- プラチナカードを作るメリットが知りたい
- プラチナカードの特徴や得られるサービスを知りたい
- プラチナカードの必要性が分からない
本記事では、クレジットカードの上位グレードに位置付けられている、プラチナカードが持つメリットを解説する。
「プラチナカードはステータスの証明」といわれているが、このステータスとは一体なにを指しているのか?
また、ステータスがあるとどのような利点を得られるのか?などを説明する。
さらにプラチナカードを持つ際の注意点や、カード審査の内容についても述べていく。
プラチナカードの申し込みを検討されている方は、ぜひ参考にしてほしい。
プラチナカードのメリットとは
ここでは、プラチナカードによって得られるメリットを解説する。
このカードは、上位グレードのクレジットカードだ。
そのため、プラチナカードには一般カードやゴールドカードにはない、様々なメリットが備わっている。
以下に紹介するカードのメリットが、自分のライフスタイルに合っているかどうかを考えてほしい。
プラチナカードユーザーだけに与えられる「体験」が得られる
各プラチナカードには、ユーザーにしか与えられないオリジナルなサービスがある。
例えば三井住友カード・プラチナでは、このカードのユーザーだけに、以下のような特別サービスを提供している。
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のカウントダウン・イベントなどユーザー限定イベントへの案内
- 宝塚歌劇優先販売
- 三井住友カード貸切公演のSS席をユーザーへ優先的に販売
- USJでの特別サービス
- ユニバーサル・エクスプレス・パス:USJの人気アトラクションの待ち時間を短縮できる特別パスをプレゼント
- 三井住友カード・ラウンジサービス:USJ内にある三井住友カードの専用ラウンジが利用可能
- 三井住友VISA太平洋マスターズの観戦
- 国内を代表する男子プロゴルフトーナメントのペア観戦入場券をプレゼント
このような一般では受けることが難しいサービスを通じ、プラチナカードのユーザーだけに許された「体験」が得られる。これは非常に大きなメリットと言えるだろう。
時間をお金(年会費)で買える
多くのプラチナカードには、コンシェルジュサービスと呼ばれる以下のサービスを、24時間365日電話で依頼することができる。
- 目的に応じた最適なレストランを探し、予約を代行
- 旅行プランの相談対応や手配
- 観光や出張時のホテルを探し、予約を代行
- 航空券・新幹線のチケット手配
- 音楽・演劇・スポーツ観戦などのチケット入手
- ゴルフ場の案内や予約
- フラワーギフトの用意
- カードについての質問対応
上記のようなことは個人でもできるが、忙しいビジネスパーソンにはその時間を捻出することが困難な場合もある。
そのようなときに自分の相談や要望に応えてくれ、自身の代わりに情報収集し、さまざまな予約を代行してくれる存在は有難い。
プラチナカードの年会費は割高だが、カードに付帯しているコンシェルジュサービスが自分の手間や時間を削減してくれる。
言い方を変えれば、コンシェルジュサービスが付帯しているプラチナカードの年会費で、手間や時間を買うことができるともいえる。
海外で個人の信用力を証明できる
「プラチナカードはステータスの証明」ともいわれているが、「それは単なる自己満足ではないか?」という声もある。
カードのグレードは、支払いでカードを取り出すまで他人には知られない。
しかし、海外ではホテルのチェックインやレンタカー利用の前には、クレジットカードの提示が求められる。
提示されたカードのグレードが高ければ、ユーザーのステータスが証明できるため、店舗側は優良顧客とみなしてくれる。
優良顧客はリピートユーザーになってほしいため、店舗側のサービスが良くなる場合もある。
プラチナカードの特徴
ここでは、このカードの特徴や注意点を解説する。
日本では1993年にアメリカン・エキスプレスが最初に発行し、現在では多くのカード会社で発行している。
プラチナカードごとに特徴はあるが、ここでは他のグレードのカードとの比較を交え、一般的な特徴を説明する。
カードが提供するサービス
一般的なプラチナカードが提供するサービスは以下の通りだ。
- レストランやホテルの優待サービスがある
- コンシェルジュサービスが利用できる
- 同じサービスを持つゴールドカードと比べて、ワンランク上のサービスが受けられる
- 旅行時の保険:保障内容が手厚い
- 空港ラウンジ:利用可能な空港ラウンジがより多くなる(プライオリティ・パスが利用できる場合もある)
※プライオリティ・パス:全世界にある1,300ヵ所以上の空港ラウンジが利用できるサービス
なお、年会費が3,300円のTRUST CLUB プラチナマスターカードには、コンシェルジュサービスはない。
このプラチナカードに付帯している保険の保障額は、最大3,000万円ほどしかなく、利用できる空港ラウンジも多くはない。
一方でアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードは全体的にサービスが手厚く、付帯保険には最大1億円の保障がついている。
このように一口にプラチナカードといっても、カードごとにサービスレベルには大きな幅がある。
プラチナカードと他のカードとの違い
まずプラチナカードとゴールドカードの違いを、以下の表で整理する。
プラチナカード | ゴールドカード | |
---|---|---|
年会費 | 主に20,000円~50,000円年会費が100,000円を超えるカードもある | 主に10,000円~30,000円 |
レストランや ホテルの優待サービス | 〇 | △優待サービスの種類・内容は、ともにプラチナカードと比べて劣る |
コンシェルジュサービス | 〇 | × |
空港ラウンジ | 〇 | △プラチナカードと比べて、利用可能な空港ラウンジは少なく、多くの場合プライオリティ・パスも付帯していない |
旅行時の保険 (最大保障額)※ | 一般的に1億円 | 一般的に5,000万円 |
上記の比較表から、ゴールドカードは、プラチナカードの廉価版という印象を受けてしまう。
ただし、ゴールドカードという名前だが、実質プラチナカードを超えるMastercard Gold Cardもある。
さらに「ブラックカードはプラチナカードの上位グレード」という誤解もある。
しかし、アメリカン・エキスプレス、VISA、Mastercardの各最上位カードには、ブラックという名称は使われていない。
各最上位カード(いわゆるブラックカード)のデザインは、ブラックを基調にしたものが多いが、そうでないものもある。
いわゆるブラックカードはカード会社から招待状がなければ作成できないものとなる。
上記のようにブラックカードは必ずしもプラチナカードの上位互換ではないため、ここでの比較対象からは外す。
プラチナカードの注意点
様々なメリットを持つプラチナカードだが、注意すべき点もある。
この注意すべき内容を、以下の表で整理した。
- 年会費が高い
- 審査が厳しい
- カードを使うときには、周囲に注意を要する場合がある
- 会社の上司や取引先に「生意気」と思われる恐れがある
- 海外(特に治安の悪い地域)では、富裕層と思われ、犯罪に巻き込まれるリスクがある
- 普段使いでは、ゴールドカードとの違いは少ない
プラチナカードの申し込みを考えている人は、上記のことも考慮して、検討してほしい。
プラチナカードの利用可能枠
プラチナカードに限らず、クレジットカードの利用可能枠は申し込み時の年収によって個人ごとに定められる。
この利用可能枠は、割賦販売法により以下の計算式で算出される。
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 | |
---|---|---|---|---|
持家かつ住宅ローン無or 持家無かつ借賃負担無 | 200万円 | 169万円 | 136万円 | 90万円 |
持家かつ住宅ローン有or 持家無かつ借賃負担有 | 240万円 | 209万円 | 177万円 | 116万円 |
例えば年収600万円、クレジット債務額30万円、住宅ローンのある4人家族の世帯主では、利用可能枠は297万円となる。
なお、この人の場合は、三井住友カード・プラチナの審査は通過しない。
このカード利用可能額は300万円以上であることに対し、クレジットカードの利用可能枠が300万円に達していないからだ。
プラチナカードの審査を通過するために
プラチナカードの審査通過率は公開されていないが、一般カードやゴールドカード以上に審査は厳しく誰もが持つことはできない。
前述したプラチナカードの利用可能額の下限を超えるクレジットカードの利用可能枠、つまりは収入が多くなければならない。
これ以外にどのような点をクリアーすればこのカード審査に通過するか、そのポイントを解説する。
さらに二種類あるプラチナカードの申し込み方法も、それぞれ説明する。
高収入であればプラチナカードは持てるのか?
プラチナカードの審査基準は、各カード会社で公開していないため、審査の難易度はわからない。
ただ、収入が高額なだけではカード審査には通過しないともいわれている。
これは「収入が安定していること」も、審査では重要視されるからだ。
ある年に1,000万円以上の収入があっても、その翌年の収入が1/10しかなければ、カード会社は「リスクがある」と判断する。
このため、カード審査の際には、カード申込者の職業もカード会社はチェックしている。
医者や公務員、大手企業の会社員であれば、収入が大きく変動する可能性は低いので、審査が通過しやすい。
最も重視される個人の信用力
プラチナカードの審査では、カード申込者のクレヒス(クレジットヒストリー)などの信用情報が最も重要視される。
クレヒスとはクレジットカードやローンの利用履歴のことであり、これらの信用情報は信用情報機関が収集・管理している。
カード会社は、信用情報機関からカード申込者の信用情報を照会し、以下の内容を確認する。
①現在の未払いの有無や、過去の延滞情報
- ローンやクレジットカードなどでの借入金
- 携帯電話料金
②自己破産などの債務整理の実施有無
③借金や任意整理を踏み倒しの有無
④6ヶ月以内での複数カードの申し込み※1
⑤クレヒスがない(過去にローンやクレジットカードの利用実績がない)※2
- 1:多重債務や自己破産のリスクを疑われ、審査に落ちる可能性がある。
- 2:個人の信用力を判断するための情報がないため、審査に落ちる可能性がある。
安定した収入があってもこれらの情報が良くなければ個人の信用力は損なわれ、カード審査は通過しない場合がある。
以上のことから、堅実なクレヒスを積み上げることが、カード審査を通過するためのポイントだ。
二種類のカード申込方法
プラチナカードの申込方法には、個人でカード会社に申し込む方法と、インビテーション型の二種類がある。
前者は、カード申込者がカード会社に申し込む従来の方法だ。
一方で、利用中のカード会社から、上位グレードのカードへの移行を勧誘する招待状が送られてくることがある。
これを「インビテーション型」と呼び、前者と比べて、カード審査の通過率は高い。
カード会社は、自社カードの利用実績が多く、信用力の高い「上得意」にしか招待状を送らないからだ。
プラチナカードの必要性とメリット
プラチナカードには、ステータスと特有のサービスがあるが、それが自分に必要であるかを考えなければならない。
プラチナカードのメリットが自分のライフスタイルに合っているのかを考えたうえで、申し込みを検討すべきだ。
ここで考察するプラチナカードのユーザー像を、自分のライフスタイルと照らし合わせてほしい。
まず、プラチナカードの所持率を紹介する。
さらに、最適なカードの選び方も説明するので、プラチナカードを選ぶうえでの参考としてほしい。
プラチナカードの所持率
これまで述べてきたようにプラチナカードは、一般カードと比べ年会費が高く、審査も厳しいためカード所持率は非常に低い。
フジサンケイグループのリサーチ会社での調査結果によれば、このカードの所持率は1.4%だった。
Page13での「現在プラチナカードを持っている」の回答率0.8%と、「現在ゴールドカードもプラチナカードも持っている」の回答率0.6%と合計値(1.4%)を引用。
この1.4%の人は、割高な年会費を払ってでも、プラチナカードを所持し続ける理由があるものと考える。
プラチナカードのユーザー像
このカードを所持し続けている理由を考えるために、先述したプラチナカードのメリットから、以下のユーザー像を考察する。
- プラチナカードのユーザーだけに与えられる特典を得たい人
- (例)三井住友カードやJTBでは、USJ内のプラチナカードユーザー専用のラウンジが利用できる。
- 忙しいビジネスパーソン
- 「さまざまなことを代行してくれるコンシェルジュサービスを活用したい」というニーズに対応できる。
- 年に数回海外に渡航している人
- 海外のホテルやレンタカー会社では、利用前に提示するため、店舗スタッフ対応がより良くなる場合がある。また、海外のレストランでも、支払時にプラチナカードのユーザーであることがわかる。このため、2回目以降の利用時には対応がより良くなることがある。
プラチナカードのユーザーのなかには、上記以外の理由でこのカードを持っている人もいるだろう。
しかし、普段の買い物やネット決済だけの利用であれば、ゴールドカードでも用が足りる場合が多い。
自己満足のためだけに、割高な年会費を払ってプラチナカードを持つことはコスパがよくない。
一方で、プラチナカードの価値が自分のライフスタイルに合っていると考えている人は、このカードを持つべきだろう。
最適なプラチナカードの選び方
自分の生活をよりよくする「道具」として、最適なプラチナカードを選びたい。
例えばアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カードでは、ヒルトンホテルなど世界有数のホテルのメンバーシップに加入できる。
ホテルではワンランク上のサービスが受けられるため、定期的に利用する人はカードを持っていた方がよいだろう。
プラチナカードは、所持することが目的ではなく、より良いライフスタイルを送るための道具と考えるべきだ。
そのためには、自分のライフスタイルに合ったサービスを提供してくれるプラチナカードを選ぶことが大切になる。
あなたに必要なプラチナカードを作りメリットを享受しよう
本記事では、プラチナカードを持つことのメリットを解説した。
このカードは年会費が高く、審査も厳しいため、普段使いであれば一般カードやゴールドカードでも十分だ。
しかし、プラチナカードには、このカードにしかない特典も多数ある。
この特典に価値を感じ、自分の生活がより豊かになると思うプラチナカードを、ぜひ作ってほしい。
また下記記事ではおすすめのプラチナカードについて紹介しているので参考にしてほしい。