- 野村證券を利用すべきかどうか悩んでいる
- 他社との違いがわからない
- 投資初心者で、運用を誰に相談すれば良いのかわからない
数ある証券会社の中でも人気が高いのが、野村證券だ。「歴史が長く実績が豊富」というだけでなく、野村證券にはさまざまなメリットがある。
本記事では、野村證券について詳しく解説する。他社との比較も行いながら、野村證券の強み・弱みを明らかにしていこう。
野村證券を利用すべきかどうか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてほしい。
野村證券の基本情報
まずは、野村證券の基本情報を整理していく。企業としての歴史や将来的なビジョン、顧客満足度などをチェックしていこう。
野村證券とは
野村證券が誕生したのは1925年、もうじき100周年を迎える歴史ある企業だ。創業者は二代目野村徳七であり、父である初代徳七から両替商を受け継ぎ、のちに野村徳七商店へと発展させた。
株式売買に力を入れるようになり、1925年に社員数84名で野村證券を設立した。当時から受け継がれている野村グループの精神は、二代目野村徳七が説いた次の言葉である。
「証券報国こそは野村證券の職域奉公の実体にして、あくまでもこれを貫徹すべく」
※(証券を通じて国家に貢献することは野村證券の本質であり、あくまでもこれに徹すること)
将来的なビジョンとして、野村グループ全体で「2025年3学期にROE8〜10%」を掲げている。
「社会課題の解決を通じて持続的成長の実現」を通じて、投資した金額のうち、8〜10%が自社利益になるような経営を目指しているのだ。
野村證券の強み
野村證券では、毎年3月期に店頭顧客満足度調査を実施している(0〜10の11段階評価)。
以下の表は2019年〜2022年の結果だ。
2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
---|---|---|---|---|
10 | 37.7 | 37.1 | 36.1 | 41.1 |
9 | 18.9 | 19.6 | 19.6 | 19.6 |
8 | 24.3 | 26.1 | 24.1 | 22.5 |
7 | 8.5 | 8.6 | 8.3 | 7.5 |
6 | 3.2 | 2.9 | 3.3 | 3.1 |
5 | 4.0 | 3.3 | 4.3 | 3.5 |
4 | 0.9 | 0.8 | 1.0 | 0.7 |
3 | 1.0 | 0.8 | 1.4 | 0.9 |
2 | 0.7 | 0.4 | 0.9 | 0.6 |
1 | 0.3 | 0.3 | 0.5 | 0.3 |
0 | 0.5 | 0.2 | 0.4 | 0.1 |
着目すべきは、8〜10の評価割合が年々増加している点だ。2021年には一時80%を下回っているが、2022年には8〜10の評価割合が83.2%を記録している。
こうした顧客満足度評価から、野村證券のサービス品質の高さや、企業としての信頼性がうかがえる。
野村證券のサービス
国内株式と外国株式、オンライン支店と店舗における、野村證券の手数料をまとめた。
国内株式 | |||
オンライン | 店舗 | ||
〜10万円 | 152円 | 20万円以下 | 2,860円 |
〜30万円 | 330円 | 20万円超 50万円以下 | 1.4300% |
〜50万円 | 524円 | 50万円超 70万円以下 | 1.1000% + 1,650円 |
〜100万円 | 1,048円 | 70万円超 100万円以下 | 0.9460% + 2,728円 |
〜200万円 | 2,095円 | 100万円超 300万円以下 | 0.8800% + 3,388円 |
〜300万円 | 3,143円 | 300万円超 500万円以下 | 0.8470% + 4,378円 |
〜500万円 | 5,238円 | 500万円超 1,000万円以下 | 0.7040% + 11,528円 |
〜1,000万円 | 10,476円 | 1,000万円超 3,000万円以下 | 0.5720% + 24,728円 |
外国株式 | |||
オンライン | 店舗 | ||
~20万円 | 2,389円 | 71,000円以下 | 11.00% |
~30万円 | 3,142円 | 71,000円超 75万円以下 | 7,810円 |
~40万円 | 4,274円 | 75万円超 500万円以下 | 1.0450% |
~50万円 | 5,405円 | 500万円超 1,000万円以下 | 0.8250% + 11,000円 |
~75万円 | 5,866円 | 1,000万円超 5,000万円以下 | 0.6160% + 31,900円 |
~100万円 | 6,160円 | 5,000万円超 1億円以下 | 0.4180% + 130,900円 |
~150万円 | 8,045円 | 1億円超の場合 | 0.1980% + 350,900円 |
~200万円 | 11,817円 | – | – |
また、投資商品のラインナップについても野村證券は非常に豊富だ。
国内株式 | 外国株式 | 債券 |
---|---|---|
ETF/ETN REIT IPO PO TOB 株式積立 まめ株 信用取引 | アメリカ株式 香港株式 ドイツ株式 オーストラリア株式 アメリカETF | 個人向け国債 円建債券 新発外貨建債券 既発外貨建債券 CB |
取引手数料や取扱商品の他社比較については、次章で紹介する。
- 出典:野村證券株式会社「オンライン専用支店の手数料」、「店舗(本・支店)の手数料」、「商品・サービス」
野村證券の強み・弱み
続いて、他の証券会社と比較しながら、野村證券の強みと弱みを明らかにしていく。
取引手数料
投資家にとって最も身近なコストといえば、やはり取引手数料だ。「取引手数料は低いがサービス品質が悪い」は論外だが、取引手数料は安いに越したことはない。
では、野村證券と主要証券会社の取引手数料を比較してみよう。比較はネット証券の日本株取引手数料に絞る。
〜5万円 | 〜10万円 | 〜30万円 | 〜50万円 | 〜100万円 | |
---|---|---|---|---|---|
野村證券 | 152円 | 152円 | 330円 | 524円 | 1,048円 |
楽天証券 | 55円 | 99円 | 275円 | 275円 | 535円 |
SBI証券 | 55円 | 99円 | 275円 | 275円 | 535円 |
auカブコム証券 | 55円 | 99円 | 275円 | 275円 | 535円 |
マネックス証券 | 55円 | 99円 | 275円 | 275円 | 535円 |
松井証券 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 1,100円 |
表の通り、野村證券の取引手数料は他社と比べて高い。松井証券を除けば、「〜50万円」「〜100万円」の取引手数料は他社の2倍ほどある。
一方で、「取引手数料の高さが企業としての信頼性やサービス品質の高さを表している」、という見方もできる。
とはいえ高頻度に取引を行う投資家にとって、野村證券の手数料の高さは大きなマイナスになる可能性があるため、注意が必要だ。
提供サービス
野村證券の取扱商品数は、以下のとおりである。
- 国内株式:4,735銘柄
- 外国株式:1,180銘柄
- 国内投資信託:1,197銘柄
- 外国投資信託:134銘柄
国内株式の銘柄数は、各証券会社と比較してトップクラスだ。外国株式(ETF含む)は他社と比較して少ないものの、主要商品は揃えている。
国内株式を中心にポートフォリオを組みたい投資家にとって、野村證券は強みのある証券会社と言えるだろう。また、国内トップの証券会社として協力な情報網を敷き、国内を中心に幅広い、信頼性の高い情報を提供している。
ただし、最近では証券会社の顧客担当者から得られる情報だけでなく、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)など、その他の投資専門家を活用する投資家が増えている。
IFAの場合、証券会社や銀行などに所属せず、独立的な立場から投資戦略のアドバイスが守られる。
IFAなどからセカンドオピニオンをもらうことで、証券会社から得る情報や提案される投資戦略をより適切なものにアップデートし、リスクの低減とリターンの増加を狙える可能性があるのだ。
カスタマーサポート
証券会社比較で忘れてはいけないのが、サポート体制の比較だ。カスタマーサポートの質によって投資戦略が変わったり、収益が変動したりすることは、少なくない。
野村證券のサポート体制は、24時間営業こそしていないが土日にも電話対応してくれるコールセンターがあるのは嬉しいポイントだ。
実は、利便性の高さで人気を集めるネット証券の中にも、土日に電話対応してくれる証券会社はほとんど存在しない。楽天証券、SBI証券、auカブコム証券、マネックス証券、松井証券、これらはいずれも平日日中の電話対応のみだ。
土日も含めたサポート体制は野村證券の大きな強みと言える。本業のかたわら投資を行う投資家にとって、土日の電話対応は外せない条件だろう。
あなたに最適な証券会社選びのポイント
ここまで、野村證券の基本情報や強み・弱みを解説した。
それらの情報を踏まえて、自分にとって最適な証券会社を選ぶポイントを紹介する。
投資スタイルと証券会社のマッチング
まず大切なのは、「投資スタイルと証券会社のマッチング」である。
たとえば野村證券は、国内株式に強い。にもかかわらず、外国株式へ幅広く投資したい人が野村證券を選ぶと、選択肢が狭められてしまう。
つまり野村證券を選ぶ場合は、「国内株式を中心のポートフォリオを組む投資スタイル」にマッチしている。
「国内トップの大手で企業としての安定感もある」という印象通り、保守寄りな投資スタイルに向いているのが野村證券だ。
大型優良株から小型株まで、幅広い外国株式でポートフォリオを組み、攻めの投資スタイルを持った人には他の証券会社の利用を検討してみても良いだろう。
自身のニーズに適した証券会社の選び方
「自身のニーズ」を深く理解することも忘れてはならない。投資に対するニーズは、しっかりと掘り下げて考えない限り、自分自身でも把握できていないことが多い。
まずやるべきは、「投資の目的と目標」を決めることだ。
- なぜ投資をするのか?
- どれくらいの資産を形成したいのか?
- いつまでに達成したいのか?
上記の3項目を明確にすることで、「投資の目的と目標」が決まる。
そこから自身の投資ニーズを掘り下げ、最適な証券会社を選んでいく。実に基本的なことだが、自身に適した証券会社を選ぶためには、大切なプロセスだ。
これから投資を始める初心者が知るべきポイント
これから投資を始める初心者に知っておきたいポイントは、「分散投資」と「専門家とのパートナーシップ」である。
分散投資というのは、資産を1箇所に集中させるのではなく、複数の金融商品に分散することで、リスクを抑える投資戦略だ。
手元にまとまった資金があるからといって、全てを一つの金融商品に投資してはいけない。のぞめるリターンは大きいが、元本割れのリスクも非常に高い。投資の初心者だけでなく上級者も取り入れているポイントだ。
もう一つのポイントである「専門家とのパートナーシップ」とは、投資や資産形成について専門的な知識・ノウハウを持っている個人または法人と、協力しながら投資戦略を組み立てていくということだ。
投資は信頼性の高い情報を幅広く収集し、根拠を持って意思決定を下す必要がある。投資初心者にとって、情報収集は最も苦労する要素であるため、「専門家とのパートナーシップ」が重要になる。
そこで活用を検討してほしいのが、「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」だ。
IFAがあなたの投資選択をサポート
本記事では野村證券の取引手数料や取扱商品なども紹介したが、それらの情報だけでは、投資初心者は判断に困るだろう。そこで、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用を検討してみてほしい。
IFAとは
IFAとは、証券会社や金融機関に属さない、独立的な立場から顧客に投資アドバイスを行う専門家のことだ。
証券会社・金融機関出身者が多く、豊富な金融商品知識と、ファイナンシャルアドバイザー時代に得たノウハウで顧客の投資ライフをサポートする。
いわば、「パーソナル投資アドバイザー」として活躍してくれる存在だ。
IFAが提供するサービスとそのメリット
IFAはさまざまなサービスを提供している。一般的には次のようなサービスがある。
- 投資ポートフォリオの作成、見直し
- 投資戦略やバランスの調整、見直し
- 信頼性の高い投資情報の提供
- 中長期的な資産形成に関するアドバイス
- リスク・リターンのバランスを検討
投資初心者だけでなく、中級者以上でもこれらのサービスを受けるメリットは大きい。
自分一人の判断ではなく、専門家のセカンドオピニオンを取り入れながら意思決定を下す方が、信頼性の高い投資が行える。
IFAを利用するとき、知っておくべきこと
IFAは独立的な立場からさまざまな投資戦略を提案してくれる。しかし、IFAとのマッチングが非常に重要だ。
たとえば、IFAごとに得意としている投資スタイルや資産形成・運用は異なる。自身の投資スタイルや投資の目標・目的にマッチしないIFAを選んでしまうと、メリットを最大限享受できない可能性が高い。
そこで活用してほしいのが、「わたしのIFA」だ。
「わたしのIFA」ではユーザーが入力した情報に応じて、最適なIFAを自動でマッチングしている。しかも相談は無料なため、さまざまなIFAとコミュニケーションを取りながら、自身にマッチしたIFAを探すことができる。
まとめ
本記事では野村證券の基本情報や、他社比較などを解説した。野村證券は信頼性の高い証券会社だが、すべての投資家にマッチするわけではない。まずは投資の目的・目標を決め、自身にマッチする証券会社選びを心がけよう。
また、投資初心者には、IFAの活用をおすすめする。「何から相談すればいいかもわからない」という状態でも問題ない。IFAは投資の目的・目標を決めるところから、親身になってアドバイスをくれる。
現在、以下のボタンから無料相談を実施している。色々なIFAに相談しながら、自身の投資スタイルを見つけていけるのも、「わたしのIFA」のメリットだ。