- 新NISA口座で短期売買を実践するための方法が知りたい
- 短期売買のリスクと新NISAにおけるデメリットをあらかじめ理解しておきたい
- 新NISA口座での効果的な運用戦略を理解した
2024年から始まった新NISA制度をきっかけに投資に対する興味が湧いている人も多いだろう。
「投資」と聞くとトレーダーが短期的に売買するイメージを持つ方も多いが、新NISAを使った短期売買はどのように実践すれば良いのだろうか。
本記事では、新NISA口座における短期売買の基本や注意点、効果的な新NISA活用法について解説を行う。
ぜひ本記事を参考にし、新NISAを活用して資産の成長を目指していこう。
新NISA口座での短期売買の基本
新NISA口座を活用して短期売買を行うのであれば、まずは短期売買の定義や適切な商品の種類、基本ルールを押さえておくことが大切だ。
ここでは新NISAにおける短期売買の基本を解説していく。
短期売買の定義と新NISA口座の利用
投資における短期売買とは、その名の通り短期間で金融商品を売買して利益を狙う投資手法のことだ。
価格の変動を利用して小さな利益を積み重ね、利益を確保していく戦略だ。
明確な投資期間の定義はなく、1日の間に取引を繰り返す手法や数週間で取引を行う手法などがある。
新NISAは利益に対する税金がかからない制度であるため、短期的な利益を積み重ねる短期売買においても課税されることなく効率良く利益を得られる。
非課税期間の無期限化や制度自体の恒久化など、旧NISAからの改正によってより柔軟な取引が可能となり、短期売買のチャンスも増えている。
短期売買による投資を検討している方のなかには、新NISA口座の利用を考えている方も多いだろう。
新NISA口座での短期売買に適した投資商品
新NISAでは、上場株式や投資信託、ETF(上場投資信託)といった投資商品を取引できる。
なかでも短期売買に適した商品は「上場株式」である。
上場株式は、投資信託やETFに比べると短期的な値動きが大きい傾向にある投資商品だ。
短期間で大きく価格が変動するケースが多いため、価格の差を狙った短期売買で利益を上げやすい仕組みとなっている。
投資信託やETFは比較的緩やかな値動きをするケースが多く、長期間でじっくりと利益を狙う手法に向いた投資商品だ。
新NISAで購入できる商品のなかで短期売買を検討するのであれば、上場株式の利用を選択することとなるだろう。
新NISAで短期売買するならルールを決めよう
短期売買を行う際に押さえておくべきなのが、売買のルールを設定するという点だ。
利益を確定させるタイミングや損切りをするボーダーラインを決めておき、ルールに則って売買していくことが重要となる。
ルールを決めずに取引を始めてしまうと、感情に左右されて売買のタイミングを逃す可能性が高くなる。
例えば、利益が出ているのに「まだ上がるはず」と考えて売り時を逃したり、損失が出ているときに「ここから上昇するかも」と考えてダメージが大きくなったりするケースだ。
あらかじめ売買ルールを決めておけば、感情に流されて売買のタイミングを逃す心配はない。
ルールを守ることを徹底し、機械的に売買を重ねていくことが大切だ。
短期売買の注意点と新NISA制度上のデメリット
新NISA口座を活用した短期売買の方法や適した投資商品、基本ルールを解説したが、短期売買にはリスクも存在している。
特に、新NISA制度を活用した短期売買には制限もかかるため、運用の際には注意が必要だ。
ここでは、短期売買のリスクや新NISA制度における短期売買の制限、税務上考慮すべき点について解説を行う。
短期売買のリスク
短期売買のリスク・注意点として以下のようなものが挙げられる。
- 取引手数料がかさむ
- 投資判断の手間がかかる
- 価格変動の影響を受けやすい
短期売買は、短い期間で取引を繰り返し行うため、取引手数料がかさんでしまうというデメリットがある。
手数料の分だけ得られるリターンがマイナスになってしまう点に注意が必要だ。
一部のネット証券では株式等の売買手数料が無料となっているケースもあるため、確認しておこう。
また、短期売買は価格の変動をチャートでチェックしたり、売買のタイミングが来たら注文を出したりなど投資に手間がかかるというデメリットもある。
特に、国内株式は平日の昼間に取引が行われるため、仕事に手が付かないというリスクにも注意が必要だ。
そして、短期売買は価格変動の影響を大きく受けるため、短期的に大きな損失を抱えるリスクもある。
ハイリスク・ハイリターンな取引であることを理解した上で取引を行うことが大切だ。
新NISA制度で実践する短期売買の制限
新NISA制度は年間の非課税枠が決められており、上場株式を取引できる「成長投資枠」の場合は240万円が年間の投資上限額となっている。
短期的な売買を繰り返す運用スタイルの場合、投資枠を使い切ってしまうリスクがある点を頭に入れておこう。
例えば30万円を元手に短期売買を行う場合、1年間に行える売買の回数は8回となる。
週に1回ほどの頻度で取引を行った場合、約2ヶ月で年間の投資枠を使い切ってしまうのだ。
そもそも新NISA制度は長期的な資産形成を支援するための制度であり、短期売買には向かない仕組みとなっている。
短期売買を行うこと自体は問題ではないが、すぐに上限に達して非課税の恩恵を受けられなくなるという制限があることを理解しておく必要があるだろう。
新NISAで短期売買をする際の税務上の考慮事項
新NISAにおける短期売買のデメリットとして「損益通算を行えない」という点も挙げられる。
損益通算とは、投資で得た利益と損失を相殺させる仕組みのことだ。
特定口座や一般口座といった課税口座で取引を行う場合、売買等で発生した損失はほかの利益から差し引くことで税務上の利益が減り、税金の負担も軽減できる。
短期売買を行う際は、損失を上手く利用して税負担を軽減しながら利益を積み上げていくスタイルとなる。
しかしNISA口座で発生した損失は税務上ないものとみなされるため、ほかの特定口座等で生じた利益などと損益通算することはできない。
短期売買で発生した損失を有効活用できず、単純に資産を減らしてしまうだけとなるのだ。
こうした点を踏まえると、新NISA口座では長期目線での運用を実践し、短期売買は課税口座で行う方が良い。
新NISA口座と課税口座の特性を上手く使い分け、効果的な運用を実践しよう。
短期売買は向かない?資産成長のための新NISAの効果的な活用法とは
新NISAでの運用に短期売買が向かないことが分かったが、それではどのような方法で活用していけば良いのだろうか。
ここでは、新NISAの特徴をおさらいした上で、効果的な活用のポイントを紹介していく。
新NISAの特徴
新NISAとは、年間一定額までの投資で得た利益が非課税となる制度だ。
従来までのNISA制度より柔軟な投資を行える制度として、2024年から新しく運用されている。
新NISAの特徴として以下の3点が挙げられる。
- 2つの非課税枠が設けられている
- 非課税期間が無期限となっている
- 商品の売却によって枠を再利用できる
新NISAには「成長投資枠」「つみたて投資枠」の2つの非課税枠が設けられている。
成長投資枠は上場株式や投資信託、ETF等を自由に取引でき、つみたて投資枠は一定の基準を満たした投資信託の積立のみを行える仕組みだ。
成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は年間120万円が上限となっており、2つの枠は併用できる。
総枠では1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)の非課税投資枠が与えられている。
また、非課税期間が無期限となっているため、口座内で商品を保有している限りは一切税金がかからない。
配当金を受け取り続けたり、長期間の運用によって価格が数倍〜数十倍になったりしても非課税となる点が特徴だ。
そして、1,800万円の非課税枠を使い切っても、商品を売却することで枠が復活して再利用できる。
ライフステージに合わせて柔軟な使い方を実践できる点が特徴だ。
ただし、年内の投資上限額に達している場合、商品を売却しても翌年までは再利用できないため注意しておこう。
こうした特徴を踏まえ、効果的な運用方法を模索していくことが重要だ。
短期売買ではなく長期目線での投資計画
新NISAでは短期売買は向いておらず、長期目線での投資計画をもとに運用していくことが大切だ。
非課税期間も無期限となっているため、長期での運用を前提に投資計画を立てよう。
運用期間を長く設定することによるメリットとして以下の2点が挙げられる。
- 複利効果で効率的に資産が増える
- 投資計画の軌道修正がしやすい
複利効果とは、投資で得た利益を元本に加えて再投資することで次第に元本が膨らんでいき、利益も増えていく仕組みのことだ。
時間をかけるほど雪だるま式に元本・利益が増えていくため、効率的に資産を増やせる。
なるべく運用期間を長く設定し、複利効果のメリットを活かそう。
また、運用期間を長めに設定しておくことでマーケットの環境変化や自身のライフステージの変化などに柔軟に対応できる。
当初想定した運用計画がそのまま上手く行くとは限らないため、あとから対応しやすいように余裕を持った投資計画を立てておこう。
分散投資の実践
資産運用を行う際、価格が変動するリスクを管理することも重要なポイントとなる。
価格変動のリスクを抑える有効な方法として「分散投資の実践」が挙げられる。
分散投資とは、複数の投資先に分けて投資を行う運用スタイルのことだ。
投資先を複数に分けることでリスクも分散され、万が一のダメージを小さく抑えられる。
例えば「Aという銘柄に100万円を集中投資するパターン」と「Aを含めた10種類の銘柄に10万円ずつ分散投資するパターン」はどちらも投資額は100万円となる。
しかし、仮にAの価格が暴落して半分となったとき、前者は50万円の損失となる一方で、後者は5万円の損失で済む。
さらに後者は、A以外の9種類の銘柄で利益が出ていた場合にAで発生した損失を相殺できる。
万が一のダメージを小さく抑え込むことができるのだ。
新NISAで長期的に安定したリターンを獲得するためには、分散投資の実践が欠かせない。
長期・分散投資でリスクを低減させながら、効率的に資産を成長させていこう。
なお、新NISAで実践可能な代表的な投資手法についてまとめた記事もあるので、「どのような組み合わせが良いのか分からない」という方がいればぜひ参考にしてほしい。
新NISAで短期売買をするか迷ったら誰に相談するべき?
新NISAの効果的な活用法を紹介してきたが、具体的な戦略については個々で異なる。
自分に合った最適な戦略を見つけ出したいのであれば、専門家の力を借りてアドバイスしてもらうと良いだろう。
ここでは、新NISAの活用における専門家の重要性やおすすめの相談先である「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」の特徴について解説を行う。
新NISAの活用における専門家の重要性
新NISAの活用において専門家に相談すべき理由として「ベストな運用プランに出会える」という点が挙げられる。
自分の状況にぴったりの提案をしてもらえるため、安心して資産運用を始められるだろう。
新NISAに限ったことではなく、資産運用を始める際には自身の運用目的や目標金額、資産・収入の状況、リスク許容度、投資経験といったさまざまな要素を総合的に判断して戦略を立てる必要がある。
しかし投資に慣れない初心者の方がすべてを考慮した戦略を立てることは容易ではない。
専門家に相談を行うことで、あなたの運用目的や資産状況等に適した最適な戦略を提案してもらえる。
カスタマイズされた運用戦略により、効率良く資産を成長させていくことが可能だ。
新NISAで運用を始めたいとお考えの方は、専門家によるアドバイスを利用して効果的な運用方法を見つけ出そう。
IFAの役割とメリット
資産運用の専門家のなかでも「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」が相談先としてもっともおすすめだ。
IFAとは、銀行や証券会社から独立した立場で顧客の資産運用をサポートする専門家のことを指す。
IFAに相談を行うメリットとして以下の2点が挙げられる。
- 資産運用についてトータルでサポートを受けられる
- 中立な目線での投資助言を提供してもらえる
IFAは、顧客の運用プランの立案や具体的な商品の提案・仲介を行い、継続的なフォローにも対応している。
資産運用におけるすべてを任せられる存在であるため、投資に慣れない初心者の方でも安心して資産運用を始められるだろう。
また、IFAは金融機関からは独立した立場となっているため、特定の商品を推奨されたり、手数料が高い商品を売られたりする心配もない。
中立な目線から本当に顧客に必要な商品を選び抜き、提案してくれる。
信頼できるアドバイザーにサポートしてもらいたいのであれば、IFAへの相談を検討してみよう。
「資産運用ナビ」の利用方法
IFAはまだ日本での定着度が高いと言える状況になく、相談できるアドバイザーを探すこと自体が容易ではない。
仮にアドバイザーを見つけられたとしても、本当に自分に合っているかどうかを見極めることも難しい。
IFAとの相談に至るまでのハードルが高いことが現状となっている。
しかしIFA検索サービス「資産運用ナビ」であれば、気軽にあなたにマッチするIFAを探し出せる。
「資産運用ナビ」とは、あなたの希望する条件を入力するだけで資産状況や運用目的、性格の相性が良いアドバイザーを自動で診断し、紹介するサービスだ。
紹介されたアドバイザーのプロフィールを事前に確認できるため、経歴や得意分野を事前に把握することができる。
プロフィールに納得いただければ、そのまま面談を申し込むことも可能だ。
もちろん全国47都道府県どこでも相談可能となっており、アドバイザーの紹介料・相談料も無料となっている。
気軽に自分と相性の良いアドバイザーを見つけ出せることが「資産運用ナビ」の強みだ。
「新NISAでの運用を始めたい」と考えている方は、ぜひこの機会に「資産運用ナビ」を利用して自分に合うアドバイザーを探してみてはいかがだろうか。
新NISAで短期売買をするなら慎重に
本記事では、新NISA口座での短期売買の方法や注意点などを解説してきた。
新NISAは制度の仕組み上、短期売買よりも中長期での資産成長を目指す戦略を実践する方がメリットが大きい。
本記事で紹介した長期・分散投資を実践し、効果的に新NISA制度を活用しよう。
また、新NISAにおける最適な戦略を見つけ出すためには専門家からアドバイスを受けることをおすすめする。
特に、IFAは中立な目線であなたにぴったりの投資助言を長期にわたって提供してくれる。
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