- 生命保険の死亡保険について知りたい
- 定期型と終身型のどちらがいいかわからない
生命保険とは、万が一のときに自分や家族を守る保障制度である。
特に、死亡保険は自分の病気やケガなどのリスクに対する備えであり、就職や結婚、出産などを機に加入を検討する方も多いだろう。
しかし、死亡保険には定期型や終身型など様々な種類があり、どの保険に加入すべきか悩んでいないだろうか。
本記事では、生命保険の死亡保険について、定期型と終身型の違いや、それぞれのメリットデメリットなどを詳しく解説する。
この記事を読むことで、死亡保険への理解が深まり、自分に最適な保険の選び方を見つける手助けになることだろう。
【生命保険】死亡保険とは
生命保険の一部である死亡保険は、名前のとおり被保険者が死亡した場合に保険金給付金を受け取ることができる保険だ。
ここでは死亡保険の概要や必要性を説明する。平均加入率についても紹介しているので、ぜひチェックしてほしい。
死亡保険の概要
死亡保険は、加入者である被保険者が亡くなったり、高度障害状態になったりした場合に遺族に対して保険金が支払われる保険だ。
満期保険金や解約返戻金を受け取れる貯蓄型と受け取れない掛け捨て型がある。
貯蓄型は資産形成の役割も兼ねているため、保険料は高くなりやすい。
一方、掛け捨て型は保険期間内に万が一のことがなければ保険金は受け取れない分、保険料が安いのが特徴だ。
ただ、一定期間内に被保険者が自殺したり、戦争による被害を受けたりすると、死亡保険金を受け取れないケースがある点に注意しておく必要がある。
死亡保険の必要性
多くの家庭で死亡保険は欠かせないだろう。
家計を支える働き手が亡くなってしまうと、収入がなくなって生活が一気に苦しくなるからだ。
特に子どものいる世帯では、家賃や食費などの生活費に加えて教育費も必要になる。
一般的に必要とされる教育費は以下のとおりだ。
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
中学校 | 53万8,799円 | 143万6,253円 |
高等学校 | 51万2,971円 | 105万4,444円 |
大学 | 約450万円 | 約800万円 |
万が一の場合にも遺族が安心して生活できるように、死亡保障のある保険に加入しておこう。
死亡保険の平均加入率と平均年間払込保険料
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/2022(令和4)年度>によると、生命保険の平均加入率は79.8%だった。
男性で77.6%、女性で 81.5%と女性の方が加入率が高い結果になっている。年代ごとの加入率の違いは以下のとおりだ。
年代別 | 20歳代 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 70歳代 |
---|---|---|---|---|---|---|
2022(令和4)年 | 46.4% | 81.5% | 86.1% | 86.9% | 85.8% | 72.5% |
結婚や出産のタイミングで保険に加入する人が多いため、30歳代になると加入率は大幅にアップする。
その後も加入率は徐々に増え、50歳代が最も高い結果となった。
また、同調査によると生命保険の平均年間払込保険料は17.9万円だった。
性別ごとに見ると、男性が20.6万円、女性が16.0万円となっている。
平均加入率と違い、平均年間払込保険料は男性の方が高い。
収入を支えるケースの多い男性の保障は手厚くする傾向があるため、払い込む保険料は高くなるのだろう。
12万円未満 | 12~24万円未満 | 24~36万円未満 | 36~48万円未満 | 48~60万円未満 | 60万円以上 | |
全体 | 39.5% | 30.2% | 13.3% | 4.4% | 1.9% | 3.3% |
「12万円未満」が最も多く、「12〜24万円未満」「24〜36万円未満」と続いている。
死亡保険は定期型と終身型ではどちらが良い?
保険を選ぶ際、保険期間に定めのある「定期型」と一生涯にわたって保障される「終身型」かを決める必要がある。
ただ、どちらを選ぶべきかわからず困っている人もいるだろう。
ここでは、定期型と終身型の概要やそれぞれのメリット、デメリットを紹介する。
定期型と終身型の概要
定期型は契約時に設定した一定期間内のみ、死亡や高度障害に備えられる保険だ。
保険期間が終了するまでの全期間にわたって保険料が一定の「全期型」、保険期間を10年や15年ごとに区切って保険料が上昇していく「更新型」の2種類がある。
加入時点の保険料は全期型の方が高いが、期間終了に近づくにつれて更新型の方が高くなる。
定期型は掛け捨て保険とも呼ばれており、安い保険料で万が一の場合に備えることが可能だ。
終身型は一生涯にわたって保障が継続される保険だ。
期間内に更新することがないため、契約時点の保険料が最後まで適用される。
定期型に比べると保険料は高いものの、貯蓄性があるため途中で解約すると解約返戻金を受け取ることができる。
それぞれの保険のメリットとデメリット
定期型のメリット
- 安い保険料で万が一の場合に備えられる
- ライフプランに合わせて保険期間を設定できる
- 保障内容を見直しやすい
定期型は終身型に比べると保険料が安いのが特徴だ。保険料は抑えられるが、死亡時や高度障害時の保障内容が劣るわけではない。
ライフプランに合わせて保険期間を設定できるのも良い点だ。
子どもの進学や独立、マイホーム購入などのライフイベントによって、必要な保障内容は異なる。時期ごとにプランを変更できるため、保障内容の過不足が起こりにくい。
そして契約更新のタイミングや終了するタイミングで保障内容を見直しやすいのだ。
定期型のデメリット
- 解約返戻金がない
- 更新型の場合は更新する度に保険料が上がる
- 保険期間終了後は別の保険を探す必要がある
定期型の多くは貯蓄性がないため、解約返戻金を受け取ることはできない。
また、更新型の場合は更新時の年齢で保険料が算出される。そのため、更新前よりも保険料が上がってしまう。
なお、契約更新が可能な年齢の条件を超えた場合は、新しい保険を探さなければならない。
80歳や90歳を超えてから加入できる保険は商品が少なかったり、保険料が高かったりする。
最後まで保障してもらいたい場合は、定期型よりも終身型の方が合っているだろう。
終身型のメリット
- 保障が一生涯続く
- 解約返戻金がある
- 保険料が上がらない
- 相続税対策に役立つ
終身型は死ぬまでが保険期間だ。貯蓄性があるため、途中で解約すると解約返戻金を受け取ることができる。
万が一の場合に備えながら、資産形成にも役立てられるのだ。
そして終身型は基本的に保険料が変わらない。契約時に定められた保険料が最後まで適用される。
一定の資産がある場合は相続税対策にも役立つ。
みなし相続財産として扱われる解約返戻金や死亡保険金は、現金や株式などの財産とは別に非課税枠を活用できるからだ。
一般的な相続財産は、基礎控除を差し引いた課税遺産総額に対して税金がかかる。
基礎控除は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で求められる。
つまり、法定相続人が2人の場合は、4,200万円まで相続税がかからないのだ。
死亡保険金や解約返戻金には、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が設定されている。
非課税枠を有効活用すると、基礎控除よりも大きい金額の遺産も相続税を払わずに相続が可能だ。
たとえば、法定相続人が2人で現金5,200万円を相続するケース。
基礎控除は4,200万円なので、1,000万円に対して税金がかかる。
しかし、法定相続人が2人で現金4,200万円と保険金1,000万円を相続するケースでは、基礎控除と保険金の非課税枠によって税金がかからないのだ。
どちらも同じ5,200万円を相続しているのだが、保険の活用によって相続税対策が可能だ。
終身型のデメリット
- 保険料が高い
- インフレリスクに対応できない
- 保険の見直しが難しい
- 解約返戻金が元本割れする可能性がある
終身型は定期型よりも保険料が高い。貯蓄性があるため、仕方がないだろう。
インフレリスクに対応できないのもデメリットだ。インフレとは物価の上昇を指す。
つまり、お金の価値が相対的に下がるのだ。終身保険は20年以上加入する人が多いが、年月が経って受け取った保険金の実質的な価値が大幅に下がっている可能性が十分にあり得る。
また、保障内容を見直す際、多くのケースで解約しなければならない。
ただ、保険に加入している期間が短いと解約返戻金が元本割れする可能性が高い。
元本割れとは、払い込んだ保険料よりも解約返戻金が少ないことを指す。
気軽に解約できないため、保障内容の見直しが難しいのだ。
それぞれの保険が向いている人の特徴
定期型が向いている人
- 一定の期間だけ保障を手厚くしたい人
- 月々の保険料負担を軽くしたい人
- 老後資金を確保できている人
期間ごとに保障内容を柔軟に変えられる定期型は、出産時やマイホーム購入まで、子どもが独立するまでと一定の期間だけ保障を手厚くしたい人に向いている。
また、貯蓄性がなく月々の保険料負担を抑えられることから、保険料を安くしたい人や貯蓄が得意な人に向いているだろう。
終身保険は拘束期間が長い割に、得られるリターンは小さい。
投資信託や株式で資産形成ができる人は、保険は保険、投資は投資と分けて考えるべきだ。
終身型が向いている人
- 安定して保険を継続できる人
- 貯蓄が苦手な人
- 遺族の相続税負担を減らしたい人
終身型は払込期間が短い時に解約すると、基本的に元本割れしてしまう。
そのため、安定して保険料を払い込み続けられる人でないと、契約しても途中で解約せざるを得なくなって損する可能性が高い。
ただ、手元にお金があると使ってしまう貯蓄が苦手な人もいるだろう。
そんな人には、契約すると保険料の払い込みが必要になる終身型が合っている。
すでに多くの資産がある人は、相続税対策として終身型保険を契約するのも選択肢だ。
【生命保険】死亡保険を選ぶ際のポイント
死亡保険を選ぶ際、いくつかのポイントがある。
- 保険に加入する目的を決める
- どのくらいの保障が必要か算出する
- 保険料が自分に合っているか見定める
それぞれ解説しよう。
保険に加入する目的を決める
まずは保険に加入する目的を決めよう。目的が不明瞭なまま商品を選ぶのは難しいからだ。
保険にはさまざまな商品があり、それぞれの特徴は異なる。
「万が一の場合に備えたい」「死亡時の保障を用意したい」など、保険を検討する目的は違うだろう。
加入目的が明確だと、条件に合わない商品をチェックする必要がなく、自分にあったものを選びやすいのだ。
いきなり商品選びを始めた方が結果的に時間がかかったり、目的に合わなくて選びなおしたりする恐れがある。
労力と時間を抑えて自分に合った商品を選ぶためにも、先に加入目的を決めておこう。
どのくらいの保障が必要か算出する
加入目的が決まったらどのくらいの保障が必要なのか算出しよう。
万が一の場合にいくら必要なのかは、ライフスタイルや今後の生活によって大きく異なるからだ。
保障内容が不足していると万が一の場合に困ってしまう可能性がある。
一方で、保障内容を手厚くしすぎると保険料が高くなる可能性が高い。
保障内容は手厚ければ手厚いほどいいわけではない。
万が一の場合に適切な保険金をもらえるように設定しておく必要がある。
保険料が自分に合っているか見定める
加入目的と必要な保障内容から商品が絞れたら、最後に保険料が自分に合っているか見定めよう。
万が一の場合に備える保険料が生活を圧迫しては元も子もない。
必要な保障内容を含んでいながら、適切な保険料の商品を探そう。
生命保険の死亡保険は家族に遺す万が一の大切な備え
本記事では、死亡保険の基本的な理解から、定期型と終身型の違い、そして選ぶ際のポイントまで詳しく解説した。
死亡保険はもしものときに家族の将来を守るために欠かせないものである。
そのため、ライフステージやニーズに合った保険を選択することが重要である。
しかし、保険を選ぶ際は、専門的な知識をもとに保障内容や保険料、保険期間などの商品性を理解する必要がある。
また、保険には膨大な数の商品が存在するため、その中から最適なものを見つけるのは難しいだろう。
そこで、保険のプロに相談してみることをおすすめする。
しかし、保険のプロは多く、誰が自分に合うのか選ぶこと自体にも難しさがある。
そんな時に便利なのが、「生命保険ナビ」である。全国の保険のプロの中から自分の条件や意向にあった担当者が選んでくれる。
保険の専門家に一度相談してみることで、より最適な保険を見つけることが可能になるだろう。
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