株取引をする場合、個人投資家はネット証券で手数料を支払って売買しているが、そこで無視できないのが、手数料の存在である。ネット証券の手数料は、会社によって違いがある。
1回の手数料を安く抑えることができれば、少しでも多くの運用益を残すことができる。
そのため、ネット証券会社も少しでも手数料を安く抑え、顧客を集める努力を行っている。
今回は、個人投資家なら一度は聞いたことがある証券会社5社の手数料を見比べていく。
手数料の存在を知らなかった方は、「これくらいの取引でこういった手数料が発生するんだな」や、「こういった条件なら0円の会社が多いんだ」というように、ネット証券を見比べるための知識をつけていこう。
株取引におけるネット証券の手数料が発生する理由
ネット証券の手数料について比較する前に、なぜ手数料が発生するのか、支払いが必要な理由について知っているだろうか。まずは、手数料の正体について説明していく。
ネット証券の手数料とは?
株取引でネット証券が個人投資家から手数料を集めている理由は、売買における仲介料を受け取るためだ。
そもそも、上場株式というのは、東京証券取引所をはじめとして、証券取引所で売買が行われている。
その際、個人投資家は、証券取引所に対して注文を出しているわけではない。
なぜなら、個人投資家が証券取引所に注文を出してしまうと、全体的な売買の数が大きくなり、トラブルの原因となってしまうからだ。
この問題を回避するために、ネット証券が存在している。
ネット証券を介してまとめて注文を出すことで、システムのトラブルを抑えているということなのだ。
その委託料ということで、手数料を支払う必要があるのである。
ネット証券と総合証券なら、どっちがおすすめ?
株取引を行う場合、ネット証券と総合証券なら、どっちがお得なのか迷ったことはないだろうか。
間違いなくネット証券のほうがお得である。そもそも、総合証券とは何のことなのだろうか。
総合証券とは、実店舗を有している証券会社のことなのだ。
そのため、ネット証券は、次のような理由で手数料が安く設定されている。
- 個人投資家が店員に頼むことなく自分で取引を行っている
- 実店舗が存在しない
- 専属のアドバイザーがつかない
ネット証券は、実店舗がないため手数料が抑えられるというのはもちろん、専属のアドバイザーがつかないため、自由に取引ができる。
わからないことがあったとしても、インターネットで調べれば、どのような情報でも知ることができるため、非常に良い時代となった。
株式取引で有名なネット証券で手数料が安い会社を見比べる
実際にネット証券を見比べる前に、1約定制や1日定額制と呼ばれる仕組みについて簡単に理解しておこう。
1約定制(いちやくじょうせい)とは、1回の株式の取引で発生する手数料のことである。
そのため、2回取引すれば、2回分の手数料を支払う必要がある。
1日定額制とは、1日の約定額の合計によって手数料が決まる制度のことである。
そのため、この2つの項目で手数料を見比べる必要がある。
1約定制と1日定額制なら、どっちがおすすめ?
1約定制や1日定額制で2つ見比べる項目があるといわれても、どっちを見ればよいか困ってしまうかもしれない。
その場合は、次のような基準を持っておくとよいだろう。
たとえば、少額での投資のため1日1回100万円までしか株式を取引しないという場合、100万円までの1約定制で、手数料0円のネット証券会社を選ぶと良いだろう。
一方で、資本力があり、1日の株式の取引額が100万円を超えてしまう方は、1日定額制で手数料の安い証券会社を選ぶとよいだろう。
おそらく、デイトレードをやっている方で、比較的大きな金額で取引する方は、1日定額制で問題ないだろう。
ネット証券で手数料の安い会社一覧
個人投資家の方々の利用が多いネット証券5社を並べてみた。
証券会社 | SBI証券 | 楽天証券 | auカブコム証券 | マネックス証券 | GMOクリック証券 |
---|---|---|---|---|---|
1約定制10万 | 99円 | 99円 | 99円 | 99円 | 90円 |
1約定制50万 | 275円 | 275円 | 275円 | 275円 | 260円 |
1約定制100万 | 535円 | 535円 | 535円 | 535円 | 460円 |
1日定額制10万 | 0円 | 0円 | 0円 | 550円 | 0円 |
1日定額制50万 | 0円 | 0円 | 0円 | 550円 | 0円 |
1日定額制100万 | 0円 | 0円 | 0円 | 550円 | 0円 |
その他 | 25歳以下0円 | – | 25歳以下0円 | – | – |
実際に、1日定額制で見比べた場合、100万円以下は無料となっている証券会社が多いことがわかる。
株式取引で人気のある2大ネット証券口座の特徴
株式取引を行う個人投資家の間で人気のあるネット証券口座は、SBI証券と楽天証券である。
どちらも手数料が最安水準での利用が可能なため、それぞれの特徴を説明していく。
SBI証券の特徴
SBI証券では、1注文の約定代金に手数料が発生する国内株式現物取引のスタンダードプランと1日の約定代金合計額に手数料が発生するアクティブプランがある。
SBI証券は、口座開設数600万口座を突破している人気のネット証券会社で、アクティブプランが0円から利用できることで有名だ。
なによりすごいのは、25歳以下なら約定金額に関係なく現物手数料が実質無料になることだ。
年齢的に制度が利用可能な方は、有力な選択肢となるだろう。
【スタンダードプラン(現物)】
1注文の約定代金 | 手数料 |
---|---|
~5万円 | 50円(税込55円) |
~10万円 | 90円(税込99円) |
~20万円 | 105円(税込115円) |
~50万円 | 250円(税込275円) |
~100万円 | 487円(税込535円) |
~150万円 | 582円(税込640円) |
~3,000万円 | 921円(税込1,013円) |
3,000万円超 | 973円(税込1,070円) |
【アクティブプラン(現物)】
1日の約定代金合計額 | 手数料 |
---|---|
100万円まで | 0円 |
200万円まで | 1,238円(税込) |
300万円まで | 1,691円(税込) |
以降100万円増加ごとに | 295円ずつ増加(税込) |
楽天証券の特徴
楽天証券は、SBI証券と並んで口座開設数の非常に多い会社である。
楽天証券では、超割コースと呼ばれる1約定制がある。金額は、SBI証券と同一だ。
ただし、いちにち定額コースについては、SBI証券とは違いがあるため、自分の状況に応じて都合の良い会社を選ぶと良いだろう。
【超割コース】
1注文の約定代金 | 手数料 |
---|---|
~5万円 | 50円(税込55円) |
~10万円 | 90円(税込99円) |
~20万円 | 105円(税込115円) |
~50万円 | 250円(税込275円) |
~100万円 | 487円(税込535円) |
~150万円 | 582円(税込640円) |
~3,000万円 | 921円(税込1,013円) |
3,000万円超 | 973円(税込1,070円) |
【いちにち定額コース】
1日の取引金額合計 | 手数料 | 手数料 |
---|---|---|
旧 | 新 | |
50万円まで | 0円 | 0円 |
100万円まで | 943円(税込) | 0円 |
200万円まで | 2,200円(税込) | 2,200円(税込) |
300万円まで以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)を追加。 | 3,300円(税込) | 3,300円(税込) |
まとめ
現状、ネット証券の手数料は、非常に安く抑えられている。そのため、どこを利用したとしても、特別大きな差や失敗につながることはない。
もし、安定性や信用性の観点から多くの人が利用している会社が良ければ、楽天証券やSBI証券で問題ないだろう。
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