- 最強の法人カードを選択するために何を基準にすれば良いか知りたい
- 法人カードを導入するメリットや発生するコストが知りたい
- 法人カードの申し込みにあたって必要となる書類が何か知りたい
各クレジットカード会社ともに、さまざまな種類の法人カードを発行している。
個人用のクレジットカードであれば複数枚所持することも可能だが、法人カードは複数枚所持するケースはほとんどないだろう。
そのため、作成する法人カードを選ぶにあたっては「自社に合った法人カードがどれかわからない」「何を基準にして法人カードを選べばいいのかわからない」など、悩みが尽きないのではないだろうか。
そこで本記事では、自社に最適な最強の法人カードを選ぶための基準から法人カードの利用条件や管理、法人カードを導入するメリットや発生するコストについて解説していく。
法人カードの申し込みにあたって必要となる書類についても言及しているため、ぜひ最後まで読んで、法人カード選びに役立ててほしい。
最強の法人カードの特徴と選定基準とは
ここでは、以下2点について解説していく。
- 最強の法人カードとは
- 最強の法人カードを選ぶための基準
最強の法人カードとは
一般的に最強の法人カードとは、年会費が安いもしくは無料で、ポイント還元率が高いものをいう。
ただ、上記の特徴を満たした法人カードが、全ての法人(個人事業主)にとって最強の法人カードであるとは限らない。
年会費が高くとも、付帯サービスが充実した法人カードを求める法人もあるだろう。
法人カードは、それぞれによって特徴が異なる。
法人カードに求めるポイントを明確にした上で、複数枚の法人カードを比較し検討することがおすすめだ。
法人カードを選択するための基準
自社に合った法人カードを選択するためには、以下のポイントを比較することが大切である。
- 年会費
- 発行できる追加カードの枚数
- ポイント還元率
- 付帯されるサービス
年会費は重要な比較ポイントだ。年会費が無料なのか、それとも有料なのか。
毎年支払いが発生するものであるため、法人にとってもコストとなる。コストをかけたくないのであれば、年会費が無料の法人カードを選ぶべきだろう。
また、発行できる追加カードの枚数も重視してほしい。
例えば、高速道路などの有料道路を利用する機会が多い法人の場合は、ETCカードが複数枚発行できる法人カードがおすすめである。
法人カードによっては追加カードの発行枚数が制限されていることもあるため、あらかじめしっかり確認しておこう。
加えて、ポイント還元率も重要だ。たまったポイントは、会社で必要となる備品などに交換したり、毎月の支払額に充当したりすることが可能だ。
法人カードのポイント還元率は、0.5%となるものが多い。
しかし、法人カードの利用金額は個人用のクレジットカードと比較して高額になるため、ポイント還元率の高さは非常に重要となるのだ。
さらに、付帯されるサービスの特徴についてもチェックしておきたい。
個人用のクレジットカードとは異なり、法人カードには事業に役立つサービスが付帯されている。
例えば、外部の会計ソフトと連携させることで、法人カードでの利用データが一括で管理可能となったり、提携するスポーツジムなどを優待価格で利用できたりといったサービスがある。
他にも、クレジットカード支払いに対応していない取引先などに対して、請求書支払い代行サービスが利用できる法人カードも多い。
このように、法人カードは比較すべきポイントが多岐にわたる。
上記のポイントを参考にしながら、作成する法人カードを選択しよう。
法人カードの利用条件と管理とは
法人カードの利用条件と管理について把握するにあたり、ここでは以下4点に焦点を当てて解説する。
- 法人カードの利用対象者
- 法人カード利用に制限はあるか
- 法人カードにおける支払いの特徴
- たまったポイントの管理
それぞれ見ていこう。
法人カードの利用対象者
法人カードの利用対象者は、法人の代表者もしくは個人事業主だ。
追加カードを発行することで、上記以外の役員や従業員でも利用することが可能となる。
カードによっては申し込み条件などもあるため気をつけよう。
法人カード利用に制限はあるか
法人カードに限らず、全てのクレジットカードにおいて共通しているのは、カード名義人以外のカード利用は厳禁という点だ。
法人カードであっても、カード名義は個人となる。そのため、会社内で使い回すことは不可能なのだ。
複数人が法人カードを利用する可能性がある場合は、必ず利用者名義の追加カードを発行しよう。
また、追加カードにおいては、利用限度額や利用先などをあらかじめ設定できる法人カードもある。
従業員の私的利用の防止や使用用途の明確化に向けて、設定しておくことも検討してほしい。
法人カードにおける支払いの特徴
個人用のクレジットカードでは、支払い方法は主に以下の4つから選択可能となる。
支払い方法 | 特徴 |
---|---|
一回払い | 利用料金を一括で支払う |
分割払い | 利用料金を指定した回数に分割して支払う 分割回数によっては手数料の支払いが発生する |
ボーナス払い | 夏や冬のボーナス時にまとめて支払う 手数料の支払いは発生しない |
リボ払い | あらかじめ設定した金額(元金)を支払う 利用残高に応じて手数料の支払いが発生する |
一方で、法人カードでは「一回払い」以外は選択できないケースが多い。
もちろん、分割払いなどに対応している法人カードも存在するが、分割回数によっては手数料を上乗せして支払う必要がある。
個人用のクレジットカードであれば、分割払いなどを利用した際の手数料を削減するために「繰上返済」を行えるが、法人カードの種類によっては「繰上返済」を行えないこともあるため注意しなければならない。
このように、法人カードでは支払い方法が限定されている点は覚えておこう。
たまったポイントの管理
法人カードを利用すると、カード種類に応じたポイントがたまる。
ただ、たまったポイントは企業の資産の一部としてみなされる。そのため、個人では利用できない。
万が一個人で利用した場合には、横領の罪に問われてしまうこともある。
ポイントを適切に利用するためにも、あらかじめルールを定めておくことが大切だ。
法人カードのメリットとコストとは
法人カードにはどのようなメリットがあるのか気になる方も多いのではないだろうか。
ここでは、法人カードを導入するメリットと導入に伴って発生するコストについて解説していく。
法人カードを導入するメリット
法人カードを導入するメリットとしては、主に以下の4つが挙げられる。
- 経費精算の業務効率化が図れる
- コスト削減につながる
- キャッシュフローに余裕が生まれる
- 付帯サービスによって福利厚生が充実する
法人カードは、外部の会計ソフトとの連携が可能だ。
そのため、会計担当者は利用履歴を会計ソフトを通じて管理できる。
それだけでなく、従業員などにとっても、今まで現金で支払っていたものを法人カードでの支払いに変更することで、立て替えの回数を減らせるのは大きなメリットといえる。
また、コスト削減につながるのも魅力的なポイントだ。
例えば、会社で利用する備品の購入に際し、請求書支払いを利用していたとしよう。
そうすると、購入のたびに振り込み手数料などのコストが発生する。
しかし、法人カードでの支払いに切り替えることで、一定期間の利用分は決められた期日に一括で引き落とされることとなるため、購入のたびに発生していた振り込み手数料を抑えることが可能だ。
加えて、法人カードを利用すれば、支払いまでに長くて数十日の猶予がある。
そのため、キャッシュフローに余裕が生まれるのもメリットの一つだ。
さらに、法人カードの種類によっては、スポーツジムやホテルなどの提携施設を優待価格で利用できるサービスが付帯されている。
これにより、従業員の福利厚生を充実させられるのもメリットといえるだろう。
このように、法人カードを導入すればさまざまなメリットが得られる。
これらのメリットを魅力的に感じるのであれば、ぜひ法人カードの導入を検討してほしい。
発生するコスト
法人カードを導入することで、多くのメリットが享受できる。
しかし、導入に伴ってある程度のコストが発生してしまうことも事実だ。
発生するコストとしては、以下の2つがある。
- 法人カードの年会費
- 法人税のクレジットカード支払いによる手数料
法人カードは、年会費がかかるものが多い。実際に、複数枚の法人カードの年会費を比較してみよう。
カード名称 | 年会費 (税込) | 追加カード年会費(税込) |
---|---|---|
三井住友カード ビジネスオーナーズ ゴールド | 5,500円 ※年間100万円以上利用で翌年以降永年無料 ※前年度に一度でもETC利用のご請求があった方は年会費が無料 | 永年無料 |
JCBゴールド法人カード | 11,000円 ※オンライン入会に限り初年度無料 | 1枚につき3,300円 |
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®︎・カード | 22,000円 ※初年度無料 | 1枚につき3,300円 |
アメリカン・エキスプレス®︎・ビジネス・ゴールド・カード | 36,300円 | 1枚につき13,200円 |
ダイナースクラブビジネスカード | 27,500円 | 永年無料 ※3、4枚目はカード維持手数料として1枚につき5,500円 |
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法人カードは、基本カードおよび追加カードに対して年会費が発生する。
複数枚発行するのであれば、大きなコストとなるだろう。もちろん、年会費が一切かからない法人カードも存在する。
コストを削減したいのであれば、年会費無料の法人カードを選択することがおすすめだ。
また、法人税の納付にあたり、金融機関などの窓口にて現金で納付する場合は、手数料はかからない。
しかし、クレジットカードで納付する場合は、納付税額に応じて以下の手数料が発生する。
納付税額 | 決済手数料(税込) |
---|---|
1円〜10,000円 | 83円 |
10,001円〜20,000円 | 167円 |
20,001円〜30,000円 | 250円 |
30,001円〜40,000円 | 334円 |
40,001円〜50,000円 | 418円 |
以降も同様に10,000円を超えるごとに決済手数料が加算 |
納付税額が大きくなればなるほど、決済手数料の負担も大きくなっていくことがわかるだろう。
クレジットカード納付には、窓口に赴く必要がない、現金を持ち歩かなくても良い、オンライン上でいつでも手続きできる、といったメリットがある一方で、コストが発生する点には気をつけなければならない。
加えて、クレジットカードで納付すると、領収証書が受け取れない点にも注意が必要だ。
法人カードの導入に伴い、上記のような金銭的コストが発生すると同時に、人的コストも発生する。
それは、法人カードの利用における社内ルール等の作成である。
社内ルールを作成すれば、従業員による法人カードの私的利用の防止や、使用用途を厳格に定めることが可能となるものの、完成までに相応の時間がかかるはずだ。
法人カードの導入によるメリットと発生するコストを踏まえながら、作成を検討しよう。
法人カードの申込方法とは
法人カードの申込方法は、個人用のクレジットカードを申し込む際と大きくは変わらない。
しかし、申し込みの流れや必要となる書類に違いがある。
それぞれどのように異なるのか、具体的に解説していく。
申し込みの流れ
法人カードは、オンラインもしくは郵送にて申し込みが可能だ。
オンライン申し込みの場合、一般的に以下の流れに沿って進んでいく。
- 申し込みページにて必要事項を入力
- クレジットカード会社から送付される申込書類に必要事項を記入して返送
- 審査
- 審査完了後、カード発行
個人用のクレジットカードの場合は、オンラインで完結するものがほとんどだ。
しかし、法人カードの発行にあたっては、オンラインで完結せず、申込書類への署名・捺印や必要書類の返送が必要となるケースが多い。
個人用のクレジットカードと比較して、法人カードは利用限度額が高めに設定されることなどから、審査も厳しくなる傾向にあるのだ。
必要書類
法人カードの申し込みの際には、主に以下の書類が必要となる。
- 履歴事項全部証明書(または現在事項全部証明書)
- 法人代表者の運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの本人確認書類
履歴事項全部証明書または現在事項全部証明書については、発行から6ヶ月以内など、期間が定められていることが多い。
また、法人カードの種類によっては、登記簿謄本や決算書などの提出が求められる場合もある。
申し込みにあたってどのような書類が必要となるのか、あらかじめクレジットカード会社のホームページにて確認しておくことがおすすめだ。
加えて、申し込みの際に入力した事項と提出した必要書類の間に相違があるなど、不備が発生してしまうと、審査が長引き法人カードの発行まで時間がかかることとなる。
手続きを行う際には、不備がないかを確認しながら慎重に進めよう。
法人カードとは導入するメリットが多いカード!
本記事では、自社に最適な最強の法人カードを選ぶための基準から法人カードの利用条件や管理、法人カードを導入するメリットや発生するコストについて解説した。
最強の法人カードを作成するためには、年会費や発行できる追加カードの枚数、ポイント還元率、付帯サービスの内容などを基準として選択すると良い。
法人カードは種類が豊富であるだけでなく、それぞれ特徴も異なる。複数の法人カードを比較しながら、自社に最適な最強の法人カードを作成しよう。
また、法人カードの申し込みは個人用のクレジットカードの申し込みと比較して、申し込みの流れや必要となる書類に違いがある。
そのため、あらかじめクレジットカード会社のホームページ等で確認しておくことがおすすめだ。
個人用のクレジットカードよりも、申し込み手続き等が多少煩雑である。
しかし、法人カードを導入することによるメリットは大きい。
法人カードの作成を迷っている法人の代表者や個人事業主の方は、この機会に法人カードへ申し込んでみてはいかがだろうか。