借り入れている金融機関が複数ある場合、返済日の管理が難しい、1社あたりの金利が高く利息の負担が大きいなどデメリットが大きい。
そんな人におすすめなのが、おまとめローンだ。おまとめローンにすれば管理が容易になるだけではなく、借入限度額が高く設定されるため、金利の引き下げも期待できる。
ただし、おまとめローンの審査は通常時に比べて厳しいケースが多く、誰でも通るわけではない。
審査通過率を上げるには、審査基準や落ちやすいケースを把握したうえで申し込む必要がある。
そこで本記事では、おまとめローンに通らない原因を詳しく解説し、審査基準や通過のコツ、落ちたときの対処法を説明する。
申し込み時のポイントも紹介するので、おまとめローンで借入を一本化したい人は、参考にしたうえで審査に臨んでほしい。
おまとめローンの審査は厳しい?緩い?
基本的に審査が甘い・緩いといえるおまとめローンの商品は、ないと思っておくと良い。
おまとめローンの申し込みにおいても、貸金業法や銀行法に則って厳正な審査が実施される。
貸金業法は、消費者金融などの貸金業者や貸金業者からの借入れについて定めている法律だ。
近年、返済しきれないほどの借金を抱えてしまう「多重債務者」の増加が、深刻な社会問題(「多重債務問題」)となったことから、これを解決するため、平成18年、従来の法律が抜本的に改正され、この貸金業法がつくられた。
この法律は、銀行の業務の公共性にかんがみ、信用を維持し、預金者等の保護を確保するとともに金融の円滑を図るため、銀行の業務の健全かつ適切な運営を期し、もつて国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
- 引用元:e-GOV「銀行法」
また、新規での申し込みに比べて、審査が厳しくなるケースが多い。
理由としては、おまとめローン申込者はすでに複数社で借入を行なっており、まとめることで自社への借入額が大きくなるからだ。
例えば、以下のような借入状況を考えてみる。
商品名 | 借入額 | 返済日 |
---|---|---|
A | 20万円 | 毎月1日 |
B | 20万円 | 毎月末日 |
C | 30万円 | 毎月26日 |
上記のような状況で商品Cの金融機関でおまとめローンに申し込むと、以下のようになる。
商品名 | 借入額 | 返済日 |
---|---|---|
C | 70万円 | 毎月26日 |
おまとめローンで借入額が大きくなるほどお金を貸した金融機関にとって、貸し倒れや滞納などのリスクが大きくなる。
そのため、申込者の返済能力や過去の信用情報に関する記録などを入念に確認するのだ。
なお審査が甘い・緩いといえるおまとめローンの商品はないが、審査通過率を複数社で比べると、審査に通りやすい商品を選べるだろう。
また「審査が甘い」「審査なし」「誰でも必ず通る」などと謳うおまとめローンは、違法業者である可能性が高い点に注意が必要だ。
基本的に借入に関する誇大広告は、貸金業法の第16条で禁止されている。誇大広告で集客している業者は、違法業者だと考えておいてほしい。
違法業者と契約すると、契約時に記載されていなかった高金利で請求されたり、個人情報を悪用されたりするリスクが出てくる。
申込者だけではなく、家族に迷惑をかけてしまう可能性もあるだろう。
どれだけ自分にとって魅力的な内容でも、誇大広告を謳う違法業者とは取引してはならない。
おまとめローンの審査基準
明確なおまとめローンの審査基準は公表されていないが、申し込み時の記入内容や提出書類から、属性情報と信用情報が重要視されていると分かる。
審査されるポイントを理解しておくと、審査通過率を上げるために役立つだろう。
ここでは、おまとめローンの審査基準として重要な属性情報と信用情報について、詳しく解説していく。
属性情報:申込者の個人的な特性や状況を示す情報
属性情報とは、申込者の個人的な特性や状況を示す情報で、例えば以下のような情報が挙げられる。
- 家族構成
- 配偶者の有無
- 住まいの状況(賃貸か持ち家か)
- 居住年数
- 住宅ローンか家賃の負担額
- 職業
- 勤務先
- 勤続年数
- 勤務先の企業規模
- 雇用形態(正社員・非正規社員・アルバイト・無職など)
- 年収
- 健康保険の種類
これらの属性情報をもとに、申込者に返済能力があるのか・信用できる人物かなどを総合的に評価する。
特に安定かつ継続的な収入を得ているかどうかは大事なポイントで、勤務先・勤続年数・雇用形態などから判断される。
また、総量規制※に則って基本的に年収の3分の1を超える場合は、貸付はできないとされている。
例えば、年収が600万円の場合は、年収の3分の1である200万円を超える借入はできないのだ。
ここでの借入額は、複数者で契約している場合は、すべての借入額を合わせて計算する。
そのため、年収600万円でA社から180万円を借り入れているなら、新しく契約するB社では20万円までしか借入できない。
年収の3分の1を超えていない場合でも、その他の属性情報を考慮したうえで年収に対する借入額の割合が大きいと判断されて、審査に落とされるケースもある。
ただし、まとめローンは「顧客の利益の保護に支障を生ずることがない貸付け」として、総量規制の「例外貸付」に分類され、総量規制の対象外だ。
総量規制は多重債務者や自己破産を防ぐために設けられたが、おまとめローンはむしろ返済負担を軽減し、多重債務状態からの脱却を助ける役割を果たすためだ。
さらに、稀なケースだが、勤続年数に関する条件を定めている商品もある。例えば、長野ろうきんが挙げられる。
単に年収額だけで判断しておらず、勤続年数による継続性も重要視していると考察できるだろう。
- 総量規制とは、借り過ぎや貸し過ぎを防ぐために設けられた新しい規制で、借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできないとの内容である。
- 参考:金融庁「総量規制に関する質問-総量規制とは何ですか?」
- 引用元:長野ろうきん-よくあるご質問「就職したばかりですが、カードローンの利用は可能ですか?」
信用情報:申込者の信用度を評価するための情報
信用情報とは、申込者の信用度を評価するために使用される重要なデータで、以下のようなものが挙げられる。
- ローンやクレジットの他社における新規申し込みや契約内容
- 借入件数
- 借入金額
- 借入残高
- 返済状況
- 返済遅延や債務整理など過去にトラブルを起こしていないか
これらの信用情報は、下記3つの信用情報機関で管理されている。
- JICC(株式会社日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
- CIC(株式会社シー・アイ・シー)
金融機関は申込者の信用度を判断するために、上記のような機関に登録されている信用情報を確認する。
特に過去に返済遅延や債務整理などのトラブルを起こしていないかどうかは、重要視されるポイントだ。
過去にトラブルを起こしていると、返済能力が低く、今後も同様にトラブルを引き起こす可能性があると判断されてしまう。
ローンやクレジットでは2ヶ月程度でも延滞を続けると、信用情報に登録される。内容によって多少は変動するが、基本的に約5年ほどは記録が残るとされている。
そのため、一度、返済遅延や債務整理などを引き起こすと、約5年間はローンの審査に通りづらくなると考えておいてほしい。
おまとめローンの審査は長い?審査の流れ
おまとめローンを利用する際、審査にかかる時間や実際の手続き手順なども気になるポイントだろう。
ここでは、おまとめローン審査の具体的な流れや必要書類などを詳しく解説していく。スムーズに契約を進めるために、しっかり把握しておいてほしい。
おまとめローン審査の流れ
一般的なおまとめローン審査の流れは、以下のとおりだ。
- 金融機関の公式サイトや電話・店頭でおまとめローンに申し込む
- 個人情報を記入する
- 本人確認書類などの必要書類を提出する
- 審査を受ける
- 審査に通ったら借入を行う
- 既存の他社借入を返済する
- 借入先を一本化する
まずは複数社を比較して、自分に最適なおまとめローンの商品を選定する。続いて、選んだ商品元の金融機関の公式サイトや電話・店頭でおまとめローンに申し込む。
新規で契約する場合と同様に個人情報を記入したり、本人確認書類や収入証明書などの書類を提出する。
その後、審査結果がメールや電話で通知されるのを待ち、審査に通ったら契約手続きに進む。
契約が完了したら借入を行い、既存の他社借入を全額返済していく。他社の返済が済んだら、借入先を一本化できる。
既存の他社借入を返済する方法としては、口座に振り込まれたお金で自ら返済する場合と、おまとめローンで契約した借入先が直接返済してくれる場合がある。
自身の口座に振り込まれたお金で自ら返済する場合は、返済後に以下のような書類の提出を求められるケースがほとんどだ。
- 領収書
- 解約証明書
これらの書類を提出することで、借入額を返済に充てたり、返済後に解約したりした事実を証明できる。
事前に既存の借入先へ書類の発行を依頼しておくと、スムーズに進みやすくなるだろう。
おまとめローンの審査時間は通常よりも長期化しやすい
おまとめローンの審査時間は、通常よりも長期化しやすい傾向にある。
基本的におまとめローンでは、複数ある借入先を一本化するため、借入額が大きくなりやすい。
そのため、過剰な貸付にならないか、貸し倒れのリスクはないかなど、申込者の属性情報や信用情報などを入念に確認する必要があるのだ。
また、おまとめローンは、通常のローンと違って即日借入が可能な商品は少ないと言える。
新規契約での審査や融資が即日で完了する商品でも、数日を要するケースが多いだろう。
審査に必要な書類
おまとめローンでは、本人確認書類と収入証明書の提出が必要だ。
本人確認書類として利用できるものは、以下のとおりである。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 健康保険証
- 在留カード
- 特別永住者証明書
基本的に運転免許証を所持している場合は、運転免許証を提出し、持っていない場合は他のものを提出すると良い。
本人確認書類は有効期限内であることが必須であるため、事前に確認しておくとスムーズに進められるだろう。
また、本人確認書類に記載されている住所が現住所と異なる場合や、本人確認書類として健康保険証を提出する場合は、住所確認書類を提出する必要がある。
住所確認書類として提出できるのは、以下のとおりだ。
- ガス代の領収書
- 電気代の領収書
- 水道使用料のお知らせ
- 固定電話代の領収書
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
上記のどれか一つを住所確認書類として利用する場合は、いずれも発行日から6カ月以内で現住所が記載されていなければならない。
また、収入証明書類として提出できるのは、以下のどれかだ。
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 住民税決定通知書/納税通知書
- 確定申告書
- 所得(課税)証明書
書類を提出するタイミングは、各商品によって申し込み時・審査後の契約時など、異なる場合がある。
事前に本人確認書類や収入証明書を用意しておくと、スムーズに手続きを進められるだろう。
おまとめローンの審査に通らない4つのケース
おまとめローンの審査に通らないケースとしては、主に以下の4つが挙げられる。
- 借入件数や借入額が多い
- 過去の借入/返済状況に問題がある
- 現在他社での借入を延滞している
- 安定した継続収入がない
新規申し込みと同様に、おまとめローンでも貸金業法第13条に基づいて審査は必ず実施される。
少しでも審査通過率を上げるために、審査で落ちやすいケースを把握しておこう。
借入件数や借入額が多い
おまとめローンの審査において、借入件数や借入額が多い場合は、審査に通りにくくなる傾向がある。
既存の借入先や他社からの借入額が多い場合は、返済できる見込みがないと判断される可能性がある。
特に年収における借入額(返済額)の割合がどれくらいかは、最も重要視されるポイントだ。
毎月の収入よりも返済額が大きい場合は、ほとんどの確率で審査に落ちるだろう。
おまとめローンの審査に通過するには、まず他社の借入状況を見直すことから始めるべきだ。
過去の借入/返済状況に問題がある
審査では申込者の使用情報が重視されるため、過去の借入/返済状況に問題がある場合は落ちやすいだろう。
例えば、以下のようなものが挙げられる。
- 滞納
- 遅延
- 破産
- 債務整理
上記のような履歴があると、申込者は返済能力が欠如していると判断される。
返済能力が欠如した人に融資をすれば、金融機関側は貸し倒れのリスクが高まるため、審査に落とすのだ。
自身の信用情報を知りたい場合は、以下の機関に申請すれば開示してくれる。
機関名 | 概要 | 公式サイト |
---|---|---|
指定信用情報機関(CIC) | 【Web開示(インターネット)】 受付時間:8:00~21:45 開示手数料:500円 | 公式サイトはこちら |
日本信用情報機構(JICC) | 【スマホ申し込み】 受付時間:原則365日申込可能 ※以下の時間帯を除く 午前3時~午前4時 毎月第3木曜日 午前0時~午前8時 開示手数料:1,000円 | 公式サイトはこちら |
全国銀行個人信用情報センター | 【Web開示(インターネット)】 受付時間:原則24時間申込可能 開示手数料:1,000円 | 公式サイトはこちら |
自身の信用情報を確認することで、申し込み時期を改められるため、無駄に審査落ちする事態を防げるだろう。
現在他社での借入を延滞している
現在他社での借入を延滞している場合は、ほとんどの確率で審査に落ちるだろう。おまとめローンでは、借入額が大きくなりやすく、返済能力を最も重視している。
そのため、おまとめローンに申し込む前に、既存借入の返済延滞をなくしておこう。
安定した継続収入がない
安定した継続収入がない場合も、審査に落ちやすくなる。
例えば、以下のような場合だ。
- 勤続年数が1年未満
- アルバイトやパートなどで収入が安定しない
- シフト日数が少ない
- 転職回数が多い
上記のような状況では、安定した継続収入がないと判断される可能性が高いだろう。
また、安定した継続収入を判断するうえで、収入額よりも勤続年数や雇用形態の方が大事な要素だ。
そのため、例え収入が多い人でも、勤務先を定期的に変えている場合は、審査で不利になる可能性が高い。
商品によっては「アルバイトやパートは不可」などと詳細に条件を定めているケースもあるため、事前に確認すると良いだろう。
おまとめローンの審査に落ちた場合の対処法
おまとめローンの審査に落ちた場合でも、金融機関は落ちた理由を教えてくれない。そのため、自分で審査落ちの要因を考えて、適切な対処法を実践する必要がある。
ここでは、おまとめローンの審査に落ちた場合の対処法として、以下の5つを紹介する。
- 借入件数や借入額を減らして申し込む
- 信用情報を改善する
- 別のおまとめローンに申し込む
- 現在の借入先に相談する
- 債務整理などの法的手段を検討する
それぞれ見ていこう。
借入件数や借入額を減らして申し込む
借入件数や借入額を減らして申し込むことで、審査に通りやすくなる。
一般的に申し込む際の借入先は、3社までが理想とされている。既存の借入先が4社以上ある場合は、借入額が少ない商品から返済し、借入先を減らすのがおすすめだ。
また、借入額が大きくなればなるほど、金融機関側は貸し倒れのリスクが高まる。そのため、借入額が大きい申込者には、より厳正な審査を実施するのだ。
おまとめローンの審査に一度落ちた際は、借入件数や借入額の見直しを実施してみてほしい。
信用情報を改善する
審査に落ちた場合は、信用情報の改善も効果的な対処法の一つだ。
当たり前だが、信用情報に延滞・遅延の記録があったり、短期間で複数社へ申し込んでいたりすると、返済能力がないと判断されやすい。
具体的な信用情報の改善策としては、以下が挙げられる。
- 過去の延滞や遅延などの記録が消えるまで待つ
- 借入件数を削減する
- 返済の実績を残す
- 安定かつ継続的な収入があることを示す
また、万が一信用情報の記録に誤りがある場合は、信用情報機関に削除申請ができる。
自分の信用情報を把握できていないなら、まず以下のような期間に開示申請を出してみると良い。
- 指定信用情報機関(CIC)
- 日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター
信用情報は、一時的な対処で改善するのは難しいため、現状できる行動から一つずつ実践していこう。
別のおまとめローンに申し込む
過去に延滞・遅延などの問題を起こした経験がないのに審査落ちした場合は、別のおまとめローンに申し込むと良いだろう。
審査の基準は金融機関ごとに異なり、ある商品で審査に落ちた場合でも、もう一つの商品では審査に通るといったケースは多い。
ただし、個人の信用情報にはローンに申し込んだ事実も記録されるため、短期間で複数の商品に申し込むのはおすすめできない。
現在の借入先に相談する
既存の借入先に相談するのもおまとめローンに落ちた際の有効的な手段だ。
現在の借入先商品で増額して借入先を一本化したり、増額することで金利の引き下げに成功したりする可能性がある。
また、月毎の返済額が大きくて負担になっているなら、一時的に返済額を減らしてもらえないか相談するのもおすすめだ。
債務整理などの法的手段を検討する
おまとめローンに落ちた場合は、最終手段として以下のような債務整理などの法的手段を検討すると良い。
- 任意整理
- 債権者との話し合いで、利息分の減額・返済回数の調整を行う方法
- 自己破産
- 裁判所の手続きによって、債務の支払いを免除してもらう方法
- 民事再生(個人再生)
- 裁判所の手続きにより、債務の減免を図る方法
上記のような債務整理を行うことで、抱えている返済額を整理・減額できる可能性がある。
ただし、債務整理を行うと、個人の信用情報に事故情報が登録される。
事故情報の登録は約5〜7年は消えないため、その期間内にローンを組んだり、新規のクレジットカードを作成したりするのは難しくなるだろう。
また、債務整理を実施するべきかの判断が難しい点に加えて、申し込みの手続きは煩雑である。
そのため、債務整理を検討する際は、1人で考えるのではなく専門的な知識を有する弁護士に相談すると良いだろう。
おまとめローンの審査に通過するための3つのポイント
おまとめローンの審査に通過するためのポイントは、主に以下の3つだ。
- 短期間に複数の申し込みをしない
- 必要な書類は事前にそろえる
- 情報は正確に申告する
少しでも審査通過率を上げるために、上記のポイントを意識しておいてほしい。
短期間に複数の申し込みをしない
おまとめローンの審査に通過するためには、短期間に複数の商品へ申し込むのはやめよう。
個人の信用情報に登録されるのは、延滞・遅延・既存の返済状況だけではなく、ローンへの申し込みもだ。
複数の商品に短期間で申し込んでいると、審査の中で多重申し込みをしていると見なされて、返済能力が低いと判断される可能性が高くなる。
審査では申込者に返済能力があるのか、貸し倒れのリスクは低いかなどを重点的に確認する。そのため、多重申し込みの記録があると、審査で不利になるだろう。
おまとめローンの審査を受ける際は、新規で複数のローン商品へ申し込むのは避けるべきだ。
必要な書類は事前にそろえる
必要な書類を事前に揃えると、審査プロセスがスムーズに進み、書類の不備によって審査が遅延したり、審査に落ちたりするリスクを減らせる。
また、迅速かつ正確に必要書類を提出できれば、申込者の信頼度も高められるだろう。
おまとめローンの審査で必要な書類は、以下のとおりだ。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 健康保険証
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 住民税決定通知書/納税通知書
- 確定申告書
- 所得(課税)証明書
また、状況に応じて、以下のような住所確認書類が必要になるケースもある。
- ガス代の領収書
- 電気代の領収書
- 水道使用料のお知らせ
- 固定電話代の領収書
- 住民票の写し
- 印鑑登録証明書
おまとめローンに申し込む際は、事前に上記のような必要書類を用意しておくと良いだろう。
情報は正確に申告する
中には審査への通過率を上げるために、収入額や借入額に関して虚偽の申告をしてしまう人もいるかもしれない。
しかし、信用情報を照会したり、個人情報を調べたりするとことで簡単にバレてしまう可能性が高い。
さらに、おまとめローンの場合は、特に借入額が大きくなりやすく、給与明細書や雇用契約書、確定申告書などの所得確認書類の提出も求められるだろう。
そのため、虚偽の内容は嘘だとバレてしまう。
虚偽の申告をすると、金融機関から信用に欠ける人物だと判断され、審査に落とされるだろう。
また、虚偽の申告をしたつもりがなくても、数字や語句における表記ミスなどをしてしまったら虚偽の申告と見なされる可能性がある。
嘘をつかないことは大前提として、記入内容に不備や誤りがないかも入念に確認しておこう。
おまとめローンに申し込む時のポイント
おまとめローンに申し込む際のポイントは、以下の4つだ。
- おまとめ対象となる借入を事前に確認する
- 重視するポイントで最適なおまとめローンは変わる
- おまとめ専用のローン商品でなくてもおまとめ先に使えるものもある
- 返済計画を必ず立てる
上記のポイントを意識して、自分にふさわしい商品を選んでほしい。
おまとめ対象となる借入を事前に確認する
商品に申し込む際は、おまとめ対象となる借入を事前に確認するべきだ。
既存の借入先を一本化できるのがおまとめローンだが、商品によっては対象となる借入先が限定されているケースもある。
例えば、以下のようなものだ。
- クレジットのリボ払いはまとめられない
- 銀行のカードローンは借り換えできない
- 銀行カードローンのみおまとめできる
事前におまとめ対象を確認していないと、せっかく審査に通ったのに、すべての借入先を一本化できないといった事態になりかねない。
おまとめローンを申し込む際は、事前におまとめ対象を確認したり、説明がなく不明確なら金融機関のスタッフに相談すると良いだろう。
重視するポイントで最適なおまとめローンは変わる
人によって重視するポイントはさまざまで、最適なおまとめローンも異なる。
例えば、以下のような重視ポイントが挙げられる。
- 金利を引き下げられるか
- 毎月の返済額を減らせるか
- 既存の借入先すべてがおまとめ対象になっているか
- 現在の借入総額をカバーできる借入限度額が設定されるか
- 現状でも通りやすい審査基準かどうか
自分が何を重視しているかを考えずに商品を選ぶと、他の商品の方が金利が低かった、現在の借入総額をカバーできなかったなどの問題が生じる可能性もある。
また、公式サイトに記載されている商品概要だけではなく、実際に利用した人の口コミや評判を調べてみるのもおすすめだ。
例えば、公式では即日で借り入れが可能と記載している場合でも、実際には即日で借入できる可能性が限りなく低い場合もあるかもしれない。
自分が何を重視するかを事前に考えたうえで、最適なおまとめローンを選ぼう。
おまとめ専用のローン商品でなくてもおまとめ先に使えるものもある
おまとめ専用のローン商品でなくても、おまとめ先に使える場合もある。
基本的におまとめを対象にした商品は、高額な借入限度額を設定している。
ただし、現在の借入総額がそこまで多くないなら、借入限度額が小さく設定されているローンでも良いだろう。
また、おまとめローンよりも通常のローンの方が、審査が柔軟である可能性が高い。
おまとめ商品は借入額が多い人を対象にしているため、貸し倒れのリスクを減らすためにより厳正な審査基準を設けているのだ。
おまとめローンを検討する際は、専用商品だけではなく通常のカードローンも視野に入れて比較することが重要だ。
自身の借入状況や返済計画に最適な商品を選ぶことで、より効果的な借入の一本化と返済負担の軽減が可能になるだろう。
返済計画を必ず立てる
おまとめローンに申し込む場合は、必ず事前に返済計画を立ててほしい。返済計画を立てると、無理な契約や延滞・遅延をしてしまうリスクを減らせる。
返済計画を立てる際は、多くの商品で提供されている返済シミュレーションのサービスを活用するのがおすすめだ。
例えば、SMBCモビット公式サイトの返済シミュレーションでは、現状の借入額や金利を入力すると、以下のように毎月の返済額や返済月数を計算してくれる。
返済シミュレーションで返済計画を立てると、リアルな完済までの流れをイメージできるだろう。
おまとめローンの審査は基準やコツを意識すれば通過率を上げられる
おまとめローンは既存の借入先を一本化できる商品で、上手く活用すれば、毎月の返済額や利息の負担を大幅に削減できる。
また、ローン返済日の管理も一つになるため、容易になり、返済を忘れてしまうリスクもなくなるだろう。
ただし、借入額が多い人を対象にした商品で、通常のローンに比べて審査が厳しくなりやすい。
少しでもおまとめローンの審査通過率を上げるためには、本記事で紹介した審査基準や審査に落ちやすいケースなどを把握したうえで、申し込んでみてほしい。