- キャッシングの金利計算ってどうやるの?
- 自分で返済シミュレーションをしてみたい
- 低金利のおすすめクレジットカードが知りたい
クレジットカードのキャッシングを利用すれば、気軽に現金を借り入れられる。
しかし借入金には利息がかかるので、事前に計算した上で計画的に利用してほしい。
そこで本記事では、キャッシングの金利(利息)の計算方法を解説する。
一括返済・分割返済(リボ払い)のパターンに分けて計算方法を解説するので、自分で返済額のシミュレーションを行ってみよう。
記事の後半では、利息を抑えられるおすすめのクレジットカードを紹介する。
そもそもキャッシングの「金利」とは
キャッシングの金利とは、借入金に応じてかかる手数料のようなものだ。
借入金と金利、さらに借入期間によってキャッシング利用時の利息が決まる。
金利と利息の違いを知ろう
ここで、金利と利息の違いを明確にしておこう。金利とはキャッシングの借入金に対してかけられる一定の料率のことだ。
クレジットカードの公式サイトでは「実質年率※」と表記されることも多い。
一方で、利息とは借入金に金利をかけ、さらに返済期間で割った手数料の合計のことだ。
キャッシングを利用すると、借入金に利息を上乗せした金額が返済額として設定される。
※単純な料率に加えて事務手数料や保証料などを含めた金利のこと
上限金利は20.0〜18.0%
クレジットカードのキャッシングの金利は貸金業法によって上限が決められている。
- 10万円未満:20.0%
- 10〜100万円未満:18.0%
- 100万円以上:15.0%
ちなみに2010年6月18日から「出資法の上限金利29.2%」が撤廃され、上限金利が大きく下がった。
以前はキャッシングと聞くとグレーなイメージもあったが、現在では明確な上限金利にもと運営されているクリーンなサービスだ。
キャッシング金利は18.0%以下が相場
キャッシングは貸し付けが10万円未満の場合、上限金利が20.0%で設置しても良いことになっている。
しかしほとんどのクレジットカードでは、キャッシングにおける最高金利を18.0%に設定しているので、利用者に寄り添ったサービスだと言えるだろう。
クレジットカードにおけるキャッシングの金利(利息)を計算する方法
それでは、以下の3つのパターンでキャッシングの金利(利息)を計算する方法を解説する。
- 10万円借りて一括返済した場合
- 10万円借りて元金定額で10,000円ずつ返済した場合
- 10万円借りて元利定額で10,000円ずつ返済した場合
スマホの電卓機能を使えば簡単なので、ぜひ試してみてほしい。
※いずれも金利18.0%として計算する
10万円借りて40日後に一括返済した場合
「10万円借りて40日後に一括返済した場合」の金利計算方法は、次のとおりだ。
- 10万円×18.0%(0.18)=18,000円
- 18,000円×40日間=720,000円
- 720,000円÷365日=1,972.6円
つまり「10万円借りて40日後に一括返済した場合」の利息は1,972.6円であり、返済総額は101,972.6円となる(小数点以下の切捨・四捨五入はカード会社によって対応が異なる)。
10万円借りて元金定額で10,000円ずつ返済した場合
続いて、「10万円借りて元金定額で10,000円ずつ返済した場合」の金利計算方法を解説する。
元金定額とは、「月々の返済額に利息を上乗せするタイプ」の分割返済(リボ払い)だ。
金利(利息)の計算式:
- 1回目:借入金×金利×借入期間×365日=利息
- 2回目:借入金①(借入金−10,000円)×金利×借入期間×365日=利息
- 3回目:借入金②(借入金①−10,000円)×金利×借入期間×365日=利息
- 4回目以降:借入金がゼロになるまで上記の繰り返し
※うるう年は366日
上記の計算式にしたがって、「月末締め翌々月4日払い」のキャッシングを4/25に利用した場合の返済シミュレーションを行ってみよう。
返済回数 (支払日) | 返済金額 | 利息 | 元金 |
---|---|---|---|
1回目(6/4) | 11,972円 | 1,972円 | 90,000円 |
2回目(7/4) | 11,332円 | 1,332円 | 80,000円 |
3回目(8/4) | 11,223円 | 1,223円 | 70,000円 |
4回目(9/4) | 11,070円 | 1,070円 | 60,000円 |
5回目(10/4) | 10,888円 | 888円 | 50,000円 |
6回目(11/4) | 10,764円 | 764円 | 40,000円 |
7回目(12/4) | 10,592円 | 592円 | 30,000円 |
8回目(1/4) | 10,459円 | 459円 | 20,000円 |
9回目(2/4) | 10,306円 | 306円 | 10,000円 |
最終回(3/4) | 10,138円 | 138円 | 0円 |
利息総額は8,742.9円であり、返済総額は108,742.9円となった。
10万円借りて元利定額で10,000円ずつ返済した場合
次に、「10万円借りて元利定額で10,000円ずつ返済した場合」の金利計算方法を解説する。
元利定額とは、「月々の返済額に利息を含めるタイプ」の分割返済(リボ払い)だ。
金利(利息)の計算式:
- 1回目:借入金×金利×借入期間×365日=利息
- 2回目:借入金①(借入金−10,000円+利息)×金利×借入期間×365日=利息①
- 3回目:借入金②(借入金①−10,000円+利息①)×金利×借入期間×365日=利息②
- 4回目以降:借入金がゼロになるまで上記の繰り返し
※うるう年は366日
上記の計算式にしたがって、「月末締め翌々月4日払い」のキャッシングを4/25に利用した場合の返済シミュレーションを行ってみよう。
返済回数 (支払日) | 返済金額 | 利息 | 元金 |
---|---|---|---|
1回目(6/4) | 10,000円 | 1,972円 | 91,972円 |
2回目(7/4) | 10,000円 | 1,361円 | 83,333円 |
3回目(8/4) | 10,000円 | 1,274円 | 74,607円 |
4回目(9/4) | 10,000円 | 1,141円 | 65,747円 |
5回目(10/4) | 10,000円 | 973円 | 56,720円 |
6回目(11/4) | 10,000円 | 867円 | 47,587円 |
7回目(12/4) | 10,000円 | 704円 | 38,291円 |
8回目(1/4) | 10,000円 | 585円 | 28,876円 |
9回目(2/4) | 10,000円 | 441円 | 19,318円 |
10回目(3/4) | 10,000円 | 267円 | 9,585円 |
最終回(4/4) | 9,731円 | 147円 | 0円 |
キャッシングを元利定額で返済する場合、必ず最後に端数が生じるので元金定額よりも返済回数が多くなる。
また、この返済シミュレーションでは、元利定額の方が1,000円ほど返済総額が高くなっている。
クレジットカードにおけるキャッシングを低金利(低利息)で利用する方法
では、キャッシングを低金利(低利息)で利用するためには、どのような方法があるのだろうか。
以下の3つのポイントを参考にしてほしい。
- 金利の低いクレジットカードを選ぶ
- 利用実績をつんで低金利を目指す
- カードローンの利用を検討する
それぞれ解説する。
金利の低いクレジットカードを選ぶ
キャッシングの利息・返済総額は、クレジットカードの金利が安いほどそれに比例して安くなる。
つまり金利の低いクレジットカードを選ぶのが第一のポイントだ。
ただし、キャッシングの金利は多くのクレジットカードで同一なので見つけるのは難しいだろう。
次章では低金利が期待できるクレジットカードを紹介しているので、参考にしてほしい。
利用実績をつんで低金利を目指す
クレジットカードのキャッシングを利用する際は審査がある。
審査に通過すると利用者ごとにキャッシング枠が決められる。
このキャッシング枠の金額や、借入金額に応じて金利が決まるのが一般的だ。
しかし中には、キャッシングの利用実績をつむことで金利が安くなるクレジットカードもある。
そうしたクレジットカードを選び、キャッシングをコツコツ利用すれば金利が下がる可能性が高いだろう。
カードローンの利用を検討する
カードローンとは、消費者金融が提供している借入サービスのことだ。
サービスの概要としてはキャッシングと変わらないが、カードローンは現金借入専用のサービスであり、発行されるカードにクレジット決済機能などはない。
ではなぜカードローンかというと、クレジットカードが提供するキャッシングよりも金利が低い傾向にあるからだ。
次章で紹介するカードローン機能付きのクレジットカードもおすすめなので参考にしてほしい。
低金利(低利息)でキャッシングできるおすすめクレジットカード4選
それでは、低金利(低利息)でキャッシングできるおすすめクレジットカード4選を紹介する。
カード名 | イオンカードセレクト | プロミスVisaカード | ACマスターカード | Tカード プラス (SMBCモビット next) |
---|---|---|---|---|
券面画像 | ||||
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
国際ブランド | Visa Mastercard JCB | Visa | Mastercard | Mastercard |
ポイント還元率 | 0.5%~1% | 0.5〜10.0% | 0.25 | 0.5〜1.5% |
ポイントの種類 | WAON POINT | Vポイント | キャッシュバック | Tポイント |
家族カード | 無料 | なし | なし | なし |
ETCカード | 無料 | 無料 | なし | 無料 |
スマホ決済 電子マネー | イオンiD Apple Pay 電子マネーWAON | iD Google Pay Apple Pay PiTaPa WAON | Apple Pay Google Pay | iD Google Pay Apple Pay |
海外旅行傷害保険 | なし | 最高2,000万円(利用付帯) | なし | なし |
国内旅行傷害保険 | なし | なし | なし | なし |
その他の保険 | ショッピングセーフティ保険 カード盗難補償 | なし | なし | ショッピング保険 |
申し込み条件 | 18歳以上で電話連絡可能な方(高校生は卒業年の1月1日から申込可) | 満18歳以上のプロミス会員の方(高校生は除く) | 安定した収入と返済能力を有する方で、アコムの基準を満たす方 | 年齢満20歳以上74歳以下の安定した定期収入のある方 |
詳しくはこちら | 詳しくはこちら |
クレジットカードごとの特徴やメリットを見ていこう。
イオンカードセレクト
イオンカードセレクトはイオンフィナンシャルサービス株式会社が発行するクレジットカードであり、クレジット決済機能、キャッシング機能に加えて、イオン銀行のキャッシュカード機能も付帯した1枚3役のクレジットカードだ。
イオンカードセレクトのキャッシング金利は7.8%〜18.0%となっており、最高金利は18.0%だが利用実績などによって金利が下がる可能性が高い。
カード会社が提供するキャッシングの中で、利用実績などに応じて金利が下がるクレジットカードは珍しい。
クレジットカードの特徴としては、対象のイオングループ店舗で利用するとポイント還元率がいつでも2倍(0.5→1.0%)になる。
貯まったWAON POINTは加盟店で1ポイント=1円として使ったり、他のポイントプログラムに移行したりと使い勝手もいい。
生活圏にイオングループ店舗がある人は優先的に検討して欲しいクレジットカードだ。
\期間中の入会から1か月間対象店舗で請求時5%OFF/
さらに Web限定!最大7,000ポイントもらえる
プロミスVisaカード
プロミスVisaカードは三井住友カードが発行しているクレジットカードだ。
消費者金融のプロミスと提携しているので、カードローン機能も付帯している。
金利は「4.5%〜17.8%」であり、利用実績によってはACマスターカードよりも金利が安くなる可能性がある。
プロミスVisaカードは消費者金融系のクレジットカードながら、他の三井住友カードと同じポイント還元率で使えるのが特徴だ。
通常0.5%還元、特約店で使用すればタッチ決済で5.0%、スマホタッチ決済で7.0.%還元される。
ポイントをたくさん貯めたい人は検討してみよう。
ポイントアップ特約店
店舗形態 | 対象店舗 |
---|---|
コンビニ | セイコーマート、セブンイレブン、ポプラ、ミニストップ、ローソン |
ファーストフード | マクドナルド、モスバーガー、すき家 |
ファミレス | サイゼリヤ、ガスト、バーミヤン、しゃぶ葉、ジョナサン、はま寿司、ココス |
カフェ | ドトールコーヒー、エクセルシオール カフェ |
出典:三井住友カード株式会社「対象のコンビニ、飲食店で最大7%還元!」
ACマスターカード
ACマスターカードは消費者金融のアコムが発行するクレジットカードだ。
クレジット決済機能に加えてキャッシング機能、さらにカードローン機能も付帯しており、金利が「10.0%〜14.6%」となっており、イオンカードセレクトよりも最高金利が安いのが特徴だ。
また、券面デザインは中央にMastercardと大きく印刷されているので、一見してカードローン機能付きのクレジットカードだとはわからない。
キャッシング枠とカードローン枠を合わせた合計の利用限度額は800万円となっている。
ポイント還元率は0.25%と低いが、キャッシング・カードローンの限度額を重視する人は検討してみよう。
Apple Pay・Google Payにも対応しているので、スマホタッチ決済を使いたい人も申し込んでほしい。
Tカード プラス(SMBCモビット next)
Tカード プラス(SMBCモビット next)は三井住友カードが発行するクレジットカードであり、消費者金融のSMBCモビットと提携している。
金利は「3.00%~18.00%」なので、最高金利は18.0%でありキャッシングと同程度だが、利用実績によってはプロミスVisaカードよりも低金利が期待できる。
また、Tカード プラス(SMBCモビット next)は三井住友カードのVポイントではなく、Tポイントが貯まるのが特徴だ。
クレジット決済によって0.5%貯まり、さらに店舗ごとの提示ポイントも獲得できるので常に1.5%の還元率でTポイントを獲得することもできる。
「Tポイントをガンガン貯めたい」という人は検討してみよう。
ちなみにTポイントは加盟店で1ポイント=1円として利用でき、特定の店舗では「毎月20日は1.5倍」で使える。
つまり2ポイント=3円として利用可能だ。
Tカード プラス(SMBCモビット next)を使ってTポイントを1.5%で獲得し、「毎月20日・1.5倍」の対象店舗で利用すれば実質のポイント還元率を2.25%にあげることができる。
クレジットカードにおけるキャッシングの金利についてよくある質問
最後に、キャッシングの金利についてよくある質問を紹介する。
金利(利息)の計算式を教えてください
金利(利息)の計算式は次のとおりだ。
元金定額・分割返済(リボ払い)の計算式
- 1回目:借入金×金利×借入期間×365日=利息
- 2回目:借入金①(借入金−10,000円)×金利×借入期間×365日=利息
- 3回目:借入金②(借入金①−10,000円)×金利×借入期間×365日=利息
- 4回目以降:借入金がゼロになるまで上記の繰り返し
※うるう年は366日
元利定額・分割返済(リボ払い)の計算式
- 1回目:借入金×金利×借入期間×365日=利息
- 2回目:借入金①(借入金−10,000円+利息)×金利×借入期間×365日=利息①
- 3回目:借入金②(借入金①−10,000円+利息①)×金利×借入期間×365日=利息②
- 4回目以降:借入金がゼロになるまで上記の繰り返し
※うるう年は366日
クレジットカードの金利はどこで確認できますか?
クレジットカードが提供するキャッシングの金利は、公式サイトで確認できる。
公式サイトに掲載されているキャッシングページをチェックするか、Googleで「(カード名称)+キャッシング金利」と調べてみよう。
無利息期間のあるキャッシングはどれですか?
クレジットカードが提供するキャッシングの中で、無利息期間サービスを提供しているものはない。
無利息期間を利用したい人は、消費者金融が提供するカードローン・キャッシングを利用しよう。
クレジットカードのキャッシングを利用する前に金利を計算してみよう!
本記事では、キャッシングの金利(利息)の計算方法を解説した。キャッシングを利用した際にかかる金利(利息)を事前に知っておけば、安心して利用できるのでぜひ試しにシミュレーションしてほしい。
また、カード会社ごとにキャッシングの返済シミュレーションページを公開しているので、それらを利用して返済総額をチェックするのもいいだろう。