- 初心者におすすめの資産運用は株式と投資信託
- 資産運用のメリットは効率的に資産を増やせること
- おすすめの資産運用の方法は主に年代・運用額などで異なる
- 効率的な投資戦略を立てるなら「資産運用ナビ」でアドバイザーに相談がおすすめ
昨今、NISAやiDeCoなど資産運用に関する報道や広告を多く目にするようになった。
しかし、実際のところは「どうやって始めればいいのか分からない」「どの金融商品を選べばいいのか分からない」と頭を悩ませている方がほとんどではないだろうか。
そこでこの記事では、投資初心者や年代別・運用資産の金額別におすすめの運用法を解説していく。
また、初心者でも安心して運用を始めることができるよう、資産運用の基本知識や資産運用の始め方についても合わせて解説する。

証券アナリスト/代表取締役
アドバイザーナビ株式会社
監修者: 平 行秀
新卒で野村證券に入社し、富裕層1000人以上の資産運用コンサルを担当。2019年に弊社創業し、投資家とアドバイザーをつなぐマッチングプラットフォームを運営。公益社団法人 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。
初心者におすすめの資産運用5選

資産運用を行う際の代表的な方法には、以下のようなものがある。
運用方法 | 預貯金 | 外貨預金 | 投資信託 | 株式投資 | 債券投資 | 不動産投資 | REIT | 貯蓄型保険 | FX | 暗号資産 | 先物・オプション | コモディティ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
概要 | 銀行や信用金庫にお金を預け、金利を受け取る運用方法 | 外貨建で預貯金を行い、利息や為替差益を利益として受け取る方法 | 投資家から集めた資金をファンドマネージャーがまとめて運用し、運用益を還元する金融商品 | 企業が発行する株式を購入し、値上がり益や配当、株主優待などを受け取る投資方法 | 国や地方自治体、企業などが発行する債券を購入して、満期まで定期的に利息を受け取る投資方法 | マンションやアパートなどを購入して貸し出し、家賃収入や物件の値上がり益を狙う投資方法 | 投資家から集めた資金でオフィスビルやマンション、商業施設などに投資を行い、賃料収入や売買益を投資家に還元する金融商品 | 万が一に備える保障と将来に向けた貯蓄の両方の機能を持った保険商品 | 外貨に投資する外国為替証拠金取引で、証拠金として預けたお金の何倍もの取引が可能な取引方法 | ブロックチェーン上で発行されたデジタル通貨に投資 する方法 | 株価指数や商品などの値動きに着目した証拠金取引で、デリバティブ(派生商品)の一種 | 商品先物市場で取引されているエネルギーや貴金属、穀物などの商品 |
リスク・ リターン | 低 | 低〜中 | 低〜高 | 中〜高 | 低 | 中〜高 | 中〜高 | 低〜中 | 中〜高 | 高 | 高 | 中〜高 |
最低投資金額の目安 | 1円〜 | 1円〜 | 数百円〜 | 数百円〜 | 数十万円〜 | 数百万円〜 | 数万円〜 | 毎月数千円〜 | 数千円〜 | 数百円〜 | 数万円〜 | 数万円〜 |
このように、資産運用の種類は非常にさまざまだ。
この中で特に初心者におすすめの運用方法は、「投資信託」「株式投資」「債券投資」「ETF(上場投資信託)」「REIT(不動産投資信託)」の5種類だ。
以下で、この5つの運用方法の特徴やメリット・デメリット、どのような人におすすめかなどを解説していく。
投資信託
投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散投資し、その成果を投資家に還元する仕組みの商品だ。
投資信託には次のようなメリット・デメリットがある。
メリット | デメリット |
---|---|
少額から投資可能 自動的に分散投資できる プロに運用を任せられる | 短期間で大きな利益は出にくい 元本保証はない |
投資信託は、さまざまな資産に手軽に投資できるうえ、自分で運用する手間も省けるため、初心者や運用に多くの時間を割けない人に特におすすめだ。
中でもインデックスファンドは、市場の平均的な値動きに連動するよう設計されており、低コストで長期的な資産形成に適しているため、初心者から上級者まで幅広く活用されている。

投資信託はプロに任せて手軽に分散投資できるため、初心者や忙しい人にも最適です。
積立投資にも向いているので、長期的な資産形成を目指す人におすすめです。
債券投資
債券とは、国や企業が資金調達のために発行する有価証券のことだ。
投資家は債券を購入すると、定期的に利息を受け取ることができ、原則、満期日には元本が戻ってくる。
債券の利回りは預金金利より高い傾向があり、株式投資に比べてリスクが低いとされているため、安定した資産運用を目指す投資家に人気がある。
メリット | デメリット |
---|---|
安定した収益が得られる 株式とは異なる値動きでリスク分散になる 発行体が破綻した場合も、株主より優先して支払いを受けられる | 株式投資よりもリターンは低め 発行体が破綻すると、利息や元本が戻らない可能性がある 市場金利が上昇すると、保有中の債券価格が下落する |
債券には「国債」「地方債」「社債」などがある。
特に初心者におすすめなのは「個人向け国債」で、1万円から購入できるため手軽に始められる。



債券は安定的な運用に適しています。
特に少額から始められる個人向け国債は、投資初心者におすすめです。
長期保有することで、定期的な収益も得ることができ、安定した資産形成が期待できます。
株式投資
株式投資とは、企業が発行する株式を買い、その企業の成長による株価の値上がりや配当金から利益を得る投資方法だ。
株式投資はリスクが高い一方で、大きな利益を狙える可能性があるため、資産を大きく増やしたい人に向いている。
メリット | デメリット |
---|---|
値上がり益を期待できる 配当金や株主優待を得られる 国内外の幅広い銘柄に投資できる | 値動きが大きく損失のリスクがある 企業分析や情報収集に手間がかかる 企業が倒産すると投資元本が大きく減る |
初心者はまず、自分がどのくらいのリスクに耐えられるかを確認した上で、安定性が高く配当金を出す銘柄から投資を始めるとよい。



業績や財務が安定した大企業から始めるのがおすすめです。
また、配当金や株主優待がある株式を選ぶと、楽しんで投資を続けることができるでしょう。
身近で馴染みのある業界を選ぶと、企業分析がしやすいでしょう。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、株式のように証券取引所で自由に売買できる投資信託のことだ。
投資信託の分散効果と、株式の売買しやすさを兼ね備えているため、手軽に分散投資をしたい初心者に向いている。
メリット | デメリット |
---|---|
リアルタイムで売買できる 指数連動型が多く、運用状況がわかりやすい 手数料(信託報酬)が安いものが多い | 銘柄によっては初期投資額が大きくなる |
投資信託とETFは、どちらも複数の資産をまとめて投資できる点が共通しているが、以下の違いがある。
- 投資信託は1日1回決まる価格で売買するが、ETFはリアルタイムで売買可能
- 投資信託は分配金を自動再投資できるが、ETFは自分で再投資する必要がある
- 投資信託は金額単位で買えるものが多いが、ETFは株式と同じように「口数単位」で購入するため、初期費用が高くなることがある
初心者はETFの特徴を理解し、目的や資金に合った銘柄を選ぶことが大切だ。
REIT(不動産投資信託)
REIT(リート)は、不動産を主な投資対象とした投資信託の一種だ。
複数の投資家から集めた資金で、マンション、オフィスビル、商業施設などの不動産を購入し、その家賃収入や売却利益を投資家に分配する仕組みだ。
証券取引所に上場しているREITであれば、株式と同様にリアルタイムでの売買が可能である。
初心者が手軽に不動産投資を始めるには、ぴったりの商品だ。
メリット | デメリット |
---|---|
少額から不動産投資ができる 安定した分配金が期待できる 不動産管理の手間がかからない 上場REITなら株式のように売買が簡単 | 不動産市場や景気の影響を受けやすい 物件の価値が下がると配当も減る 金利が上がると価格が下落しやすい |



REITは、少額で手軽に複数の不動産に投資できます。
また、不動産管理の手間もかかりません。
安定収益を狙いたい初心者に適した投資方法です。
投資の基本知識|そもそも投資って何?


まずは、投資とはどのようなものかを確認していこう。
投資とは何か
投資とは、「将来的に資産を増やし、利益を得ることを目的に、資金をさまざまな対象へ投入する行為」のことだ。
投資対象には、株式や債券、不動産、コモディティなど多様な選択肢があり、それぞれ異なるリスクとリターンを持つ。



投資は知識と準備が大切です。リスクを正しく理解し、自分に合った投資スタイルを見つけることで、安心して資産形成に取り組めます。
投資で利益を得る仕組み
投資によって得られる利益には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類がある。
- キャピタルゲイン(値上がり益)
株式や債券、不動産などの価値が上昇した際、売却によって得られる差益のこと。例えば1株1,000円で買った株式が1,200円に値上がりした場合、その差額がキャピタルゲインにあたる。 - インカムゲイン(配当・利息・家賃収入など)
保有しているだけで定期的に受け取れる利益を指す。株式の配当金、債券の利子、不動産投資の家賃収入などが代表例だ。
投資におけるリスクとリターンの考え方
投資で大切なのは、「どのくらいのリスクを取って、どのくらいのリターン(利益)を期待するか」をバランスさせることだ。
値動きが大きい商品ほど大きな利益を狙えるが、同時に損失リスクも高くなる。
例えば貯金は、金融機関にお金を預けるため元本が保証され、リスクは非常に低い。しかし、資産が大きく増える可能性も低い。
一方、投資には元本保証がなく、市況が悪化すれば投資額を下回る恐れがあるが、投資先が成長すれば大きなリターンを得られる可能性がある。
リスクとリターンのバランスは人それぞれだ。
ライフステージや運用期間、精神的な許容度を踏まえ、どの程度のリスクを負い、その対価としてどれだけのリターンを求めるかを投資家自身が見極めることが重要だ。
資産運用はなぜ必要?いつから始めるべき?


そもそも資産運用はなぜ必要なのだろうか。
ここでは、資産運用をおすすめする理由や、どのタイミングで始めるべきか、などについて解説していく。
資産運用をおすすめする理由
日本では低金利が続いており、銀行にお金を預けていてもそれほどお金が増えていかない。
アベノミクスの時期から始まった大規模緩和政策は終わりを迎え、銀行の預金金利は昔に比べるとやや上昇したものの、資産を増やせるほど上昇はしていない。



銀行預金は元本保証という安心感がありますが、金利がインフレ率を下回る状況では、実質的にお金の価値が減少してしまいます。
つまり、預金だけでは資産が目減りするリスクがあるのです。『お金に働いてもらう』という視点を持つことが非常に重要です。
一方、私たちの身の回りのもののインフレや社会保障の拡大、少子高齢化に伴う現役世代の負担の増加は続いており、自分自身で資産を確保することの重要性は増している。
老後の年金支給や退職金なども減少が危ぶまれる中、自分で資産運用に取り組んで老後資金を確保することが大事なのだ。
資産運用はできるだけ早く始めるべき
資産運用を始める場合は、なるべく早い時期から始めた方が良い。
時間をかけてコツコツ運用を続けることで、利益が新たな利益を生み出す複利効果を活かせるためだ。
複利効果とは、運用から得られた利益を加えた再度元本に組み込んで投資を続けることで、投資元本がどんどん膨らんでいく効果のことだ。
複利効果は運用期間が長いほど効果が高まるため、若いうちから運用を始めることで時間を身につけて効果的に資産を増やせるだろう。



資産運用の鉄則は「早く始めるほど有利」という点です。
若いうちに少額からでも始めておけば、時間を味方にした“複利効果”が大きな力となり、将来に向けた資産形成がより効率的に進みます。
将来の安心のために、まずは第一歩を踏み出してみましょう。
以下は、それぞれの年齢で積立投資を始めて、年3%の利回りで運用を継続した場合、60歳時点で2,000万円貯めるために毎月どのくらいの金額を投資する必要があるかをまとめた表だ。
年齢 | 20歳 | 30歳 | 40歳 | 50歳 |
---|---|---|---|---|
運用期間 | 40年 | 30年 | 20年 | 10年 |
毎月の 積立金額 | 21,597円 | 34,321円 | 60,920円 | 143,122円 |
投資元本 | 1,037万円 | 1,236万円 | 1,462万円 | 1,717万円 |
運用収益 | 963万円 | 764万円 | 538万円 | 283万円 |
※出典:金融庁「つみたてシミュレーター」
表からもわかる通り、20歳で資産運用を始めた場合、毎月の積立金額は2万円強であったとしても、コツコツ40年間積み立てることで資産2,000万円を目指せる。
運用収益は投資元本とほぼ同額に成長していることから、時間を味方につけて投資を行うことの効果がわかるだろう。
資産運用のメリット・デメリット
資産運用を行うことのメリット・デメリットをまとめると下記の通りだ。
メリット | デメリット |
---|---|
将来に向けて資産を効率よく増やせる 不労所得を得られる 時間を味方につけて複利効果を活用できる 経済や金融に関する知識・経験を身につけられる | 投資商品によっては元本が保証されない 資産を増やすために時間がかかる 資産運用についての知識や情報が必要 |
資産運用を行うことで、時間を味方につけて効率よく資産を増やせるというメリットがある。
お金に働いてもらうことで、自分自身が働かなくとも資産が増えていくのは大きな魅力だ。
一方、資産運用を行う場合、投資商品によっては元本が保証されないことはデメリットとなるだろう。
また、資産は短期間で一気に増えるものではなく、時間をかけてコツコツと増やしていくものだ。
資産運用を自分一人で始める場合、ある程度の知識や情報を学ぶ必要があるのもデメリットになるかもしれない。
ただし、言い換えると資産運用を続けることで、お金に関する知識が自然に身につくとも言える。



資産運用では「リスク=悪」ではありません。
リスクの正しい理解と分散投資、長期保有といった基本を守ることで、安定的な資産形成が可能です。
さらに、投資を通じて経済や金融の仕組みを学ぶことで生活にも役立つ視点が得られます。
資産運用の初心者なら活用したいおすすめの2つの制度


資産運用の初心者は、NISAとiDeCoの2つの非課税制度を活用するのがおすすめだ。
それぞれメリット・デメリットが異なるため、どちらの方が自分に適しているかをよく比較して検討しよう。
ここでは、2つの制度の特徴や使い分けのポイント、併用する際の注意点などを解説する。



初心者にとって「非課税制度」は、資産運用を始めるうえで非常に心強い味方です。
NISAやiDeCoなどの制度を活用すれば、投資で得た利益に対して税金がかからず、効率的に資産を増やすことが可能です。
NISAの概要とメリット・デメリット
NISAは、投資によって得られた利益が非課税で受け取れる制度だ。
本来、投資から生まれた利益に対しては20.315%の税金がかかるため、NISA口座で運用するだけで税金分をそのまま手に入れられるというメリットがある。
NISA自体は2014年から始まった制度だが、2024年にこれまでのNISA制度が改正されて「新NISA」が始まった。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの非課税枠を利用できる。NISA制度およびそれぞれの非課税枠の概要は下記の通りだ。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳以上 | |
非課税期間 | 無期限 | |
運用商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託※1 | 上場株式・投資信託など※2 |
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有 限度額 | 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで) | |
買付方法 | 積立投資のみ | 積立投資・スポット投資 |
売却可能 時期 | いつでも可能 |
- 金融庁の基準を満たした投資信託に限定
- 整理・監理銘柄および信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外
2024年からの新NISAでは、非課税保有限度額が1,800万円まで、非課税保有期間が無期限となり、非課税で投資をできる金額および期間が大きく拡大した。
最大で1,800万円までの投資元本を設定できるため、老後に向けた資産形成にも使いやすいだろう。
ただし、投資枠によって購入できる金融商品や買付方法が異なる点に注意が必要だ。
また、NISAで運用できる商品は元本保証がされない金融商品なので、相場の状況や運用するタイミングによっては損失が生じることもある。
iDeCoの概要とメリット・デメリット
iDeCoは、個人型確定拠出年金とも呼ばれ、自分で掛金を拠出・運用する私的年金制度だ。
20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者が加入できて、職業によって拠出限度額が異なる。
iDeCoは将来への備えを着実に行えるだけでなく、下記の3つの税制優遇を利用できる点が特徴的だ。
- 掛金が全額所得控除の対象となる
- 利息・運用益が非課税で受け取れる
- 受け取り時も一定額まで税制優遇を受けられる
ただし、iDeCoは原則60歳まで資金を引き出せない点や、運用商品によっては元本割れのリスクもある点、運用期間中は手数料がかかる点などに注意する必要がある。
NISAとiDeCoの使い分けのポイント
資産運用に活用すべき制度としてNISAとiDeCoを紹介したが、それぞれ特徴や仕組みが異なるため、自分の投資目的やライフスタイルに合わせて使い分けることが重要だ。
NISAとiDeCoの2つの制度について、それぞれ向いている人の特徴を下記にまとめた。
NISAが向いている人 | iDeCoが向いている人 |
---|---|
ある程度資金をまとめて投資したい人 幅広い金融商品の中から投資先を選びたい人 老後資金以外の目的のために資産を運用したい人 | 元本確保型の商品で運用したい人 所得控除の恩恵を受けたい人 老後の年金・退職金不足に備えたい人 |
新NISAは、年間で最大360万円まで投資できることや幅広い金融商品の中から選択しやすいことが魅力的だ。
また、資金をいつでも売却できるため、緊急時のお金としても利用しやすいというメリットがある。
一方、iDeCoの場合は、掛金の拠出時に所得控除を受けられるため、現在の税負担を軽減できるという魅力がある。
元本確保型の商品も対象となるため、資産を安全に守っていきたいという人にも適しているだろう。
NISAとiDeCoの併用もおすすめ
NISAとiDeCoはどちらかしか利用できない制度ではないため、両者を併用するのも良いだろう。
資金の自由度の点から考えるとNISAの方が優れているため、どちらから始めるべきか迷っている方はまずNISAから挑戦して、余裕が出てきたらiDeCoも検討してみてはいかがだろうか。
iDeCoの所得控除を魅力に感じている方は、毎月少しずつiDeCoから始めてみた上で、所得控除で軽減できた税金分をNISAに回すという考え方もおすすめだ。
資産運用は組み合わせが大切!ポートフォリオを考えるべき理由


資産運用を行う際は、投資する資産の組み合わせに注意しよう。
資産の組み合わせのことを「ポートフォリオ」と呼ぶが、なぜポートフォリオを組むことが重要なのか解説していく。
資産運用におけるリスクとリターンの関係性
資産運用を始める際は「リスク」と「リターン」の両方を意識することが大事だ。
金融商品の値動きの幅を「リスク」、運用によって得られる収益を「リターン」と呼ぶ。
一般的に、価格変動の幅が大きいほど期待できる収益も大きくなる傾向がある。
つまり、大きなリターンを狙うと、その分リスクも大きくなるということだ。
資産運用においては、投資する資産によってリスク・リターンの度合いが大きく変わってくるため、投資する金融資産のリスク・リターンをしっかりと理解しておくことが重要となる。



リスクとリターンは一般的にトレードオフの関係にあり、リターンを追求すればするほどリスクも高まる傾向があります。
重要なのは、自分自身のリスク許容度やライフプランに応じて、安定的かつ継続的に運用を継続することです。
分散投資(ポートフォリオ運用)がなぜ重要か
老後に向けて大事な資産を運用するためには、なるべくリスクを抑えつつ、高いリターンを目指したい。
そのために有効な投資手法が、「分散投資(ポートフォリオ運用)」と呼ばれる投資方法だ。
分散投資とは、1つの投資先にまとめて投資するのではなく、値動きの異なる複数の投資先に分散して投資を行うことを指す。
複数の投資先に資産を分散させることで、リスクに対する耐性を強めつつ、投資効率を高める効果を得られるのだ。



卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言が示すように、分散投資は資産を守るための基本的かつ重要な戦略です。
複数の資産に分散して投資することで、リスクを抑えながら安定的な運用が可能になります。
分散投資の具体的な方法
分散投資には下記のようにいくつかの種類がある。
投資対象の分散 | 株と債券など違う種類の投資対象に分散 する投資方法 |
---|---|
銘柄の分散 | 異なる業界の銘柄など、値動きの異なる 銘柄を組み合わせる投資方法 |
地域の分散 | 国内と海外、先進国と新興国など、さまざまな国や地域に分散して投資する方法 |
時間の分散 | 積立投資など定期的に一定額を投資することで、突然の価格変動リスクを分散させる方法 |
投資初心者の場合は、複数の投資先が一つにまとまった投資信託などを活用することで、手軽に分散投資を始められる。
年代別のおすすめ資産運用プラン


おすすめの運用ポートフォリオは、年齢やライフスタイル、リスク許容度などによって変わってくる。
ここでは、年代別のおすすめ運用プランを具体的に解説していく。
どのように運用計画を立てれば良いかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてほしい。



運用プランを考える際には、現在の収入や今後想定されるライフイベントなども含めて総合的に検討しましょう。
これらの要素を踏まえ、自分がどのような将来を望んでいるのか、将来の目的を明確にすることが資産形成を成功に導く第一歩となります。
20代〜30代向け:リスクをとって積極的に資産の成長を狙う運用プラン
20代〜30代では、老後までにまだまだ時間があるため、時間を味方につけた長期投資が可能だ。
そのため、リスクをとって積極的にリターンを狙う成長型の運用プランが適しているだろう。
具体的なポートフォリオ例は下記の通りだ。


国内株式 | 25% |
---|---|
海外株式 | 40% |
国内債券 | 5% |
海外債券 | 10% |
国内REIT | 10% |
海外REIT | 10% |
株式の中でも中長期的に高い成長率が見込まれる先進国株式の投資比率を高めることで、長期的に資産を効果的に増やしていけるだろう。
株式の投資比率が高い分、リスク・リターンは高めなポートフォリオだが、長期的に運用を継続することで、安定的な運用成果が期待できる。
オールカントリー型のインデックスファンドなどを活用して、幅広い国や地域の株式にまんべんなく投資をするのもおすすめだ。
40代〜50代向け:安定性と成長性のバランスを取る運用プラン
40代〜50代では、老後の生活をイメージしやすい年代に差し掛かってくる。
資産を増やすことに加えて減らさないように守っていくことも重要となるため、20代〜30代に比べてリスクをやや下げたポートフォリオを組むのがおすすめだ。


国内株式 | 20% |
---|---|
海外株式 | 20% |
国内債券 | 20% |
海外債券 | 20% |
国内REIT | 10% |
海外REIT | 10% |
歳を重ねるにつれて、ポートフォリオのリスクを抑えるのが一般的な考え方なので、株式の比率を少し下げて債券比率を高めることを意識してみよう。
とはいえ、まだ老後に向けてじっくりと投資を行う余裕はあるため、さまざまな資産にバランスよく投資をすることで、資産を増やしていくことも重要だ。
万が一にも備えつつ、将来に向けて貯蓄も行いたいという方は、貯蓄型保険なども併せて検討すると良いだろう。
60代以降向け:リスクを抑えつつ資産の寿命を延ばす運用プラン
60代以降は、現役世代と違って安定的な収入が見込みにくい人が多いため、債券を中心とした運用でリスクを抑えつつ資産を守ることが重要だ。


国内株式 | 5% |
---|---|
海外株式 | 5% |
国内債券 | 60% |
海外債券 | 20% |
国内REIT | 5% |
海外REIT | 5% |
ただし、低金利環境下では、債券だけでは十分な収益を得にくいため、株式やREITなどもある程度投資しておくのが良いだろう。
初心者でも取り組める資産運用の重要ポイント


初心者が資産運用に挑戦する場合、押さえておきたいポイントがいくつかある。
特に、以下の4点はあらかじめ確認しておこう。
- 資産運用の目的を整理する
- 少額から無理のない範囲で始める
- 長期目線で運用する
- 定期的にポートフォリオの見直しと調整をする
資産運用の目的を整理する
まずは、「何のために資産運用をするか」という目的を整理することが大事だ。
投資の目的を決めることで、必要な目標額や運用期間、適した投資方法が逆算できる。
今後のライフイベントを具体的にイメージして、どのような場面でどのくらいお金がかかるか、老後の生活にどのくらいお金が必要か、退職金や年金はいくらもらえそうか、などをシミュレーションすることで、投資の目的が明らかになりやすいだろう。
資産運用の目的・目標が決まったら、そのために毎月いくら投資を行えばいいのか、どのくらいのリターンを狙うべきかを検討し、適した運用商品を探してみよう。



資産運用を始める際に最も大切なのは「目的の明確化」です。目的ごとに必要な金額や時期、リスクの取り方が大きく異なります。
だからこそ、まずは自分のライフプランに沿ったゴールを具体的に設定することが重要です。
少額から無理のない範囲で始める
投資に初めて挑戦する場合、生活に無理のない範囲の金額を見極めることが大事だ。
早く資産を増やしたいからと、毎月収入の大部分を投資に回してしまうと、突然の支出に耐えられずに資産を取り崩さなくてはいけなくなったり、趣味や自己啓発に回すお金が足りなくなったりしてしまう可能性がある。
また、まとまったお金を一括で投資すると、投資するタイミングが偏ることで価格変動リスクも高まってしまう。
ある程度お金に余裕がある場合でも、まずは少額から定期的に積立投資を始めてみることをおすすめする。
長期目線で運用する
資産運用を始めてすぐは、どうしても投資先の金融商品の値動きが気になって、日々の価格変動に一喜一憂してしまいやすい。
ただし、資産運用は数十年かけて長期的に行っていくものなので、短期的な価格変動に惑わされずにコツコツ投資を継続することが肝心だ。
長期的な目線で運用することで、価格変動リスクを抑えながら複利効果によって効率よく資産を増やしていけるだろう。
定期的にポートフォリオの見直しと調整をする
運用を始めた後も、定期的にポートフォリオの見直しや調整をすることが大事だ。
先述の通り、最適な運用ポートフォリオは年齢やライフスタイル、資産状況などによって変わってくる。
最適なポートフォリオのバランスを保つためにも、1年に1回は現在のポートフォリオで問題ないかチェックするようにしよう。
また、ポートフォリオの資産配分を最適な状況に定めたとしても、運用を続けるうちに金融商品の価格変動によって資産配分は変わってくる。
自分の理想とするポートフォリオから乖離してしまわないように、値上がりした資産を売却して値下がりした資産を買い増すといったポートフォリオのリバランスを行うことも重要だ。



資産配分は一度決めれば終わりではなく、継続的な見直しが重要です。市場環境の変化や経済状況、自身のライフステージの変化に応じて、ポートフォリオを柔軟に調整することが、資産形成の成功には欠かせません。
ポートフォリオの見直しやリバランスを定期的にするのが難しいという方は、資産運用の専門家に相談することもおすすめだ。
最適な運用ポートフォリオについてのアドバイスや、リバランスのフォローなどを相談できるため、初心者でも安心して運用を続けやすいだろう。
資産運用を始めるなら「資産運用ナビ」で専門家に相談しよう


これから資産運用を始める場合、資産運用の専門家に相談するのも一つの手だ。
ここでは、資産運用の専門家を活用すべき理由や、自分に適した相談先の選び方について解説していく。
資産運用の難しさとは
資産運用は、方法によってリスクやリターンが異なる。
どの運用方法が自分に適しているかを知るためには、さまざまな運用方法について学んだ上で、自分の運用ニーズと照らし合わせて比較することが大事だ。
とはいえ、資産運用方法の種類は幅広く、初心者が一から勉強するのはハードルが高いと感じられるかもしれない。
また、自分のライフスタイルや資産状況から最適な運用金額を算出することも、慣れていないとなかなか難しいだろう。
何となく資産運用を始めて成功する人も中にはいるが、将来に向けて着実に資産を形成していくためには、正しい知識や経験をもとに運用計画を立てることが大事なのだ。
資産運用を成功させるためには専門家への相談がおすすめ
投資や経済に関する知識・経験が少ないという方は、資産運用の専門家に相談しながら運用計画を立てることで、安心して資産運用に挑戦できる。
銀行や証券会社、FP、IFAといった運用のプロは、正しい知識や豊富な経験に基づく的確なアドバイスをしてくれるため、資産運用について不安なことや疑問点があったとしてもすぐに解決しやすい。
自分に合った相談先を選択することで、長期的に信頼関係を築きながら、運用資産の見直しや管理までサポートしてもらえるだろう。
将来に向けて資産運用を確実に行いたいという方は、資産運用の専門家に相談することを検討してみてはいかがだろうか。
「資産運用ナビ」のメリットと活用方法
資産運用について相談できる専門家にはいくつかの選択肢があるため、どこに相談したら良いか迷ってしまうという方も多いだろう。
そのような方は、自分にぴったりの相談先を検索できる「資産運用ナビ」を利用するのがおすすめだ。
「資産運用ナビ」は、年齢や金融資産、投資目的などを入力するだけで自分に適したアドバイザーが無料で検索できるマッチングサービスだ。
検索されたアドバイザーの経歴や得意分野、資格などは一覧でチェックできるため、複数のアドバイザーを比較して納得の上で相談を申し込める。
銀行や証券会社などでは自分で相談する担当者を選ぶことは基本的にできないが、「資産運用ナビ」を利用すれば、自分で相談する相手を選択できるというメリットを得られる。
相談料や利用料などは無料となっているため、ぜひこの機会に試してみてはいかがだろうか。
資産運用は少額からでも早く始めるのがおすすめ
資産運用を行うことで、将来に向けて効率よく資産を準備できる。
時間を味方につけて複利効果を最大限に活かすためには、少額からでもなるべく早く運用を始めるのがおすすめだ。
初心者におすすめな資産運用方法としては、投資信託・株式投資・債券投資・REITの4種類の運用方法を紹介した。
それぞれメリット・デメリットが異なるため、しっかりと比較した上で自分に合った運用方法を選ぶことが重要だ。
今回の記事では、年代別のおすすめ運用プランやポートフォリオ運用のコツ、資産運用を始める際の注意点などを詳しく解説した。
ただし、人によって求めるリターンや許容できるリスクの度合いは異なるため、自分の現状や将来の目標を理解した上で、最適な運用計画を立てることが重要だ。
運用計画の策定や銘柄の選定に不安がある場合は、資産運用の専門家に相談するのも一つの手だ。
専門家に相談しながら運用を進めることで、より効果的な運用が期待できるだろう。
自分に適した相談先がわからないという方は、「資産運用ナビ」を利用して、あなたにぴったりの相談先を診断してみよう。
年齢や金融資産、投資目的を入力するだけで、相性の良い相談先が自動的に検索される。
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運用は、スタートが早ければ早いほど「複利の力」を活かすことができます。
時間を味方につけることが、資産形成において最も強力な武器となるのです。一歩踏み出すことで、将来の選択肢が大きく広がります。