おまとめローンは年収以上の借入があっても、借入できる可能性がある。ただし通常のローンよりも審査が厳しいので、その点は注意が必要だ。
なぜなら、複数の借入がある人がおまとめローンを利用するからである。貸す金額も大きくなるため、金融機関側からすると貸し倒れのリスクが高くなる。
リスクを避けるために金融機関側は高い返済能力を求めるため、審査が厳しくなっているのだ。
そのため、年収以上の金額を借入したい場合には、金融機関から信用してもらうことが重要になる。
本記事では、年収以上の借入があってもおまとめローンを利用できるかという疑問について、審査通過のポイントと実情を踏まえて解説するのでぜひ参考にしてほしい。
おまとめローンで年収以上の借入があっても利用できるケース
金融機関は銀行と貸金業者に分類される。このうち貸金業者には総量規制が適用され、年収の3分の1までの借入しかできない。
銀行は総量規制の対象外のため、審査に通りさえすれば年収以上の借入も可能だ。しかし、条件次第では、貸金業者でも総量規制対象外の借入が可能になる。
その条件とは、顧客にとって一方的に有利になる契約であること・段階的に返済額が減っていくことの2つだ。
おまとめローンがこれらの条件に該当するため、年収以上の借入が可能になるかもしれないのだ。
ただ、おまとめローンで年収以上の借入を利用できる場合には、顧客の返済能力と信用情報が極めて重要になってくる。
冒頭でもお伝えしたが、おまとめローンは高額融資となる。なので、顧客の返済能力と信用情報を重視するのだ。
年収以上の借入は金融機関にとって、とてもリスクの高い契約になる。そのため顧客には高い返済能力と信用情報が求められるのだ。
これまでの借入で延滞や滞納の経験がない・借入先が少ない場合には、年収以上の借入も期待できるだろう。
ただし、他の金融機関との契約において遅延や滞納がある場合には、年収以上の借入はほぼ期待できない。
おまとめローンのおすすめについて詳しくは知りたい方はこちら。
おまとめローンで借りられる金額
おまとめローンで借りられる金額は、金融機関の融資最高金額の範囲内で設定された金額までだ。
しかし一般的に、おまとめローンの上限金額は、現在の複数社での借入総額と同額になることが多い。
おまとめローンは返済用のローンであり、金利を下げたり返済総額を減らす目的がある。
したがって、借入総額を超える借入や追加の借入はできないのだ。銀行のカードローンなら銀行が設定する金額までの借入ができる。
借入総額以上の借入が必要な場合や、追加で借入ができないと困るという人は銀行のカードローンを検討するといいだろう。
ただし、銀行は審査が厳しいとされているため、借入希望額が高すぎる場合は融資を受けられないことが多い。
あまりに無謀な要求をしても、通らない可能性が高いということは覚えておこう。
おまとめローンを年収以上の借金返済に利用するメリット
おまとめローンを年収以上の借金返済に利用するメリットは以下の通りだ。
- 返済の一本化
- 返済額を減らせる
- 総量規制の対象外になる
- 連帯保証人が不要
おまとめローンは返済を目的としたローンなので、返済が楽になるというメリットがある。
ここでは、おまとめローンがもたらすメリットについて、詳しく解説していこう。
返済先の一本化
複数社の借入を一つにまとめることで、返済スケジュールを立てやすくなる。
複数社での返済の場合必ずしも返済日が同じ日とは限らないため、返済日を間違え支払いを忘れることもあるだろう。
返済を忘れると遅延損害金が加算されるので、さらに借金が増えることになる。
借金を一本化することで返済スケジュールが把握しやすくなり、返済遅延や滞納などのトラブルを防ぐこともできるのだ。
返済額を減らせる
複数社での借入を一本にまとめることで、返済額を減らすこともできる。一般的にローンは借入額があがると金利が下がる傾向にあるため、借入額が多いほど利息が減る可能性が高い。
複数社に分けて借入を行うよりも、おまとめローンにまとめることでその恩恵が受けられるだろう。
返済時の利息が減ると必然的に返済総額も減る。しかし、注意しなければならないのが返済期間だ。
おまとめローンにまとめても返済期間が長いと、返済回数が増えることになる。
当然、払う利息も増えていく。金利を下げても返済回数が増えてしまえば結果として利息が増えるため、借換え前よりも返済総額が増えてしまう状況に陥りかねない。
返済総額を減らすためには利息がどの程度下がる必要があるのか、シミュレーションすることが大切である。
総量規制の対象外になる
消費者金融のおまとめローンは条件付きで総量規制の対象外になる。条件は、その借入が「例外貸付」に該当する借換えであることだ。
以下のような条件に当てはまるかどうか、確認する必要がある。
- 銀行・親族・知人などからの借入債務は対象外
- 借換えた後の金利が、借換え前の金利より低い場合
- 1ヶ月の負担額が借換え前の負担額を上回らないこと
おまとめローンへの申込をする前に、自分の状況について整理しておこう。
連帯保証人が不要
おまとめローンは担保や連帯保証人を必要としない金融機関が多い。連帯保証人になるということは、それ相応のリスクが伴う。
万が一、保証人になった相手が支払いできなかった場合、自分が払わないといけなくなる可能性もある。
そのため、連帯保証人になってくれる人はなかなかいない。とくに年収以上の借金がある場合、連帯保証人を探すのは難しいといえる。
ただし、担保や連帯保証人がいらないかわりに金融機関の定める保証会社からの保証を受けられることが条件になっている場合もあるだろう。
おまとめローンのデメリットについて詳しく知りたい方はこちら。
おまとめローンの審査が通る年収はいくら?
おまとめローンの申込に、年収200万円以上の条件をつけている金融機関が多い。
そのため、年収が最低200万円以上でないと審査に通る可能性が低いと考えられる。
おまとめローンは総量規制の対象外なので、年収の3分の1以上の借入が可能だ。
しかし年収の3分の1以上の借入は、年収よりも信用情報によって左右される。
年収が高くても自転車操業をしている可能性が高いか、他社での延滞がある場合は金融機関からの信用が低くなる。
反対に年収が低くても信用情報に傷がなければ、金融機関からの信用は上がるだろう。
審査における年収はあくまでも融資額の目安であり、審査を通過するためには信用情報が重要だ。
おまとめローン審査に重要な4つの情報
おまとめローンの審査で重要になるのは以下4つの情報だ。
- 信用情報
- 安定した収入
- 勤務先
- 勤続年数
金融機関は貸し倒れを防ぐために、顧客に対し高い返済能力を求める。そのため過去の借入・返済履歴や、現在の借入残高が重要となる。
では、なぜ重要なのかを説明していこう。
信用情報
信用情報は年収や過去の借入・返済記録・勤務先の属性等、借入をするにあたって金融機関が重要視する点が登録されている。
信用情報で特に重視されるのが過去の借入・返済記録で、延滞や滞納があるとローンの審査に影響するだろう。
国が指定する信用情報機関に信用情報は登録されており、消費者金融や銀行などはこの信用情報機関に照会して申込者の信用情報を調べている。
延滞・滞納などがあった場合、「異動」と記録される。いわゆるブラックリストに載っている状態だ。
異動の記録はずっと残るわけではなく、一定の期間が経つと削除される。
過去に延滞・滞納をしたことがあっても、一定の年数が経っていれば信用情報が回復しているかもしれない。
信用情報は信用情報機関に開示請求することで確認できる。
心配な方はおまとめローンの申込をする前に、信用情報機関に開示請求をしておこう。
安定した収入
借入を返していくためには、毎月の安定した収入がないと返済が難しい。そのため、金融機関は顧客に対し安定した収入を求める。
会社員の場合は毎月の安定収入が見込めるため、比較的ローンに通りやすい傾向だ。無職・専業主婦の場合は自身に安定した収入がないため、ローンの審査には通りにくい。
勤務先
勤務先が大手企業・上場企業の場合、金融機関からの審査に通りやすいだろう。大手企業に勤めているだけで、社会的信頼が得られるからだ。
中小企業に勤めている場合は、会社が倒産する可能性が大企業よりも高いため社会的信頼が低い。
金融機関は毎月の安定収入を求めているため、会社が倒産し収入がなくなった場合も予測している。
万が一顧客の会社が倒産した場合、金融機関での借入が貸し倒れされるリスクが高い。
そのため、金融機関は顧客の勤務先を重要視しているのだ。
勤続年数
勤務年数が少ないと審査に不利に働く。大手企業や上場企業へ勤めていたとしても勤続年数が低い場合、すぐに退職してしまう可能性が考えられる。
そのため、金融機関は勤続年数が低い人に対する借入に慎重になる。勤続年数が長いほど社会的信頼が高くなり、ローンの審査にも通りやすい。
おまとめローンの審査を通過するためのポイント
おまとめローンの審査を通過しやすくするためには、以下の4つのポイントを押さえておこう。
- 収入における返済比率
- 借入件数の削減
- 虚偽申告はNG
- 在籍確認による信用度アップ
金融機関から信用を勝ち取ることは、どのローンを借入する場合においても一番重要なことである。
そのため、金融機関からの信用を失うことはしてはいけない。
収入における返済比率
ローンを組む場合には一般的に全ての借入を含めて、手取りの20〜25%が理想といわれている。
20〜25%を超えると、生活に余裕がなくなる可能性が高い。金融機関では他社借入の返済額を確認されることがある。
これは一般的な理想の返済比率を超えた場合に、貸し倒れの可能性を考慮しているからだ。
借入残高の月々の返済額が手取りの20〜25%を超えている場合は、返済比率を下げることで審査に通りやすくなる。
借入件数の削減
金融機関では、借入件数が確認される。複数社からの借入がある場合には、ローンが通りにくくなる傾向だ。
新たなローンを組みたい場合は、借入件数を減らすことが重要である。複数の金融機関へ借入がある場合、自転車操業と考えられてしまう可能性が高い。
そのため審査に通りにくくなるだろう。
虚偽申告はNG
ローンの申込情報に虚偽の申告は絶対にしてはいけない。明らかな虚偽申告を行った場合、その金融機関での借入は二度とできなくなるだろう。
記載ミスや記載漏れがある程度ならば影響は少ないが、勤務先や年収の明らかな虚偽は金融機関からの信用を失うリスクが高い。
複数社からの借入があると審査が通りにくいとお伝えしたが、借入先の件数をごまかすのもNGだ。
信用情報機関に記録されているので、ごまかしてもすぐにわかってしまう。
審査に通過するために必死になっていると思われると、審査に通るのがさらに厳しくなる可能性もあるだろう。
お金に困っていると判断され、返済能力がないと思われるからだ。
お金の使用目的の項目は借換えを選択
新たなローンを利用する際に、お金の使用目的を記入する際には『借換え』を選択することが重要だ。
借換えでの利用の場合、通常よりも大きい金額の融資が期待できる。また、使用目的をはっきりさせておくことで金融機関からの信用も得られる。
在籍確認による信用度アップ
勤務先への在籍確認が行われ、在籍確認が取れると金融機関からの信用度が上がる。在籍確認ができない場合は、融資額が下がる・ローンの審査に落ちる可能性が高い。
勤務先への在籍確認に失敗すると、金融機関は顧客の働いている場所が正しいか判断できない。そのため、顧客への信用度が低くなり、審査が通りにくくなる。
在籍確認がきちんとできるように、勤務先の営業時間を伝えておくといいだろう。
おまとめローンで年収以上の借入を借換する方法
おまとめローンで年収以上の借入を借換するためには、以下のポイントが重要になる。
- 最高融資額が年収を超えている
- 勤続年数が長い
- 借入先が少ない
- 申込情報に虚偽がない
最も重要なことは、契約ローンの最高融資額が年収を上回ることである。融資額が年収以下の場合、そもそも年収以上の借入が望めない。
申込時には借入先を、できる限り少なくしておくことが望ましい。複数社からの借入は金融機関からの印象が良くないため、融資額を下げられる可能性がある。
また、勤続年数も重要だ。勤続年数が長い方が安定した収入があると判断されやすいからだ。
さらに、勤務先が大企業や上場企業であれば、より借換条件はよくなるだろう。
おまとめローンを提供している消費者金融
消費者金融でおまとめローンを提供している会社は意外と少ない。以下の2社が該当する。
- アイフル
- プロミス
ここからは、具体的な商品について説明していく。
アイフル
アイフルの提供する「おまとめMAX」は、最高800万円まで融資可能なおまとめローンだ。
銀行ローンや、クレジットカードのショッピングリボもおまとめ対象になる。
また、24時間365日申込が可能で、最短即日に融資が可能である。
ただし銀行ローン・ショッピングリボをおまとめする場合は、追加書類が必要だ。
(実質年率) | 金利年3.0%~年17.5% |
---|---|
審査時間 | ー |
融資速度 | ー |
無利息期間 | ー |
借入限度額 | 1万~800万円 |
収入証明書 | 必要 |
WEB完結 | 可能 |
申込条件 | 満20歳以上の定期的な収入と返済能力を有する方で当社基準を満たす方 |
担保・保証人 | 不要 |
プロミス
プロミスの提供する「おまとめローン」は、最高融資額が300万円までとおまとめローンの中では少額だ。
おまとめ対象のローンは、消費者金融やクレジットカードのキャッシング等無担保ローンのみになる。
自動契約機で契約した場合、最短で即日融資が受けられる。
郵送の場合は契約書類を郵送後、プロミスで確認が取れてから利用可能になる。
(実質年率) | 金利年6.3%~年17.8% |
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審査時間 | ー |
融資速度 | ー |
無利息期間 | ー |
借入限度額 | 300万円 |
収入証明書 | 必要 |
WEB完結 | 不可 |
申込条件 | 年齢20歳以上、65歳以下のご本人に安定した収入のある方 ※主婦、学生の方でも、パート、アルバイトによる安定した収入がある場合お申込いただけます。 |
担保・保証人 | 不要 |
おまとめローンを提供している銀行
以下の3行がおまとめローンを提供している。
- SMBCモビット
- きらぼし銀行カードローン
- 住信SBIネット銀行カードローン
それぞれの特徴について説明していこう。
SMBCモビット
SMBCモビットの提供する「おまとめローン」は、融資最高金額が800万円までと高額融資が可能だ。
貸付方法は振込代行で、SMBCモビットが代わりに振り込む。
おまとめできるローンは消費者金融での借入・クレジットカードのキャッシングとなっている。
返済期間が長く、返済回数も160回まで選べるので余裕をもった返済ができる。
ただし、返済期間を長くするとその分、払う利息も増える点には注意しよう。
(実質年率) | 金利年3.0%~年18.0% |
---|---|
審査時間 | ー |
融資速度 | ー |
無利息期間 | ー |
借入限度額 | 800万円 |
収入証明書 | 必要 |
WEB完結 | 可能 |
申込条件 | 満年齢20才~65才の安定した収入のある方(当社基準を満たす方) アルバイト、パート、自営業の方も利用可能 |
担保・保証人 | 不要 |
きらぼし銀行カードローン
きらぼし銀行の提供するカードローンは、最高融資金額が1000万円までと高額になっている。
また、金利が他金融機関に比べ格段に低いため、少ない利息で借入ができる。
通常のおまとめローンとは異なり、1年更新の商品になっていて、返済期間が決まっていないのが特徴的だ。
そのため、おまとめローンではなく、カードローンをおまとめローンの代わりに使ってもいいだろう。
きらぼし銀行には、おまとめローンも存在しているので、紹介しよう。きらぼし銀行のおまとめローンは、申込から契約までWebで完結する。
最高融資金額は500万円で、返済期間は最長10年である。
バナー画像予定
金利(実質年率) | 年1.6%~年14.8% |
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審査時間 | 最短3~5営業日ほど ※申し込み内容、時間帯によっては時間がかかる場合がございます。 |
融資速度 | ー |
無利息期間 | ー |
借入限度額 | 10万円~1,000万円 |
収入証明書 | 希望借入可能上限額が50万円を超える場合必須 |
WEB完結 | 可能 |
申込条件 | 満20歳以上64歳までの定期的な収入がある方 ※上記の他、該当条件がございます。 |
担保・保証人 | 不要 |
住信SBIネット銀行カードローン
住信SBIネット銀行カードローンは、最高融資金額が1000万円まで最高金利が14.79%の商品だ。
また、他社よりも遅延損害金が低く設定されている。少額の借入の場合、他社金融機関よりも少ない利息で借りられる。
年齢・借入希望額・前年度年収・クレジットカードキャッシングの利用有無・他者カードローンの利用有無の5つの質問に答えるだけで、借入できる金額と金利の目安を確認できる。
申込をする前に、確認してみるといい。
バナー画像予定
金利(実質年率) | 年2.49%~年14.79% |
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審査時間 | 仮審査最短60分(仮審査承認後、本審査をすすめます) ※申し込み内容、時間帯によっては時間がかかる場合がございます。 |
融資速度 | ー |
無利息期間 | ー |
借入限度額 | 10万円~1,000万円 |
収入証明書 | 希望借入可能上限額が50万円を超える場合必須 |
WEB完結 | 一部可能 |
申込条件 | 満20歳以上69歳までの定期的な収入がある方 |
担保・保証人 | 不要 |
年収以上のおまとめローンを検討しているのなら
この記事では年収以上の借入を、おまとめローンでまとめる方法について解説してきた。
年収以上のおまとめローンを検討している人は、こちらの記事で紹介したポイントをぜひ参考にして欲しい。
おまとめローンを提供している金融機関は複数社あるので、自分にあった金融機関を探してみるといいだろう。