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年金の積立金は投資されている?GPIFの運用について解説

公的年金は、将来的な老後の生活に欠かせない大切な財源である。年金制度を将来にわたって持続可能なモデルにするために、積立金が運用されている。積立金は、どのように投資されているのだろうか。

今回は、年金の積立金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」について解説する。GPIFの投資から、個人が投資するうえでチェックすべきポイントも、あわせて確認しておこう。

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目次

年金を投資している運用機関「GPIF」とは?

GPIFは、積み立てられた年金保険料を管理する独立行政法人である。現在の公的年金は「賦課方式」を採用している。賦課方式とは、現役世代が支払う年金保険料を、現在受給対象となっている世代に充てる方法である。

賦課方式の場合、現役世代の人口が重要なポイントとなる。現役世代から支払われる保険料が財源となっているため、年金保険料を支払う人口が減少すると1人あたりの負担が大きくなる。総務省の調査では、令和3年10月1日時点の人口は1億2,278万人と、2021年から11年連続で減少が続いている。

年齢別で見ると、15歳未満の人口が約1478万人、15〜64歳では約7450万で、ともに前年を下回っている。一方で、65歳以上の人口は増加している。65歳以上の人口は約3621万人、75歳以上の人口も約1867万人で前年を上回った。

少子高齢社会が進んでいるため、賦課方式を採用し続けると現役世代の負担がさらに増すことにつながる。そこでGPIFは、現役世代が納めている年金保険料の一部を、将来世代の財源とするために投資に回している。

投資に回している内訳は「外国株式」「外国債券」「国内株式」「国内債券」の4つで、2001年度から運用を行っている。累積収益としては、2021年度までで収益額が105兆4288億円プラスとなった。収益率も3.69%プラスとなり、株式や債券への投資を実施した運用モデルとなった2001年度から資産額は増えている。

このように、将来世代の年金負担が大きくならないような対策を行いながら、公的年金制度を持続可能なモデルにするためにGPIFが機能している。

年金の投資方法から学ぶ初心者が意識するポイント

GPIFが行っている市場運用では、投資に関する知識のない初心者は参考にするべきポイントがある。GPIFから学べるポイントは「長期投資」と「分散投資」の2つだ。それぞれの投資手法について、確認していこう。

長期投資

長期投資とは、時間をかけて投資した資産を保有し続けることを意味する。資産を長期間保有すると、運用期間中のプラスとマイナスが補い合い、最終的に安定した運用成果につながるケースが期待できる。

保有資産を短期間で売買する方法は、長期投資と比べて成果が安定せず、損失につながるリスクがある。GPIFは投資した資産をすぐには手放さずに長期間にわたって運用しているため、安定的な運用成果を求めるなら「長期投資」を意識しておくと良い。

分散投資

「分散投資」は、特定の資産だけでなくジャンルや種類を分けて投資を行う方法である。国内や海外を問わず、資産価値は経済情勢や為替によって日々変動する。単一の種類しか運用していない場合、マイナスに触れた場合にリカバリーできない。

複数のジャンルや資産に分散していると、いずれかの資産がマイナスになっても、他の資産がプラスになっていれば補ってくれる。GPIFは「株式」と「債券」に分散投資している。一般的に、株式と債券の資産価値は反比例する。

株式市場の相場がプラスだと、債券市場は需要がなくなりマイナスになりやすい。反対に、株式市場がマイナスになると、債券価格は需要が高まりプラスとなる。このように反比例する資産を国内外で分散させて投資しておくことで、特定の資産がマイナスとなった場合に、他の資産でカバーできる。

GPIFに限らず「長期投資」と「分散投資」を、投資ルールの基本にしている公的機関は他にもある。一例としては、iDeCoや国民年金基金を管理している「国民年金基金連合会」である。資産運用に関する投資原則に「長期投資」と「分散投資」が明確にルール化されている。

以上から「長期投資」と「分散投資」に関しては、初心者が投資をする場合に意識しておくべきポイントといえるだろう。

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年金で生活するのはリスクが大きく投資の必要性は高まる

厚生労働省が発表した「簡易生命表」では、2021年の平均寿命は男性で81.47歳、女性が87.57歳と発表されている。生命保険文化センターの調査では、老後の最低日常生活費は夫婦2人で平均22.1万円が必要と発表している。

ゆとりある老後生活費となると、毎月36.1万円が毎月必要になる。一方で、厚生労働省が発表した「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2020年度の基礎年金と厚生年金を受給している人の年金額は約15万1,500円となっている。

老齢基礎年金の受給額は約5万6000円となっており、ともに最低の生活費を維持できる受給額となっていない。年金受給額は10年前と比較しても減少しているため、自分で資産を準備する必要性が高まっているといえる。

退職金や貯蓄など、まとまった資金がある場合は、効率的な資産運用が必要なので、投資の専門家でもあるIFAに相談すると良い。

まとめ

年金の積立金を投資している運用期間GPIFと、投資をする上で意識するべきポイントについて解説した。GPIFは、将来の年金負担が大きくならないように積立金の運用を行っている独立行政法人である。

GPIFが投資を行う際にポイントにしている点は「長期投資」と「分散投資」の2つで、個人で投資をする場合も大切な考え方だ。長期投資は、資産を長い間保有することで、安定した成果を得る目的がある。

分散投資は、特定の資産がマイナスになっても、他の資産でマイナスを補えるように複数の資産に分けて運用している。老後の最低限の生活をおくる上で必要な資金に対して、受給者の年金額は減少し続けている。

老後の生活に困らないようにするためにも、どのように自分の資産を投資に回すと良いか、「わたしのIFA」に相談をしてはいかがだろうか。プロの視点から資産運用の疑問を解決し、納得した上で資産運用を行おう。

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参考文献

※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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