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海外資産に相続税はかかるの?正しい知識と準備

「外貨投資の基礎知識 わたしのIFAコラム」
この記事で解決できるお悩み
  • 海外資産にかかる相続税の計算方法がわからない
  • 相続税対策の一環として海外資産に目を向けているが、注意点や手続きがわからない
  • 海外資産における相続税制度の違いによる影響が理解できない

近年のグローバル化に伴い、海外資産を持つ日本人も増えている。

そして人生の節目イベントである相続は、遺産分割や税金の問題、家族間の軋轢といった複雑な課題を含むことが多いが、相続税に関していえば海外資産も原則として課税される。こうした状況で、相続税についての理解と対策は一段と重要となっている。

本記事では、まず基本的な相続税の知識を理解し、その後、海外資産に関わる相続税とその対策について掘り下げていく。また、専門家であるIFA(Independent Financial Advisor)の重要性とその選び方、活用方法についても詳しく解説する。

相続という難題に直面し、さらに故人が海外資産を所有する場合に、本記事が読者の皆様の一助となることを願っている。

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目次

相続税とは何か?基本的な知識を理解する

相続税とは何か、基本的な知識を理解する わたしのIFAコラム

相続税とは、一言で言えば、人が亡くなったときに、その遺産を相続する者が支払う税金のことを指す。この税金は、遺産の総額や相続人の数、相続人と故人との関係によって変動する。

なお相続税制の目的は、財産の集中を防ぎ、資産の再配分を図ることで社会の公平性を保つことにある。

相続税の計算方法について

相続税の計算は、基本的には以下の手順で進められる。

  • 遺産の評価(課税価格の計算)

まず、故人が残した全ての資産と負債を評価する。資産には不動産、株式、預貯金、生命保険の受取金などが含まれ、負債には借金や葬式費用などが含まれる。

  1. 相続税総額の計算

課税価格の合計額から、基礎控除※を差し引く。控除後の金額を「課税遺産総額」という。

  • 基礎控除は、3,000万円+相続人数×600万円と定められている。
  1. 仮相続税額の計算

課税遺産総額を、各相続人が「法定相続分」で遺産分割すると仮定し、仮相続税額を計算する。

  1. 実際税額の計算

仮相続税額の合計に、各人の按分割合を乗じ、実際の相続税額を算出する。

相続税の対象となる財産について

相続税の対象となる財産は、相続開始時に故人が所有していたあらゆる種類の財産である。具体的には以下のとおり。

  • 不動産
    • 住宅や土地、アパートなどの不動産
  • 動産
    • 家具や車、美術品などの動産
  • 金融資産
    • 預金、株式、投資信託、生命保険の受取金など、金融機関に預けられている資産
  • 事業資産
    • 故人が経営していた事業の資産も対象になる。これには事業所得や売上、在庫などが含まれる
  • 借金や債務
    • 故人が残した借金や債務も「マイナスの相続財産」と見なされ、遺産評価時に控除される

これらの財産の合計額が相続税の課税基準となる。ただし、不動産や事業資産などは素人では評価が難しい場合もあり、専門家の助けが必要となる。

相続税の申告と支払いについて

相続税の申告は、被相続人の死亡(を知った)日から10か月以内に行う必要がある。また納税も、同日までに行う。ただし、申告は専門的な知識を必要とするため、税理士に依頼することも一般的である。

税納付場所は、金融機関窓口、税務署窓口などが一般的である。

また、納税は「金銭で一時払いする」のが原則であるが、納付が困難で一定の要件を満たしている場合は、分割納付(延納)と、財産で納付する方法(物納)が認められる場合がある。いずれも、申告期限までの手続きが必要。

海外資産と相続税、その取り扱い

海外資産と相続税、その取り扱い わたしのIFAコラム

被相続人(亡くなった方)、相続人ともに日本国籍を持ち国内に居住しており、被相続人の財産の一部が海外資産の場合、日本の相続税は海外資産にも及ぶ。

本記事では、このケースについて考察する(居住地が海外の場合、いろいろなパターンがある)。

海外資産にかかる相続税の計算方法

海外に存在する相続財産は、その所有者が日本人だとしても、その国の相続税(たとえばアメリカでは「遺産税:Estate Tax」)の対象になる。しかしその計算方法は、国により異なり、また、動産と不動産でも異なる。

ちなみにアメリカにある財産の場合、日本のように相続人の間で遺産分割を行うのではなく、裁判所を通じて弁護士が手続きを行う(これを、プロベート(probate)と称する)。また、アメリカにおける「アメリカ市民以外の遺産税基礎控除」は6万ドルとなっている。

国による相続税制度の違いとその影響

国により制度が異なるのは、前述のとおり。

たとえばアメリカ市民は、遺産税の基礎控除が1,140万ドル(約15億円)と高額である。これは、日本の相続税制度とは大きく異なり、遺産の規模や具体的な資産内容によっては、異なる税務戦略が必要となる可能性がある。

また、イタリア、カナダ、シンガポール、オーストラリアなど、相続税のない国も存在する。

二重課税の回避方法

相続税(に相当する税制)を設定している国はアメリカのほか、フランス、イギリス、ドイツ、台湾、韓国などである。そして、それらの国では国内資産に対し相続税を課税する(相続人は、各国において相続税の納税を行う)。

さらに前述のとおり、日本国においても海外資産に課税する。したがって、海外の資産を相続する際には、日本国内と海外の両方で相続税が課税される「二重課税」の問題が発生することがある。

このような事態を回避するため、日本の相続税では「外国税額控除」という制度を用意している。具体的には、日本で支払うべき相続税から、外国で納税した一定額を差し引くことができる。

この制度を利用するには、日本の相続税申告書の「外国税額控除の計算書」を記載して提出する。

海外資産と相続税対策

海外資産と相続税対策 わたしのIFAコラム

海外に資産を持つという選択は、多くの機会を提供してくれるが、それは同時に様々な課題を引き起こす可能性もある。それでは、海外資産を持つことのメリットとデメリットについて考察する。

海外資産を持つことのメリットとデメリット

海外資産を持つメリットは、まず、投資の多様化を図ることができるということ。異なる地域、市場、通貨に投資することで、リスクを分散し、ポートフォリオの安定性を向上させることが可能となる。

また、特定の国や地域における高い利回りや成長機会を活用することができる。例えば、高い経済成長を遂げている新興国や、一部の国で提供される税制上の優遇措置などを利用することができる。

逆にデメリットの一つが、言語や文化の違いによる情報収集の難しさである。また、海外の法律や税制の理解と、それらの変動に対応する必要もある。

海外資産にかかる相続税に対する対策の基本

海外資産を持つことによる相続税の問題に適切に対処するためには、以下の基本的な対策が考えられる。

  1. 相続発生時にその財産をどうしたいのか、決めておく
    • 遺言書を作成する、あるいは国によっては信託を活用するなどの方法もある。
  2. 海外の法律と税制の理解
    • この知識なしには、適切な海外投資はできない。

IFAによる税務アドバイスの重要性

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、クライアントの金融状況や目標に基づいて独立した金融アドバイスを提供する専門家である。海外資産への投資といった、情報の不足している投資行為については、専門家のアドバイスが必須である。

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IFAへの相談の必要性

IFAへの相談の必要性 わたしのIFAコラム

実際、海外資産を所有したり相続したりするケースは、レアである。

このようなレアケースに対処するためには、IFAのような専門家に相談するのが早道である。

海外資産相続におけるIFAの役割

パーソナライズされたアドバイスの提供

 IFAは、クライアントの状況や目標を理解し、それに基づいたパーソナライズされたアドバイスを提供する。

例えば、海外資産の相続税対策においては、クライアントの資産構成、家族構成、相続の意向などを考慮して、最適な対策を提案する。

税法・法令の解釈と適用

 IFAは税法や法令に詳しく、これらの解釈と適用に長けている。国際的な相続税対策においては、国による税制度の違いや租税条約の理解が重要である。

IFAは、これらの複雑な問題を理解し、クライアントに適切なアドバイスを提供する。

IFA選びのポイント

以下の点に注意して、IFAを選ぶ。

  • 資格と経験
  • 提供するサービス
  • 信頼性と評判
  • コミュニケーション能力

IFAを活用した相続税対策の効果

海外資産の相続税対策においては、IFAの知識と経験を活用することで、以下のような効果が期待できる。

IFAは、相続税の法令を深く理解し、各国の租税条約や税制度の違いにも詳しいため、不必要な税負担を避けることが可能となる。

海外資産の状況や、相続人の要望に基づいて、資産の構成を最適化したり、必要に応じて信託などのツールを活用したりすることが可能である。

IFAが適切な対策を立案し実行を支援することで、相続税や資産管理に関する不安を軽減する。これにより、クライアントは自身の資産を安心して相続人に残すことができる。

まとめ

まとめ わたしのIFAコラム

本記事では、海外資産や相続税に関する基礎知識を解説した。海外資産についての相続税対策には、国による相続税制度の違いや二重課税の回避など専門的な知識が必要であることが理解できた。

 税務対策はIFAに依頼することで、法令遵守を確保しつつ最適なアドバイスを得ることが可能である。 相続後の資金など資産運用についてお悩みの場合は資産運用のプロであるIFAに相談しよう。

「わたしのIFA」は信頼できるパートナーを紹介してくれる。資産運用に関するあらゆるお悩み解決のために相談してみよう。

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※本コラムは情報提供を目的としたものであり、個別銘柄の推奨や、金融商品の紹介、周旋を行うものではございません。

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執筆者

2019年に野村證券出身のメンバーで創業。投資家とIFA(資産アドバイザー)とのマッチングサイト「わたしのIFA」を運営。「投資家が主語となる金融の世界を作る」をビジョンに掲げている。

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