- 100万円で資産運用を始めたい
- 資産運用におけるリスク管理の考え方が知りたい
- 100万円を運用して大きなリターンを得たい
100万円を効果的に増やすためには、資産運用の基本を押さえて適切にリスクコントロールすることが重要だ。
では、具体的にどのような金融商品で運用すればよいのだろうか?
本記事では、100万円で始められる資産運用や、注意点について解説していく。
資産運用の適切な金額はいくらなのか、より詳しく知りたい人は下記の記事を参考にするといいだろう。
資産運用の適切な金額について、分かりやすく解説されている。
100万円の資産運用で得られるリターン
100万円を資産運用に回す際、「どれくらいの利益が得られるのだろう」とイメージが沸かないこともあるだろう。
まずは、100万円の資産運用で得られるリターンについて、利回り・運用期間別に確認していこう。
100万円を運用した場合の成果
運用期間/利回り | 1% | 3% | 5% |
---|---|---|---|
5年 | 105万1,010円 | 115万9,274円 | 127万6,282円 |
10年 | 110万4,622円 | 134万3,916円 | 162万8,895円 |
15年 | 116万969円 | 155万7,967円 | 207万8,928円 |
20年 | 122万190円 | 180万6,111円 | 265万3,298円 |
25年 | 128万2,432円 | 209万3,778円 | 338万6,355円 |
30年 | 134万7,849円 | 242万7,262円 | 432万1,942円 |
資産運用では、運用期間が長くなるほど複利効果が得られ、元本の100万円を数倍に増やすことも不可能ではない。
100万円で始められる資産運用
100万円で始める運用先には、次のような選択肢がある。
- 投資信託
- 株式
- 債券
- ロボアドバイザー
それぞれ特徴をくわしく紹介していこう。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金をひとまとめにして、プロの投資家に運用を任せる金融商品だ。
「ファンドマネージャー」と呼ばれる人が、投資先の選定を行ってくれるため、投資家は銘柄選定を行う手間がかからない。
また、投資信託は複数の銘柄を組み合わせて運用することから、1つのファンドに投資するだけで分散投資ができる点も魅力だ。
投資信託は少額から購入できるため、たとえば「25万円ずつ4つのファンドを買う」など100万円でもしっかりとポートフォリオを組むことができる。
「手軽に分散投資がしたい」、「自分で銘柄選定を行う自信がない」という人は、投資信託を検討してみるとよいだろう。
株式
株式投資は、企業が発行する株式を購入して直接投資を行う方法だ。
企業の業績が上がると株価も上昇するため、企業の成長とともに資産の増加が見込める金融商品である。
日本の株式市場では「単元株制度」が導入されており、100株単位での売買が行われている。
仮に1株=1万円の株式を買い付ける場合、1単元の購入に100万円が必要となる。
リスクを低減するためには、1社のみに100万円を投じることは避けたい。
万が一、その1社が経営破綻してしまうと、保有資産がすべてなくなる可能性があるためだ。
証券会社によっては「単元未満株」を取り扱っており、1株単位で売買が可能なところもある。
よりリスクを分散するためには、そうしたサービスを活用しながら、分散投資を行うことを心がけよう。
債券
債券とは、企業や国、自治体が発行する証券である。
株式と異なる点は、あらかじめ満期や利回りが定められているという点だ。
たとえば、100万円で満期5年、利回り2%の債券を購入した場合、毎年税引前で2万円の利息を受け取ることができる。
その後、5年の満期が到来すると、預けた元本が償還される仕組みだ。
債券は発行体が債務不履行(デフォルト)にならない限り、預けた元本がそのまま償還されるため、株式投資に比べてリスクが低いとされている。
その分、得られるリターンも限定的ではあるが、「低リスク商品で運用したい」、「計画的に運用したい」という人は、債券投資を選ぶことがおすすめだ。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーとは、AIの機能を活用して金融商品を紹介してくれたり、運用を任せられたりする金融商品だ。
ロボアドバイザーには大きく分けて2種類あり、詳細は下記の通りとなっている。
助言型 | 投資意向に応じておすすめの金融商品やポートフォリオを提案してくれる |
---|---|
一任型 | 投資意向に応じて保有資産の売買を任せられる |
助言型は金融商品に関するアドバイスを得られるものの、最終的に投資先を選定するのは自分となる。
一方、一任型は金融商品の選定から売買まで任せられるものだ。
どちらのロボアドバイザーを取り扱っているかは金融機関によって異なるため、自分の投資意向や投資経験に合わせて検討してみよう。
100万円の資産運用で注意したいポイント
100万円の資産運用に取り組む際は、次のような点に注意したい。
- 余裕資産で取り組む
- 投資意向を明確にする
- 長期投資を前提にする
- 積立投資で買う方法も
- 分散投資を徹底する
それぞれくわしく確認していこう。
注意点①余裕資産で取り組む
資産運用は、必ず余裕資産で取り組む必要がある。
金融商品は元本を下回るリスクがあるため、生活費など使う予定のあるお金を充てると、家計の収支バランスが崩れてしまいかねない。
自分の余裕資産を把握するためには、まずお金を下記の3つに区分けしてみよう。
使うお金 | 生活費などすぐに使う予定があるお金 |
---|---|
貯めるお金 | 近い将来使う予定が決まっているお金 |
増やすお金 | 当面使う予定がないお金 |
この内、資産運用に回せるのは「増やすお金」に該当する部分だ。
100万円を資産運用に回す際は、当面使う予定のない「増やす資産」に該当するお金であることをきちんと確認しておこう。
また、資産運用に取り組む際は、「生活防衛資金」も確保しておきたい。
生活防衛資金とは、病気やケガなどで働けなくなった場合の当面の生活を支える資金だ。
生活防衛資金の目安は、「1ヶ月分の支出×半年分」といわれている。
仮に1ヶ月20万円を生活費として使っている場合、120万円を生活防衛資金として手元に用意しておくと安心だ。
注意点②投資意向を明確にする
資産運用を始めるときは、投資意向を明確にしておくことも重要である。
具体的には、次のようなことを明確にしておこう。
- 運用期間
- 運用金額
- 運用を行う目的
- どれくらいの損失に耐えられるか
- 目指したい利回り など
もし、投資意向が明確になっていなければ、どのような金融商品に投資すればよいのかも分からない。
自分の意向よりもハイリスクな商品で運用してしまうと、「許容範囲以上の損失を負ってしまった」ということにもなりかねない。
適切な投資先を選んで安定的に資産運用に取り組むためには、まず自分の考えや希望をクリアにしておきたい。
後から振り返れるように、ノートなどに書き記しておくこともおすすめだ。
注意点③長期投資を前提にする
資産運用に取り組む際は、長期投資を前提としたい。
先ほど100万円の運用シミュレーションで見たように、資産運用は運用期間が長くなるほど複利効果を得やすくなる。
より資産運用の効果を高めるには、なるべく長い時間運用を行うことが重要だ。
実際に運用を始めてみると、少しの値動きが不安になって「もう売却した方がよいのでは」と感じることもある。
しかし、感情的に短期売買を行うと、損失が積み重なることにもつながる。
最初は価格動向が気になってしまうかもしれないが、長い目線で取り組むことを忘れないようにしよう。
なお、「売却のタイミングが分からない」という場合は、「◯%の利益(損失)が出たら売却する」など、利益確定と損切りのタイミングの目安を具体的に設定しておくことがおすすめだ。
注意点④積立投資で買う方法も
100万円を投資する場合であっても、一括投資にこだわる必要はない。
一括投資は右肩上がりの相場では利益の幅が大きくなるものの、「今が買い時かどうか」と判断するのはプロでも難しい。
中には、「今がベストタイミングだ」と思って買っても、後から振り返ると高値掴みをしてしまったケースも少なくない。
より高値掴みのリスクを抑えるためには、積立投資で購入することも検討したい。
たとえば、「10万円ずつ10回購入する」という設定であれば、約1年かけてタイミングを分散できる。
「5万円ずつ20回購入する」など、さらにタイミングを分散してもよいだろう。
「買い時を判断する自信がない」という場合は、積立投資で購入することがおすすめだ。
注意点⑤分散投資を徹底する
分散投資は資産運用の基本である。
複数の金融商品を組み合わせて運用することで、リスクを分散できるメリットがあるためだ。
たとえば、A商品で20万円の損失が出た場合、B商品で30万円の利益が出ていれば、トータルでは10万円の利益となる。
もしどれか1つの商品に集中投資していると、分散投資のように損益をカバーし合うことができない。
100万円で資産運用する場合は、1つの金融商品だけに投資するのではなく、値動きの異なる複数の金融商品に分散投資することを心がけよう。
100万円の資産運用はNISAを活用しよう
100万円で資産運用に取り組む際は、NISA制度を活用することも検討したい。
NISA制度は株式や投資信託で得た利益が非課税となる税制優遇制度である。
株式や投資信託で得た利益は通常20.315%の税金がかかるため、仮に100万円の資産運用で10万円の運用益を得た場合、約2万円の税金が差し引かれる。
しかし、NISA口座での運用であれば非課税となるため、利益の10万円をそのまま受け取れる仕組みだ。
NISA制度は2014年からスタートし、2024年1月に大きな改正が行われた。制度概要は下記の通りとなっている。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税期間 | 無期限化 | |
非課税保有限度額 (生涯投資枠) | 1,800万円(内、成長投資枠は最大1,200万円) | |
対象となる金融商品 | 金融庁の定める基準を クリアした投資信託、ETF | 株式、投資信託、ETF (※一部対象外あり) |
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの非課税枠があるが、100万円であればどちらの枠を利用しても非課税の範囲内に収められる。
それぞれ対象となる金融商品や買付方法が異なるため、自分の投資意向に合った方法で非課税制度を活用してみよう。
100万円の資産運用は誰に相談するべきか?
資産運用の方法に悩むときは、金融のプロであるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)へ相談することを検討したい。
ここからは、IFAへ相談するメリットや相談先の探し方について紹介していこう。
IFAに相談するメリット
IFAとは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーで、特定の金融機関に所属していないことが大きな特徴だ。
資産運用の相談は金融機関でもできるが、「手数料の高い商品を薦められるのでは」、「営業トークに付き合わされそう」といった不安を感じることもあるだろう。
もちろん、金融機関でも顧客の意向を第一とした営業活動を行っているが、企業利益を追求する必要がある以上、完全に顧客目線で営業を行うことは難しいといえる。
その点、IFAは金融機関の職員ではないため、企業利益や営業ノルマに縛られずにアドバイスをもらえるメリットがある。
顧客の意向をしっかりとヒアリングしたうえで商品を提案してくれるので、投資経験が浅い人でも安心して資産運用に取り組むことが可能だ。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」の利用が便利
近年、IFAの需要の高まりを受けてIFA法人が増加している。
そのため、「どのIFAに相談すればいいのだろう?」と悩むことも少なくない。
自分に合ったIFAを探すためには、IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用することがおすすめだ。
「資産運用ナビ」では、簡単な質問に答えるだけで相性の良いIFAとマッチングしてくれる。
資産の状況や投資経験、投資意向などに応じて相性の良いIFAを紹介してくれるので、より適切なアドバイスを受けることができる。
検索サービスは無料で利用できるので、ぜひ気軽に活用してみよう。
100万円の資産運用は投資目的を決めてからスタートしよう
100万円の資産運用では、投資信託や株式、債券など多くの投資先の選択肢がある。
より適切な資産運用に取り組むためには、自分の投資意向を明確にしたうえで投資先を選定することが大切だ。
また、資産運用に不安を感じる場合は金融のプロであるIFAへ相談することも検討したい。
IFA検索サービス「資産運用ナビ」を活用して、資産運用のパートナーとなるようなIFAを探してみよう。