生命保険見直しのタイミングと手順|保険料と保障のムダを減らす方法

まず押さえたいこと
  1. 生命保険の見直しは、今の家族構成・収入・住宅ローン・子どもの年齢に合わせて、保障額と保険料を調整する作業です。
  2. 死亡保障に対する経済的準備は「充足感なし」が54.6%とされています。まずは必要保障額を一度計算してみる価値があります。
  3. 進め方は、❶契約内容の棚卸し → ❷必要保障額の計算 → ❸見直し方法の選択 → ❹新契約成立後に旧契約を解約の順です。

「保険料が高い気がする」「今の保障で家族を守れるか不安」「更新で保険料が上がると言われた」――このような悩みがあるなら、生命保険の見直しを検討するタイミングかもしれません。

ただし、見直しは「今の保険をすぐ解約して、新しい保険に入り直すこと」ではありません。現在の契約を残したまま保障額を減らす、不要な特約だけ外す、追加契約で不足分を補う、払済保険に変更して保険料の払込みを止めるなど、選択肢は複数あります。

この記事では、生命保険の見直しが必要なタイミング、必要保障額の計算方法、減額・特約解約・払済保険・延長保険・契約転換の違い、相談先の選び方まで順番に解説します。


目次

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生命保険見直しとは|目的は「解約」ではなく保障と保険料の調整

生命保険の見直しとは、現在の家族構成や家計に合わせて、保障内容と保険料を調整することです。

見直しと聞くと「今の保険を解約して、新しい保険に入り直す」と考えがちですが、それだけではありません。保険金額を増やす、保障額を減らす、不要な特約を外す、払済保険に変更するなど、現在の契約を活かす方法もあります。

たとえば、子どもが生まれたばかりの家庭では、遺された家族の生活費や教育費を考えて死亡保障を増やす必要があるかもしれません。一方、住宅ローンを組んで団体信用生命保険(団信)に加入した後や、子どもが独立した後は、死亡保障を減らして保険料を抑えられる場合があります。

見直しで確認する主な項目は、以下の通りです。

  • 死亡保険金額は、今の家族構成に対して多すぎないか・少なすぎないか
  • 保障期間は、子どもの独立時期や住宅ローン完済時期と合っているか
  • 医療特約・がん特約・介護特約などが重複していないか
  • 更新後の保険料が家計を圧迫しないか
  • 解約返戻金や予定利率を考えると、解約より継続・払済の方がよくないか

生命保険と医療保険は目的が違います。生命保険は、被保険者が亡くなったときに遺された家族の生活費・教育費・住居費などを支えるための保障です。一方、医療保険は入院・手術などの医療費負担に備える保障です。見直しでは「死亡保障」と「医療保障」を分けて考えましょう。

生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯の民保加入世帯(かんぽ生命を除く)における医療保険・医療特約の世帯加入率は95.1%とされています。生命保険と医療保険を同時に持つ家庭は多いため、どの保険が何をカバーしているのかを整理することが重要です。

保障を増やす場合は、新たな告知や診査が必要になることがあります。健康状態によっては加入できない、条件付きになる、保険料が高くなる可能性があります。反対に、保障を減らす場合は保険料を抑えられますが、保障に穴ができる点に注意してください。


生命保険を見直すタイミング|結婚・出産・住宅購入・更新前が目安

生命保険の見直しは、ライフステージや家計が変わったときに行います。

特に、結婚・出産・住宅購入・転職や独立・子どもの独立・定期保険の更新前は、必要な保障額が大きく変わりやすいタイミングです。

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タイミング見直す理由確認すること
結婚配偶者の生活費を考える必要が出る死亡保障の必要性、受取人
出産教育費・扶養期間が増える子どもの独立までの必要保障額
住宅購入団信と死亡保障が重複することがある住宅ローン残高、団信の保障範囲
転職・独立収入や公的保障が変わる会社員か自営業か、遺族年金の違い
子どもの独立扶養負担が減る死亡保障の減額余地
更新前更新後の保険料が上がりやすい更新後保険料、保障期間
保険料が重い固定費として家計を圧迫する不要な特約、減額、払済保険

結婚・出産では必要保障額が増えやすい

独身時代は、葬儀費用や身の回りの整理費用を中心に考えればよかった人でも、結婚後は配偶者の生活費を考える必要があります。さらに子どもが生まれると、生活費に加えて教育費も考慮しなければなりません。

たとえば、子どもが5歳なら、高校卒業や大学進学までの期間を想定して、生活費・教育費・住居費を見積もる必要があります。公的保障だけで不足する分を生命保険で補うのが基本です。

生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯の全生保加入率は30〜34歳で80.3%、35〜39歳で88.3%です。結婚・出産期に保険を検討する家庭が多いことがうかがえます。

住宅購入後は団信との重複を確認する

住宅ローンを組むと、団体信用生命保険(団信)に加入するケースが多くあります。住宅金融支援機構の機構団信では、加入者に万一のことがあった場合、生命保険会社から支払われる保険金により住宅ローンを完済(債務弁済)する仕組みが説明されています。

団信に加入している場合、住宅ローン残高は団信でカバーされることがあります。そのため、住宅費まで含めて高めの死亡保障に加入していた人は、生命保険の死亡保障が過剰になっている可能性があります。

ただし、団信で住宅ローンがなくなっても、生活費・教育費・固定資産税・修繕費は残ります。住宅購入後は「団信で減らせる部分」と「生命保険で残す部分」を分けて考えましょう。

更新前は保険料上昇に注意する

定期保険は、更新時にその時点の年齢で保険料が再計算されることが一般的です。若いころに安く加入した保険でも、更新を繰り返すと保険料が大きく上がることがあります。

更新案内が届いたら、更新後の保険料だけを見るのではなく、以下を確認してください。

  • 同じ保障額が本当に必要か
  • 子どもの独立まで、あと何年保障が必要か
  • 特約を外せば保険料を抑えられないか
  • 新規契約と比較しても条件がよいか

保険料が家計を圧迫するときは特約を点検する

2人以上世帯における生命保険(個人年金保険を含む)の世帯年間払込保険料は、生命保険文化センターの2024年度調査で平均35.3万円です。月に直すと約2.9万円です。

もちろん平均額はあくまで目安であり、必要な保障額は家族構成や収入によって変わります。ただ、保険料が家計を圧迫しているなら、主契約よりも先に、医療特約・入院特約・がん特約・介護特約などを点検しましょう。

同調査では、世帯主年齢別の全生保の世帯年間払込保険料は55〜59歳で40.7万円と高めです。更新や特約の積み重ねで保険料が重くなっている場合は、保障の棚卸しが必要です。

見直し判断フロー

見直しが必要か迷ったら、次の順で判断してください。

STEP
家族構成が変わったか

結婚・出産・離婚・子どもの独立があれば、必要保障額を再計算します。

STEP
住居費や収入が変わったか

住宅ローン、団信、転職、独立、収入減があれば、保障額を見直します。

STEP
更新日が1年以内か

更新後の保険料が上がる前に、減額・特約解約・新規契約を比較します。

STEP
保険料が家計の負担になっているか

負担が重い場合は、不要な特約や過剰な死亡保障を確認します。

どれか1つでも当てはまるなら、まず保険証券を出して現在の保障内容を一覧にするところから始めましょう。


生命保険の見直し手順|まず契約内容を棚卸しする

見直しの第一歩は、現在の契約内容を正確に把握することです。

保険を見直す前に、「誰が」「何の保障を」「いくら」「いつまで」「月いくらで」持っているのかを整理します。これをしないまま新しい保険を比較すると、保障が重複したり、逆に必要な保障を削ってしまったりします。

棚卸しに必要な書類

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書類・情報確認できること入手先
保険証券保険種類、保険金額、保障期間自宅保管、保険会社
契約内容のお知らせ主契約・特約・保険料保険会社からの郵送、マイページ
設計書給付条件、更新後保険料、払込期間加入時資料、保険会社
保険料控除証明書年間払込保険料保険会社からの郵送、電子交付
家計情報毎月の収支、貯蓄、住宅ローン家計簿、通帳、給与明細、ローン残高明細

保険証券が見つからない場合は、保険会社のマイページやカスタマーセンターで契約内容を確認できます。複数の保険に加入している場合は、すべて並べて確認しましょう。

主契約と特約を分けて確認する

生命保険には、基本部分である「主契約」と、上乗せの保障である「特約」があります。

たとえば、死亡保険金1,000万円の終身保険が主契約で、入院日額5,000円の医療特約や、がん診断一時金の特約が付いているケースがあります。保険料を下げたい場合、主契約をすぐ減らすより、まず不要な特約や重複している特約を確認する方が安全なことがあります。

棚卸しシートの例

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保険名保障内容保障額保障期間月払保険料更新日
定期保険A死亡保障1,500万円60歳まで4,800円2027年4月
医療保険B入院・手術日額5,000円終身3,200円なし
収入保障保険C死亡保障月額10万円65歳まで3,900円なし

このように一覧化すると、死亡保障が重複していないか、医療保障が多すぎないか、更新日が近い保険はどれかが分かりやすくなります。

給付条件と除外条件を確認する

特約は名前だけで判断しないことが大切です。同じ「入院特約」でも、1日目から給付されるもの、一定日数以上の入院で給付されるもの、支払限度日数が短いものなどがあります。

また、医療費については公的医療保険の高額療養費制度も考慮します。高額療養費制度では、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月の上限額を超えた場合、超えた額が支給されます。

厚生労働省は、令和8年8月・令和9年8月からの高額療養費制度の見直し予定も案内しているため、最新の制度情報を確認しましょう。

ただし、差額ベッド代や先進医療の技術料など、高額療養費制度の対象外となる費用もあります。医療保険をすべて不要と判断するのではなく、「公的保障でカバーされる部分」と「民間保険で備える部分」を分けて確認しましょう。

見直し案は同じ条件で比較する

見直し案を比較するときは、保険金額・保障期間・特約・払込期間をそろえることが重要です。条件が違う保険を保険料だけで比べると、安く見えても保障が不足することがあります。

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比較項目現在の契約見直し案確認ポイント
死亡保険金額1,500万円1,200万円必要保障額に足りるか
保障期間60歳まで65歳まで子どもの独立まで続くか
医療特約ありなし別の医療保険と重複しないか
月額保険料8,000円6,500円削減額だけで判断しない
告知不要必要健康状態で条件が変わるか

生命保険の必要保障額|公的保障・貯蓄・団信を差し引く

必要保障額は、遺された家族に必要なお金から、公的保障・貯蓄・団信などで補える分を差し引いて求めます。

必要保障額の基本式

必要保障額 = 遺された家族に必要なお金 − 公的保障 − 貯蓄 − 団信などで補える分

ここで重要なのは、死亡保険金額を「なんとなく1,000万円」「不安だから3,000万円」と決めないことです。必要額は家族構成・子どもの年齢・住宅ローン・貯蓄額・働き方によって大きく変わります。

必要保障額の計算ステップ

STEP
必要な生活費を見積もる

月の生活費 × 必要な月数で、生活費の総額を出します

STEP
教育費・住居費・葬儀費用を加える

子どもの進学予定、住宅ローン、賃貸か持ち家かを確認します

STEP
公的保障を差し引く

遺族基礎年金・遺族厚生年金などを確認します。

STEP
貯蓄や団信を差し引く

すぐ使える貯蓄、団信で消える住宅ローン、退職金見込みなどを考慮しま

遺族年金を確認する

公的保障の中心になるのが遺族年金です。遺族基礎年金は、子のある配偶者または子が対象です。ここでいう子は、原則として18歳になった年度の3月31日までの子、または20歳未満で障害年金の障害等級1級・2級の状態にある子を指します。

令和8年4月分から、子のある配偶者が受け取る遺族基礎年金は、昭和31年4月2日以後生まれの場合で年額847,300円+子の加算額です。子の加算額は、1人目・2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円です。

つまり、配偶者と子ども1人のケースでは、遺族基礎年金は年額1,091,100円(847,300円+243,800円)です。月額にすると約9.1万円です。

会社員や公務員など厚生年金に加入していた人が亡くなった場合は、要件を満たせば遺族厚生年金も受け取れます。遺族厚生年金の額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3が基本です。厚生年金の被保険者期間が300月未満の場合は、300月とみなして計算されるケースがあります。

遺族年金は、家族構成・年齢・職業・保険料納付状況によって変わります。正確な金額は日本年金機構、ねんきんネット、年金事務所で確認してください。

生活費から不足額を試算する

総務省統計局の家計調査では、2025年の二人以上世帯の消費支出は1世帯あたり1か月平均314,001円です。ただし、これは全世帯の平均であり、子育て世帯・高齢世帯・地域・住宅費の有無によって差があります。

ここでは、30代夫婦・子ども1人(5歳)・子どもが18歳になるまで13年と仮定して、生活費だけを簡易試算します。

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項目計算金額
必要生活費月25万円 × 156か月3,900万円
遺族基礎年金約9.1万円 × 156か月約1,420万円
貯蓄から充当貯蓄500万円のうち半分250万円
不足額3,900万円 − 1,420万円 − 250万円約2,230万円

この例では、生活費部分だけで約2,230万円の死亡保障が必要という目安になります。ここに教育費、住宅費、葬儀費用、遺族厚生年金、配偶者の収入などを加味して、最終的な必要保障額を調整します。

必要保障額は一度決めたら終わりではありません。子どもが成長するほど必要保障額は減り、貯蓄が増えるほど生命保険で備える額も減らせます。

貯蓄性のある保険は流動性も確認する

終身保険や養老保険など、解約返戻金がある保険は、保障と貯蓄の両方の性格を持ちます。見直しでは、単純に「保険料が高いから解約」と判断するのではなく、解約返戻金・予定利率・払込残期間を確認しましょう。

特に、加入時期が古い保険は予定利率が高い場合があります。解約すると、同じ条件の貯蓄性保険には入り直しにくいこともあります。一方で、急な支出に使いにくい資産でもあるため、教育費や老後資金としていつ使う予定なのかを整理しておくことが大切です。


生命保険の見直し方法|追加・減額・特約解約・払済・延長・転換

見直し方法は目的によって変わります。保障を増やしたいのか、保険料を下げたいのか、保険料の払込みを止めたいのかで選びましょう。

見直し方法の早見表

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目的方法向いているケース主な注意点
保障を増やしたい追加契約現在の保険を残して不足分だけ補いたい告知・診査が必要
保障を増やしたい特約の中途付加今の契約に医療・介護などの保障を足したい付加できる特約は商品により異なる
保険料を下げたい減額死亡保険金が必要額より多い減額部分は解約扱い
保険料を下げたい特約解約医療特約などが重複している特約部分の保障がなくなる
払込みを止めたい払済保険保険期間を残しつつ保険料を止めたい保障額は少なくなる
死亡保険金を維持したい延長保険死亡保険金額をなるべく維持したい保険期間が短くなることがある
保険を入れ替えたい契約転換同じ保険会社内で保障内容を大きく変えたい新旧契約の比較が必須

追加契約や特約追加で保障を上乗せする

保障が不足している場合は、新しい保険を追加するか、現在の契約に特約を付ける方法があります。

追加契約は、現在の保険とは別に新しい保険へ加入する方法です。保障期間や保険金額を自由に設計しやすい一方、保険料は増え、契約管理の手間も増えます。

特約の中途付加は、現在の契約に保障を追加する方法です。契約をまとめやすいのがメリットですが、付加できる特約や条件は保険会社・商品によって異なります。

追加契約や特約追加では、告知や診査が必要です。健康状態によっては加入できない、条件付きになる、保険料が高くなる可能性があります。

減額や特約解約で保険料を下げる

保険料を下げたい場合は、保険金額の減額や特約解約を検討します。

減額は、死亡保険金などの保障額を一部減らす方法です。減額した部分は解約したものとして扱われ、解約返戻金が受け取れる場合があります。ただし、保障額は下がるため、必要保障額を確認してから行いましょう。

特約解約は、入院特約・通院特約・がん特約などを外す方法です。特約分の保険料は下がりますが、その保障はなくなります。すでに別の医療保険や公的保障で足りるか確認してから判断してください。

払済保険と延長保険を使い分ける

解約返戻金がある保険では、保険料の払込みを止めても契約を続ける方法として、払済保険や延長保険を選べる場合があります。

払済保険は、その時点の解約返戻金をもとに、保険期間をそのままにして、保障額の少ない保険へ変更する方法です。保険料の払込みは止まりますが、保障額は小さくなります。また、付加している特約は消滅することがあります。

延長保険は、その時点の解約返戻金をもとに、死亡保障のみの定期保険へ変更する方法です。死亡保険金はもとの契約と同額ですが、保険期間が短くなることがあります。こちらも特約は消滅することがあります。

保険料を止めつつ保障期間を残したいなら払済保険、死亡保険金額をなるべく維持したいなら延長保険が候補です。ただし、どちらも商品や解約返戻金の額によって利用できない場合があります。

契約転換は新旧契約の比較が必須

契約転換とは、現在の契約の積立部分や積立配当金を活用して、新しい保険を契約する方法です。一般的には、同じ保険会社内で現在の契約を下取りするイメージです。

転換は、保障内容を大きく変えられる一方で、転換前の契約は消滅するのが一般的です。さらに、転換後の保険料は転換時の年齢や保険料率で計算され、告知や診査も必要です。

契約転換を提案された場合は、必ず以下を確認してください。

  • 転換前と転換後の死亡保険金額
  • 医療・がん・介護など特約の変化
  • 月額保険料と払込期間
  • 解約返戻金や積立部分がどう変わるか
  • 転換以外の方法と比較した結果

保険会社には、転換をすすめる場合に新旧契約の比較などを書面で説明する義務があります。内容を十分理解してから判断しましょう。


生命保険見直しの注意点|告知・無保険期間・税金を確認

見直しで失敗しないためには、解約の順番、告知、返戻金、税金の4つを確認することが重要です。

新しい保険が成立してから古い保険を解約する

保険の見直しで最も避けたいのが、無保険期間です。古い保険を先に解約してから新しい保険を申し込むと、審査中に保障がない期間が生じる可能性があります。

特に、健康状態によって新しい保険に加入できなかった場合、古い保険にも戻れず、保障がなくなるリスクがあります。

基本の順番は「新しい保険の契約成立 → 古い保険の解約」です。短期間だけ保険料が二重になる場合がありますが、無保険期間を避けるためには重要です。

告知で加入条件が変わることがある

保障を増やす場合や新しい保険に入り直す場合は、告知や診査が必要です。過去の病歴、健康診断の結果、服薬状況などによって、加入できない、特定部位が不担保になる、保険料が割増になる可能性があります。

一方、現在の保険を減額する、特約を解約する、払済保険に変更するなどの方法では、一般的に新たな告知が不要な場合があります。ただし、保険会社や商品によって取り扱いが異なるため、必ず確認してください。

解約返戻金は課税される場合がある

貯蓄性のある保険を解約すると、解約返戻金を受け取れることがあります。ただし、受け取った金額が払い込んだ保険料を上回る場合などは、所得税の対象になる可能性があります。

また、満期保険金や解約返戻金は、保険料の負担者と受取人が同じかどうかで、所得税または贈与税の対象が変わることがあります。税額が気になる場合は、保険会社の税務相談窓口や税理士に確認しましょう。

受取人変更は税務上の扱いも確認する

死亡保険金の税金は、契約者名義だけではなく、実際に保険料を負担した人、被保険者、受取人の組み合わせで変わります。

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保険料負担者被保険者受取人主な税目
本人本人配偶者・子など相続税
本人配偶者本人所得税
本人配偶者子など贈与税

たとえば、保険料負担者と被保険者が同じ場合の死亡保険金は、原則として相続税の対象です。一方、保険料負担者・被保険者・受取人がすべて異なる場合は、贈与税の対象になる場合があります。

受取人を配偶者から子どもへ変えるだけでも、契約形態によって税務上の扱いが変わることがあります。相続対策を兼ねる場合は、保険会社や税理士に確認してください。


生命保険の相談先|保険会社・代理店・FPの使い分け

相談先は、相談したい内容によって使い分けるのがおすすめです。

生命保険の見直しでは、保険会社、保険代理店、ファイナンシャルプランナー(FP)、税理士、年金事務所などが相談先になります。それぞれ立場と得意分野が違うため、目的に合わせて選びましょう。

相談先の比較表

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相談先向いている相談メリット注意点
保険会社現在契約している保険の確認
減額
特約解約
自社契約に詳しく手続きが早い比較対象は自社商品が中心
保険代理店複数社の新規契約・乗り換え比較複数の商品を比較しやすい取り扱い会社に限りがある
FP必要保障額
家計全体
教育費・老後資金
保険以外も含めて相談しやすい有料相談や保険販売を伴う場合がある
税理士相続税・贈与税・受取人変更税務判断に強い保険商品の比較は専門外の場合がある
年金事務所遺族年金の受給要件・見込額公的年金を確認できる民間保険の提案は受けられない

相談前に準備する質問

相談の前に、以下を整理しておくと話がスムーズです。

  • 現在の保険料はいくらか
  • 死亡保険金額はいくらか
  • 保障期間はいつまでか
  • 保険料を下げたいのか、保障を増やしたいのか
  • 子どもの年齢、住宅ローン残高、貯蓄額はいくらか
  • 受取人や相続について不安があるか

相談先にすべて任せるのではなく、「必要保障額を計算したい」「保険料を月5,000円下げたい」「団信と重複していないか確認したい」など、目的を明確に伝えると提案の質が上がります。

比較するときは同じ条件で見積もる

複数の提案を比較するときは、死亡保険金額、保障期間、保険料払込期間、特約の有無をそろえてください。

たとえば、A社は死亡保障2,000万円で60歳まで、B社は死亡保障1,500万円で65歳までなら、単純に保険料だけでは比較できません。保障内容が違うためです。

相談時には「死亡保障2,000万円、子どもが独立するまで、医療特約なし」など、比較条件を指定して見積もりを依頼すると判断しやすくなります。


まとめ|生命保険の見直しは保険証券の確認から始める

生命保険の見直しは、保険料を安くするためだけの作業ではありません。家族に必要な保障を残し、不要な保障を減らし、家計に合う形へ整える作業です。

まずは保険証券を出して、現在の死亡保険金額、保障期間、月額保険料、特約、更新日を一覧にしましょう。そのうえで、必要保障額を公的保障・貯蓄・団信から逆算し、足りない部分を追加するのか、多すぎる部分を減らすのかを判断します。

保障を増やす場合は告知や診査に注意し、保険料を下げる場合は保障の穴に注意します。新しい保険に入り直す場合は、必ず新契約が成立してから古い契約を解約してください。

今日できる最初の一歩は、保険証券を1枚出して、死亡保険金額と月額保険料をメモすることです。そこから、今の家族に合った保障へ整えていきましょう。


FAQ

生命保険の見直しはいつすればいいですか?

結婚、出産、住宅購入、転職や独立、子どもの独立、定期保険の更新前、保険料が家計を圧迫しているときが代表的なタイミングです。大きな変化がなくても、更新案内や保険料控除証明書が届いたタイミングで保障内容を確認すると、過不足に気づきやすくなります。

見直しをすると保険料は必ず安くなりますか?

必ず安くなるわけではありません。保障を増やす場合や、新しい保険へ加入し直す場合は、年齢や健康状態によって保険料が上がることがあります。保険料を下げたい場合は、減額や特約解約、払済保険なども検討します。

今の保険を解約してから新しい保険に申し込んでもいいですか?

おすすめできません。新しい保険の審査中に無保険期間が生じる可能性があるためです。基本は、新しい保険が成立してから古い保険を解約する順番です。

告知が通らない場合、見直しはできませんか?

追加契約や新規契約は難しい場合がありますが、現在の保険を減額する、特約を整理する、払済保険に変更するなど、既存契約の範囲で見直せる可能性があります。健康状態に不安がある人ほど、古い保険を先に解約しないよう注意しましょう。

払済保険と延長保険の違いは何ですか?

払済保険は、保険料の払込みを止めて、保障額を少なくした保険に変更する方法です。保険期間はそのまま残るのが基本です。延長保険は、保険料の払込みを止めて、死亡保険金額を維持した定期保険に変更する方法です。ただし、保険期間が短くなることがあります。

生命保険の相談は誰にすればいいですか?

現在の契約内容を確認したいなら保険会社、複数社の商品を比較したいなら保険代理店、必要保障額や家計全体を相談したいならFPが向いています。税金や相続が関係する場合は税理士、遺族年金の確認は年金事務所も活用しましょう。


出典

公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に加入している人はどれくらい?加入金額は?」
公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)まとまる」(公開日:2024年11月25日)
公益財団法人 生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険の見直しと留意点」
公益財団法人 生命保険文化センター「保険料の負担軽減・払込の中止と契約の継続」
公益財団法人 生命保険文化センター「転換制度」
日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(更新日:2026年4月1日)
日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」(更新日:2026年4月1日)
総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2025年(令和7年)平均結果の概要」
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(更新日:2026年5月8日)
住宅金融支援機構「機構団体信用生命保険特約制度」
国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」
国税庁「No.4417 贈与税の対象になる生命保険金」
国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」

※本記事の情報は2026年5月時点のものです。制度・税務・年金額は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトまたは専門家に確認してください。

執筆者

生命保険ナビ編集部は、「保障を無駄なく、安心を最大化する保険選び」を目的として、保険相談のおすすめ先保険相談のキャンペーンを紹介。読者がライフステージに応じて最適な保険設計ができるよう、公平かつ分かりやすい情報発信を心がけている。運営元のアドバイザーナビ株式会社は、IFAや保険代理店のアドバイザーと生活者をつなぐマッチングサービス「生命保険ナビ」を展開中。