【30万円で資産運用】 運用先3選と少額投資のポイント3つ

資産運用と聞くと、1,000万円程度のまとまった金額が必要になると考える人が少なくない。「始めてみたいけれど、まとまった資金を投入する余裕や勇気がない」と思う人も多いだろう。

結論からいえば、30万円からでも資産運用は可能だ。しかし選択肢が絞られるので、いくつか銘柄を絞って投資することになる。高額運用に抵抗がある方に向け、今回は30万円から始められる運用方法について紹介していく。

少額運用の注意点も解説しているので、資産運用初心者の方は最後までぜひご覧いただきたい。

30万円から資産運用は可能？

30万円で資産運用は可能だ。

ただし選択肢が限られる上に、利益も数千円程度と少なくなってしまう。そのため、同時に元手を増やす努力が必要になることを忘れないようにしよう。元手の目標としては、大体1,000万円を目指すと良い。

資産運用と一緒に使われる単語として資産を貯めていく「資産形成」があるが、これらの境目が1,000万円といわれているからだ。30万円はまだ資産形成の段階で、1,000万円を超えてから運用のフェーズへと移行していく。

同じ運用成績を出しても元手がある方がより資産増加スピードを加速させられる。貯金や節約、転職や昇進による収入アップも同時に行い資産を増やす努力を行おう。

また少額運用のメリットとして、得られる利益が少ない代わりに損失額も少なくなる。「投資はハードルが高い」と感じてしまう人でも、ローリスクローリターンの商品を選ぶことで運用経験を積める。まずは少額で運用を始めておいて、慣れてきたら元手を増やしてから本格的に運用を進めてみてはいかがだろうか。

少額投資できる資産運用3選

30万円など、少額投資できる運用方法を紹介していく。

投資信託

投資信託は手数料を払ってプロに運用してもらう金融商品だ。投資家は株式や債券など複数の金融商品で構成されている投資信託などを購入することになる。構成商品によって以下の2種類に分けられる。

株式投資信託は、その名の通り株式で構成された投資信託となる。投資信託の中では比較的リスクを取ってリターンを得たい方向けの商品だ。公社債投資信託は、構成銘柄に株式が入っていない投資信託のことだ。債券メインで構成されるため、なるべく資金を減らさない「守りの投資」をしたい方にぴったりの商品である。

どちらも数万円から始められ、中には100円単位で購入できるものもある。30万円を細かく投資したいという方も始めやすいという魅力がある。

メリット

数百円から投資できるので、参入障壁が低い。さらに投資信託はかなり幅広い商品が存在している。そのため自分に合った銘柄を選びやすいという魅力があるのだ。運用はプロにしてもらうため、自身の運用能力に自信がない方でも始めやすく初心者向けの金融商品といえる。

デメリット

投資信託は元本保証されておらず、購入タイミングよりも価格が下落して損をするリスクがある。さらにプロに運用を任せることで、その分手数料が発生してしまう。

取引コストを重視する場合は、以下のような工夫をしておくことをおすすめする。

株式投資

株式投資は、企業が発行する株式を購入する資産運用方法だ。日本株以外にも米国株、中国株など海外企業が発行する株式へ投資することができる。購入すれば毎年、株主優待や配当金がもらえるなど様々な恩恵が得られる。

投資と聞くと馴染みがない方でも、知っている企業の優待を得るために投資するという方法も取れるので初心者でも始めやすい。

メリット

基本的に株式は100株単位で購入するため、株価が1,000円でも10万円が必要になる。証券会社によっては、1株から購入できるので数千円程度で取引できる。ソフトバンクやゆうちょ銀行、東京電力などは1株1,000円程度なので、有名企業の株価も30万円あれば購入可能だ。知名度のある企業の株を購入できるので、投資のとっつきにくさを払拭しやすいのだ。

さらに企業が成長すれば、その分配当金がプラスされたり、株価自体が値上がりしたりするメリットもある。

デメリット

株式投資では平日に価格が変動する。そのため購入金額よりも価格が下がるリスクが存在し、値動きが気になってしまう人も少なくない。

さらに30万円で購入する場合、100株しか購入できない可能性が高い。投資信託なら複数の商品が合わさった銘柄に投資できるので30万円でも分散投資ができるが、株式投資で分散投資をしてリスクを抑える場合は選択肢が狭まる。株式投資で分散投資をするためには、日経平均株価など個別株を平均化した株価指数へ投資するしかない。

REIT

REIT（不動産投資信託）も少額投資できる金融商品だ。投資信託の投資対象が不動産バージョンと考えておけば良い。

購入者は直接不動産を保有できないものの、REITを運用する投資信託会社が実際に不動産を購入・管理・運用を行って、その利益を還元してくれる。

メリット

REITは不動産が対象となるため、通常の投資信託よりも利回りが高い商品が多い。さらに初期費用が数千万単位で必要となる不動産投資を、たった数百円から数万円で間接的に始められるというメリットもある。資金30万円でも不動産に投資できるのは、REITならではの魅力といえるだろう。

また不動産投資の場合、条件の良い不動産を複数保有できるのは富裕層に限られてしまう。しかし数万円から投資できるREITであれば、様々な銘柄に分散投資できるので複数不動産を保有している状態を間接的に実現できるのだ。

デメリット

通常の投資信託よりも金利の影響を受けやすく、価格自体も変動するというデメリットが存在する。また直接不動産を保有しているわけではないので、不動産投資における「家賃収入」など一定額のリターンが見込める不労所得の旨味は味わえない。

30万円で資産運用する注意点3つ

少額投資をするからといってリスクが完全にゼロになるわけではない。後述するポイントを念頭におきながら30万円を運用していただきたい。

大きく稼ごうとしない

30万円で投資できる金額は限られているので一気に稼ごうとすると、資金を減らすリスクが増大する。また購入できるのも多くとも3銘柄で投資先が限られてしまう。大きく稼がず、コツコツ稼ぐ意識を忘れないようにしよう。

もし「投資信託や株式投資、REITでも損をするのが怖い」という初心者の場合は、以下のようにハードルの低い運用から始めてみるのも手だ。

期間を意識して選ぶ

投資は入金額と運用年数でリターンに差が生じる。少額投資だからこそ、自分が運用できる期間を意識して選ばなければならない。

例えば20代〜30代は、60代までの長期投資前提で投資信託を選び、資産を増やしていくのが良い。40代からは徐々に老後資金の確実な確保に向けて動いていくために、債券などを含めた安定的な投資を行うのが望ましい。

守りの投資で確実性を優先するか、逆にリスクを許容して高利回りを狙うのか、など自分の投資方針と運用期間、リスク許容度を総合的に加味しつつ投資対象を選ぼう。

支出を抑えて元手を増やす

少額運用の間はリターンも少ないままだ。30万円を年5%で運用した場合、20年後には79万円までしか増えない。仮に投入金額を増やして500万円で運用できれば、20年後には1,326万円まで膨れ上がっていく。

さらに元手があれば、不動産投資や下落相場でも利益を目指すヘッジファンドなどへ投資できるようになる。なるべく投資資金の確保を優先して動くようにしよう。

資産運用＋元手アップを意識

30万円でも資産運用は始められる。月数百円からでも開始できるので、時間を味方につけつつ運用してみるのもおすすめだ。ただ30万円では、年8%など高リスクの投資をした場合でも2万4,000円しか利益を得られない。そのため収入を増やしたり節約で支出を減らしたりしつつ、同時進行で元手を増やすよう心がけておいていただきたい。

また、具体的にどのような資産運用を行ったら良いか悩んでいる人も多いだろう。そのような方は、資産運用アドバイザーに相談をしてはいかがだろうか。プロの視点から資産運用の疑問を解決し、納得した上で資産運用を行おう。

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