- 相続税の税率や計算方法が分からない
- 相続税を安くする方法が知りたい
- 相続税に関する不安や疑問を解消したい
2015年に相続税の基礎控除額が下がり、納税者が増えたことで相続税は誰でも軽視できない税金となった。
以前はある程度の財産がなければ課税対象者とならなかったものの、基礎控除額の改正により自宅を所有していた方の相続人も課税対象となりつつある。
相続税は日本の税金でも高い平均納税額である。固定資産税や所得税と比にならない金額にもなりかねず、誰でも課税対象者になる可能性も高い。
そのため相続税はどれくらいくるか事前に把握しておくことが大切だ。
本記事では2022年現在の相続税の税率と早見表を紹介する。
いつ発生するかわからない相続であるため、あらかじめ納税額の計算を出来るようにしておくために、ぜひ参考にしてほしい。
相続税の税率とは
相続税の税率はどれくらいだろうか。ここでは税率の紹介をする。
最高税率は55%
相続税の最高税率は55%であり、贈与税と並んで日本の税金の中でもっとも高い税率である。
相続税は法定相続分の課税対象額が大きいほど税率が高くなる超過累進課税が採用されている。
つまり、被相続人(亡くなった人)の財産が多いほど相続人は高い税金を納めなければいけない。
では実際どれくらいの税率なのだろうか。次の項で紹介する。
税率早見表
2022年現在の相続税の税率は以下の通りである。
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
相続税の税率は被相続人の財産総額に対して掛けられるわけではなく、相続人それぞれの割合に応じた金額に対しての課税となる。
しかしどのような計算方法をすれば良いか分からない方も多いのではないだろうか。
具体的な計算方法を次の項で紹介する。
相続税の計算方法
ここでは相続税の計算方法を紹介する。
課税遺産総額を算出する
被相続人の課税遺産総額を算出する。課税対象となる遺産は主に次の項目である。
- 現金・預貯金
- 土地・建物
- 上場株式・非上場株式
- 投資信託
- 生命保険・死亡退職金
- ゴルフ会員権
- 自動車
- 貴金属・骨董品
上記の遺産には評価額が定められており、すべての遺産の合計額を算出する。
算出後は基礎控除額である「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を差し引いた金額が課税遺産総額となる。
また非課税財産や負債がある場合、さらに基礎控除額と同様に遺産同額から差し引くことが可能だ。
法定相続分に按分する
遺産の合計額を算出した後は法定相続割合に按分する。
法定相続人が配偶者と子供2人の場合、配偶者が課税遺産総額の50%、子供一人あたり25%の法定相続割合となる。
基本的には配偶者が課税遺産総額の半分が法定相続割合となり、残りの相続人で50%を分ける形だ。
ただし、法定相続人が「配偶者と直系尊属」、「配偶者と兄弟姉妹」の場合はこの限りではない。
詳しくは下記の表を参考にしてほしい
法定相続人 | 法定相続割合 |
---|---|
配偶者と子供 | 配偶者・・・1/2 子ども・・・1/2を残りの相続人で分け合う |
配偶者と直系尊属 | 配偶者・・・2/3 子ども・・・1/3を残りの相続人で分け合う |
配偶者と兄弟姉妹 | 配偶者・・・3/4 子ども・・・1/4を残りの相続人で分け合う |
税率を掛けて算出する
法定相続割合に按分した価格に税率を掛け、控除額を差し引いた金額が相続税の納税額となる。
なお、配偶者は配偶者控除により法定相続割合に按分した金額が「1億6千万円」または「各人の課税価格の合計額×配偶者の法定相続分」の高い方まで非課税であるため、基本的に納税額が0円となる。
相続税早見表
下記の表は配偶者と子供が法定相続人の場合の相続税早見表である。
配偶者は配偶者控除により非課税となるため、子供の納税額を記載する。
課税遺産総額 | 配偶者と子供一人 | 配偶者と子供2人 (子供2人の合計額) | 配偶者と子供3人 (子供3人の合計額) |
---|---|---|---|
5,000万円 | 40万円 | 10万円 | 0円 |
6,000万円 | 90万円 | 60万円 | 30万円 |
7,000万円 | 160万円 | 113万円 | 80万円 |
8,000万円 | 235万円 | 175万円 | 138万円 |
9,000万円 | 310万円 | 240万円 | 200万円 |
1億円 | 385万円 | 315万円 | 262万円 |
1億5,000万円 | 920万円 | 748万円 | 665万円 |
2億円 | 1,670万円 | 1,350万円 | 1,218万円 |
2億5,000万円 | 2,460万円 | 1,985万円 | 1,800万円 |
3億 | 3,460万円 | 2,860万円 | 2,540万円 |
4億 | 5,460万円 | 4,610万円 | 4,155万円 |
5億円 | 7,605万円 | 6,555万円 | 5,963万円 |
10億円 | 1億9,750万円 | 1億7,810万円 | 1億6,635万円 |
30億円 | 7億4,145万円 | 7億380万円 | 6億7,433万円 |
50億円 | 12億9,145万円 | 12億5,380万円 | 12億1,615万円 |
相続税を安くする3つの方法とは
先ほどの早見表を見てわかる通り相続税は高額である。しかし相続税の納税額を抑えることが可能だ。
ここでは節税方法を紹介する。
現金を不動産へ換え評価額を下げる
現金は相続税において100%の評価額になるのに対し、不動産は20%~30%前後評価額を下げることができるため、課税遺産総額を圧縮することが可能だ。
例えば1億円の現金の場合、その金額のまま課税遺産総額に含まれるが、1億円の現金を用いてアパートやマンションなどの不動産を購入した場合、評価額は7,000万円~8,000万円ほどになる。
そのため課税対象額も下がることにつながり相続納税額の節税に繋げることが可能だ。
ただし節税目的に不動産を購入したとしても、毎月の家賃収入が貯蓄されると現預金が増え課税遺産総額が増加する可能性もある。
そのため現金から不動産へ資産の組み換えを行うタイミングを十分考慮しなければいけない。
小規模宅地等の特例を利用する
小規模宅地等の特例とは土地の評価額を最大80%圧縮できる特例だ。
土地の評価額が3,000万円の場合、600万円まで下げることができ、結果相続納税額の節税になる。
ただしすべての土地が適用できるわけではなく、用途に合わせて400㎡または330㎡までと決められている。
そのため小規模宅地等の特例制度を利用する際はどの土地に利用すべきか税理士へ検討しておくことをおすすめする。
生前贈与で財産を減らす
生前贈与とは被相続人が生前中に相続人へ財産を贈与することである。
生前贈与は年間110万円分までの財産であれば非課税で贈与できため、被相続人の財産を減らすことができ、課税遺産総額を下げることにつながる。
ただし、1,000万円の現金を10年間に渡って贈与しようとすると、「定期金給付契約に基づく定期金に関する権利」に該当するため、110万円未満であっても課税対象となることもある。
すなわち計画的な贈与は税務署から確認され、場合によっては非課税にならないということでもある。
不安や疑問は専門家に相談しよう
今回相続税の税率と早見表を紹介した。相続税は税率が高く、高額納税者が多い税金である。
さらに基礎控除額の改正により納税者が増えているため、誰でも軽視することはできない。
相続税は被相続人の財産によって税率が変わるため、納税額が分からない人は早見表を参考にしてほしい。
課税遺産総額が分からない方は、税理士へ相談するのとともに、節税方法を有効に利用すべきだろう。
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