらに詳しく知りたいという方はぜひ参考にしてほしい。
新NISAで購入できる債券ETF
新NISAで購入できる債券ETFには多くの種類があり、海外ETFも含めるとさらに選択肢が広がる。
そのため、「どの銘柄に投資したらいいか分からない」と悩むことも少なくない。
そこで、ここでは新NISAで購入できる債券ETFの一部を紹介していこう。
NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510)
名称 | NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510) |
---|---|
基準価額 | 93,169円 |
純資産総額 | 1,314.6億円 |
分配金利回り(直近1年) | 0.61% |
経費率 | 年0.077% |
NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信は、東京証券取引所に上場する債券ETFである。
「NOMURA-BPI総合」に連動することを目指すインデックスファンドで、日本国内の公社債を投資対象としている。
分配は毎年3月と9月の年2回で、直近1年の分配金利回りは0.61%となっている。
日本では低金利環境が続いていることから高い利回りを狙うことは難しいものの、為替リスクがなく、安定的な運用を目指している人に向いているファンドだ。
iシェアーズ 米国短期国債 ETF(SHV)
名称 | iシェアーズ 米国短期国債 ETF(SHV) |
---|---|
基準価額 | USD 110.13 |
純資産総額 | USD 17,922,842,452 |
分配金利回り(直近1年) | 5.16% |
経費率 | 0.16% |
iシェアーズ 米国短期国債 ETFは、ナスダック証券取引所に上場する債券ETFである。
1年未満の米国財務省証券で構成される指数をベンチマークとしており、残存期間が1年未満の米国国債で構成されていることが特徴だ。
毎月分配金が出されており、直近1年の分配金利回りは5.16%となっている。
比較的安定的な投資先で5%超の利回りが狙えるのは魅力的といえるだろう。
「米国の国債に投資したい」、「債券ETFで一定の利回りを狙いたい」という人は、本ファンドへの投資を検討してみよう。
iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF(EMB)
名称 | iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF(EMB) |
---|---|
基準価額 | USD 87.41 |
純資産総額 | USD 15,226,746,853 |
分配金利回り(直近1年) | 5.22% |
経費率 | 0.39% |
iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETFは、ナスダック証券取引所に上場する債券ETFである。
新興国が発行する米ドル建ての国債で構成される指数に連動しており、サウジアラビアやトルコ、ブラジル、メキシコ、フィリピンなどの国債が組み入れられている。
毎月分配金が出されており、直近1年の分配金利回りは5.22%となっている。
先ほど紹介した「iシェアーズ 米国短期国債 ETF」よりも若干利回りが高くなっているが、その分リスクが高い点には注意が必要だ。
「リスクを取りながらリターンを狙いたい」という人は、本ファンドへの投資を検討してみよう。
新NISAで債券ETFを購入するメリット
新NISAで債券ETFを購入するメリットとして、次の3点が挙げられる。
- リアルタイムで売買できる
- 分配金が非課税で受け取れる
- 分散投資ができる
それぞれ解説していこう。
リアルタイムで売買できる
ETFの仕組みは投資信託とほぼ変わらないが、大きく異なるのが「リアルタイムで売買できる」という点だ。
ETFは、「上場投資信託」という名前の通り証券取引所に上場しているので、株式と同様にそのときの価格で売買ができる。
通常の投資信託は「1日1価格」で、約定を終えるまで取引する価格が分からない。
基準価額の推移や金利の動向を見ながら、売買を楽しみたい人にとってはETFの方が便利だろう。
また、現物の債券の中には、満期を迎える前の換金に制限を付与しているものもある。
一定期間、資金が縛られてしまうため、投資を躊躇する理由になることも珍しくない。
その点、債券ETFは価格の動向を見ながらいつでも売買ができるので、自由度が高いことも大きな魅力だ。
分配金が非課税で受け取れる
新NISAで債券ETFを購入すると、分配金が非課税で受け取れることも魅力だ。
通常、ETFの分配金には20.315%の税金が課されるが、新NISAで購入すれば非課税で受け取ることができる。
たとえば、分配金利回りが3%の債券ETFに500万円投資したとしよう。
得られる年間の分配金は15万円となるが、課税口座の場合は約3万円の税金が差し引かれてしまう。
しかし、新NISAであれば非課税となるため、15万円をそのまま受け取ることができる。
約20%もの税負担を軽減できるのは、投資家にとって大きな魅力だ。
なお、海外ETFの分配金については、現地の税金が課される場合がある。
非課税となるのは日本国内で課される税金のみであるため注意しよう。
分散投資ができる
債券ETFに投資するメリットとして、分散投資できる点が挙げられる。
ETFは複数の債券で構成されており、1つのファンドを通じて多くの債券へ投資することができる。
たとえば、本記事で紹介した「iシェアーズ J.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券 ETF」は、600を超える新興国の債券に分散投資している。
現物投資の場合は、よほど資金力がないと600もの銘柄に投資するのは難しいだろう。
その点、ETFであれば少額投資でもしっかりと分散投資することが可能だ。
まずはETFを活用して少ない金額から投資を始め、慣れてから徐々に投資額や投資先を増やしていけば、堅実な資産形成が実現できるはずだ。
なお、新NISAで実践可能な代表的な投資手法についてまとめた記事もあるので、「どのような組み合わせが良いのか分からない」という方がいればぜひ参考にしてほしい。
新NISAで債券ETFに投資するなら誰に相談するべきか
新NISAの成長投資枠で購入できる債券ETFには、国内ETFや海外ETFなど多くの選択肢がある。
投資先の選択肢が多いことは投資家にとって嬉しいことだが、一方で銘柄選定に不安を感じている人もいるかもしれない。
債券ETFの銘柄選定に不安を感じている人は、金融のプロであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することがおすすめだ。
ここからは、IFAへ債券ETFの相談を行うメリットについて紹介していこう。
債券ETFへの投資はIFAへの相談がおすすめ
IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーの一種である。
IFAは特定の金融機関に所属していないことが特徴で、顧客の立場に寄り添ってアドバイスをしてくれるメリットがある。
投資の相談先には証券会社などもあるが、「手数料の高い商品をおすすめされるのでは」と気が引ける人もいるだろう。
もちろん金融機関もフィデューシャリーデューティーに則って営業活動を行っているが、企業の営業利益や営業ノルマを追求する必要がある以上、完全に顧客目線になることは難しいといえる。
その点、IFAは金融機関から切り離された立場であるため、顧客の投資意向に合った商品だけを提案してくれる安心感がある。
「プロの意見をフラットな立場で聞きたい」という人は、ぜひIFAへ相談してみよう。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用しよう
ひとくちにIFAといっても、所属するIFA法人によって得意とする分野や、抱える顧客層などが異なる。
自分に合ったIFAを見つけるためには、IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用がおすすめだ。
「資産運用ナビ」では、投資意向や資産の状況、投資の経験などを踏まえたうえで、相性の良いIFAを無料で紹介してくれる。
オンラインでの面談に対応しているIFAもいるので、ぜひ一度気軽に利用してみよう。
新NISAで債券ETFに投資しよう
株式に比べて低リスクで運用できる債券ETFは、新NISAの成長投資枠で購入することができる。
国内ETFに限らず海外ETFにも非課税で投資できるため、ポートフォリオの一部に加えることを検討したい。
また、より自分の投資意向に合った銘柄を見つけるには、投資のプロであるIFAへの相談がおすすめだ。
ぜひIFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、相性の良いIFAを探してみよう。